JPH0321795Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ダイス金型内にこれと対向位置する
パンチで素材を圧入叩打することによつてボルト
やナツト又はその他のパーツ類等の金属製品を圧
造成形する連続多段式ホーマ、特にそのトランス
フア・チヤツク装置に関する。

（従来の技術） このような連続多段式ホーマにおいては、パン
チとダイスで素材（ブランク）を圧造するとトラ
ンスフア・チヤツクで１段目から２段目、３段目
へと順次に送り込んで通常４〜５工程で所定の圧
造を終えるものであるが、この素材を移送するト
ランスフア・チヤツクにはカムの作用でチヤツク
爪が開閉式に動作するオープンチヤツク式と、ダ
イスから素材が押出された際に強制押込みにより
チヤツク爪をばね圧に抗して押開く強制押込式、
及びこの強制押込式を素材を前後逆向きに反転し
て供給できるようにスピンドルを中心に180度反
転可能にした反転式とがある。

ところで、圧造工程においては圧造数工程の中
間１〜２つに反転を必要とする場合があり、通常
は横一列に設けられた複数のオープンチヤツクの
何れかを反転式に交換できるようにさせている。
しかしオープンチヤツクは例えば特公昭60−8131
号の第１図に示すようにカムの動きを複数のリン
クレバーを介し円弧運動するように往復回転をス
ピンドルに伝え扇形ギヤーの噛合いによりチヤツ
ク爪を開閉させるものであるからチヤツクの開閉
動作が緩慢であり、そのため高速化に対応し難い
という問題があり、又オープンチヤツク機構が複
数のリンクやカム、ギヤーの噛合いによる連動機
構等を要するために機構が複雑で部品数が多く、
重量大で分解及び交換作業に手間を要する。

（技術的課題） 従つて本考案においては、オープンチヤツクの
左右往復運動をガイド溝に嵌合案内されて一直線
にスライドする摺動板にて行わせ、チヤツク取付
軸のピン孔を利用して180度反転機構をユニツト
式に備えた反転チヤツクを着脱可能に取付けでき
るようにすることを技術的課題とする。

（技術的手段） 上記の技術的課題を解決するために本考案は、
機枠台の前面部に篏設されたダイス金型に、これ
と対向位置するパンチで金属素材を鍛圧してブラ
ンクを圧造し、それをノツクアウトピンで押出す
ことによつてダイス直前に位置するチヤツク爪で
掴持し次工程へ順次運ぶようにしたホーマにおけ
るトランスフア・チヤツク装置において、前記機
枠台上のチヤツクフレームにガイド溝に嵌合案内
されて左右往復運動するようにスライドする摺動
板を設けると共に、この摺動板の前面の少くとも
１個所に、左右一対の透孔からなるピン孔に取付
軸を貫設して該部に反転可能に支持されたチヤツ
クスピンドルとブラケツトを備えたチヤツク取付
用のベース板を着脱可能に設けてなるものであ
る。

また、前記チヤツクスピンドルにはその下端部
に反転チヤツク爪が設けることが好ましい。

そして、前記チヤツクスピンドルの上部に左右
往復運動に伴い扇形ギヤーの噛合いでスピンドル
を往復回転させる反転機構が設けることもでき
る。

（作用） 上記の技術的手段は次のように作用する。第１
〜２図はスライド式オープンチヤツクの１つを
180度反転式に交換した場合であり、今駆動装置
（図示せず）から伝達される動力でカム２０が回
転すると共に連動機構（図示省略）を介して摺動
板３がチヤツクフレーム１１のガイド溝１２に案
内されて左右に摺動すると、カム２０に押接する
ベルクランク２１の作用でオープンチヤツク１は
一動作毎に開閉を繰り返えすが、反転チヤツク２
はカム２０の動力がベルクランク以降は断たれる
ようになつているためそのまま他の全チヤツクと
共に左右に移動する。この左右の移動によつて反
転チヤツク２はチヤツクフレーム１１とスピンド
ル上端に取付けた扇形ギヤー３０，３１の噛合い
により180度反転する。

反転チヤツク２に交換するには次のようにす
る。必要な位置のオープンチヤツクを取外すと、
そのあとの摺動板３に左右一対のピン孔２２がで
きるからこれを利用して取付軸２３を貫挿し、こ
の取付軸によりベース板２４を取付ける。

ベース板２４には予じめ枢軸２５を支点に揺動
可能なブラケツト２６を取付け、そのブラケツト
２６にチヤツクスピンドル２７を軸装しスピンド
ル下端には反転チヤツク爪２ａを取付けておけ
ば、ベース板２４の取付けと同時に反転チヤツク
２が摺動板３の前面に組付けられ。

（効果） 本考案は次のような特有の効果を有する。

複数並べられたオープンチヤツクの内の必要
なものを取付軸を抜取つたあとのピン孔を利用
して反転チヤツクを取付けることができ、取換
えが簡単で迅速に作業を行える。

チヤツクフレームのガイド溝に案内されて一
直線にスライドする一枚の摺動板にオープンチ
ヤツクと反転チヤツクがダイレクトに取付けら
れるためスライドによる往復運動とチヤツク開
閉をハイスピードで行ない、高速化に対応でき
る。

反転チヤツクはベース板に組立たものを着脱
でき、運搬、保存等の保守管理が容易で取扱い
が便利となる。

従来に較べ構成が簡単で部品も少なく、軽量
であるため小動力で駆動でき、経済性に優れ、
安価に実施できる。

（実施例） オープンチヤツク１は、これを取付けるための
左右の取付軸２８の一方をカム２０に連動して往
復回転する駆動軸を兼ねたものとする。

第５図はオープンチヤツク１の開閉機構を示
す。ベース板２０にスペーサ１３を介して取付軸
２８を貫挿し前部突出部にオープンチヤツク１を
取付ける。カム２０の回転でベルクランク２１が
ばね１４の附勢に抗して左回転（矢印イ）すると
押出板１５が下降して取付軸２８の後部に連設し
た揺動レバー１６を押下するため押下のたびに取
付軸２８が一定角回転させられ、これよりオープ
ンチヤツク爪１ａは左右に開閉する。この押下が
行われる際にオープンチヤツク１は摺動板２と共
に左右に移動するが押え板１５が広幅に形成され
ているために揺動レバー１６の押下げを移動しな
がら外れることなく確実に行うことができる。

反転チヤツク２の取付位置に対応するチヤツク
フレーム１１には固定扇形ギヤー３０を取付ねじ
１７と長孔１８にて取付け、前後調整可能とな
す。

この固定扇形ギヤー３０の軸部１９にリンク片
３２を設け、先端をチヤツクスピンドル２７に連
結する。

摺動板３の摺動で扇形ギヤー３０，３１が噛合
回転すると、一方３０は固定であるから摺動板３
が右へ移動（矢印ロ）したときにスピンドル２７
と共に可動ギヤー３１が反時計方向（矢印ハ）へ
回転し、回転しながらリンク片３２を右へ揺動さ
せることにより反転チヤツク２は右へ移動するの
で反転チヤツク２に掴持されたブランクは前後逆
向きに姿勢を変えて次の工程へ運ばれる。

ダイス４は機枠台５の前面部に所定間隔に横一
列に設けられ、対応する移動ラム６側にパンチ７
が設けられる。

移動ラム６と摺動板３及びカム２０によるオー
プンチヤツク１の開閉は移動ラム６の進退移動に
同期に連動してラムの１動作毎に夫々１回作動す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を備えたホーマの平面図、
第２図はダイス側を正面からみた拡大正面図、第
３図は第２図Ａ−Ａ線の断面図、第４図は反転チ
ヤツクの反転機構部の平面図、第５図は第２図Ｂ
−Ｂ線の断面図である。 １……オープンチヤツク、２……反転チヤツ
ク、３……摺動板、４……ダイス、５……機枠
台、７……パンチ、１１……チヤツクフレーム、
１２……ガイド溝、１５……押え板、１６……移
動レバー、２０……カム、２１……ベルクラン
ク、２２……ピン孔、２３，２８……取付軸、２
４……ベース板、２５……枢軸、２６……ブラケ
ツト、２７……スピンドル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 機枠台の前面部に篏設されたダイス金型に、
   これと対向位置するパンチで金属素材を鍛圧し
   てブランクを圧造し、それをノツクアウトピン
   で押出すことによつてダイス直前に位置するチ
   ヤツク爪で掴持し次工程へ順次運ぶようにした
   ホーマにおけるにおけるトランスフア・チヤツ
   ク装置において、前記機枠台上のチヤツクフレ
   ームにガイド溝に嵌合案内されて左右往復運動
   するようにスライドする摺動板を設けると共
   に、この摺動板の前面の少くとも１個所に、左
   右一対の透孔からなるピン孔に取付軸を貫設し
   て該部に反転可能に支持されたチヤツクスピン
   ドルとブラケツトを備えたチヤツク取付用のベ
   ース板を着脱可能に設けてなることを特徴とす
   るホーマにおけるトランスフア・チヤツク装
   置。 (2) 前記チヤツクスピンドルにはその下端部に反
   転チヤツク爪が設けられている前記実用新案登
   録請求の範囲第１項記載のホーマにおけるトラ
   ンスフア・チヤツク装置。 (3) 前記チヤツクスピンドルの上部に左右往復運
   動に伴い扇形ギヤーの噛合いでスピンドルを往
   復回転させる反転機構が設けられている前記実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のホーマにお
   けるトランスフア・チヤツク装置。