JPH03219078A

JPH03219078A - ダイヤモンド被覆切削工具およびその製造法

Info

Publication number: JPH03219078A
Application number: JP1433790A
Authority: JP
Inventors: Toshihiko Okamura; 岡村　寿彦
Original assignee: Mitsubishi Materials Corp
Current assignee: Mitsubishi Materials Corp
Priority date: 1990-01-24
Filing date: 1990-01-24
Publication date: 1991-09-26

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は、耐剥離性に優れたダイヤモンド被覆切削工
具およびその製造法に関するものである。

〔従来の技術〕

近年、超硬合金基体の表面に気相合成法によりダイヤモ
ンド層を被覆形成してなるダイヤモンド被覆切削工具が
提供されている。このダイヤモンド被覆切削工具は、主
としてＡｌまたはＡｌ１合金の切削に用いられている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記ダイヤモンド被覆切削用工具を用い
て／ｌまたはＡｇ合金などの被削材を切削すると、ダイ
ヤモンド層の超硬合金基体の表面に対する付着強度が十
分でないために、切削中に上記ダイヤモンド層は脱落し
、十分な工具寿命が得られないなどの問題点があった。

〔課題を解決するための手段〕

そこで、本発明者らは、上記超硬合金基体表面に付む強
度の強いダイヤモンド層を形成すべく研究を行った結果
、超硬合金基体の表面に、気相合成法により面積率で５０
〜９５％の隙間を有するダイヤモンド層を分散被覆形成
し、ついで、上記隙間を有するダイヤモンド層を分散被
覆形成した超硬合金基体の上から、上記ダイヤモンド層
の隙間を埋めるようにかつ上記ダイヤモンド層の平均層
厚の２０％以上でダイヤモンド層の平均層厚を越えない
厚さを有するように、周期律表の４ａ、５ａおよび６ａ
族の金属の炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸化物、炭窒
酸化物、並びに酸化アルミニウム、さらにこれらの２種
以上の固溶体からなる群から選んだ１種の単層または２
種以上の多重層からなる硬質層を物理蒸着すると（以下
、この物理蒸着により形成された硬質層を物理蒸着硬質
層という）、上記超硬合金基体表面に形成されたダイヤ
モンド層は、上記物理蒸着硬質層により周囲を包囲して
把持され、しっかりと固定されるという知見を得たので
ある。

この発明は、かかる知見に基づいてなされたものであっ
て、超硬合金基体と、上記超硬合金基体表面に気相合成法に
より面積率で５０〜９５％の隙間を自゛する分散被覆形
成されたダイヤモンド層、ダイヤモンド状カーボン層、
またはそれらの混合層（以下、ダイヤモンド層という）
、および上記ダイヤモンド層の隙間を埋めるようにかつ
上記ダイヤモンド層の平均層厚の２０％以上でダイヤモ
ンド層の平均層厚を越えない厚さを有するように上記超
硬合金基体表面に形成された上記物理蒸着硬質層、から
なることを特徴とするダイヤモンド披工切削二「具およ
びその製造法に特徴を有するものである。

この発明で用いる超硬合金基体は、一般に知られている
超硬合金基体、例えば、炭化タングステン基超硬合金だ
けでなく、炭化チタン基サーメットなどのサーメットも
含まれる。

上記物理蒸着硬質層の具体的組成は、周期律表の４ａ、
５ａおよび６ａ族の金属の炭化物、窒化物、炭窒化物、
これらの２種以上の固溶体として、Ｔｉｃ、ＴｉＮ、Ｔ
１ＣＮ、ＺｒＣ，ＨｆＮ。

Ｖ　Ｃ、Ｔ　ａ　Ｃ１Ｎ　ｂ　Ｃ、Ｎ　ｂ　Ｎ、Ｃｒ　
３　Ｃ２Ｍｏ３Ｃ，ＷＣ，Ｚ　ｒＣＮ、ＶＣＮ、ＴａＣ
Ｎ。

（ＴＩ、Ｎｂ）Ｃ，（Ｔａ、Ｃｒ）ＣＮ、　　（Ｎｂ、
Ｗ）Ｎ。

（ＴＩ、Ｔａ、Ｗ）ＣＮ、　　（Ｈｌ”、Ｖ、Ｍｏ）Ｃ
などがあり、周期律表の４ａ、５ａ族の金属の炭酸化物
、炭窒酸化物としては、Ｔ　ｉ　Ｃｏ、　Ｔ　ｉ　ＣＮ
Ｏ。

ＴａＣ０，ＴａＣＮ０．Ｚ　ｒｃｏ、Ｚ　ｒｃＮｏ。

ＨｆＣ０，ＨｆＣＮ０などがある。

超硬合金基体表面に気相合成法によりダイヤモンド層を
面積率で５０〜９５％を分散被覆形成する方法は、上記
超硬合金基体表面の研磨前処理条件などを制御すること
により核発生密度を制御し、それにもとづいてダイヤモ
ンド層の面積率を制御することができる。

ダイヤモンド層が面積率で５０〜９５％分散被覆形成さ
れると、隙間のあるダイヤモンド層が形成され、この隙
間のあるダイヤモンド層が形成された超硬合金基体表面
に通常の物理蒸着法により物理蒸着硬質層を形成すると
、上記ダイヤモンド層は絶縁物であるから被覆されずに
先ずダイヤモンド層の隙間を通って超硬合金基体が露出
している表面に上記物理蒸着硬質層が形成され、上記物
理蒸着硬質層の層厚が増加するにしたがって上記ダイヤ
モンド層を周囲から包囲する。物理蒸着法により形成さ
れた上記物理蒸む硬質層は分散被覆形成されているダイ
ヤモンド層を周囲から加圧し、ダイヤモンド層をしっか
りと把持するので、簡＋１ｔに剥離することはない。

ダイヤモンド層を面積率で５０〜９５％分散披工形成す
る理由は、ダイヤモンド層が面積率で９５％を越えて分
散被覆形成されると、ダイヤモンド層に隙間が発生せず
物理蒸着硬質層による把持が期待できず、付着強度の強
いダイヤモンド層は得られない。一方、ダイヤモンド層
が面積率で５０％未満ではダイヤモンド核の数が少なす
ぎて十分なダイヤモンド層が得られず、ダイヤモンド被
覆切削工具として十分な効果が望めないからである。

また、一般に、超硬合金基体表面に面積率＝１００％の
ダイヤモンド層を形成したダイヤモンド被覆切削工具を
用いて切削すると、超硬合金基体とダイヤモンド層の熱
膨脹率の差によりダイヤモンド層に圧縮の残留応力が残
ってしまうが、面積率で５０〜９５％、好ましくは７０
〜９０％分散被覆形成されたダイヤモンド層には熱膨脹
率の差を吸収し、残留応力が残らないために、付着強度
の強いダイヤモンド層が得られ、上記物理蒸着硬質層に
よる把持との相乗効果により一層すぐれた付着強度が得
られるのである。

つぎに、この発明を図面に基づいて具体的に説明する。

第１図は、この発明の切削工具用コーティングチップ断
面説明図であり、第１図において、１は硬質分散相、例
えば、ＷＣ，ＴｉＣ，ＴａＣなど、２は結合相、例えば
、Ｃｏ、Ｎｉなど、３はダイヤモンド層、４は物理蒸着
硬質層、５は超硬合金基体、６は隙間、７は硬質層イオ
ン、８は周囲横方向圧である。

通常の結合相２および硬質分散相１からなる超硬合金基
体５の表面に気相合成法によりダイヤモンド層３を形成
すると、まず硬質分散相１の先端部にダイヤモンド核が
生成する。このダイヤモンド核が成長しダイヤモンド層
３が面積率で５０〜９５％分散被覆形成されたところで
上記気相合成法によるダイヤモンド層３の生成を停止す
る。

ついで通常の物理蒸着法により物理蒸着硬質層４を形成
すると、第１図に示されるように、上記ダイヤモンド層
は絶縁物であるから被覆されずに先ずダイヤモンド層３
の隙間６を通って超硬合金基体が露出している表面に物
理蒸着硬質層４が形成され、上記物理蒸着硬質層４の層
厚が増加するにしたがって上記ダイヤモンド層を周囲か
ら包囲する。物理蒸着法により形成された上記物理蒸着
硬質層４は、加速された硬質層イオン７がダイヤモンド
層３の隙間６を通って上記物理蒸着硬質層４に衝突しな
がら堆積して形成されるために、分散被覆形成されてい
るダイヤモンド層３を周囲横方向圧８で加圧し、ダイヤ
モンド層をしっかりと把持するので、簡単に剥離するこ
とはない。上記物理蒸着硬質層４は、単層だけでなく多
重層であってもよく、また人工気相合成法によるダイヤ
モンド層の平均厚さよりも薄くする必要がある。

上記物理蒸着硬質層４の厚さがダイヤモンド層の平均厚
さよりも厚いと、物理蒸着硬質層４の表面からダイヤモ
ンド層が突出せず、ダイヤモンド被覆切削工具としての
効果が得られないからである。

〔実　施　例〕

つぎに、この発明を実施例に基づいて具体的に説明する
。

原料粉末としていずれもＮ［均粒径：０．５〜ｌＯμｓ
の範囲内のＷＣ粉末、ＴｉＣ粉末、ＴａＣ粉末、および
ｃｏ粉末を用意し、これら原料粉末をＣｏ：６重量％、
残り：ＷＣ。

Ｃｏ：６重量％、Ｔｉｃ：６重量％、残り：ＷＣ。

Ｃｏ：６重量％、ＴａＣ：１重量％、残り：ＷＣ。

となるように配合し、これら３種類の配合粉末をそれぞ
れボールミルでｌＯ時時間式混合し、乾燥したのち、１
．５Ｌｏｎ／ｃｊの圧力で圧粉体にプレス成形し、圧粉
体をＩ　Ｘ　１０’Ｔｏｒｒの真空中、温度＝１３５０
〜１５００℃の範囲内の所定の温度に１時間保持の条件
で焼結し、上記配合組成とほぼ同一の成分組成をもつＷ
ＣＣ超超硬合金基体それぞれ製造した。これら基体表面
を研削加工し、その形状をＩＳＯ規格Ｓ　ＰＧＮ１２０
３０８　（Ｋ種）のチップに形成した。

これらチップを、金属Ｗフィラメントを備えた石英製反
応容器に装入し、雰囲気圧カニ　３０Ｔｏｒｒ。

基体温度＝７５０℃、反応ガス：　ＣＨ４／　Ｈ２−１／　ｌ　００の条件で
、第１表に示される反応時間保持し、気相合成反応を行
って第１表に示される面積率（％）および平均層厚（−
）を有するダイヤモンド層を作製した。これらダイヤモ
ンド層を有するチップの表面に、さらに、通常の物理蒸
着法により第１表に示される物理蒸若硬質層を形成し、
本発明コーティングチップ１〜４２および比較コーティ
ングチップ１〜８を作製した。

さらに、比較のために、面積率：１００％のダイヤモン
ド層を有する従来コーティングチップ１〜３も作製した
。

これらコーティングチップを用いて、被削材：Ａｇ−１２％Ｓｉ切削速度Ｖ　：　１２００ｍ／ａｌｎ　。

切込みｄ　：　１．５■■、送りＳ　ｚ　：　０．２　ａｍ／　ｒｅｖ　ｓの条件に
て、フライス切削試験を行い、１パスＩＯ分として、１
バス毎に刃先および被削材を観察し、コーティングチッ
プのダイヤモンド層が剥離することなく被削材の面精度
が良好に切削できるまでのバス回数を測定し、そのｉｌ
ＮｌＮ定結節１表に示した。

〔発明の効果〕

第１表に示された測定結果から、本発明コーティングチ
ップは、従来コーティングチップよりもコーティングチ
ップのダイヤモンド層が剥離することなく被削材の面精
度が良好に切削できるバス回数が大きく、従来よりも一
層長寿命の切削工具用コーティングチップを１２１Ｂす
ることができ、このコーティングチップを用いて切削作
業する際にチップの交換回数を減らし、作業効率を向上
させることができるなどの優れた効果がある。

１・・・硬質分散相、３・・・ダイヤモンド層、５・・・超硬合金基体、７・・・硬質層イオン、２・・・結合相、４・・・物理蒸着硬質層、６・・・隙　間、８・・・周囲横方向圧。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）超硬合金基体、上記超硬合金基体表面に気相合成法により面積率で５０
〜９５％分散被覆形成された隙間を有するダイヤモンド
層、ダイヤモンド状カーボン層、またはそれらの混合層
（以下、ダイヤモンド層という）、および上記ダイヤモンド層の隙間を埋めるようにかつ上
記ダイヤモンド層の平均層厚の２０％以上でダイヤモン
ド層の平均層厚を越えない厚さを有するように上記炭化
タングステン基超硬合金表面に形成された、周期律表の
４ａ，５ａおよび６ａ族の金属の炭化物、窒化物、炭窒
化物、炭酸化物、炭窒酸化物、並びに酸化アルミニウム
、さらにこれらの２種以上の固溶体からなる群から選ん
だ１種の単層または２種以上の多重層からなる物理蒸着
層（以下、この物理蒸着層を物理蒸着硬質層という）、からなることを特徴とするダイヤモンド被覆切削工具。
（２）超硬合金基体表面に、気相合成法により面積率で
５０〜９５％の隙間を有するダイヤモンド層を分散被覆
形成し、ついで、上記隙間を有するダイヤモンド層を分
散被覆形成した超硬合金基体の上から、上記ダイヤモン
ド層の隙間を埋めるようにかつ上記ダイヤモンド層の平
均層厚の２０％以上でダイヤモンド層の平均層厚を越え
ない厚さを有するように物理蒸着硬質層を形成すること
を特徴とするダイヤモンド被覆切削工具の製造法。