JPH0322617Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、防水パンの裏面に配置された排水
管を防水パンの裏面に固定するための固定具に関
する。

（従来の技術） ユニツトバスルーム等の構成部品である防水パ
ンの裏面には排水管が配設され、防水パンの排水
口から排出された水がこの排水管を通じて外部へ
と導かれるようになつている。

ところで、その排水管の一部は、工場での製造
段階で予め防水パンの裏面に固定され、その状態
で工場から出荷される。そして防水パンを設置す
べき現場において、他の排水管がこの防水パンに
固定の排水管に対して接続される。

上記排水管の一部を防水パンの裏面に固定する
手段として従来より用いられているものは、第３
図及び第４図に示すようなものである。図におい
て１００は防水パン、１０２は防水パン１００の
裏面に形成されたリブ、１０４は防水パン１００
の排水口に接続されたトラツプで、１０６はこの
トラツプ１０４に繋がる排水管であり、１０８は
この排水管を固定するための固定具である。固定
具１０８は第４図に示すように、リブ１０２に固
定される固定脚１１０と、これらを連結する本体
部１１２と、バンド１１４とを有し、このバンド
１１４が排水管１０６を本体部１１２との間に挟
んだ状態で、両端が本体部１１２に止め付けられ
ることにより、排水管１０６が防水パン裏面に固
定されるようになつている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながらこの固定具は、一対の固定脚の中
間部において排水管を保持するように構成されて
いるため、防水パンの外周縁部に沿つて形成され
たリブより内側に配置される排水管については、
これを防水パンに固定し得るものの、外周縁部の
リブより外側に配管されるもの、例えばこのリブ
より外側において且つそのリブに沿つて配管され
るようなものについては、これを防水パンに固定
することができなかつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案の固定具はこのような問題点を解決する
ために案出されたものである、その要旨は、防水
パンの裏面の外周縁部に沿つて形成されたリブに
固定される固定脚と、該固定脚の先端から該防水
パンの裏面に沿つて延び出し、先端が該リブより
一定量外側に突出した本体部と、前記排水管を該
本体部との間に挟んだ状態で、該本体部の前記リ
ブより外側に突出する先端部分に固定されるバン
ドを備え、該排水管を該リブより外側において保
持するようにされたことにある。

（作用） すなわち本考案は、固定具の本体部を防水パン
外周縁部にリブより外側に延び出させて、そのリ
ブより外側に突出した先端部分と、これに固定さ
れるバンドとにより、排水管を保持するようにし
たのである。

このようにすれば、例えば防水パン外周縁部の
リブより外側において且つリブに沿つて配管され
るような排水管に対しても、これを防水パン裏面
に固定することができるようになる。このため従
来現場でしか配管できなかつたような排水管で
も、工場での製造段階で予め防水パンに固定して
おくことができるようになる。これにより防水パ
ン設置現場における排水管の配管作業工数を減ら
すことができる他、排水管接続部における漏水の
危険も少なくすることが可能となる。排水管を施
工現場で接続した場合よりも、予め工場で接続し
た場合の方が、接続部分の品質、信頼性をより高
め得るからである。

（実施例） 次に、本考案の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。第１図において１０は防水パンで、裏
面にリブ１２が縦横に形成されている。１４は防
水パン１０の排水口に連続して設けられたたトラ
ツプで、このトラツプ１４から排水管１６，１８
がＬ字状に延び出している。排水管１６と１８と
はエルボ２０にて接続されている。

一方の排水管１８は、防水パン１０の外周縁部
に形成されたリブ１２より外側において、且つリ
ブ１２に沿つて配管されており、その先端が固定
具２２にてリブ１２に固定されている。固定具２
２は第２図に示すように、防水パン１０の外周角
部におけるリブ１２に固定される一対の固定脚２
４と、これらを連結し且つ防水パン１０の裏面に
沿つて延び出す本体部２６とを有している。本体
部２６の先端部分は、外周縁部のリブ１２より一
定量外側に突き出し、この突き出し先端部分にバ
ンド２８が固定されるようになつている。バンド
２８はＵ字状をなし、本体部２６との間に排水管
１８を挟んだ状態で、両端の折曲げ部がビスによ
り本体部２６の下面（図では上面）に固定される
ようになつている。

このような固定具２２を用いることによつて、
従来防水パン１０に固定することのできなかつた
ような排水管でも防水パン１０に予め固定してお
くことができるようになる。例えば、従来の固定
具を用いて排水管の固定を行なう場合には、第１
図の排水管１６しか防水パン１０に固定すること
ができないが、本固定具２２を用いることによつ
て、今一方の排水管１８、つまり防水パン１０の
外周縁部のリブ１２より外側に配置された排水管
１８をも固定することができるようになる。すな
わち、従来施工現場で配管されていた排水管１８
を、防水パン１０の工場製造段階で予め配管して
おくことが可能となるのであり、これによつて施
工現場における排水管１８の配管及び排水管１６
との接続作業を省略することが可能となる。また
排水管１６と１８との接続部での漏水の危険性も
少なくなる。

以上本考案の実施例を詳述したが、本考案は固
定具を他の形態で構成し、また固定脚の防水パン
リブに対する固定手段、或いはバンドと本体部と
の固定手段を他の手段で代えることも可能である
など、その主旨を逸脱しない範囲において、当業
者の知識に基づき様々な変形・改良を加えた形態
で構成可能である。

（考案の効果） 以上詳述したように、本考案によれば、従来防
水パンに固定できなかつたような排水管をも予め
工場製造段階で防水パンに固定しておくことが可
能となる。これにより施工現場における配管作業
工数を少なくすることができ、また配管接続部の
品質、信頼性を高めることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である固定具を防水
パンの裏面及び排水管とともに示す斜視図であ
り、第２図は第１図における固定具とその周辺部
を拡大して示す要部拡大斜視図である。第３図は
従来の固定具を用いて排水管を固定した状態を示
す要部斜視図であり、第４図は第３図における固
定具と周辺部を拡大して示す要部拡大斜視図であ
る。 １０：防水パン、１２：リブ、１６，１８：排
水管、２２：固定具、２４：固定脚、２６：本体
部、２８：バンド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 防水パンの排水口に連通する状態で該防水パン
   の裏面に配置された排水管を、該防水パンの裏面
   に固定する固定具にして、 該防水パンの裏面の外周縁部に沿つて形成され
   たリブに固定される固定脚と、該固定脚の先端か
   ら該防水パンの裏面に沿つて延び出し、先端が該
   リブより一定量外側に突出した本体部と、前記排
   水管を該本体部との間に挟んだ状態で、該本体部
   の前記リブより外側に突出する先端部分に固定さ
   れるバンドとを備え、該排水管を該リブより外側
   において保持するようにされたことを特徴とす
   る、防水パンにおける排水管固定具。