JPH0323159B2 - - Google Patents

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JPH0323159B2
JPH0323159B2 JP8408081A JP8408081A JPH0323159B2 JP H0323159 B2 JPH0323159 B2 JP H0323159B2 JP 8408081 A JP8408081 A JP 8408081A JP 8408081 A JP8408081 A JP 8408081A JP H0323159 B2 JPH0323159 B2 JP H0323159B2
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JP
Japan
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acid
microorganisms
manufacturing
reaction
benzoylformic
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JP8408081A
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English (en)
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JPS57198097A (en
Inventor
Shigeki Hamaguchi
Masahiro Ogura
Junzo Hasegawa
Hajime Kawarada
Kyoshi Watanabe
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、医薬品原料或いは安価な光学分割剤
として有用なL(+)−マンデル酸を微生物を利用
して工業的に製造する方法に関するものである。 従来、マンデル酸の光学活性体を得る方法とし
てエフエドリン、シンコニン等の光学分割剤を用
いる方法が知られている〔L.Gattermann and
H.Wieland、“Die Praxis des Organischen
Chemikers”35Aufl.SI99.Walter de Gruyter
(1953)〕。しかし、このような光学分割剤を用い
る方法では、目的とする光学活性マンデル酸が最
大50%の収率でしか得られず、また分割剤が高価
である等、工業的方法として難点があつた。一
方、合成法としては、ベンゾイルギ酸(1)やベンゾ
イルギ酸エステル(2)から不斉還元反応により光学
活性なマンデル酸を得る方法が知られている
(1)D.Nasipuri and C.K.Ghosh;Journal of the
Indian Chemical Society、44(6)、556−8、
(1967)、(2)A.Oh6o、M.Ikeguchi、T.Kimura and
S.Oka;Journal of the American Chemical
Society、101、7036−40、(1979)〕。 しかし、これらの方法は光学純度或いは使用す
る不斉還元触媒のコストの点で問題がある。 本発明者らはかかる問題点を解決し、かつ工業
的に有利に製造することを目的として鋭意研究を
重ねた結果、微生物を利用してベンゾイルギ酸よ
り不斉還元反応により、L(+)−マンデル酸を高
収率で、かつ高純度で得る方法を見い出した。微
生物を利用してベンゾイルギ酸よりL(+)−マン
デル酸を蓄積させたのは、これが最初である。 本発明は更に詳しくは、ベンゾイルギ酸に、こ
のものをL(+)−マンデル酸に変換しうる能力を
有するラクトバチルス属又はペデイオコツカス属
に属する微生物を作用せしめ、生成したL(+)−
マンデル酸を採取することを特徴とするL(+)−
マンデル酸の製造法に関するものである。 本発明に使用されるベンゾイルギ酸からL(+)
−マンデル酸へ変換する代謝系をもつ微生物とし
ては、例えば、ラクトバチルス・ブリガリカス
(Lactobacillus bulgaricus)IFO 3533、ラクト
バチルス・プランタルム(Lactobacillus
plantarum)IFO 3070、ラクトバチルス・ペン
トサス(Lactobacillus pentosus)IFO 12011、
ペデイオコツカス・パルブルス(Pediococcus
parvulus)IFO 12233、ペデイオコツカス・ペン
トサセウス(Pediococcus pentosaceus)IFO
3891が挙げられる(但し、IFO:財団法人発酵研
究所)。これら微生物の培養には、通常これらの
菌が資化しうる有機及び無機の炭素源、窒素源及
びビタミン、ミネラル等を適宜配合したものを用
い、PH3.0〜9.0、温度20〜40℃の範囲で1〜7日
間培養すれば良い。又、菌の種類によつては通気
撹拌し、微生物の生育を促進させることもでき
る。一方、反応基質であるベンゾイルギ酸との不
斉還元反応においては、培養の開始時に培地中に
反応基質を添加し、前記培養条件と同じPH、温度
範囲で1〜7日間、培養と並行して不斉還元反応
を行なう方法と、培養とベンゾイルギ酸との反応
を分けて行なう方法、即ち前記培養条件で培養し
て得られた培養液、菌体懸濁液或いは菌体処理物
と反応基質であるベンゾイルギ酸をPH4.0〜8.5、
好ましくはPH6.0〜8.0の範囲、温度20〜40℃の範
囲で1〜7日間接触させて不斉還元反応を行なう
方法があるが、後者の方が良好な結果を与える。
ここでいう菌体懸濁液とは、培養して得られた菌
体と培養液を一旦遠心分離して分け、更めて菌体
を培養液又は上記の栄養液に懸濁させたものであ
り、一方菌体処理物とは、培養して得られた菌体
を遠心分離により培養液と分離し、この菌体を適
当な方法により処理したもので、例えば公知の方
法によりアクリルアミドゲル担体等に固定化する
方法が挙げられる。菌体処理物を用いる利点とし
ては、ベンゾイルギ酸との反応を連続的に行なう
ことができる。 反応基質であるベンゾイルギ酸は反応液中での
濃度は0.1%から10%程度の高濃度まで用いるこ
とができる。添加方法に関しては一括或いは分割
添加どちらでも良い。乳酸菌では生成する乳酸に
より、PHが低下してくるので適当な中和剤で最適
PHを保持するのが望ましい。又、好気的反応条件
下では通常副生成物が多くなるので、嫌気ないし
は酸素の制限条件下で反応した方が良い収率を与
える。 不斉還元反応によつて生成したL(+)−マンデ
ル酸を反応液から単離するには、一般的な分離精
製方法を用いれば良い。例えば、反応液より遠心
分離によつて菌体等の不溶性物質を除去したの
ち、反応液のPHを1.0に調整し、酢酸エチルで抽
出する。これを低温、減圧下にて溶剤を除くとL
(+)−マンデル酸の粗結晶物が得られ、更にこの
ものを少量のアセトンに溶解し、ヘキサン−アセ
トン混合溶剤で溶出するシリカゲルカラムクロマ
トグラフイーを行なうことにより容易に他の不純
物と分離することができる。 以下、実施例によつて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。 実施例 1 下記の組成からなる栄養液体培地を調製し、三
角フラスコに80mlずつ分注後、120℃、15分殺菌
した。 培地組成:グルコース2%、イーストエキス
0.5%、ペプトン0.3%、肉エキス0.3%
(NH42PO4 0.2%、KH2PO4 0.1%、PH7.0 これとは別に同じ組成の培地にて、前培養をし
た表1に示す微生物の種菌液10mlを前記培養培地
に接種し、33℃、24時間静置培養を行なつた。 各菌株夫々90ml培養液に、10%ベンゾイルギ酸
ソーダ溶液(PH7.0)を10ml添加した。これを200
ml4頭フラスコに入れ、窒素気流下、撹拌、PHを
7.0に調整しながら30℃で48時間反応させた。反
応後、遠心分離して得た上清を硫酸でPH1.0とし、
酢酸エチル200mlで抽出した。減圧濃縮後、これ
をヘキサンで懸濁調製したシリカゲルカラムに負
荷し、ヘキサン/アセトン(3:1)混液で溶出
した。マンデル酸画分を集め、減圧下溶剤を除去
すると無色のマンデル酸結晶が得られた。NMR
スペクトル、IRスペクトル、マススペクトル及
びシリカゲル薄層クロマトグラフイー(ベンゼ
ン:アセトン=2:3)によるRf値は標準品と
一致した。又、その旋光度を測定したところ、い
ずれも〔α〕25 D=+137.6°〜+147.1°(C、1.0、エ
タノール)の範囲を示しL(+)−マンデル酸であ
ることが確認された。
【表】 実施例 2 下記の組成からなる栄養液体培地を調製し、三
角フラスコに80mlずつ分注後、120℃、15分殺菌
した。 培地組成:グルコース2%、イーストエキス
0.5%、ペプトン0.3%、肉エキス0.3%、
(NH42PO4 0.2%、KH2PO4 0.1%、PH7.0 これとは別に同じ組成の培地にて前培養をした
表2に示す微生物の種菌液10mlを前記培養培地に
接種し、更に10%ベンゾイルギ酸ソーダ溶液(PH
7.0)を10ml添加した。 これを200ml4頭フラスコに入れ、窒素気流下、
撹拌、PHを7.0に調整しながら30℃で72時間反応
させた。以下、実施例1と同様の操作で抽出精製
を行ないマンデル酸結晶を得た。これらのNMR
スペクトル、IRスペクトル、マススペクトル及
びシリカゲル薄層クロマトグラフイー(ベンゼ
ン:アセトン=2:3)によるRf値は標準品と
一致した。又、その旋光度を測定したところ、い
ずれも〔α〕25 D=+142.7°〜+144.0°(C、1.0、エ
タノール)の範囲を示しL(+)−マンデル酸であ
ることが確認された。
【表】 実施例 3 下記の組成からなる栄養液体培地を調製し、三
角フラスコに500mlずつ分注後、120℃、15分殺菌
した。 培地組成:グルコース2%、イーストエキス
0.5%、ペプトン0.3%、肉エキス0.3%
(NH42PO4 0.2%、KH2PO4 0.1%、PH7.0 これとは別に同じ組成の培地にて前培養をした
表3に示す微生物の種菌液10mlを前記培養培地に
接種し、33℃、24時間静置培養を行ない、得られ
た培養液を遠心分離により菌体を集め、更にこの
培養上清液にて懸濁し80mlとした。これに10%ベ
ンゾイルギ酸ソーダ(PH7.0)溶液20ml添加した。
これを200ml4頭フラスコに入れ、窒素気流下、
撹拌、PHを7.0に調整しながら30℃で48時間反応
させた。以下、実施例1と同様の操作で抽出精製
を行ないマンデル酸結晶を得た。これらのNMR
スペクトル、IRスペクトル、マススペクトル及
びシリカゲル薄層クロマトグラフイー(ベンゼ
ン:アセトン=2:3)によるRf値は標準品と
一致した。又、その旋光度を測定したところ、い
ずれも〔α〕25 D=+143.5°〜+146.2°(C、1.0、エ
タノール)の範囲を示しL(+)−マンデル酸であ
ることが確認された。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ベンゾイルギ酸に、このものをL(+)−マン
    デル酸に変換する能力を有するラクトバチルス属
    又はペデイオコツカス属に属する微生物を作用せ
    しめ、生成したL(+)−マンデル酸を採取するこ
    とを特徴とするL(+)−マンデル酸の製造方法。 2 微生物がラクトバチルス・ブルガリカス、ラ
    クトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・
    ペントサス、ペデイオコツカス・パルブルス又は
    ペデイオコツカス・ペントサセウスである特許請
    求の範囲第1項記載の製造方法。 3 ベンゾイルギ酸を添加した培地で微生物を培
    養することにより、微生物をベンゾイルギ酸に作
    用させる特許請求の範囲第1項記載の製造方法。 4 微生物を栄養培地で培養して得た培養液をベ
    ンゾイルギ酸に作用させる特許請求の範囲第1項
    記載の製造方法。 5 微生物を栄養培地で培養して得た培養液から
    微生物菌体を分離して、菌体懸濁液又は菌体処理
    物を調製し、それをベンゾイルギ酸に作用させる
    特許請求の範囲第1項記載の製造方法。 6 微生物の培養及びベンゾイルギ酸との反応を
    PH3.0〜9.0の範囲で行なう特許請求の範囲第3項
    記載の製造方法。 7 微生物の培養をPH3.0〜9.0の範囲で行ない、
    培養液、菌体懸濁液或いは菌体処理物とベンゾイ
    ルギ酸との反応をPH4.0〜8.5の範囲で行なう特許
    請求の範囲第4項又は第5項記載の製造方法。 8 微生物の培養及びベンゾイルギ酸との反応を
    20〜40℃の範囲で行なう特許請求の範囲第3項、
    第4項又は第5項記載の製造方法。
JP8408081A 1981-06-01 1981-06-01 Preparation of l(+)-mandelic acid Granted JPS57198097A (en)

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JP4154182B2 (ja) 2002-07-16 2008-09-24 ダイセル化学工業株式会社 α−ケト酸還元酵素、その製造方法、およびこれを利用した光学活性α−ヒドロキシ酸の製造方法

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