JPH03228652A - 稚魚用飼料としての生物の培養方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エイコサペンタエン酸（以下ＥＰＡと称す）
をエサとする、稚魚用飼料である生物の培養方法に関す
る。

〔従来の技術〕

従来から稚魚の飼料としては、シオミズツボワムシ（以
下単にワムシという）が有用であることが知られている
。このワムシは、海産クロレラを培養し、これをエサと
して得られるものである（特開昭６１−７４５５０公報
）。

近年、このワムシ中に含まれるＥＰＡ　（エイコサペン
タエン酸）が稚魚の成長に必須の因子であることが明ら
かにされたが、ＥＰＡはワムシに本来台まれているもの
ではな（、海産クロレラに含まれるＥＰＡが食物連鎖に
より蓄積されたものである。

上記の理由からＥＰＡを含有するワムシを用いる稚魚用
飼料の製造方法は一層、有用なものとなっているが、こ
のような海産クロレラを用いる方法で稚魚の飼料を作る
ためにはいくつもの広大な培養池を準備する必要があり
、また増殖に掻めて長時間を必要とし、手間のかかるも
のであった。

このように、広大な土地を必要とする海産クロレラの培
養はおのずと限界がある。そこでこれを解決するために
、最近ではパン酵母に魚油又は魚油肝油（ＥＰＡ含置装
〜１５％）を混合したものをワムシのエサとして使用さ
れるようになったが、この方法では海産クロレラをエサ
としたワムシの場合に比べると稚魚の生育が劣るという
欠点がある。また、このような混合物は高度不飽和脂肪
酸を多く含むために、非常に酸化され易く、保存に当た
り凍結などの手間が必要である。さらに、パン酵母に付
着した魚油が培養池中で酸化して、水が劣化し異臭を放
つなどの重大な問題があった。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の目的は、上述したような従来の稚魚用飼料の製
造法が有していた欠点を払拭し、ＥＰＡを含む稚魚用飼
料を季節によらず安定して供給でき、さらにＥＰＡ高含
有の稚魚用飼料としての生物を効率よく製造できる方法
を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者らは、上記の目的を達成すべく種々の研究の結
果、本発明に係わるＥＰＡ産生細菌の生菌又は死菌をワ
ムシ、アルテミア、属に属する細菌等の生物に高効率に
取り込ませることにより、ＥＰＡ高含有稚魚用飼料とし
ての生物を培養できることを見出した。

さらにこのような場合に、飼料としての生物の培養液に
淡水産クロレラの生細胞を同時に添加することにより、
ＥＰＡ高含有稚魚用飼料としての生物をより効果的かつ
安定に供給できることを見出した。

本発明はかかる知見に基づいて完成されたもので、ＥＰ
Ａ産生細菌を取り込ませた稚魚用飼料としてのワムシ、
アルテミア属に属する細菌等の生物を淡水産クロレラの
生細胞を添加した培養液中で培養する方法である。さら
に、本発明は従来の海産クロレラやパン酵母を用いる方
法を併用することもできる。

〔具体的な説明〕

ＥＰＡ産生細菌とは、特に種属などを限定するものでは
なく、ＥＰＡを菌体内もしくは菌体外に分泌する細菌で
あればいずれを使用してもよく、通常シュードモナス環
〉旦史諌μす互Ｖ−属、アルテロモナス（Ａｌｔｅｒｏ
ｍｏｎａｓ）属又はシーワネラ移匡植肚旦Ｕ属などに分
類される海洋微生物を用いる。

上記のシュードモナス（Ｐｓｅｕｄｏ＊ｏｎａｓ）属に
属する微生物の例としてシュードモナス・ビュートリフ
ァシェンス（Ｐ３ｅｕｄｏｍｏｎａｓ　　ｕｔｒｅｆａ
ｃｉｅｎｓ）。

５ＣＲＣ−２８７８（微工研菌寄第ＦＥＲＭＰ９１１４
）を挙げることができる。アルテロモナス（Ａｌｔｅｒ
ｏｍｏｎａｓ）　ｒｓに属する微生物の例として、アル
テロモナス・ビュートリファシェンス（Ａｌｔｅｒｏｍ
ｏｎａｓ　　　２竺ＩＬ旦工旦Ｓｊ旦旦））　　Ｓ　　
ＣＲＣ−６３７０（徽工研菌寄第Ｆ　Ｅ　ＲＭ　Ｐ　−
１０６８４）及びアルテロモナス・ハネダイ（Ａｌｔｅ
ｒｏｍｏｎａｓ　　ｈａｎｅｄａｉ）ｒ　ＡＭ−１２６
４１を挙げることができる。シーワネラ（Ｓｈｅ＠ａｎ
ｅｌ　ｌａ）　ＩＥに属する微生物の例として、シーワ
ネラ・ピユートリファシェンス（Ｓｈｅ＠ａｎｅｌｌａ
匹に畦虹圏且）ＳＣＲＣ−２８７４（微工研菌寄第ＦＥ
ＲＭＰ−９１５９）を挙げることができる。

以上、自然界から分離したこれら菌株について詳細に記
載したが、これら菌に変異を生じさせて一層ＥＰＡＷｌ
ｖ能の高い菌株を得ることも出来る。

この発明の菌株は、常法に従って保存することが出来、
例えば寒天スラント培地上で、又は凍結乾燥法により保
存することが出来る。寒天スラン）［地としては、アル
テロモナス属細菌の保存に常用されている培地を使用す
ることができる。また、凍結乾燥保存も常法に従って行
うことができる。

ＥＰＡ産生菌の製造方法としては、前記の微生物を培養
して本発明のＥＰＡ産生細菌を製造しようとする場合、
基礎栄養培地として、この発明の微生物が増殖しうるち
のであればいずれを使用してもよい。

この培地は、窒素源として例えば酵母エキス、ペプトン
、肉エキス、等の１１１１１又は複数種類を含有する。

又はこの培地には必要に応じて炭素源として各種の糖を
加えることができる。

培養は固体培地又は液体培地のいずれを用いても良いが
、目的とするＥＰＡ産生菌を多量に得る為には、液体培
地を用い、静置もしくは振盪培養、通気・撹拌培養等に
より好気条件下で培養を行うのが好ましい、培養温度は
菌が生育する温度範囲であればいずれの温度でも良く、
好ましくは５〜３０℃であり、より好ましくは１５〜２
５℃である。ｐＨは６〜９、好ましくは７〜８の範囲で
ある。培養時間は採取し得る量のＥＰＡ産生薗が生産さ
れる時間を選べば良く、好ましくは８〜４８時間である
。

このようにして得られたＥＰＡ産生菌は、生きたまま湿
菌体として、また凍結乾燥菌体として使用可能であり、
さらに死菌体としても使用可能である。そしてこれらの
菌体を例えば稚魚としての生物の培養槽に添加し、又こ
れらの生物を稚魚の生育槽に加えることにより、稚魚の
生長に利用することができる。稚魚飼料としての生物は
ＥＰＡ産生細菌をエサとすることができ、又稚魚の食餌
となることができるものならばいずれでもよいが、例え
ばシオミズツボワムシ、アルテミア、属に属する細菌、
ミジンコ、オキアミ、チグリオパス、コペポーダなどを
挙げることができる。

淡水産クロレラの添加方法としては、エサとするクロレ
ラは、例えばＡｇｒ、Ｂｉｏｌ、Ｃｈｅｍ、＋　３８（
１）、９−１８（１９７４）に記載されているタンク培
養法により容易に得ることができる。淡水産クロレラの
添加量は該生物の培養液１１に対し０．０５ｇ〜１ｇ、
好ましくはＯ，Ｉｇ〜０．５ｇ　（湿重量）添加したも
のが望ましい。

淡水産クロレラの種類としては、クロレラ　レグラリス
（Ｃｈｌｏｒｅｌｌａ　　ｒｅｇｕｌａｒｉｓ）、クロ
レラ　Ｗルガリス（Ｃｈｌｏｒｅｌｌａ　　ｖｕｌｇａ
ｒｉｓ）　、クロレラ　エリプソイデア（Ｃｈｌｏｒｅ
ｌｌａ　　ｅｌｌｉｐｓｏｉｄｅａ）、クロレラプロト
セコイデス（Ｃｈｌｏｒｅｌｌａ　　ｐｒｏｔｏｔｈｅ
ｃｏｉｄｅｓ）などが挙げられるが、特に好ましいのは
、クロレラ・レグラリスである。

実 施 例 ＋１１ ＥＰＡ産生菌であるアルテロモナス・ビュートリフアシ
：Ｌ　７スｌｊ：国印μ連特　辺佳朋１虹力狙（転）−
ＣＲＣ ６３７０（徽工研菌寄第ＦＥＲＭＰ １０６８４）をペプトン１％、酵母エキス０．５％を含
有した海水培地（ｐＨ７，０）　　１１で、２４時間好
気的に培養して得られた面体を集菌した。

このようにして得られた湿菌体１ｇを淡水産クロレラ０
．５〜Ｉ　Ｘ　１０’ｃｅｌｌｓ／ｍｌを含むワムシ培
養液１１（ツム２５００個体／曽１）に添加してワムシ
の培養を行った。菌体のみを添加した区をコントロール
とした。ワムシの培養１日目、２日目及び３日目にワム
シの個体数を測定したところ、コントロールでは１日目
に２０％、２日目に３５％、３日目に４４％減少した。

一方、淡水産クロレラ添加量では逆に１日目で２０％、
２日目で４８％、３日目で８０％の増加が見られ淡水産
クロレラ添加により、著しいワムシの生育の向上が見ら
れた。

（２）（１１の方法で得られた湿菌体１ｇを淡水産クロ
レラ０．５〜ｌ　Ｘ　１０’ｃｅｌｌｓ／ｍｌを含むワ
ムシ培養液１１（ワムシ５００個体／　ｍ　１　）に添
加し、１６時間後にワムシを培養液から取り上げ、塩酸
メタノールで脂賀をメチルエステルにして抽出した。各
々の脂賀中のＥＰＡ量をガスクロマトグラフで調べ、ワ
ムシの脂肪酸組成及び、 ワムシ１個体当たりの ＥＰＡ蓄積量について、表１、表２の結果を得た。

表 ワムシの脂肪酸組成 （％） （淡水産クロレラ） ２．５χ ｒａｃｅ ２０．８ ３．９ ｒａｃｅ ｒａｃｅ ５．５ ６．９ ３７．１ ２０．２ 添加培地 １．６　χ ７．５ １１．７ ９．５ ５．７ ７．５ ４．９ ５．８ ２２．６ １２．９ ｒａｃｅ １０．０ 表２ ワムシ１個体当たりのＥＰＡ蓄積量（ｎｇ／個体）実施
例２ 次に、本発明により得られるＥＰＡ産生細菌を摂取させ
たワムシを用いて、ヒラメの種苗生産実験を行った。対
照区としては、いわゆる海産クロレラの４縮液で２次培
養したワムシを使用した。

海産クロレラ４縮液（約１５０億ｃｅｌｌｓ／ａ＋Ｉ）
は、ワムノ密度が５００　Ｎ　／　ｍ　Ｉの濃縮液１１
に対して０．２３ｇの割合で添加し、１７時間後に投餌
に供した。ＥＰＡ細菌による２次培養は、ワムシ密度が
５０ＯＮ／ｍ＋の濃縮液１ｚに対して同菌体（湿体）を
１ｇと、市販の淡水クロレラ濃縮液（ＰＣＶ＝６００４
日本クロレラ）を０．１ｇ添加し、やはり１７時間実施
した。得られたワムシの脂肪酸組成を分析した結果は、
次の通りである。

２次培養したワムシ中のＥＰＡ含量 ＊総脂肪酸中のＥＰＡの％ ヒラメは、ふ化後２口取から、前記で得られたワムシを
投餌し、全実験期間（２０日間）にわたって投与を継続
した。飼育実験は、ふ化後２口取に、１Ｇ（ｌパンライ
ト水槽に海水を満たし、ここに１０００個体のヒラメ幼
生を収容した。（なお、実験はすべて２連（Ａ及びＢ槽
〉で行った。）水温は全期間１８〜２０℃に保持した。

ワムシ投与量に関しては、２日目〜５日目までは５Ｎ／
ｍｌを維持するようにし、５８目以降はＩＯＮ／ｍｌを
維持できるように１日２回投餌した。その結果、全実験
期間内の総ワムシ投与量は次の様になった。

なお、１２日口取降は、ワムシとともにアルテミアノー
プリウスも並行して投餌した。

ふ化後２０口取に実験を中止し、生残率と体長を測定し
たところ、次の結果となった。

このように本発明の方法は、現状で最も良い飼料と言わ
れる海産クロレラと同等の効果を示した。

〔発明の効果〕

本発明により、ワムシを用いる従来の稚魚用飼料の製造
法に見られた欠点が解決され、ＥＰＡを含む稚魚用飼料
等の生物をＥＰＡ産生細菌の生国又は死菌並びに淡水産
クロレラの生細胞添加培地により培養して得ることが可
能である。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）稚魚用飼料としての生物を培養するに当たり、そ
   の生物のエサとしてエイコサペンタエン酸産生細菌の生
   菌又は死菌と共に淡水産クロレラの生細胞を与えること
   を特徴とする当該生物の培養方法。
2. （２）エイコサペンタエン酸産生細菌がシュードモナス
   ￥（Ｐｓｅｕｄｏｍｏｎａｓ）￥属、アルテロモナス￥
   （Ａｌｔｅｒｏｍｏｎａｓ）￥属、又はシーワネラ￥（
   Ｓｈｅｗａｎｅｌｌａ）￥属に属する細菌である請求項
   （１）記載の培養方法。
3. （３）生物がシオミズツボワムシ、アルテミア又は原虫
   動物である請求項（１）記載の培養方法。