JPH0323166Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は洗浄槽内にノズルアーム及びヒータを
配設すると共に、これらの上方に食器類を収容す
る食器かごを設け、この食器類をノズルアームか
ら噴射した洗浄水によつて洗い、その後にかごご
とヒータによつて加熱乾燥する食器洗浄乾燥機に
関する。

(ロ) 従来の技術 この種の食器洗浄乾燥機に用いられる小物容器
の一例が実公昭50−6212号公報や実開昭57−
20964号公報に開示されている。これは底板を山
形とすると共に、底板全面に通気口を形成してい
る。そして、洗い時には底板上に食滓が残りにく
く、乾燥時には乾燥風が良く上昇し、食器類の乾
燥度合はこの乾燥風と食器類との接触度合で決ま
るようになつている。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 しかしながら、従来例にあつては、乾燥風が底
板両端部近辺では小物の食器（ハシ等）に部分的
に接触しただけでそのまま上昇し、乾燥効率が不
充分と成ることがあつた。

本考案は、通風口群の配置を工夫すると共に、
供給熱を有効利用することにより、乾燥効率の向
上を図るものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案による解決手段は、山形の底板上に格子
から成る複数の収容室を区画形成した小物容器を
備え、この容器の底板の頂部近傍に通気口群を集
中して設けると共に、この底板の外底面には収容
室よりも多数のリブを底板最低部から出ないよう
に突設した構成である。

(ホ) 作用 底板頂部に通気口群を集中すると、乾燥風は中
央に集中されて上昇し且つ拡散していき、ハシ等
の小物と接触しやすくなる。一方、小物の下端は
むしろ乾燥風と接触しにくくなるが、多数のリブ
が容器下部に於ける熱容量を大としており、乾燥
風から蓄熱した多数の当該リブが底板へ伝熱し、
また熱を輻射させ、乾燥風によらずとも小物下部
を確実に乾燥させるのである。

(ヘ) 実施例 図面に基づいて説明すると、１は食器洗浄乾燥
機の機体であり、その内部には洗浄槽２、洗浄ポ
ンプ３、排水ポンプ４、吸排気用のブロワー５等
を配設し、洗浄槽２の前面開口には開閉扉６を設
けている。洗浄槽２内では、洗浄ポンプ３が槽内
の洗浄水を循環させる時に洗浄水を噴射させるノ
ズルアーム７及び洗浄水を加熱し或いは乾燥風を
作るヒータ８を下段に配し、これらの上方にコー
テイングした金属線材から成る食器かご９を出し
入れ自在に配している。１０は循環水のためのフ
イルター、１１はかご９のローラ１２を出し入れ
方向にガイドするレールである。

ここで、上記かご９に対しては、別途全体を樹
脂で一体成型され且つ小物（ハシ、スプーン、フ
オーク等）Ｇを入れる容器１３が着脱自在に装着
される。

この小物容器１３は、第２図〜第５図で示すよ
うに、外形の縦横の寸法が長く、前後の寸法が短
い箱形状である。詳しくは、まず横長の底板１４
をその前後方向での中央を全長に亘つて高くして
（頂部Ｐとして）山形とし、この床板１４の両端
から小巾の側桟１５，１５を立設すると共に、上
記頂部Ｐ上での所定間隔毎４ヶ所から同じく小巾
の支持桟１６…を立設している。そして、側桟１
５，１５及び支持桟１６…に、水平方向の前桟１
７…、後桟１８…及び中央桟１９…を上下数段に
て連結桟２０…によつて連結しており、こうして
各桟１５，１６，１７，１８，１９，２０によつ
て複数（10個）の収容室２１…を区画形成してい
るのである。尚、前桟１７…、後桟１８…及び中
央桟１９…は相互に水平方向で合致しないように
ずらせて配置してある。

更に、斯る小物容器１３にあつては、底板１４
の両端開口を底辺まで閉じるように三角リブ２
２，２２を垂設すると共に、底板１４の外底面で
の所定間隔毎９ヶ所に同じ三角リブ２２…を垂設
し、また、上記頂部Ｐ下には三角リブ２２…と交
叉するように横長リブ２３を垂設している。そし
て、底板１４の頂部Ｐ近傍に限つて小さな通気口
２４…を設けている。

かくして、洗浄槽２内に給水し、ヒータ８で60
℃〜70℃を上限として加熱しつつ洗浄ポンプ３を
駆動すると、温められた洗浄水がノズルアーム７
から噴射し、かご９や容器１３内の食器類を洗
う。小物容器１３では桟１７…、１８…、１９…
がずれていることから噴射洗浄水が内部までよく
到達する。従つて、容器１３の各収容室２１…内
で倒れることなく収容されている小物Ｇは、上か
ら下まで確実に洗われる。この後は、排、給水を
繰返して洗い、すすがれ、この間内部に溜りやす
い食滓等は底板１４の傾斜に沿つて流下する。

乾燥作業は排水後にヒータ８による加熱と、ブ
ロワー５による吸排気とにより実行されるが、下
方から吹き出された外気はヒータ２５に加熱され
て前方に流動し、乾燥風として下方から上方へと
昇つていく。小物容器１３にあつては、上昇する
乾燥風を底板１４の傾斜によつて頂部Ｐ近傍に集
め、通気口２４…から各収容室２１…内に導入
し、且つここから拡散させる。無論、乾燥風は容
器１３の前後左右から内部に侵入している。一
方、底板１４の外底面では該底板及びリブ２２
…、２３が蓄熱している。

こうして、各収容室２１…内では底板１４下方
から無駄なく集められた乾燥風を導入し、小物Ｇ
に対して拡散させているので、乾燥効率が上る。
そして、このままでは通気口２４…から離れた底
板１４の前後端付近に立てられた小物Ｇの下部を
乾燥させにくいが、小物Ｇの下部は底板１４及び
その外底のリブ２２…、２３が蓄えられた熱を輻
射させることにより、確実に乾燥されるのであ
る。即ち、リブ２２…を収容室２１…の数より多
くして底部の熱容量を大とし、上昇風を生じやす
くし、加熱乾燥を促進させている。

尚、リブ２２…の数、太さ（巾）は通気口２４
…での通風量等との関係で適正化するものであ
る。

(ト) 考案の効果 本考案に依れば、小物容器の底板を山形として
その頂部近傍にだけ通気口群を形成したので、食
滓の流下を促して清浄度を保持できると共に、下
方からの乾燥風を漏れ少く容器底部から内部に導
入できる。また、底板外底に多数のリブを設けて
該部に於ける熱容量を増加させたので、底部近傍
への乾燥風の上昇を促すことができると共に、小
物下部を熱輻射により確実に乾燥することができ
る。

この結果、清浄度、乾燥効率に秀れた食器洗浄
乾燥機を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による食器洗浄乾燥機の内部機
構図、第２図は小物容器の右半部の正面図、第３
図は同じく平面図、第４図は同じく底面図、第５
図は第３図Ａ−Ａ断面図である。 ２……洗浄槽、７……ノズルアーム、８……ヒ
ータ、９……食器かご、１３……小物容器、１４
……底板、Ｐ……頂部、２１……収容室、２２，
２３……リブ、２４……通気口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗浄槽内の下段にノズルアーム及びヒータを配
   設すると共に、上段には食器類を収容する食器か
   ごを配設し、この食器類をノズルアームから噴射
   した洗浄水によつて洗い、その後にヒータによつ
   て加熱乾燥するものに於いて、上記食器かごに一
   体形成され或いはこの食器かごに着脱自在に取付
   けられた小物容器を設け、上記小物容器が山形の
   底板上に格子から成る複数の収容室を区画形成し
   て構成されており、上記底板の頂部近傍に通気口
   群を集中して設けると共に、この底板の外底面に
   は上記収容室よりも多数のリブを底板最低部から
   出ないように突設したことを特徴とする食器洗浄
   乾燥機。