JP2516031B2 - 稚仔魚用餌料 - Google Patents
稚仔魚用餌料Info
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- JP2516031B2 JP2516031B2 JP62230085A JP23008587A JP2516031B2 JP 2516031 B2 JP2516031 B2 JP 2516031B2 JP 62230085 A JP62230085 A JP 62230085A JP 23008587 A JP23008587 A JP 23008587A JP 2516031 B2 JP2516031 B2 JP 2516031B2
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- Japan
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- euglena
- fish
- rotifer
- larvae
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/80—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
- Y02A40/81—Aquaculture, e.g. of fish
Landscapes
- Feed For Specific Animals (AREA)
- Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
- Fodder In General (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は天然プランクトンに代わる稚仔魚用餌料に関
するものである。
するものである。
(従来技術とその問題点) 稚仔魚は通常ふ化後、数日で餌を消化する能力を有す
るようになり、微細甲殻類、貝類の幼生等の微細餌料生
物を摂取して成長する。従って、養殖を行う場合には、
ふ化と同時にこれら微細餌料生物を供給することが必要
であり、最近の養殖法ではカキやフジツボの幼生、つい
でシオミズツボワムシ、ブラインシュリンプ、ミジンコ
などの天然プランクトンを稚仔魚の生育に合わせて使用
する。
るようになり、微細甲殻類、貝類の幼生等の微細餌料生
物を摂取して成長する。従って、養殖を行う場合には、
ふ化と同時にこれら微細餌料生物を供給することが必要
であり、最近の養殖法ではカキやフジツボの幼生、つい
でシオミズツボワムシ、ブラインシュリンプ、ミジンコ
などの天然プランクトンを稚仔魚の生育に合わせて使用
する。
通常、摂餌開始時からの餌料としては、動物プランク
トンの一種であるシオミズツボワムシが用いられる。シ
オミズツボワムシは体長が50〜250μmのプランクトン
であるが、これを培養、増殖するためには緑藻の海産ク
ロレラを屋外で大量に増殖供給する必要があり、天候、
水温等に支配されることが大である。そこで、最近では
パン酵母に魚油を混合したものを海産クロレラに代え、
シオミズツボワムシに給餌することが行われるようにな
ったが、シオミズツボワムシの生育環境を劣化せしめる
ことが多く、長期間にわたって安定生産することを困難
にする。
トンの一種であるシオミズツボワムシが用いられる。シ
オミズツボワムシは体長が50〜250μmのプランクトン
であるが、これを培養、増殖するためには緑藻の海産ク
ロレラを屋外で大量に増殖供給する必要があり、天候、
水温等に支配されることが大である。そこで、最近では
パン酵母に魚油を混合したものを海産クロレラに代え、
シオミズツボワムシに給餌することが行われるようにな
ったが、シオミズツボワムシの生育環境を劣化せしめる
ことが多く、長期間にわたって安定生産することを困難
にする。
また、シロギス、アイゴ、キジハタ等の魚種において
は、摂餌開始時の魚体が小さく、シオミズツボワムシを
摂餌し得ず、シオミズツボワムシ以前にカキ等の二枚貝
幼生が給餌される。しかしながら、それらの供給は全く
の天然に依存しており、小型仔魚タイプの魚種の種苗生
産が進まない原因となっている。
は、摂餌開始時の魚体が小さく、シオミズツボワムシを
摂餌し得ず、シオミズツボワムシ以前にカキ等の二枚貝
幼生が給餌される。しかしながら、それらの供給は全く
の天然に依存しており、小型仔魚タイプの魚種の種苗生
産が進まない原因となっている。
他方、シオミズツボワムシで育った仔魚は、体長が10
mm前後になると、やや大型の動物プランクトン(例えば
海洋性プランクトンのアカルチア、カラナス、チグリオ
パス、淡水性のミジンコ、タマミジンコ、あるいは汽水
性のアルテミア等)を給餌する。これらのプランクトン
は、稚魚の摂餌量が大きいため、ワムシ期よりもさらに
大量の供給が必要となるが、これら大型プランクトンの
増殖性は低く、また、多くの海洋性プランクトンは人工
増殖が困難なために天然採集に依存しており、安定供給
には甚だ問題がある。
mm前後になると、やや大型の動物プランクトン(例えば
海洋性プランクトンのアカルチア、カラナス、チグリオ
パス、淡水性のミジンコ、タマミジンコ、あるいは汽水
性のアルテミア等)を給餌する。これらのプランクトン
は、稚魚の摂餌量が大きいため、ワムシ期よりもさらに
大量の供給が必要となるが、これら大型プランクトンの
増殖性は低く、また、多くの海洋性プランクトンは人工
増殖が困難なために天然採集に依存しており、安定供給
には甚だ問題がある。
そこで、各種栄養組成物を多糖類やタンパクで結合し
て造粒した人工配合餌料(例えば特公昭61−46103号)
や、海産クロレラを乾燥し、必要に応じてその細胞壁を
破壊した後、造粒した餌料を稚仔魚に与える方法(特開
昭61−74550号)等が提案されている。
て造粒した人工配合餌料(例えば特公昭61−46103号)
や、海産クロレラを乾燥し、必要に応じてその細胞壁を
破壊した後、造粒した餌料を稚仔魚に与える方法(特開
昭61−74550号)等が提案されている。
しかしながら、前者の方法では、水中での崩壊や成分
の溶出、またそれに付随した水質の悪化などの問題点が
ある。他方、後者の方法は、海産クロレラの安定供給、
海産クロレラの細胞壁破壊処理およびアミノ酸組成が植
物性であるといった問題点がある。
の溶出、またそれに付随した水質の悪化などの問題点が
ある。他方、後者の方法は、海産クロレラの安定供給、
海産クロレラの細胞壁破壊処理およびアミノ酸組成が植
物性であるといった問題点がある。
(発明の目的) 本発明は、上記従来の二枚貝幼生、シオミズツボワム
シ、大型プランクトン等の動物性生き餌を使用する方法
と同等の体重増加率および生存率効果を保持しつつ、餌
料の大量安定供給が可能で、何らの前処理も必要とする
ことのない動物性アミノ酸組成を有する稚仔魚用餌料を
提供することを目的とする。
シ、大型プランクトン等の動物性生き餌を使用する方法
と同等の体重増加率および生存率効果を保持しつつ、餌
料の大量安定供給が可能で、何らの前処理も必要とする
ことのない動物性アミノ酸組成を有する稚仔魚用餌料を
提供することを目的とする。
(発明の構成) 本発明は、原生動物であるユーグレナは従来水産用餌
料として大量使用されたことはないが、その外膜はペ
リクルといわれるタンパク性の膜のみからなり、細胞壁
破壊等の前処理を行うことなく、消化性に優れ、かつタ
ンパク質は含硫アミノ酸を多く含んだ動物性タンパクに
近い特性を持ち、カゼインに匹敵する栄養価があるとと
もに、各種ビタミン特にビタミンC、ビタミンE、β−
カロチンを多く含有し、さらに、グルコース等を炭素
源としたタンク培養が可能であり、比較的生育も早く、
安定供給が可能であること、また、ユーグレナ培養液
を遠心集菌または濾過して濃縮後、凍結乾燥あるいは冷
蔵または冷凍保存したものは、水への投入の際に容易に
単一細胞(20〜40μm)にまで分散し、二枚貝幼生等が
用いられている小型仔魚タイプの魚種の摂餌開始直後の
餌料として適当であること、さらに、バインダーを用
いて細胞を結合させれば、稚仔魚の餌料として適当な大
きさに調整することができ、シオミズツボワムシや大型
プランクトンに代えて用いることができることを見出し
て完成したもので、 その要旨とするところは、「ω−3高度不飽和脂肪酸
に富む魚貝類油、該魚貝類油由来の脂肪酸又はそのエス
テル類を添加して培養したユーグレナ培養液から分離し
たユーグレナを主成分とし、ユーグレナ細胞の造粒によ
り餌料粒径を調節してなる水産用養殖餌料」にある。
料として大量使用されたことはないが、その外膜はペ
リクルといわれるタンパク性の膜のみからなり、細胞壁
破壊等の前処理を行うことなく、消化性に優れ、かつタ
ンパク質は含硫アミノ酸を多く含んだ動物性タンパクに
近い特性を持ち、カゼインに匹敵する栄養価があるとと
もに、各種ビタミン特にビタミンC、ビタミンE、β−
カロチンを多く含有し、さらに、グルコース等を炭素
源としたタンク培養が可能であり、比較的生育も早く、
安定供給が可能であること、また、ユーグレナ培養液
を遠心集菌または濾過して濃縮後、凍結乾燥あるいは冷
蔵または冷凍保存したものは、水への投入の際に容易に
単一細胞(20〜40μm)にまで分散し、二枚貝幼生等が
用いられている小型仔魚タイプの魚種の摂餌開始直後の
餌料として適当であること、さらに、バインダーを用
いて細胞を結合させれば、稚仔魚の餌料として適当な大
きさに調整することができ、シオミズツボワムシや大型
プランクトンに代えて用いることができることを見出し
て完成したもので、 その要旨とするところは、「ω−3高度不飽和脂肪酸
に富む魚貝類油、該魚貝類油由来の脂肪酸又はそのエス
テル類を添加して培養したユーグレナ培養液から分離し
たユーグレナを主成分とし、ユーグレナ細胞の造粒によ
り餌料粒径を調節してなる水産用養殖餌料」にある。
本発明で言うユーグレナは、動物学の分類上ユーグレ
ナ属(ミドリムシ属)に属する原生動物で、これに属す
る種、変種、変異種のすべてを含むものとする。代表的
なものとしては、ユーグレナ・グラシリス(Euglena gr
acilis)、ユーグレナ・グラシリス・バシラリス変種
(Euglena gracilis var.bacillaris)、ユーグレナ・
ビリデイス(Euglena viridis)、アスタシア・ロンガ
(Astasialonga)などである。
ナ属(ミドリムシ属)に属する原生動物で、これに属す
る種、変種、変異種のすべてを含むものとする。代表的
なものとしては、ユーグレナ・グラシリス(Euglena gr
acilis)、ユーグレナ・グラシリス・バシラリス変種
(Euglena gracilis var.bacillaris)、ユーグレナ・
ビリデイス(Euglena viridis)、アスタシア・ロンガ
(Astasialonga)などである。
ユーグレナはまた、植物学からは藻類にも分類される
が、クロレラ、珪藻、テトラセルミスなどと異なり、消
化性の悪い多糖性の細胞壁がなく、その細胞外膜はペリ
クルと言われる消化性のよいタンパク性膜からなり、か
つまた動物性アミノ酸組成を有することを特徴としてい
る。
が、クロレラ、珪藻、テトラセルミスなどと異なり、消
化性の悪い多糖性の細胞壁がなく、その細胞外膜はペリ
クルと言われる消化性のよいタンパク性膜からなり、か
つまた動物性アミノ酸組成を有することを特徴としてい
る。
本発明に係る水産用餌料は、ユーグレナ培養液を遠心
集菌またはフィルタープレスなどを用いる濾過方法によ
り濃縮し、凍結乾燥あるいは冷蔵または冷凍にて保存す
る。通常、その餌料粒径は20〜40μmであり、二枚貝幼
生に代わる稚仔魚用餌料として適する。また、ユーグレ
ナ細胞を適当なバインダーを用いて50〜250μmに造粒
すれば、ワムシの代用飼料として用いることができる。
集菌またはフィルタープレスなどを用いる濾過方法によ
り濃縮し、凍結乾燥あるいは冷蔵または冷凍にて保存す
る。通常、その餌料粒径は20〜40μmであり、二枚貝幼
生に代わる稚仔魚用餌料として適する。また、ユーグレ
ナ細胞を適当なバインダーを用いて50〜250μmに造粒
すれば、ワムシの代用飼料として用いることができる。
なお、本発明に係る餌料の主成分をなすユーグレナ
が、ω−3高度不飽和脂肪酸、例えばエイコサペンタエ
ン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の含量が餌料
として不十分である場合にもω−3高度不飽和脂肪酸を
多く含有する魚貝類油をもって処理しているので、ω−
3高度不飽和脂肪酸を強化することができるとともに、
ユーグレナ細胞内に取り込まれる結果、ω−3高度不飽
和脂肪酸の酸化安定性が向上する。
が、ω−3高度不飽和脂肪酸、例えばエイコサペンタエ
ン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の含量が餌料
として不十分である場合にもω−3高度不飽和脂肪酸を
多く含有する魚貝類油をもって処理しているので、ω−
3高度不飽和脂肪酸を強化することができるとともに、
ユーグレナ細胞内に取り込まれる結果、ω−3高度不飽
和脂肪酸の酸化安定性が向上する。
また、培養液にはω−3高度不飽和脂肪酸に富む魚貝
類油を添加するが、ω−3高度不飽和脂肪酸に富む魚貝
類油由来の脂肪酸又はそのエステル類を添加してもよ
い。また、ω−3高度不飽和脂肪酸とは構造式のメチル
基(CH3)側から数えて3番目の炭素の位置に最初の二
重結合がある高度不飽和脂肪酸をいう。
類油を添加するが、ω−3高度不飽和脂肪酸に富む魚貝
類油由来の脂肪酸又はそのエステル類を添加してもよ
い。また、ω−3高度不飽和脂肪酸とは構造式のメチル
基(CH3)側から数えて3番目の炭素の位置に最初の二
重結合がある高度不飽和脂肪酸をいう。
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
(比較例) 次の方法で水産用餌料を製造した。
グルコース600g、リン酸水素二アンモニウム210g、硫
酸マグネシウム七水和物15g、リン酸二水素一カリウム1
5g、炭酸カルシウム6g、EDTA二ナトリウム塩1.5g、モー
ル塩1.5g、硫酸マンガン四〜五水和物0.45g、硫酸亜鉛
七水和物0.75g、コーンスティープリカー150g、ビタミ
ンB1 150mg、ビタミンB12 300μgを水道水30に溶解
し、50容ジャーファーメンタに仕込み滅菌した。これ
に、予め同様の培地で前培養したユーグレナ・グラシリ
ス(Euglena gracilis)の培養液1.5を接種し、pH4.
5、28℃で48時間通気培養を行った。
酸マグネシウム七水和物15g、リン酸二水素一カリウム1
5g、炭酸カルシウム6g、EDTA二ナトリウム塩1.5g、モー
ル塩1.5g、硫酸マンガン四〜五水和物0.45g、硫酸亜鉛
七水和物0.75g、コーンスティープリカー150g、ビタミ
ンB1 150mg、ビタミンB12 300μgを水道水30に溶解
し、50容ジャーファーメンタに仕込み滅菌した。これ
に、予め同様の培地で前培養したユーグレナ・グラシリ
ス(Euglena gracilis)の培養液1.5を接種し、pH4.
5、28℃で48時間通気培養を行った。
培養終了後、培養液を分離板型遠心分離機を用いて遠
心集菌し、固型分含量約35%の半流動性のケーキ860gを
得た。
心集菌し、固型分含量約35%の半流動性のケーキ860gを
得た。
上記ケーキを3つに分け、そのまま−20℃で凍結保
存、0.1%のソルビン酸を加え、0〜4℃で冷蔵保
存、含水率約10%まで凍結乾燥の後、冷蔵保存した。
存、0.1%のソルビン酸を加え、0〜4℃で冷蔵保
存、含水率約10%まで凍結乾燥の後、冷蔵保存した。
上記凍結乾燥によって得られたユーグレナ粉末100gに
0.5gのキサンタンガムを溶解した水200mlを加え、よく
混和した後、再び凍結乾燥した。これをパルベライザー
にかけて粉砕し、篩分けして50〜200μmの区と200〜50
0μmの区、500μm〜1.5mmの区に分級した。
0.5gのキサンタンガムを溶解した水200mlを加え、よく
混和した後、再び凍結乾燥した。これをパルベライザー
にかけて粉砕し、篩分けして50〜200μmの区と200〜50
0μmの区、500μm〜1.5mmの区に分級した。
(実施例) 比較例において、30時間通気培養を行った時点で、
タラ肝油、タラ肝油を加水分解して得たタラ肝油脂肪
酸、EPA、DHAを濃縮した脂肪酸のメチルエステル(日
本化学飼料株式会社製「ω−60エスター」)を90g添加
し、さらに18時間通気培養を継続し、その他は比較例と
同様にして稚仔魚用餌料を製造した。
タラ肝油、タラ肝油を加水分解して得たタラ肝油脂肪
酸、EPA、DHAを濃縮した脂肪酸のメチルエステル(日
本化学飼料株式会社製「ω−60エスター」)を90g添加
し、さらに18時間通気培養を継続し、その他は比較例と
同様にして稚仔魚用餌料を製造した。
(試験例1) 実施例で強化された餌料中の脂肪酸の酸化安定性を次
のように試験した。試料として、比較例に従って凍結
乾燥したもの、比較例に従って凍結乾燥したものに20
%のタラ肝油脂肪酸を混合したもの、実施例に従って
タラ肝油を強化し、凍結乾燥したもの、実施例に従っ
てタラ肝油脂肪酸を強化し、凍結乾燥したもの、実施
例に従って「ω−60エスター」を強化し、凍結乾燥した
ものを試料とし、それらを30℃で4週間暗所保存し、抽
出した脂質の過酸化物価(POV,meq./kg)を測定し、酸
化の指標とした。その結果を下に示す。
のように試験した。試料として、比較例に従って凍結
乾燥したもの、比較例に従って凍結乾燥したものに20
%のタラ肝油脂肪酸を混合したもの、実施例に従って
タラ肝油を強化し、凍結乾燥したもの、実施例に従っ
てタラ肝油脂肪酸を強化し、凍結乾燥したもの、実施
例に従って「ω−60エスター」を強化し、凍結乾燥した
ものを試料とし、それらを30℃で4週間暗所保存し、抽
出した脂質の過酸化物価(POV,meq./kg)を測定し、酸
化の指標とした。その結果を下に示す。
この結果、実施例によれば、ω−3高度不飽和脂肪酸
含有油脂類のうち、その加水分解物およびメチルエステ
ルは細胞内に良く取り込まれ、酸化安定性に優れること
がわかる。
含有油脂類のうち、その加水分解物およびメチルエステ
ルは細胞内に良く取り込まれ、酸化安定性に優れること
がわかる。
(養殖例1) 日令14日のマダイ(平均全長5.5mm、平均体重1.2mg/
尾)を以下の餌料を用いて12日間飼育試験を行った。
尾)を以下の餌料を用いて12日間飼育試験を行った。
海産クロレラで培養したシオミズツボワムシ 比較例に従って調製した50〜200μm径のユーグレナ
餌料 シオミズツボワムシの半量をで代替して給餌 実施例に従ってタラ肝油脂肪酸を強化した50〜200μ
m径のユーグレナ餌料 シオミズツボワムシの半量をで代替して給餌 シオミズツボワムシの全量を代替するには至らない
が、約半量は代替が可能である。また、ω−3高度不飽
和脂肪酸を強化したものの方がよいことがわかる。
餌料 シオミズツボワムシの半量をで代替して給餌 実施例に従ってタラ肝油脂肪酸を強化した50〜200μ
m径のユーグレナ餌料 シオミズツボワムシの半量をで代替して給餌 シオミズツボワムシの全量を代替するには至らない
が、約半量は代替が可能である。また、ω−3高度不飽
和脂肪酸を強化したものの方がよいことがわかる。
(養殖例2) 20日令のマダイ(平均全長6.9mm、平均体重4.5mg/
尾)を以下の餌料を用いて15日間飼育試験を行った。
尾)を以下の餌料を用いて15日間飼育試験を行った。
アルテミア 比較例に従って調製した500μm〜1.5mm径のユーグレ
ナ餌料 実施例に従って「ω−60エスター」を強化した500μ
m〜1.5mm径のユーグレナ餌料 以上の結果から、本発明に係る稚仔魚用餌料はアルテ
ミアと同等およびそれ以上の生存率および生育率を示す
ことがわかる。
ナ餌料 実施例に従って「ω−60エスター」を強化した500μ
m〜1.5mm径のユーグレナ餌料 以上の結果から、本発明に係る稚仔魚用餌料はアルテ
ミアと同等およびそれ以上の生存率および生育率を示す
ことがわかる。
(養殖例3) キジハタを摂餌開始直後からシオミズツボワムシの摂
餌が可能となる日令5日まで、以下の餌料を用いて飼育
試験を行った。
餌が可能となる日令5日まで、以下の餌料を用いて飼育
試験を行った。
マガキ幼生 比較例に従って培養し、遠心集菌濃縮後冷蔵保存した
ユーグレナ 実施例に従ってタラ肝油脂肪酸を強化して培養し、遠
心集菌後冷蔵保存したユーグレナ いずれの餌料区も約50%の生存率でシオミズツボワム
シの給餌に移すことができた。
ユーグレナ 実施例に従ってタラ肝油脂肪酸を強化して培養し、遠
心集菌後冷蔵保存したユーグレナ いずれの餌料区も約50%の生存率でシオミズツボワム
シの給餌に移すことができた。
(発明の効果) 本発明によれば、従来稚仔魚用餌料として用いられた
ことはないユーグレナを用いるので、20〜40μm径に単
一分散する細胞を必要に応じ所定の粒径に造粒して種々
の天然プランクトンの代用餌料として用い、天然プラン
クトンと遜色ない生存率および生育率を得ることができ
る。例えば、造粒しないでユーグレナの単一細胞そのも
のをマガキ幼生に代わる稚仔魚用餌料として、50〜200
μm径に造粒してワムシに代わる稚仔魚用餌料として、
500μm〜1.5mmに造粒してアルテミアに代わる稚仔魚用
餌料として用いることができる。
ことはないユーグレナを用いるので、20〜40μm径に単
一分散する細胞を必要に応じ所定の粒径に造粒して種々
の天然プランクトンの代用餌料として用い、天然プラン
クトンと遜色ない生存率および生育率を得ることができ
る。例えば、造粒しないでユーグレナの単一細胞そのも
のをマガキ幼生に代わる稚仔魚用餌料として、50〜200
μm径に造粒してワムシに代わる稚仔魚用餌料として、
500μm〜1.5mmに造粒してアルテミアに代わる稚仔魚用
餌料として用いることができる。
また、他の代替用餌料である淡水性、海洋性の単細胞
藻類と異なり、ユーグレナの特性を有効利用することが
できる。即ち、その細胞外膜はペリクルといわれるタ
ンパク質の膜のみからなり、細胞破壊等の前処理を行う
ことなく、消化性に優れ、しかも、グルコース等を炭
素源としたタンク培養が可能であり、比較的生育も早く
大量安定供給も可能であり、タンパク質は含硫アミノ
酸を多く含んだ動物性タンパクに近い特性を持ち、カゼ
インに匹敵する栄養価があるとともに、各種ビタミン特
にC、E、β−カロチンを多く含有し、餌料として栄養
価に優れ、ω−3高度不飽和脂肪酸、例えばエイコサ
ペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の含
量が餌料として不十分であっても、かかるω−3高度不
飽和脂肪酸を多く含有する魚貝類油、その魚貝類油由来
の脂肪酸又はエステル類をもって処理しているので、ω
−3高度不飽和脂肪酸を強化することができるととも
に、ユーグレナ細胞内に取り込まれる結果、ω−3高度
不飽和脂肪酸の酸化安定性が向上し保存性にも優れる。
藻類と異なり、ユーグレナの特性を有効利用することが
できる。即ち、その細胞外膜はペリクルといわれるタ
ンパク質の膜のみからなり、細胞破壊等の前処理を行う
ことなく、消化性に優れ、しかも、グルコース等を炭
素源としたタンク培養が可能であり、比較的生育も早く
大量安定供給も可能であり、タンパク質は含硫アミノ
酸を多く含んだ動物性タンパクに近い特性を持ち、カゼ
インに匹敵する栄養価があるとともに、各種ビタミン特
にC、E、β−カロチンを多く含有し、餌料として栄養
価に優れ、ω−3高度不飽和脂肪酸、例えばエイコサ
ペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の含
量が餌料として不十分であっても、かかるω−3高度不
飽和脂肪酸を多く含有する魚貝類油、その魚貝類油由来
の脂肪酸又はエステル類をもって処理しているので、ω
−3高度不飽和脂肪酸を強化することができるととも
に、ユーグレナ細胞内に取り込まれる結果、ω−3高度
不飽和脂肪酸の酸化安定性が向上し保存性にも優れる。
したがって、従来の稚仔魚用餌料として提案されてい
る微粒子配合飼料に比し極めて優れた餌料を提供するこ
とになる。
る微粒子配合飼料に比し極めて優れた餌料を提供するこ
とになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−52275(JP,A) 特開 昭62−115241(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】ω−3高度不飽和脂肪酸に富む魚貝類油、
該魚貝類油由来の脂肪酸又はそのエステル類を添加して
培養したユーグレナ培養液から分離したユーグレナを主
成分とし、ユーグレナ細胞の造粒により餌料粒径を調節
してなる稚仔魚用餌料。 - 【請求項2】餌料粒径を50〜200μmに調節してなる請
求項記載のワムシ代用餌料。 - 【請求項3】餌料粒径を500μm〜1.5mmに調節してなる
請求項記載のアルテミア代用餌料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62230085A JP2516031B2 (ja) | 1987-09-14 | 1987-09-14 | 稚仔魚用餌料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62230085A JP2516031B2 (ja) | 1987-09-14 | 1987-09-14 | 稚仔魚用餌料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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