JPH0321205B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【技術分野】

本発明は、浴槽内の湯を循環路内で循環させる
ことにより、浴槽内の汚れた湯を浄化して再び浴
槽内に吐出させ、浴槽内の湯を清浄に維持するた
めの装置に関する。

【背景技術】

浴槽に付設されている従来の循環ろ過装置にあ
つては、浴槽の外部に循環路を配管し、この循環
路にフイルターを内蔵したフイルター装置とポン
プとを設けたものであつた。 しかして、ポンプにより浴槽内の湯を循環路の
吸入口から吸い込んで循環路内で循環させ、フイ
ルターで汚れた湯に混じつている毛髪やごみなど
を除去し、循環路の吐出口から浄化した湯を再び
浴槽内へ吐出させ、浴槽内の湯を清潔に保つてい
た。 しかし、このような従来より一般に市販されて
いる循環ろ過装置では、湯に混じつている毛髪や
湯垢、ごみなどは除去されるものの、湯中に繁殖
している微生物の殺菌までは行えるものは少なか
つた。また、殺菌も行えるようにしたものもある
が、これはオゾン発生器を用いて殺菌を行うもの
であり、残留オゾンが人体に有害であるという問
題があつた。 一方、上記フイルターを掃除する場合には、フ
イルター装置内から汚れたフイルターを取り出
し、フイルターを洗浄して汚れを除去した後、再
びフイルター装置内へ戻さなければならず、フイ
ルターの掃除が面倒であり、またフイルターの掃
除中は湯の浄化は行なわれなかつた。

【発明の目的】

本発明は叙上のような技術的背景に鑑みて為さ
れたものであり、その目的とするところは湯の汚
れを除去できると共に併せて安全に湯の殺菌も行
えるようにし、更にフイルターを取り出すことな
く簡単にフイルターの洗浄を行えるようにするこ
とにある。

【発明の開示】

本発明湯の循環ろ過装置は、浴槽１内の湯を吸
引して再び浴槽１内に吐出させる循環路２を浴槽
１の外部に形成し、この循環路２にろ過槽３とフ
イルター装置６とを設け、前記ろ過槽３内に麦飯
石のような天然石５と重金属入りのゼオライト４
を充填し、前記フイルター装置６内に納められた
フイルター７の下方にフイルター７により除去さ
れたごみを落下させるためのごみ溜め部８を形成
し、ごみ溜め部８とフイルター７との間を水封す
ると同時にごみ溜め部８内の湯を排出する洗浄機
構９をフイルター装置６内に設けて成ることを特
徴とするものである。しかして、循環路２内を流
れる湯がフイルター装置６を通過する時、汚れた
湯はフイルター７により毛髪やごみなどを除去さ
れ、更にろ過槽３内を通過する時、湯中に繁殖し
ている微生物はゼオライト４内に充填されている
重金属に触れて死滅させられ、汚れを除去され浄
化された清潔な湯が再び浴槽１内に吐出されるの
である。従つて、浴槽１内の湯を循環路２に循環
させることにより清浄に保つことができるもので
あり、しかもオゾンを用いて湯の殺菌を行う場合
のように人体に有害となることもなく、安全に湯
の殺菌を行えるものである。また、湯がろ過槽３
内の麦飯石のような天然石５中を通過する時、天
然石５のミネラル分が流出することにより浴槽１
内の湯にミネラルが含有され、温泉のような効能
を発揮することができると共に保温効果により入
浴者の身体もポカポカと温めることができるもの
である。また、フイルター装置６には、フイルタ
ー７から落下したごみなどを溜めるごみ溜め部８
と、ごみ溜め部８とフイルター７との間を水封し
ながらごみ溜め部８のごみを排出する洗浄機構９
とを設けてあるので、フイルター７側を閉じた状
態でごみ溜め部８内のごみを排出することがで
き、湯の循環を止めたり、フイルター装置６の働
きを停止させたりすることなくフイルター装置６
の掃除及び洗浄を行うことができるものであり、
しかも逆洗用の水なども用いることなくフイルタ
ー装置６を掃除することができるものである。 以下本発明の実施例を添付図に基いて詳述す
る。第１図に示すように、浴槽１を設置された浴
室１０の屋外側には循環ろ過装置Ａが設置されて
いる。循環ろ過装置Ａ内には、循環路２が配管さ
れており、循環路２の始端は浴槽１の側面に開口
して吸入口１１となつており、循環路２の終端は
浴槽１の側面に開口して吐出口１２となつてい
る。循環ろ過装置Ａ内において、循環路２にはフ
イルター装置６とろ過槽３とセラミツクヒータ１
３とエアポンプ１４とが設けられており、エアポ
ンプ１４が運転されることにより浴槽１内の湯が
吸入口１１から循環路２内へ吸入され、湯は循環
路２内を循環した後、吐出口１２から浴槽１内へ
勢いよく吐出される。また、浴槽１のフランジ１
５には吸気口１６が設けられており、吸気口１６
と吐出口１２とはエアパイプ１７により連結され
ており、吐出口１２を流れる水流によりエアパイ
プ１７の出口が負圧となつて吸気口１６から吸引
されたエアが吐出口１２内へ供給され、吐出口１
２からは多量の気泡を含んだジエツト水流として
吐出されるようになつている。 上記フイルター装置６は第２図に示すような構
造を有している。ケーシング１８の上端部の両側
には汚水入り口１９と浄水出口２０とが設けられ
ており、汚水入り口１９と浄水出口２０との間は
仕切り板２１により仕切られており、仕切り板２
１の中央部は水平に成形されていてこの水平な部
分には透孔２２が穿孔されている。フイルター７
は第４図に示すように略筒状をしており、上端部
外周には位置決め用の突部２３が突設され、下端
部外周にはフランジ２４が周設され、フランジ２
４の外周にはＯリング２５が嵌着されている。ま
た、フイルター７外周面のフランジ２４上方には
螺旋状をした渦流発生リブ２６が設けられてお
り、この渦流発生リブ２６間には開口２７が形成
されており、この開口２７はフイルター７の内周
面に貼られたフイルターネツト２８により塞がれ
ており、フランジ２４の下方は略逆円錐状となつ
た弁座部２９となつている。このフイルター７は
ケーシング１８内に納入されて上端を仕切り板２
１の透孔２２に嵌合されていてフイルター７内部
が汚水入り口１９と連通させられており、突部２
３とフランジ２４をケーシング１８の内周面に当
接させてフイルター７を位置決めされており、フ
イルター７の下方と内排出口３１との間にごみ溜
め部８が形成されている。また、ケーシング１８
の内周とフイルター７の外周との間には、湯が回
流できると共に浄水出口２０と連通した流路３０
形成されており、フランジ２４によつてこの流路
３０とフランジ２４の下方のごみ溜め部８とが水
密的に仕切られている。ごみ溜め部８の下面に開
口された内排出口３１の下方には、排出管３２を
接続される外排出口３３が設けられている。フイ
ルター装置６のケーシング１８及びフイルター７
の中心には、第３図に示すような操作杆３４が上
下動自在に納入されており、操作杆３４はシヤフ
ト固定ブロツク３５により上下方向に摺動自在に
保持され、スプリング３６により上方へ弾性的に
付勢されており、またシヤフト固定ブロツク３５
はゴムなどで形成されていて水漏れ防止の機能も
有している。更に、操作杆３４にはフイルターネ
ツト２８に付着した汚れをかき落とすためのかき
取り部３７と、弁座部２９を開閉するための弁体
３８と内排出口３１を開閉する弁３９とが取着さ
れており、弁体３８の下には螺旋溝４０が形成さ
れている。よつて、ごみ溜め部８と弁３９とによ
り洗浄機構９が構成されている。しかして、通常
は第２図に示すように、弁体３８により内排出口
３１が閉じられ、弁座部２９は開かれているが弁
座部２９には螺旋溝４０が位置している。そし
て、汚水入り口１９から流入した湯はフイルター
７を内周側から外周側へ通過する時に毛髪などの
ごみを除去され、流路３０を通つて浄水出口２０
から出てゆく。この時、フイルターネツト２８を
通過する湯は渦流発生リブ２６により螺旋状に流
れるので、フイルターネツト２８の目詰まりを防
止する効果がある。一方、フイルター７で除去さ
れたごみは下方へ落下し、弁座部２９を通り抜け
て下方のごみ溜め部８に溜められている。しか
も、ごみが弁座部２９を通過する時には、螺旋溝
４０により螺旋状に流下し、この螺旋状の水流に
よりごみを引つ掛からせることなく、ごみ溜め部
８へスムーズに排出させる。ごみが溜まつた場合
には、操作杆３４の上端を下方へ押し下げると、
かき取り部３７によりフイルターネツト２８の内
面がこすられてフイルターネツト２８の内面に付
着したごみがかき取られ、ごみは下方へ落下す
る。また、操作杆３４が押し下げられることによ
り、弁座部２９が弁体３８により閉じられ、フイ
ルター７側とごみ溜め部８とが仕切られる。同時
に内排出口３１の弁３９が開くので、ごみ溜め部
８に溜まつたごみは内排出口３１から排出される
が、フイルター７側は弁体３８により閉じられて
いるので、フイルター装置６の掃除を行つている
場合にも循環している湯を漏らすことがないもの
である。 ろ過槽３内には、水銀のような重金属を充填さ
れたゼオライト４が充填されており、更に麦飯石
のような天然石５も充填されている。従つて、フ
イルター装置６で浄化された湯がろ過槽３を通過
する時、湯がゼオライト４内に保持された重金属
に接触することにより湯中の微生物が殺菌され、
湯の消毒が行なわれる。更に、天然石５中を湯が
通過する時に天然石５が溶け出しているミネラル
分が湯とともに流れ出して湯にミネラル分が含ま
れることになる。次に、循環湯の加熱方法につい
て述べる。１つは屋根４１の上の太陽熱温水器４
２であり、もう１つは循環路２に設けられたセラ
ミツクヒータ１３である。太陽熱温水器４２はバ
イパス路４３によりフイルター装置６とろ過槽３
との中間で循環路２に接続されており、一対の切
換え弁４４により流路を切り換えることができる
ようになつている。このセラミツクヒータ１３及
び切換え弁４４は、吸入口１１の近くに設けられ
た側温センサー４５とバイパス路４３の出口付近
に設けられた側温センサー４６とにより制御され
ている。即ち、吸入口１１付近の側温センサー４
５が適温であると判断すると、セラミツクヒータ
１３はオフのままで、流路はバイパス路４３側で
閉じられており、湯は加熱されることなく吐出口
１２から吐出される。一方、吸入口１１近くの側
温センサー４５が温度低下を検出した場合で、バ
イパス路４３の側温センサー４６が高温を検知し
ている場合には、セラミツクヒータ１３はオフの
ままで切換え弁４４はバイパス路４３側へ切り換
えられ、循環路２内の湯は太陽熱温水器４２で加
熱されて吐出口１２から吐出されるのである。更
に、吸入口１１近くの側温センサー４５が温度低
下を検知し、バイパス路４３の側温センサー４６
も低温を検知している場合（夜間や曇天時など）
には、切換え弁４４がバイパス路４３側で閉じら
れた状態でセラミツクヒータ１３がオンとなり、
湯は太陽熱温水器４２を通ることなくセラミツク
ヒータ１３で加熱され、加熱された湯が吐出口１
２から吐出されるものである。このセラミツクヒ
ータ１３で湯を加熱した場合には、セラミツクヒ
ータ１３から放射される遠赤外線により湯が殺菌
される効果がある。 なお、浴槽１内の湯量はレベルセンサー４７に
より検出されており、浴槽１内の湯量が低下した
場合には、レベルセンサー４７で検出して蛇口４
８を開き、浴槽１内へ湯ないし水を供給する。

【発明の効果】

本発明は叙述のごとく構成されているから、循
環路内を流れる湯がフイルター装置を通過する
時、汚れた湯はフイルターにより毛髪やごみなど
を除去され、更にろ過槽内を通過する時、湯中に
繁殖している微生物はゼオライト内に充填されて
いる重金属に触れて死滅させられ、汚れを除去さ
れ浄化された清潔な湯が再び浴槽内に吐出される
のである。従つて、浴槽内の湯を循環路に循環さ
せることにより清浄に保つことができるものであ
り、しかもオゾン発生器を用いて湯の殺菌を行う
場合に比べて安全に湯を殺菌消毒することができ
るものである。また、湯がろ過槽内の麦飯石のよ
うな天然石中を通過する時、天然石のミネラル分
が流出することにより浴槽内の湯にミネラル分が
含有され、温泉のような効能を発揮することがで
きると共に保温効果により入浴者の身体もポカポ
カと温めることができるものである。また、フイ
ルター装置には、フイルターから落下したごみな
どを溜めるごみ溜め部と、ごみ溜め部とフイルタ
ーとの間を水封しながらごみ溜め部のごみを排出
する洗浄機構とを設けてあるので、フイルター側
を閉じた状態でごみ溜め部内のごみを排出するこ
とができ、フイルター装置内に湯を循環させなが
らフイルター装置の掃除及び洗浄を行うことがで
きるものであり、しかも逆洗用の水なども用いる
ことなくフイルター装置を掃除することができる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す概略断面図、
第２図は同上のフイルター装置を示す概略断面
図、第３図は同上の操作杆の正面図、第４図は同
上のフイルターを示す正面図である。 １……浴槽、２……循環路、３……ろ過槽、４
……重金属入りのゼオライト、５……天然石、６
……フイルター装置、７……フイルター、８……
ごみ溜め部、９……洗浄機構。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 浴槽内の湯を吸引して再び浴槽内に吐出させ
   る循環路を浴槽の外部に形成し、この循環路にろ
   過槽とフイルター装置とを設け、前記ろ過槽内に
   麦飯石のような天然石と重金属入りのゼオライト
   を充填し、前記フイルター装置内に納められたフ
   イルターの下方にフイルターにより除去されたご
   みを落下させるためのごみ溜め部を形成し、ごみ
   溜め部とフイルターとの間を水封すると同時にご
   み溜め部内の湯を排出する洗浄機構をフイルター
   装置内に設けて成ることを特徴とする湯の循環ろ
   過装置。