JPH0322023Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、例えば、軽自動車用の助手席シー
トのような車両のシート装置に関する。

（従来の技術） 従来、上述例のシート装置としては、例えば、
特開昭58−47632号公報に記載の装置がある。

すなわち、シートバツクを門形の固定シートバ
ツクと、中抜き状の回転シートバツクとに分割
し、上述の固定シートバツクにリンク機構を介し
て回転シートバツクを可回動に連結し、この回転
シートバツクを門形の固定シートバツクの開口部
に位置させた時には、通常の助手席シートとして
用い、上述の回転シートバツクをリヤ方向に伏動
させた時には、後部座席と対座状態に設定して、
例えば車両停止時のラウンジシートとした車両の
シート装置である。

しかし、このような従来装置においては、上述
の助手席シートに２人の小人を着座させることが
できない問題点があつた。

ここで、上述の助手席シートに２人の小人を着
座させる必要性は、例えば婦人ドライバが子供２
人を連れて車両を運転するような場合に発生する
が、従来のシート装置では、助手席シートへの小
人２人の着座が困難な問題点を有していた。

（考案の目的） この考案は、通常の助手席シートを特異に構成
することで、小人２人の着座を可能とした車両の
シート装置の提供を目的とする。

（考案の構成） この考案は、シートバツクを上部シートバツク
と下部シートバツクとに上下２分割し、下部シー
トバツクが前方背もたれとなるように該下部シー
トバツクとシートクツシヨンとをリンクで結合
し、上部シートバツクが後方座部となるように該
上部シートバツクをブラケツトを介して車体に可
回動に支持し、ヘツドレストが後方背もたれとな
るように該ヘツドレストを上部シートバツクの上
端に起伏可能に取付けた車両のシート装置である
ことを特徴とする。

（考案の効果） この考案によれば、上述のリンクを介して下部
シートバツクを前方に位置固定させると、この下
部シートバツクが前方背もたれとなる。

また上述のブラケツトを介して上部シートバツ
クを略水平状に位置固定すると、この上部シート
バツクが後方座部となる。

さらに、略水平状に回動させた上述の上部シー
トバツク上端のヘツドレストを引き起すと、この
ヘツドレストが後方背もたれとなる。

このため、上述のようにそれぞれ設定した下部
シートバツクとシートクツシヨンとの間に小人１
人を、また上部シートバツクとヘツドレストとの
間に小人１人を着座させることができるので、助
手席シートに合計２人の小人を着座させることが
できる効果がある。

（実施例） この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述
する。

図面は車両のシート装置を示し、第１図、第２
図において、このシート装置は、車体としてのフ
ロア１におけるセンタフロアパン２上にスライダ
３を介してシートクツシヨン４を配設し、このシ
ートクツシヨン４に第１リンク５、第２リンク６
を介してシートバツク７を連結すると共に、この
シートバツク７を上部シートバツク８と下部シー
トバツク９とに上下２分割し、かつ上述の上部シ
ートバツク８の上端には回動アーム１０を介して
ヘツドレスト１１を起伏可能に取付けている。

上述の下部シートバツク９は同シートバツク９
を前方への引起こした時に前方背もたれＡとなる
ように、この下部シートバツクの下端部と、シー
トクツシヨン４の前後方向略中央部とを上述の第
１リンク５、第２リンク６で互に連結している。

また前述の上部シートバツク８は同シートバツ
ク８の前方への伏動時に後方座部Ｂとなるよう
に、この上部シートバツク８の下部背面をヒンジ
１２およびブラケツト１３を介してフロア１に可
回動に支持し、このブラケツト１３の上端を回動
支点１３ａに設定している。

さらに、前述のヘツドレスト１１は同ヘツドレ
スト１１の後方への引起し時に後方背もたれＣと
なるように、このヘツドレスト１１を、上部シー
トバツク８上端に回動アーム８を介して起伏可能
に取付け、この回動アーム１０下端を回動支点１
０ａに設定している。

図示実施例は上記の如く構成するものにして、
以下作用を説明する。

第１図に示す通常の助手席シートを、第２図に
示す如く小人２人着座用のシートになすには、ま
ず、第１図のシートクツシヨン４および下部シー
トバツク９を第２図に示す如くスライダ３と共
に、前方へ摺動させて位置固定する。

次に、第２図の仮想線α位置の下部シートバツ
ク９を、第１図リンク５、第２リンク６のそれぞ
れの下端回動支点５ａ，６ａを中心として前方へ
引起して位置固定し、この引起した下部シートバ
ツク９を前方背もたれＡに設定する。

次に前述の各要素４，９前方への摺動により形
成したセンタフロアパン２上の空間部１４側へ、
第１図の状態下の上部シートバツク８を、ブラケ
ツト１３上端の回動支点１３ａを中心として前方
へ略水平となるように回動して位置固定し、この
上部シートバツク８を第２図に示す如く後方座部
Ｂに設定する。

次に、上述の上部シートバツク８上端のヘツド
レスト１１を、回動アーム１０の回動支点１０ａ
を中心として後方へ引起して位置固定し、この引
起したヘツドレスト１１を後方背もたれＣに設定
する。

このように、上述の各要素４，９，１０，１１
をそれぞれ摺動、回動操作して、位位置固定する
と、シートクツシヨン４の前部と前方背もたれＡ
との間に第２図に仮想線で示す如く小人１人が、
また後方座部Ｂと後方背もたれＣとの間に同図に
仮想線で示す如く小人１人が着座できるので、助
手席シートに合計２人の小人が着座できる効果が
ある。

なお、上述の各要素４，９，１０，１１のそれ
ぞれの位置固定には、ラチエツト（ratchet）機
構その他を用いる。

第３図、第４図は他の実施例を示し、この実施
例では、先の実施例（第１図、第２図参照）のス
ライダ３に代えて、センタフロアパン２上に固定
したスペーサ１５を用いると共に、上部シートバ
ツク８およびヘツドレスト１１の回動方向を逆に
し、かつ回動アーム１０の長さを先の実施例より
短く設定している。

以下、第３図、第４図の実施例の作用について
説明すると、第３図に示す通常の助手席シート
を、第４図に示す如く小人２人着座用のシートに
なすには、まず、第３図の下部シートバツク９
を、第１リンク５、第２リンク６のそれぞれの下
端回動支点５ａ，６ａを中心として前方へ引起し
て位置固定し、この引起した下部シートバツク９
を第４図に示す如く前方背もたれＡに設定する。

次に、第１図の状態下に上部シートバツク８
を、ブラケツト１３上端の回動支点１３ａを中心
として後方へ倒し、この上部シートバツク８をフ
ロア１上に載せることで、この上部シートバツク
８を第４図に示す如く後方座部Ｂに設定する。

次に、上述の上部シートバツク８上端のヘツド
レスト１１を、回動アーム１０の回動支点１０ａ
を中心として前方へ引起して位置固定し、この引
起したヘツドレスト１１を第４図に示す如く後方
背もたれＣに設定する。

このように、上述の各要素８，９，１１をそれ
ぞれ回動操作して位置固定すると、シートクツシ
ヨン４の前部と前方背もたれＡとの間に第４図に
仮想線で示す如く小人１人が、また後方座部Ｂと
後方背もたれＣとの間に同図に仮想線で示す如く
小人１人がそれぞれ着座できるるので、助手席シ
ートに合計２人の小人が着座できる効果がある。

なお、この実施例においても先の実施例と同様
に、上述の各要素８，９，１１のそれぞれの位置
固定には、ラチエツト（ratchet）機構その他を
用いる。

この考案の構成と、上述の実施例との対応にお
いて、 この考案の車体は、実施例のフロア１に対応
し、 以下同様に、 リンクは第１リンク５、第２リンク６に対応す
るも、 この考案は、上述の実施例の構成のみに限定さ
れるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は車
両のシート装置を示す側面図、第２図は小人２人
着座用に設定したシート装置の側面図、第３図は
車両のシート装置の他の実施例を示す側面図、第
４図は第３図の装置を小人２人着座用に設定した
説明図である。 １……フロア、４……シートクツシヨン、５…
…第１リンク、６……第２リンク、７……シート
バツク、８……上部シートバツク、９……下部シ
ートバツク、１１……ヘツドレスト、１３……ブ
ラケツト、Ａ……前方背もたれ、Ｂ……後方座
部、Ｃ……後方背もたれ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートバツクを上部シートバツクと下部シート
   バツクとに上下２分割し、 下部シートバツクが前方背もたれとなるように
   該下部シートバツクとシートクツシヨンとをリン
   クで結合し、 上部シートバツクが後方座部となるように該上
   部シートバツクをブラケツトを介して車体に可回
   動に支持し、 ヘツドレストが後方背もたれとなるように該ヘ
   ツドレストを上部シートバツクの上端に起伏可能
   に取付けた 車両のシート装置。