JPH0323035Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、庫体のよろい戸の開閉装置に関する
ものである。

《従来の技術と問題点》 従来のよろい戸の開閉装置は、庫体の左右側板
の内面側にそれぞれ前部から上部、及び後部にわ
たり、案内凹溝を形成し、この後側の案内凹溝の
後方に位置して、左右側板後端間に後板を配設
し、左右側板後端部で、前記後板の前側（表面
側）にそれぞれ上下２つのスプリングを配設し、
このそれぞれのスプリングの自由端とよろい戸の
後端の左右端縁をよろい戸の開閉時に係止可能と
なして、よろい戸の開閉時、よろい戸が庫体の前
後に偏在して生じる重さの不均衡を防止し、戸の
開閉を軽快なものとしていた。（例えば、実開昭
58−120395号公報） しかし、上記構成によると、スプリングは常に
左右側板後端部内面の上下４ケ所に必要となり、
またそれらのスプリングは側板の後端部内面の狭
小な空間に取りつけられる為、よろい戸の組立作
業に手間取り、高価なものとなるばかりか、不測
の事故によりスプリングが損傷してよろい戸が半
開きの状態で動かなくなつた場合等、庫体内の狭
い空間にもぐり込んで、不自由な姿勢でスプリン
グの交換等をしなければさならない等、点検、補
修作業が非常に困難であつた。

《本考案の目的と構成》 本考案は、簡単な構造で安価に製作でき、組
立、点検、補修作業が容易なよろい戸開閉装置を
提供する事を目的とし、その構成の要部は、庫体
の左右側板の内面に、それぞれ前部から上部及び
後部にわたり案内凹溝を連設し、該案内凹溝によ
ろい戸の左右両端縁を摺動自在に嵌合して、庫体
の開放前部をよろい戸にて開閉するよろい戸付庫
体において、後部の案内凹部の前側に位置して後
板を配設し、後板の裏面側の略中央部上下方向
に、第１、第２スプリングガイド軸が形成され、
上端が固定され、下端がよろい戸後端内面側に形
成されたバネ掛り部材の下面に係止して、よろい
戸を閉鎖方向に付勢する第１スプリングが、第１
スプリングガイド軸に嵌挿され、下端が固定さ
れ、上端がバネ掛り部材の上面に係止して、よろ
い戸を開放方向に付勢する第２スプリングが、第
２スプリングガイド軸に嵌挿され、前記バネ掛り
部材の両端部が、後板裏面に形成されたガイドレ
ールにガイドされているものである。

《実施例》 以下、本考案を図面に基づいて説明する。

第２図は本考案を具備した庫体１を裏面側から
みた斜視図を示し、符号１１，１１は左右の側板
を示し、符号１２は左右の側板１１，１１間の上
端にとりつけられた天板を示し、符号１３は後板
を示し、符号１４（第４図）は底板を示し、符号
１５（第４図）はよろい戸を示し、符号２はよろ
い戸１５の左右両端縁を嵌合する為に左右側板１
１，１１の内面にそれぞれ前部から上部及び後部
にわたつてもうけられた案内凹溝を示し、符号３
はよろい戸１５の開閉装置を示している。

案内凹溝２は、左右側板１１，１１に対向して
形成されており、実施例では、側板１１の前後端
部に上下にわたつて嵌入された合成樹脂製で、断
面字形の案内ガイド２１と、側板１１の前後端
部の上端角部にもうけられた断面Ｌ字形で円弧状
をなし、上記案内ガイド２１の上端に連設された
コーナー案内部２２，２２と、コーナー案内部２
２，２２間にもうけられた断面字形の上部案内
ガイド２３よりなり、前側の案内ガイド２１は、
下端が底板１４の前端上面に、上端がコーナー案
内部２２に当接し、上下に移動不能となつてい
る。

又、後側の案内ガイド２１は、下端が側板１１
の後部下端内面にビス止めされた断面Ｃ字形の側
板角補強材１０に、上端がコーナー案内部２２に
当接して上下に移動不能となつている。

符号１００……はよろい戸１５の内面に接触
し、開閉のコーナー部分の案内を行うためコーナ
ー案内部２２と所定の間隙を有して対向してもう
けられた案内ローラーを示している。

開閉装置３は、実施例では、後板１３の裏面側
中央部に位置し、よろい戸１５を閉鎖方向に付勢
する第１スプリング５と、よろい戸１５を開放方
向に付勢する第２スプリング６と、該第１スプリ
ング５、第２スプリング６がふらつかない様、中
心部を貫通し、上下端部が上下取付座５１，６１
に固定された第１スプリングガイド軸５２、第２
スプリングガイド軸６２と、よろい戸１５の後端
内面にとりつけられるバネ掛り部材７と、第１ス
プリング５の下端に連設され、前記バネ掛り部材
７の下面に位置する第１係止体５３と、第２スプ
リングの上端に連設され前記バネ掛り部材７の上
面に位置する第２係止体６３と、前記バネ掛り部
材７の両端部をガイドするガイドレール８，８よ
り構成されている。

第１スプリング５は、第１係止体５３の第１螺
軸５３１に螺合する螺合部５４が下端部に形成さ
れ、上端部に第１スプリングガイド軸５２の上下
端部に形成された取付軸５２１，５２１の外径に
一致する内径の取付部５５が形成されている。

第２スプリング６は、第２係止体６３の第２螺
軸６３１に螺合する螺合部６４が上端部に形成さ
れ、下端部に第２スプリングガイド軸６２の上下
端部に形成された取付軸６２１，６２１の外形に
一致する内径の取付部６５が形成されている。

そして、第１スプリング５と、第２スプリング
６は同長で、庫体１の高さのほぼ２分の１程度に
形成されている。

上下取付座５１，６１は、第１、第２スプリン
グガイド軸５２，６２の外形より小さく、取付軸
５２１，６２１にほぼ一致する大きさの取付孔
を、後板１３の裏面後方に突出する位置に有し、
後板１３の上下端部に適宜手段にてとりつけられ
ている。

第１、第２スプリングガイド軸５２，６２は同
形で、上下端部に小径でネジ部を有する取付軸５
２１，５２１，６２１，６２１がもうけられて、
前記第１、第２スプリング５，６の固定段部５２
２，６２２が形成されている。

バネ掛り部材７は、断面略字形をなし、中央
部に、前記第１、第２スプリング５，６の螺合部
５４，６４よりやや大なる切り欠きをもうけ、第
１、第２スプリング５，６の挿通部７１，７２と
なし、左右両端部を前記ガイドレール８内に突出
せしめ、ガイド突片７３，７３を、左右両端部の
上下端面を上下に突出せしめて振れ止め突片７
４，７４を、正面部の左右によろい戸１５の下端
を連結する為の取付螺孔７５，７５を形成してい
る。

そして、前記ガイド突片７３，７３には、ガイ
ドレール８と接触する合成樹脂製のライドパーツ
７３１，７３１が、振れ止め突片７４，７４には
後板１３の裏面と接触する合成樹脂製のスライド
パーツ７４１，７４１がとりつけられている。

第１係止体５３は、合成樹脂より形成され、上
記バネ掛り部材７の挿通部７１より大なる頭部５
３２と、該頭部５３２の中心部の上方に突出せし
めた前記第１スプリング５の螺合部５４に螺合す
る第１螺軸５３１と、頭部５３２、及び第１螺軸
５３１の中心部に形成した、前記第１スプリング
ガイド軸５２が貫通する貫通孔５３３より形成さ
れている。

第２係止体６２は、上記バネ掛り部材７の挿通
部７２より大なる頭部６３２と、該頭部６３２の
中心部の下方に突出せしめた前記第２スプリング
６の螺合部６４に螺合する第２螺軸６３１と、頭
部６３２、及び第２螺軸６３１の中心部に形成し
た、前記第２スプリングガイド軸６２が貫通する
貫通孔６３３より形成されている。ガイドレール
８，８は後板１３の裏面に、前記バネ掛り部材７
の両端部が位置する様取りつけられている。

上記の如く構成された本願は、よろい戸１５を
閉鎖し、前端が所定高さ位置までくると、後端の
バネ掛り部材７の上面に第２スプリング６の第２
係止体６３の頭部６３２下面が当接し、下向き引
張り弾力に抗して第２スプリング６を引き伸ばし
ながら閉鎖する。

この時、バネ掛り部材７の貫通部７１は第１ス
プリング５の螺合部５４より大きく形成している
ので、よろい戸１５の後端が所定高さ以上になる
と、第１スプリング５はよろい戸１５に作用しな
くなる。

次に、閉鎖された状態のよろい戸１５を開放す
ると、よろい戸１５の前端が所定高さに位置する
まで、第２スプリング６の弾力が付勢され、よろ
い戸１５の開放が軽快に行われる。

さらに開放をつづけると、次によろい戸１５の
後端は、バネ掛り部材７の下面に第１スプリング
５の第１係止体５３の頭部５３２上面が当接し、
上向き引張弾力に抗して第１スプリング５を引き
伸ばしながら開放する。

この時、バネ掛り部材７の貫通部７２は、第２
スプリング５の螺合部６４より大きく形成してい
るので、よろい戸１５の後端が所定高さ以下にな
ると、第２スプリング６はよろい戸１５に作用し
なくなる。

次に、開放状態のよろい戸１５を閉鎖していく
と、よろい戸１５の前端が一定高さに達するま
で、第１スプリングの弾力が付勢され、よろい戸
１５の閉鎖を軽快に行う事が出来、やがて後端の
バネ掛り部材７の上面に第２スプリング６の第２
係止体６３の頭部６３２が当接して、前記のとお
りとなる。

《本考案の効果》 以上の如く本考案は、後板を後部の案内凹溝の
前側に配設する事により、第１、第２スプリング
ガイド軸、第１、第２スプリングを後板の裏面側
にもうける事が出来、これによつて、庫体内にも
ぐり込まなくても、よろい戸の取付、スプリング
の取付等開閉装置の組立作業を庫体の外側で行う
事が出来るので、非常に作業性にすぐれ、点検、
及び補修作業等も非常に容易である。

後板を後部の案内凹溝の前側に配設する事によ
り、よろい戸は開放時後板の後方に位置し、しか
もよろい戸の内面側にバネ掛り部材を設けている
ので、よろい戸が開放した状態で開放装置をよろ
い戸で隠蔽するが出来、又、後板の略中央部に、
第１、第２ガイド軸をもうけ、このガイド軸に第
１、第２スプリングを嵌挿せしめ、第１、第２ス
プリングの一端をよろい戸のバネ掛り部材に係止
せしめ、バネ掛り部材の両端部を後板にもうけた
ガイド部材にガイドせしめているので、従来スプ
リングが４ケ所必要であつたが、２ケ所で安定よ
く、かつ、スムーズによろい戸の開閉が出来、し
かも安価に製作できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例の一つを示し、第１図は本
考案の要部分解斜視図、第２図は本考案を具備し
た庫体の裏面側の斜視図、第３図は本考案の要部
正面図、第４図は第３図のＡ−Ａ線断面図、第５
図は第３図のＢ−Ｂ線断面図である。 １……庫体、１１，１１……左右側板、１３…
…後板、１５……よろい戸、２……案内凹溝、３
……開閉装置、５……第１スプリング、５２……
第１スプリングガイド軸、６……第２スプリン
グ、６２……第２スプリングガイド軸、７……バ
ネ掛り部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 庫体の左右側板の内面に、それぞれ前部から上
   部及び後部にわたり案内凹溝を連設し、該案内凹
   溝によろい戸の左右両端縁を摺動自在に嵌合し
   て、庫体の開放前部をよろい戸にて開閉するよろ
   い戸付庫体において、後部の案内凹部の前側に位
   置して後板を配設し、後板の裏面側の略中央部上
   下方向に、第１、第２スプリングガイド軸が形成
   され、上端が固定され、下端がよろい戸後端内面
   側に形成されたバネ掛り部材の下面に係止して、
   よろい戸を閉鎖方向に付勢する第１スプリング
   が、第１スプリングガイド軸に嵌挿され、下端が
   固定され、上端がバネ掛り部材の上面に係止し
   て、よろい戸を開放方向に付勢する第２スプリン
   グが、第２スプリングガイド軸に嵌挿され、前記
   バネ掛り部材の両端部が、後板裏面に形成された
   ガイドレールにガイドされている事を特徴とする
   庫体のよろい戸開閉装置。