JPH0322698Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ヒートポンプ式冷暖房装置、詳しく
は、圧縮機、四路切換弁、室内熱交換器、室外熱
交換器及び膨張機構を備え、前記四路切換弁の切
換えにより冷暖房可動としたヒートポンプ式冷暖
房装置に関する。

（従来の技術） 従来、ヒートポンプ式冷暖房装置において、特
に暖房時高圧圧力（吐出圧力）が上昇するとき、
この高圧圧力を制御する方法としては、例えば実
公昭51−5081号公報に示されている通り、ホツト
ガスバイパス管を用い、高圧のホツトガスで蒸発
器となる室外熱交換器の入口側にバイパスする如
く成して、このバイパスにより凝縮器となる室内
熱交換器への冷媒循環量を減少し、高圧圧力を低
下するようにしたものが知られている。

更に、詳記すると、前記ヒートポンプ式冷暖房
装置は第２図に示した如く、圧縮機Ｃ、四路切換
弁Ｖ、冷房時蒸発器となり暖房時凝縮器となる室
内側熱交換器Ａ、冷房時凝縮器となり暖房時蒸発
器となる室外熱交換器Ｂ及び膨張機構Ｅを備えた
ものにおいて、吐出ガス管Ｇと前記膨張機構Ｅの
暖房時における入口側となる高圧液管Ｌとの間に
ホツトガスバイパス管Ｈを接続すると共に、この
ホツトガスバイパス管Ｈの途中に高圧制御弁PV
を介装したものである。尚、第７図において、Ｋ
はアキユムレータである。

しかして、この装置において暖房運転を行なう
場合高圧圧力が上昇し、前記高圧制御弁PVにお
いて設定する圧力よりも高くなると、前記弁PV
が開き、ホツトガスがバイパスされ、前記室外側
熱交換器Ｂに導かれるのであつて、この結果室内
側熱交換器Ａへ流れるガス冷媒が減少し、高圧圧
力が低下するのである。

（考案が解決しようとする問題点） 所が、以上の如く構成する従来例によれば前記
した如く高圧圧力を低下させることはできるので
あるが、前記ホツトガスは膨張機構Ｅの入口側に
バイパスするのであるから、前記膨張機構Ｅの通
過時、フラツシユガスとなつて前記膨張機構Ｅを
通る冷媒量が減少し、この冷媒量減少で低圧ガス
冷媒の過熱度が増大し、この結果、高圧圧力は低
下するけれども吐出ガス温度を低下することはで
きないのである。

尚、この問題に対しては前記ホツトガスバイパ
ス管Ｈを、第２図点線のように前記膨張機構Ｅの
暖房時における出口側に接続することにより解決
できるのであるが、この場合、前記バイパス管Ｈ
を介してバイパスするホツトガスは室外側熱交換
器Ｂで凝縮することになつて、液冷媒が圧縮機Ｃ
の吸入側と四路切換弁Ｖとの間に介装するアキユ
ムレータACに溜り、この液冷媒と共に潤滑油に
溜り込むことになるので圧縮機Ｃに戻る潤滑油が
不足する問題が生ずるのである。

本考案の目的は、ホツトガスバイパスにより、
高圧圧力の低下を行なえ乍ら、油戻りを悪くする
ことなく吐出ガス温度の低下も行なえるようにす
るものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、前記した問題点を解決するために、
第１図に示した如く、圧縮機１、四路切換弁２、
冷房時蒸発器となり暖房時凝縮器となる室内熱交
換器７、冷房時凝縮器となり暖房時蒸発器となる
室外熱交換器３、膨張機構４を備えたヒートポン
プ式冷暖房装置において、暖房時高圧ガス管とな
るガス管６１と、暖房時高圧液管とする液管６２
との間に、ホツトガスバイパス管１０を接続し
て、該バイパス管１０に高圧制御弁１１と、前記
バイパス管１０から前記液管６２への流れのみを
許す逆止弁１２とを介装すると共に、前記高圧制
御弁１１と逆止弁１２との中間部位と吸入ガス管
６３との間に減圧機構１４をもつたインジエクシ
ヨンチユーブ１３を設けたことを特徴とするもの
である。

（作用） 暖房時、室内空気温度が上昇するなど室内熱交
換器での熱交換量が低下して高圧圧力（凝縮圧
力）が異常に上昇すると、前記ホツトガスバイパ
ス管に介装する高圧制御弁が開いてホツトガスの
一部が前記バイパス管を介して前記液管にバイパ
スし、その結果、前記室内熱交換器へ流れるガス
冷媒が減少して高圧圧力が低下すると共に、前記
ホツトガスは、前記インジエクシヨンチユーブを
介して吸入ガス管のもバイパスするので、このバ
イパスにより低圧圧力が上昇し、それだけ圧縮機
での圧縮比が低下して吐出ガス温度も低下するこ
とになるのである。

（実施例） 第１図に示した実施例は、室外ユニツトＡに連
絡配管Ｃを介して室内ユニツトＢを接続した分離
形ヒートポンプ式冷暖房装置であつて、前記室外
ユニツトＡには、圧縮機１、四路切換弁２、冷房
時凝縮器となり暖房時蒸発器となる室外熱交換器
３、キヤピラリーチユーブから成る膨張機構４、
アキユムレータ５を備え、これら各機器を冷媒配
管６により各連結しており、また、前記室内ユニ
ツトＢは、冷房時蒸発器となり暖房時凝縮器とな
る室内熱交換器７を内装し、この室内熱交換器７
は、連絡配管Ｃ及び閉鎖弁８，９を介して、前記
室外ユニツトＢに配管するガス管６１及び液管６
２に接続しているのである。

そして、第１図に示したものは、以上の如く構
成するヒートポンプ式冷暖房装置において、前記
ガス管６１、詳しくは暖房時高圧ガス管となり、
冷房時低圧ガス管となるガス管６１と、前記液管
６２、詳しくは前記膨張機構４と閉鎖弁９とを結
び、冷房時低圧液管となり、暖房時高圧液管とな
る液管６２との間にホツトガスバイパス管１０を
設けて、このバイパス管１０に高圧制御弁１１
と、前記バイパス管１０から前記液管６２への流
れのみ許す逆止弁１２とを介装すると共に、前記
高圧制御弁１１と逆止弁１２との中間部位に、減
圧機構１４をもつたインジエクシヨンチユーブ１
３を接続し、このインジエクシヨンチユーブ１３
を前記圧縮機１の吸入口と四路切換弁２とを結ぶ
吸入ガス管６３に接続したのである。

前記高圧制御弁１１は、吐出圧力の受圧面をも
つた弁体とこの弁体を閉鎖方向に押圧するスプリ
ング等とを備え、吐出圧力が、前記スプリングの
押圧力により設定する設定圧力を越えると、前記
弁体を自動的に開動させ、ホツトガスをバイパス
する如く成すのである。

しかして、以上の構成において、前記四路切換
弁２を実線の如く位置させて暖房運転を行なう場
合、圧縮機１から吐出される高温の吐出ガス（ホ
ツトガス）は、前記ガス管６１から室内熱交換器
７に流れて室内空気と熱交換して凝縮するのであ
るが、室内温度が何らかの原因で高くなると、そ
の熱交換量が減少して凝縮圧力が上昇し、吐出ガ
ス圧力も上昇するのである。

そして、吐出ガス圧力が前記高圧側制御弁１１
において設定する設定圧力を越えると前記高圧制
御弁１１が開き、ホツトガスが前記ホツトガスバ
イパス管１０を介して前記膨張機構４の入口側の
液管６２にバイパスすると同時に、前記インジエ
クシヨンチユーブ１３を介して吸入ガス管６３に
バイパスするのである。

従つて、前記ホツトガスのバイパスにより、前
記室内熱交換器７へ流れるガス冷媒の循環量が減
少し、吐出ガス圧力（高圧圧力）は、前記高圧制
御弁１１により設定する安全圧力以下に抑制でき
るのであり、しかも、前記吸入ガス管６３へのバ
イパスにより低圧圧力（吸入ガス圧力）も上昇す
るので、前記圧縮機１での圧縮比が低下し、この
ため吐出ガス温度も低くできるのである。

その上、前記吸入ガス管６３にバイパスするホ
ツトガスは、アキユムレータ５に入つて、該アキ
ユムレータ５に溜り込む液冷媒を蒸発させられる
のであつて、液溜量を減少でき、圧縮機１への油
戻りを確実に行なうことができるのである。

以上説明した実施例は、室内ユニツト（Ｂ）を
１台のみ接続したものであるが、複数台を接続す
る多室形としてもよい。この場合暖房時における
高圧圧力の上昇は、例えば１台の室内ユニツト
（Ｂ）のみを運転する低負荷運転時にも生ずるの
である。

また、前記ホツトガスバイパス管１０の暖房時
の入口側は、前記ガス管６１に接続したが、前記
圧縮機１と四路切換弁２とを結ぶ吐出ガス管６４
に接続してもよい。

（考案の効果） 以上の如く本考案は、暖房時高圧ガス管となる
ガス管６１と、前記室内熱交換器７と膨張機構４
とを結び、暖房時高圧液管となる液管６２との間
に、ホツトガスバイパス管１０を接続して、該バ
イパス管１０に高圧制御弁１１と、前記バイパス
管１０から前記液管６２への流れのみを許す逆止
弁１２とを介装すると共に、前記高圧制御弁１１
と逆止弁１２との中間部位と吸入ガス管６３との
間に減圧機構１４をもつたインジエクシヨンチユ
ーブ１３を設けたことを特徴とするものであるか
ら、暖房時、高圧圧力が上昇した場合、ホツトガ
スのバイパスにより高圧圧力を確実に低下できる
と共に、前記ホツトガスをインジエクシヨンチユ
ーブ１３を介して吸入ガス管６３にもバイパスす
る如く成したから、低圧圧力を上昇し吐出ガス温
度の低下も行なえ、圧縮機１が高温になる問題も
解決でき、その上、圧縮機１への油戻りも確実に
行なうことができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す冷媒配管系統
図、第２図は従来例を示す冷媒配管系統図であ
る。 １……圧縮機、２……四路切換弁、３……室外
熱交換器、４……膨張機構、７……室内熱交換
器、１０……ホツトガスバイパス管、１１……高
圧制御弁、１２……逆止弁、１３……インジエク
シヨンチユーブ、１４……減圧機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧縮機１、四路切換弁２、冷房時蒸発器となり
   暖房時凝縮器となる室内熱交換器７、冷房時凝縮
   器となり暖房時蒸発器となる室外熱交換器３、膨
   張機構４を備えたヒートポンプ式冷暖房装置にお
   いて、暖房時高圧ガス管となるガス管６１と、暖
   房時高圧液管となる液管６２との間に、ホツトガ
   スバイパス管１０を接続して、該バイパス管１０
   に高圧制御弁１１と、前記バイパス管１０から前
   記液管６２への流れのみを許す逆止弁１２とを介
   装すると共に、前記高圧制御弁１１と逆止弁１２
   との中間部位と吸入ガス管６３との間に減圧機構
   １４をもつたインジエクシヨンチユーブ１３を設
   けたことを特徴とするヒートポンプ式冷暖房装
   置。