JP2004322060A - 浄化装置およびその浄化装置をもつ浄化用タンク - Google Patents
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Abstract
【課題】雨水などの汚濁水を浄化する経済的な浄化装置およびその浄化装置をもつ浄化用タンクを提案すること。
【解決手段】導水部、螺旋流分離部、沈降部、ろ過部からなる浄化装置およびその浄化装置をもつ浄化用タンクにおいて、汚濁水の放水力で起こる螺旋流によって、汚濁水に含む浮遊物・沈降物を螺旋流分離部で分離したのち、沈降部、浄化殺菌剤を充填するろ過部を流過して、清浄な浄化水を得る。
【選択図】 図1
【解決手段】導水部、螺旋流分離部、沈降部、ろ過部からなる浄化装置およびその浄化装置をもつ浄化用タンクにおいて、汚濁水の放水力で起こる螺旋流によって、汚濁水に含む浮遊物・沈降物を螺旋流分離部で分離したのち、沈降部、浄化殺菌剤を充填するろ過部を流過して、清浄な浄化水を得る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、雨水、風呂排水、庭池などの異物・雑菌が混入した汚濁水を浄化し、生活用水として有効に利用する浄化装置及びその浄化装置をもつ浄化用タンクについての提案である。
【0002】
【従来の技術】
従来、水質が比較的に良好な雨水は、それを集水して貯水タンクに貯水し、洗車、庭先の潅水、庭池の用水として有効に利用されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、屋根等に降って雨樋等に流入した雨水は、屋根の塵や埃のような汚濁物を洗い出してくるために、そのまま生活用水として利用するには問題がある。また、雨水は、農薬等の有害物質や雑菌等を含む場合があり、例えば風呂や洗濯などの生活用水として、そのまま利用するには問題がある。
さらに、雨水は、強い酸性を示す場合もあり、このような酸性雨をそのまま生活用水として用いると、例えば、生活部材に腐食が起たり、人体に悪影響をもたらすという問題がある。
【0004】
一方で、乾水期になると、生活用水として利用する雨水が不足する。そのため、不足分の生活用水としては、上水道を使用するのが一般的である。このことは、雨水を有効に利用できるものの、生活用水全体についての経済性を考えた場合、依然として無駄な点が多いと言える。又、錦鯉などを入れている庭池は、水の汚れに敏感であるため、頻繁に清浄な水道水を池に入れる必要があり、水道料金がかかる問題点がある。
【0005】
これに対し、定期的に排水される風呂水などの生活用水を再利用する方法が考えられる。しかしながら、特に風呂水は、雨水などに比べて黄色ぶどう球菌や大腸菌などの雑菌が多く、生活用水としてそのまま利用するには問題がある。また、庭池の水には、水道水が用いられていて、維持経費がかかる問題がある。
【0006】
そこでこの発明の目的は、雨水や風呂水を生活用水として利用するときに起こる上述した各種問題、庭池の水質維持の問題を解消することにあり、特に、雨水、風呂水、池の水などに使用した汚濁水を清浄でしかも水質的にも安全な水に浄化できる経済性に優れる簡便な浄化装置及びその浄化装置をもつ浄化用タンクを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的実現に向け鋭意検討した結果、下記内容を要旨構成とする浄化装置及びその浄化装置を利用する浄化用タンクを完成するに至った。
すなわち、上記の課題を解決できる、この発明の浄化装置は、汚濁水の導入側から、導水部、螺旋流分離部、沈降部、ろ過部からなる浄化装置であって、汚濁水に含む浮遊物と沈降物を螺旋流で分離する前記螺旋流分離部の上部には、その螺旋流分離部の本体の内周方向に水流を起こす、前記導水部の放水管を配置するとともに、その螺旋流分離部の底部には、前記沈降部を下方に連結し、その沈降部と上方に連結するろ過部を連結し、前記ろ過部には、その下方の流入開口から、その上方の流出開口に向けて、浄化抗菌剤を充填し、その流出開口の全周から、清浄な浄化水を流出することを特徴とする。
【0008】
この浄化装置において、この導水部は、螺旋流分離部の本体の円周方向に螺旋流を起こす放水口をもつ、螺旋流分離部の上蓋であることが好ましく、螺旋流分離部は、螺旋流が発生しやすい凸型の外周面をもつ円筒が適する。ろ過部は、沈降部の上部を共有する螺旋流分離部の外周面と画成し、その螺旋流分離部を内部にもつ円筒が好ましい。又は、ろ過部は、螺旋流分離部と共有しない異なる沈降部の上部にある四角筒が好ましい。
この沈降部には、この沈降部の上方に向けて、オーバーフロー管を連結し、そのオーバーフロー管の流出管は、ろ過部の流出開口と螺旋流分離部の流入開口の間に配置することが好ましい。上記螺旋流分離部の本体は、スパイラルダクトであることが好ましい。ろ過部の本体は、耐久性のあるステンレス製躯体が好ましく、経済性に優れるスパイラルダクトが望ましい。
【0009】
この浄化装置において、浄化抗菌剤は、木質系素材の木質細片炭、抗菌金属粉を木質系素材に混合して炭化した浄化抗菌炭、ヤシガラマットや金属粒に酸化チタンを付着した抗菌剤である。この浄化抗菌炭は、木質系素材と抗菌金属粉の混合物を炭化させて造粒したものであることが望ましい。この抗菌金属粉は、銀粉または銅粉であることが望ましい。又、前記木質系素材は、木材チップが好ましく、その木材チップを炭化した木質細片炭の大きさは、5〜10mmの木質粒炭が望ましく、不織布に入れた木質粒炭をろ過部に重畳に配置することが好ましい。
【0010】
この浄化装置を利用する浄化用タンクにおいて、その浄化装置で汚濁水を浄化した浄化水を貯水する貯水槽をもつ浄化用タンクの内部に浄化装置を設置することを特徴とする。その浄化装置を構成する一部の構成面として、沈降部の底面・側面は、この浄化用タンクの構成面である底面、側面からなることが好ましい。この浄化用タンクにおいて、沈降部の上方に向けて、オーバーフロー管を連結し、そのオーバーフロー管の流出管は、ろ過部の流出開口と上記螺旋流分離部の流入開口の間に設けることが好ましい。その汚濁水のオーバーフロー水は、浄化用タンクの上部側面に付設した排水管から、この浄化用タンクの外の排水溝に排水される。
【0011】
この浄化装置の螺旋流分離部の本体の円周方向に螺旋流を発生させる放水管において、螺旋流分離部に配置する放水管は、前記螺旋流分離部の開口部の真上に位置している、浄化用タンクの上部側面から螺旋流分離部の開口部まで、延長した導水管の先端に放水管を付設してなる浄化用タンクは、金属製浄化用タンクが好ましい。又、浄化用タンクの上蓋に付設してなる浄化用タンクは、プラスチック製の浄化用タンクが好ましい。
【0012】
この浄化装置の沈降部の下部に排水管を設け、この排水管に向けて沈降部の底面が下方傾斜してなる構造とすることが望ましい。また、上記浄化用タンクには、貯水槽の下部側面に配水用ポンプの配水管を設けること、貯水槽の上部側面に補給水を給水する給水管を設けること、水位を少なくとも、配水用ポンプが正常に送水できる貯水面を維持するための、給水フロートを設けること、貯水槽の底部にドレン口を設けることが望ましい。
【0013】
この浄化用タンクの内部に上記浄化装置を設置する浄化用タンクの本体は、FRPタンク、プラスチック製タンク、金属製タンクのいずれを用いても良い。又、上記浄化装置を構成する一部の構成面をもつ上記浄化用タンクの本体は、抗菌ステンレス鋼板からなり、タンク蓋はアルマイト処理した耐食アルミニウム板を用いることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の浄化装置の実施の形態を次に示す。
浄化装置は、降雨に伴い集水用樋に流れ込んだ雨水、生活用水排水管に流れ込んだ風呂排水、池の水などに使用した生活用水は、浄化装置において、導水部の放出管から螺旋流となり、螺旋流分離部に流入し、この螺旋流によって、ゴミなどの浮遊性物が浮力作用によって螺旋流分離部の水面中心部に浮集して、分離除去されると同時に、土砂などの汚降物が螺旋流によって、螺旋流分離部の本体の円周面での沈降作用によって分離除去されて、一次浄化されたのち、螺旋流分離部の底部にある沈降部に流入し、この沈降作用によって土砂などの汚濁・異物が更に除去されて、二次浄化されたのち、この沈降部の上部の流出側に設けたろ過部に流入する。
【0015】
次いで、ろ過部に流入した二次浄化水は、下層に位置する木質細片炭、上層に位置する浄化抗菌炭の層を順次に流過して三次浄化されたのち、ろ過部上方の開口部の全周を経て流出する。このようにして3段階の浄化を経て得られた清浄でしかも水質的にも安全で衛生的な浄化水は、配水管から必要とする給水ポイントに適時供給することになる。
【0016】
大雨などの導水部の汚濁水の水量が多くなって、ろ過部の浄化抗菌剤の流過負荷が大きくなった際に、汚濁水は、ろ過部を流過するのでなく、沈降部に設けたオーバーフロー管をバイバスして、直接、沈降部から浄化装置の外の排水溝に排水する。
【0017】
これにより、従来、利用されることなくそのほとんどが放水されていた雨水、風呂水、池の水などの使用済生活用水を、主として飲料以外の用途に対する生活用水として、安全にかつ有効に利用することができるようになる。
【0018】
本発明の浄化装置を利用した浄化用タンクの実施の形態を次ぎに示す。
汚濁水は、浄化用タンクに内設されている上記浄化装置で三段階の浄化を経たのち、その浄化装置のろ過部の上部の開口部の全周から流出する清浄でしかも水質的にも安全な浄化水は、浄化用タンクの貯水槽に貯水されて、配水管から必要とする給水ポイントに適時供給される。
【0019】
この浄化用タンクにおいて、上記浄化装置のオーバーフロー管に比して、一回り大きいオーバーフロー用の排水管を浄化用タンクの上部側面に設けて、その排水管に前記浄化装置のオーバーフロー管の流出管を挿入し、ろ過部の浄化能力の負荷を上回る汚濁水は、沈降部から、直接、オーバーフロー管を経て、浄化用タンクの外部に排水すること、沈降部の下部側面に排水管を設けること、浄化用タンクの最高水位のオーバーフローは、オーバーフロー用の排水管で排水すること、浄化用タンクの最低水位を維持する給水フローを浄化用タンクに設けること、浄化用タンクの下部側面に配水用ポンプの配水管と清掃用の排水管を設けることが好ましい。
【0020】
螺旋流分離部、ろ過部の本体は、耐水性のあるステンレス鋼板からなり、経済性に優れるスパイラルダクトが望ましい。この浄化装置と一体化する浄化用タンクの本体は、ステンレス鋼板で構成することが好ましい。
また、この浄化装置を内部に配置している浄化用タンクには、FPR,ポリタンクなどプラスチック製タンクを用いる。このプラスチック製の浄化用タンクには、その下部側面に清掃用排水管、その上部側面にオーバーフロー用の排水管を設け、給水用ポンプは、水中ポンプ、井戸ポンプなどの自給ポンプを用いる。
【0021】
その浄化装置の沈降部に沈殿した砂を排砂する排水管の開閉弁は、沈降部の内部に設けて、その排水弁の開閉は、排水弁の開閉軸棒を螺旋流分離部の上部の開口部まで伸ばし、その開口部で軸棒を正・逆転して、排水弁を開閉可能として、螺旋流分離部の水面中心部に集中する浮遊物を取り除く蓋を螺旋流分離部に着脱可能に付設する。
【0022】
これにより、従来、利用されることなくそのほとんどが放水されていた雨水、風呂水、池の水などの使用済生活用水を、主として飲料以外の用途に対する生活用水として、安全にかつ有効に利用することができるようになる。
【0023】
以下に、この発明の浄化装置の第一実施例を図面で説明する。
図1は、この発明にかかる浄化装置の第一実施例を示す断面略線図である。この発明の浄化装置は、沈降部3の上部円筒部32に螺旋流分離部2を着脱可能に取り付けるとともに、その沈降部の上部円筒部32の異なる上部円筒部33にろ過部4を着脱可能に取り付けて、導水部となる螺旋流分離部2の上部蓋1の裏側には、螺旋流を起こす放水管12が設けられ、その放水管12の表側には、汚濁水の導水管5が挿着される。この浄化装置のろ過部4には、不織布に詰められた木質細片炭41の層と浄化抗菌炭42の層を重畳して充填されている。
【0024】
図2は、この発明にかかる浄化装置の第一実施例を示す正面略線図である。
この浄化装置は、沈降部3の上部に装着された円筒型の螺旋流分離部2と、その螺旋流分離部の本体上部の円周方向に放水角をもつように配置された導水部の蓋1の放水管12、沈降部3の上部の異なった位置に装着された四角形のろ過部4の内部には、重畳された浄化抗菌剤が充填されている。この浄化装置の本体は、耐久性、耐候性のために、ステンレス鋼板(SUS304等)を用い、螺旋流分離部、ろ過部の躯体には、スパイラルダクトを用いる。
【0025】
上記構成からなる浄化装置において、汚濁水は、導水管5から自らの放水力によって、螺旋流分離部の円周方向へ放水角をもつ放水管12によって、螺旋流分離部2の外周内面21の円周方向に螺旋流を生じながら、流下する。その際に汚濁水に含まれるゴミなどの浮遊物は、螺旋流の作用が弱く、螺旋流分離部の渦力の少ない中心部に選って、浮力の作用で水面中心部22に集まる。一方、土砂の沈降物は、螺旋流の遠心力で、螺旋流分離部の外周面21に選って、沈降部3に沈降する。
【0026】
この螺旋流分離部2で浄化された一次浄化水は、沈降部3を流過して、その上部にあるろ過部4に流入する。螺旋流分離部1の底面から、ろ過部4の底面に1次汚濁水が流れる間に、細かい土砂を沈降部3の底部に沈降する。この沈降部3で浄化された二次浄化水は、ろ過部4の下部層の木質細片炭41と、その上部層の浄化抗菌炭42を流過し、細かい汚濁・異物をろ過し、細菌類を殺菌除去した三次浄化水(水質改善と滅菌)が得られる。
この浄化装置は、庭池中に浮かして配置することで、雨水、生活用水、庭池の水を浄化して、庭池の用水として再利用できる。
【0027】
図3は、上記の浄化装置の沈降部3にオーバーフロー管34を設けた断面概略図である。図4は、その正面概略図を示している。
上記に述べた浄化装置において、ろ過部4の浄化抗菌剤の浄化能力を超える汚濁水が、螺旋流分離部2に大量に流入し、その螺旋流分離部の流入開口から、オーバーフローしないように、沈降部の上部に上方に向けて、オーバーフロー管34を設けている。そのオーバーフロー管の流出口は、ろ過部4のオーバーフロー開口面より、少し高くし、螺旋流分離部2の開口面より、少し低くして、この浄化装置の外にある排水溝に連結する。ろ過部4の外周面上部には、集水部43を付設している。
【0028】
この構成による浄化装置において、日常的に流れ込む汚濁水は、螺旋流分離部2、沈降部3、ろ過部4を通過して、そのろ過部から、オーバーフローし、集水部に入った3次浄化された浄化水は、配水パイプを流れて、給水ポイントに排水される。大雨など汚濁水が、この浄化装置の螺旋流分離部2に流入すると、ろ過部4の流過抵抗によって、螺旋流分離部2から、直接、沈降部3のオーバーフロー管34を流過して、浄化装置の外にある排水溝に排水する。
【0029】
次ぎに、この発明の第一実施例の浄化装置をもつ第一実施例の浄化用タンクについて、説明する。この浄化用タンクの特徴は、その本体の一部で構成された、上記第一実施例の浄化装置と、その3次浄化水の貯水槽からなることにある。
以下、この発明にかかる浄化装置を利用する浄化用タンクの第一実施例を図面で説明する。
【0030】
図5は、この発明にかかわる浄化装置を利用する浄化用タンクの第一実施例を示す断面略線図である。図6は、この浄化用タンクの第一実施例の側面断面略線図である。図7は、この浄化用タンクの第一実施例の正面略線図である。この浄化装置を構成している沈降部3の本体の一部は、図5、6、7に示すように、浄化用タンク6の本体壁面63、64、65の一部からなり、その沈降部の底面は、浄化用タンクの底面と共有している。
【0031】
その沈降部3の上部には、異なった所に円筒型の螺旋流分離部2と、四角型のろ過部4が着脱可能に挿着されている。この浄化用タンクの蓋61は、螺旋流分離部2の円周方向に螺旋流を起こす放水管12をもつ蓋である。なお、汚濁水の導水管5は、浄化用タンク64の側面上部の導水部7から、その導水部7に放水管12を挿着する。導水管5から、大量の汚濁水が流入して、貯水槽の3次浄化水に混じらないように、沈降部3の上部からのオーバーフロー管34を挿着する排水管68を浄化用タンクの上部側面64に付設している。
【0032】
その排水管68の高さは、ろ過部4のオーバーフロー面と螺旋流分留部2の開口面の間に位置するように設ける。また、沈降部3の底面には、沈降物を排水管69に導く排砂用底板35を付設している。
更に、浄化用タンクには、下部側面に配水用ポンプに連結する配水管と清掃用の排水管、上部側面にオーバーフロー管と補給水を供給する給水管、上面に貯水槽の蓋が付設される。
【0033】
汚濁水の導水管5を着脱可能に挿着する導水部の導水管1には、螺旋流分離部2の本体の円周方向に螺旋流を起こす放出管12が挿着されている。
上記構成からなる浄化用タンクにおいて、雨水、風呂の排水などの汚濁水は、この浄化用タンク6の側面上部64の放水管12に挿着されている導水管5から自らの放水力によって、螺旋流分離部2の円周方向へ放水角をもつ放水管12によって、螺旋流分離部2の外周内面21の円周方向に螺旋流を生じながら、流下する。その際に、汚濁水に含まれるゴミなどの浮遊物は、螺旋流の作用が弱く、螺旋流分離部2の渦力の少ない中心部によって、浮力の作用で中心水面22に集まる。一方、土砂の沈降物は、螺旋流の遠心力で、螺旋流分離部2の外周面21によって、沈降部3に沈降する。
【0034】
この螺旋流分離部2で浄化された一次浄化水は、沈降部3を流れて、螺旋流分離部2と異なる上部にあるろ過部4の上方に流入する。螺旋流分離部1の底面から、ろ過部4の底面に1次汚濁水が流れる間に、細かい土砂を沈降部3の底部に沈降する。この沈降部3で浄化された二次浄化水は、ろ過部4の下部層の木質細片炭41と、その上部層の浄化抗菌炭42を流れて、細かい汚濁物をろ過し、細菌類を殺菌除去した三次浄化水(水質改善と滅菌)が得られる。
【0035】
なお、時には、雨水のように、大量に汚濁水が浄化装置に流入すると、ろ過部4の流過抵抗が増して、オーバーフロー管34の水位が上昇して、浄化用タンクの上部側面の配水管68から、排水溝に排水される。
この浄化装置のろ過部4から、オーバーフローした、この清浄な3次浄化水は、浄化用タンク6の貯水槽60に蓄えられて、配水ポンプ65で給水ポイントに配水される。
【0036】
洗車、水洗トイレ、潅水の日常の給水要求に応えるため、この貯水槽に一定の水を確保する最低水位は、水道水を補給する給水管66が浄化用タンク6に付設されていて、給水は、浄化用タンク6の最低水位を感知する給水フロートなどで、給水管66を開閉して行う。浄化用タンク6には、貯水槽の内部を点検する蓋62と、その浄化用タンク6の下部側面の排水管を設けて、その配水管で貯水槽の清掃水を排水する。
この発明の浄化用タンクによって、雨水、生活用水などの汚濁水が浄化されて、植木の潅水、洗車、水洗トイレ、池の水の生活用水に使用する。
【0037】
次ぎに、この発明の浄化装置の第二実施例を図面で説明する。
図8は、この発明にかかる浄化装置の第二実施例を示す断面略線図である。この発明の浄化装置は、螺旋流を起こす放水管12をもつ上蓋1の導水部と、円筒型の螺旋流分離部2と、その外周面21と画成し前記螺旋流分離部2を内部にもつ円筒型のろ過部4と、その外周面43と共有し前記螺旋流分離部2の開口底面、前期ろ過部4の開口底面、沈降部3の底板31からなる沈降部3とから構成されている。そのろ過部には、不織布に詰められた木質細片炭41の層と浄化抗菌炭42の層を重畳して配設してなる。
【0038】
図9は、この発明にかかる浄化装置の第二実施例を示す正面略線図である。この浄化装置は、円筒型のろ過部4の内周面を外周面21とする円筒型の螺旋流分離部2の上部の円周方向に沿って、放水管12が配置されて、螺旋流分離部の外周面21と、ろ過部の外周面43のろ過部4の内部には、浄化殺菌剤が重畳して充填されている。浄化殺菌剤は、木質細片炭層と木質細片炭であり、それを不織布に詰めて、ろ過部の下方から、木質細片炭と木質細片炭をろ過部に重畳している。
【0039】
この浄化装置は、第一の実施例と同様に汚濁水が導水部の放水管12から、螺旋流分離部2で螺旋流が起こり、浮遊物と沈降物を分離された一次浄化水は、沈降部3で細かい沈降物を分離して、二次浄化水が得られる。この二次浄化水は、ろ過部4の下方から、木質細片炭で微小な浮遊物と沈降物を取り除いて、その上の木質殺菌層で、一般細菌、大腸菌が殺菌された三次浄化水が得られる。この三次浄化水は、異物と雑菌の混入が無い清浄な浄化水となり、給水ポイントへ配水される。
【0040】
図10は、上記の浄化装置の沈降部3にオーバーフロー管34と、ろ過部4の外周面上部に集水部43を設けた断面概略図である。図11は、その正面略線図を示している。上記に述べた浄化装置において、ろ過部4の浄化抗菌剤の浄化能力を超える汚濁水が、螺旋流分離部2に大量に流入し、その螺旋流分離部の流入開口から、オーバーフローしないように、沈降部の上部に上方に向けて、オーバーフロー管34を設けている。そのオーバーフロー管の流出口は、ろ過部4のオーバーフロー開口面より、少し高くし、螺旋流分離部2の開口面より、少し低くして、本浄化装置の外にある排水溝に連結する。
【0041】
次ぎに、この発明の第二実施例の浄化装置をもつ第二実施例の浄化用タンクについて、説明する。この浄化用タンクは、その本体の一部で構成された、上記第二実施例の浄化装置と、その3次浄化水の貯水槽からなることにある。
以下、この発明にかかる浄化装置をもつ浄化用タンクの第二実施例を図面で説明する。
【0042】
図10は、この発明にかかわる浄化装置をもつ浄化用タンクの第二実施例を示す断面略線図である。図11は、この浄化用タンクの第一実施例の正面略線図である。
この浄化装置を構成している沈降部3とろ過部4の本体の一部は、図10、11に示すように、浄化用タンク6の本体壁面63、64、65の一部からなり、その沈降部の底面は、浄化用タンクの底面と共有している。
【0043】
その沈降部3の上部には、異なった所に螺旋流分離部2と沈降部3が着脱可能に挿着されている。この浄化用タンクにかかる蓋61は、螺旋流分離部2の円周方向に螺旋流を起こす放水管12をもつ蓋である。なお、汚濁水の導水管5は、蓋61の表側から、放水管12に挿着する。導水部から、大量の汚濁水が流入して、貯留槽の3次浄化水に混じらないように、沈降部3の上部からのオーバーフロー管34の排水管を浄化用タンクの上部側面64に設ける。
【0044】
その排水管の高さは、ろ過部のオーバーフロー面と螺旋流分留部2の開口面の間に位置するように設ける。また、沈降部3の底面には、沈降物が排水管69に導く排砂用底板35を付設することが望ましい。また、浄化用タンクには、下部側面に配水用ポンプに連結する配水管と排水管、上部側面にオーバーフロー管と補給水を供給する給水管、上面に貯水槽の蓋が付設される。
【0045】
汚濁水の導水部の蓋1には、汚濁水の導水管5を着脱可能に挿着し、螺旋流分離部2の本体の円周方向に螺旋流を起こす放出管12が、上蓋61の裏側に取り付けられている。
【0046】
上記構成からなる浄化用タンクにおいて、雨水、風呂の排水などの汚濁水は、この浄化用タンク6の蓋61の放水管12に挿着されている導水管5から自らの放水力によって、螺旋流分離部2の円周方向へ放水角をもつ放水管12によって、螺旋流分離部2の外周内面21の円周方向に螺旋流を生じながら、流下する。
その際に、汚濁水に含まれるゴミなどの浮遊物は、螺旋流の作用が弱く、螺旋流分離部2の渦力の少ない中心部に選って、浮力の作用で水面中心部22に集まる。一方、土砂の沈降物は、螺旋流の遠心力で、螺旋流分離部2の外周面21に選って、沈降部3に沈降する。
【0047】
この螺旋流分離部2で浄化された一次浄化水は、沈降部3を流れて、螺旋流分離部2の円筒面を画成して内接する、ろ過部4の上方に流入する。螺旋流分離部1の底面から、ろ過部4の底面に1次汚濁水が流れる間に、細かい土砂を沈降部3の底部に沈降する。この沈降部3で浄化された二次浄化水は、ろ過部4の下部層の木質細片炭41と、その上部層の浄化抗菌炭42を流れて、細かい汚濁物をろ過し、細菌類を殺菌除去した三次浄化水(水質改善と滅菌)となり、貯水槽と画成する、ろ過部4の外画板43の全周をオーバーフローして、貯水槽60に流入する。
【0048】
なお、時には、雨水のように、大量に汚濁水が浄化装置に流入すると、ろ過部4の流過抵抗が増して、オーバーフロー管34の水位が上昇して、この浄化用タンクの上部側面の配水管68から、排水溝に排水される。
この浄化装置のろ過部4の流出開口から、オーバーフローした、この清浄な3次浄化水は、浄化用タンク6の貯水槽60に蓄えられて、給水ポイントに配水ポンプ65で配水される。
【0049】
洗車、水洗トイレ、潅水の日常の給水要求に応えるため、この貯水槽に一定の水を確保する最低水位は、水道水を補給する給水管66が浄化用タンク6に付設されていて、給水は、浄化用タンク6の最低水位を感知する給水フロートなどで、給水管66を開閉して行う。浄化用タンク6には、貯水槽の内部を点検する蓋62と、その貯水槽を清掃するときには、その浄化用タンク6の底部の排水管から、貯水槽の清掃水を排水する。
【0050】
次ぎに、この発明の第二実施例の浄化装置をもつ第三実施例の浄化用タンクについて、説明する。この浄化用タンクは、その本体の一部で構成された、上記第二実施例の浄化装置と、その3次浄化水の貯水槽からなることにある。
以下、この発明にかかる浄化装置をもつ浄化用タンクの第三実施例を図面で説明する。
図12は、この発明にかかわる浄化装置をもつ浄化用タンクの第三実施例を示す断面略線図である。図13は、この浄化用タンクの第三実施例の正面略線図である。
【0051】
この浄化装置を構成している沈降部3とろ過部4の本体の一部は、図12、13に示すように、浄化用タンク6の本体壁面63、64、65の一部からなり、その沈降部の底面は、浄化用タンクの底面と共有している。
その沈降部3の上部には、ろ過部4と画成して、円筒型の螺旋流分離部2が付設されている。この浄化用タンクの蓋61は、螺旋流分離部2の円周方向に螺旋流を起こす放水管12をもつ蓋である。
【0052】
汚濁水の導水管5は、蓋61の表側から、放水管12に挿着する。導水部から、大量の汚濁水が流入して、貯水槽の3次浄化水に流入しないように、沈降部3に位置する浄化用タンクの外壁面からのオーバーフロー管34の流出管は、その高さが、ろ過部のオーバーフロー面と螺旋流分留部2の開口面の間に位置するようにして、逆U字型で設ける。
【0053】
また、浄化用タンクには、底部に給水用ポンプに連結する配水管と排水管、上部にオーバーフロー管と補給水を供給する給水管、上面に貯留槽の蓋が付設される。
汚濁水の導水部の蓋1は、汚濁水の導水管5を着脱可能に挿入し、螺旋流分離部2の本体の円周面に螺旋流を起こす放出管12が、上蓋61の裏側に取り付けられている。
【0054】
次ぎに、この発明の第二実施例の浄化装置をもつ第四実施例の浄化用タンクについて、説明する。この浄化用タンクは、その浄化タンク内部に設置した、上記第二実施例の浄化装置と、その3次浄化水の貯水槽からなることにある。
以下、この発明にかかる浄化装置をもつ浄化用タンクの第四実施例を図面で説明する。
図14は、この発明にかかわる浄化装置をもつ浄化用タンクの第四実施例を示す断面略線図である。図15は、この浄化用タンクの第四実施例の正面略線図である。
【0055】
この浄化装置は、図14、15に示すように、浄化用タンク6の開口部の真下に配置されて、その開口部の蓋には、導水部と、浄化水の配水用の自給ポンプと、貯水槽の点検口が付設されている。
上記第二浄化装置の浄化装置で説明したように、汚濁水は、導水部の蓋61の放水管12から、螺旋流となり、螺旋流分離部2で、浮遊物と沈降物を分離した1次浄化水は、沈降部3を流れて、砂を沈降した2次浄化水は、ろ過部の浄化殺菌剤41,42で、ろ過殺菌された3次浄化水の清浄な浄化水になり、浄化用タンクの貯水部60に貯水されて、配水ポンプで配水ポイントに供給される。
【0056】
補給水を供給する供給フローと排水管を浄化用タンクに付設する。この浄化装置の躯体には、ステンレス製鋼板を用いて、螺旋流分離部、ろ過部の躯体には、スパイラルダクトを用いる。また、この浄化用タンクには、市販のFRPタンク、ポリタンクなどのどのような貯水タンクを用いてもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明は、雨水、風呂水、池の水等の汚濁水を飲料以外の用途に対する生活用水として有効に利用することができる浄化装置およびその浄化装置をもつ浄化用タンクを安価な構造で提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】浄化装置の第一の実施例を示す断面略線図
【図2】浄化装置の第一の実施例を示す正面略線図
【図3】オーバーフロー管を設けた断面略線図
【図4】オーバーフロー管を設けた正面略線図
【図5】浄化用タンクの第一の実施例を示す断面略線図
【図6】浄化用タンクの第一の実施例を示す側面断面略線図
【図7】浄化用タンクの第一の実施例を示す正面略線図
【図8】浄化装置の第二の実施例を示す断面略線図
【図9】浄化装置の第二の実施例を示す正面略線図
【図10】浄化用タンクの第二の実施例を示す断面略線図
【図11】浄化用タンクの第二の実施例を示す正面略線図
【図12】浄化用タンクの第三の実施例を示す断面略線図
【図13】浄化用タンクの第三の実施例を示す正面略線図
【図14】浄化用タンクの第四の実施例を示す断面略線図
【図15】浄化用タンクの第四の実施例を示す正面略線図
【符号の説明】
1 蓋
12 放水管
2 螺旋流分離部
21 螺旋流分離部の外周面
3 沈殿部
34 オーバーフロー管
4 ろ過部
41 ろ過剤
42 ろ過剤
6 浄水用タンク
60 貯水槽
7 導水部
【発明の属する技術分野】
この発明は、雨水、風呂排水、庭池などの異物・雑菌が混入した汚濁水を浄化し、生活用水として有効に利用する浄化装置及びその浄化装置をもつ浄化用タンクについての提案である。
【0002】
【従来の技術】
従来、水質が比較的に良好な雨水は、それを集水して貯水タンクに貯水し、洗車、庭先の潅水、庭池の用水として有効に利用されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、屋根等に降って雨樋等に流入した雨水は、屋根の塵や埃のような汚濁物を洗い出してくるために、そのまま生活用水として利用するには問題がある。また、雨水は、農薬等の有害物質や雑菌等を含む場合があり、例えば風呂や洗濯などの生活用水として、そのまま利用するには問題がある。
さらに、雨水は、強い酸性を示す場合もあり、このような酸性雨をそのまま生活用水として用いると、例えば、生活部材に腐食が起たり、人体に悪影響をもたらすという問題がある。
【0004】
一方で、乾水期になると、生活用水として利用する雨水が不足する。そのため、不足分の生活用水としては、上水道を使用するのが一般的である。このことは、雨水を有効に利用できるものの、生活用水全体についての経済性を考えた場合、依然として無駄な点が多いと言える。又、錦鯉などを入れている庭池は、水の汚れに敏感であるため、頻繁に清浄な水道水を池に入れる必要があり、水道料金がかかる問題点がある。
【0005】
これに対し、定期的に排水される風呂水などの生活用水を再利用する方法が考えられる。しかしながら、特に風呂水は、雨水などに比べて黄色ぶどう球菌や大腸菌などの雑菌が多く、生活用水としてそのまま利用するには問題がある。また、庭池の水には、水道水が用いられていて、維持経費がかかる問題がある。
【0006】
そこでこの発明の目的は、雨水や風呂水を生活用水として利用するときに起こる上述した各種問題、庭池の水質維持の問題を解消することにあり、特に、雨水、風呂水、池の水などに使用した汚濁水を清浄でしかも水質的にも安全な水に浄化できる経済性に優れる簡便な浄化装置及びその浄化装置をもつ浄化用タンクを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的実現に向け鋭意検討した結果、下記内容を要旨構成とする浄化装置及びその浄化装置を利用する浄化用タンクを完成するに至った。
すなわち、上記の課題を解決できる、この発明の浄化装置は、汚濁水の導入側から、導水部、螺旋流分離部、沈降部、ろ過部からなる浄化装置であって、汚濁水に含む浮遊物と沈降物を螺旋流で分離する前記螺旋流分離部の上部には、その螺旋流分離部の本体の内周方向に水流を起こす、前記導水部の放水管を配置するとともに、その螺旋流分離部の底部には、前記沈降部を下方に連結し、その沈降部と上方に連結するろ過部を連結し、前記ろ過部には、その下方の流入開口から、その上方の流出開口に向けて、浄化抗菌剤を充填し、その流出開口の全周から、清浄な浄化水を流出することを特徴とする。
【0008】
この浄化装置において、この導水部は、螺旋流分離部の本体の円周方向に螺旋流を起こす放水口をもつ、螺旋流分離部の上蓋であることが好ましく、螺旋流分離部は、螺旋流が発生しやすい凸型の外周面をもつ円筒が適する。ろ過部は、沈降部の上部を共有する螺旋流分離部の外周面と画成し、その螺旋流分離部を内部にもつ円筒が好ましい。又は、ろ過部は、螺旋流分離部と共有しない異なる沈降部の上部にある四角筒が好ましい。
この沈降部には、この沈降部の上方に向けて、オーバーフロー管を連結し、そのオーバーフロー管の流出管は、ろ過部の流出開口と螺旋流分離部の流入開口の間に配置することが好ましい。上記螺旋流分離部の本体は、スパイラルダクトであることが好ましい。ろ過部の本体は、耐久性のあるステンレス製躯体が好ましく、経済性に優れるスパイラルダクトが望ましい。
【0009】
この浄化装置において、浄化抗菌剤は、木質系素材の木質細片炭、抗菌金属粉を木質系素材に混合して炭化した浄化抗菌炭、ヤシガラマットや金属粒に酸化チタンを付着した抗菌剤である。この浄化抗菌炭は、木質系素材と抗菌金属粉の混合物を炭化させて造粒したものであることが望ましい。この抗菌金属粉は、銀粉または銅粉であることが望ましい。又、前記木質系素材は、木材チップが好ましく、その木材チップを炭化した木質細片炭の大きさは、5〜10mmの木質粒炭が望ましく、不織布に入れた木質粒炭をろ過部に重畳に配置することが好ましい。
【0010】
この浄化装置を利用する浄化用タンクにおいて、その浄化装置で汚濁水を浄化した浄化水を貯水する貯水槽をもつ浄化用タンクの内部に浄化装置を設置することを特徴とする。その浄化装置を構成する一部の構成面として、沈降部の底面・側面は、この浄化用タンクの構成面である底面、側面からなることが好ましい。この浄化用タンクにおいて、沈降部の上方に向けて、オーバーフロー管を連結し、そのオーバーフロー管の流出管は、ろ過部の流出開口と上記螺旋流分離部の流入開口の間に設けることが好ましい。その汚濁水のオーバーフロー水は、浄化用タンクの上部側面に付設した排水管から、この浄化用タンクの外の排水溝に排水される。
【0011】
この浄化装置の螺旋流分離部の本体の円周方向に螺旋流を発生させる放水管において、螺旋流分離部に配置する放水管は、前記螺旋流分離部の開口部の真上に位置している、浄化用タンクの上部側面から螺旋流分離部の開口部まで、延長した導水管の先端に放水管を付設してなる浄化用タンクは、金属製浄化用タンクが好ましい。又、浄化用タンクの上蓋に付設してなる浄化用タンクは、プラスチック製の浄化用タンクが好ましい。
【0012】
この浄化装置の沈降部の下部に排水管を設け、この排水管に向けて沈降部の底面が下方傾斜してなる構造とすることが望ましい。また、上記浄化用タンクには、貯水槽の下部側面に配水用ポンプの配水管を設けること、貯水槽の上部側面に補給水を給水する給水管を設けること、水位を少なくとも、配水用ポンプが正常に送水できる貯水面を維持するための、給水フロートを設けること、貯水槽の底部にドレン口を設けることが望ましい。
【0013】
この浄化用タンクの内部に上記浄化装置を設置する浄化用タンクの本体は、FRPタンク、プラスチック製タンク、金属製タンクのいずれを用いても良い。又、上記浄化装置を構成する一部の構成面をもつ上記浄化用タンクの本体は、抗菌ステンレス鋼板からなり、タンク蓋はアルマイト処理した耐食アルミニウム板を用いることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の浄化装置の実施の形態を次に示す。
浄化装置は、降雨に伴い集水用樋に流れ込んだ雨水、生活用水排水管に流れ込んだ風呂排水、池の水などに使用した生活用水は、浄化装置において、導水部の放出管から螺旋流となり、螺旋流分離部に流入し、この螺旋流によって、ゴミなどの浮遊性物が浮力作用によって螺旋流分離部の水面中心部に浮集して、分離除去されると同時に、土砂などの汚降物が螺旋流によって、螺旋流分離部の本体の円周面での沈降作用によって分離除去されて、一次浄化されたのち、螺旋流分離部の底部にある沈降部に流入し、この沈降作用によって土砂などの汚濁・異物が更に除去されて、二次浄化されたのち、この沈降部の上部の流出側に設けたろ過部に流入する。
【0015】
次いで、ろ過部に流入した二次浄化水は、下層に位置する木質細片炭、上層に位置する浄化抗菌炭の層を順次に流過して三次浄化されたのち、ろ過部上方の開口部の全周を経て流出する。このようにして3段階の浄化を経て得られた清浄でしかも水質的にも安全で衛生的な浄化水は、配水管から必要とする給水ポイントに適時供給することになる。
【0016】
大雨などの導水部の汚濁水の水量が多くなって、ろ過部の浄化抗菌剤の流過負荷が大きくなった際に、汚濁水は、ろ過部を流過するのでなく、沈降部に設けたオーバーフロー管をバイバスして、直接、沈降部から浄化装置の外の排水溝に排水する。
【0017】
これにより、従来、利用されることなくそのほとんどが放水されていた雨水、風呂水、池の水などの使用済生活用水を、主として飲料以外の用途に対する生活用水として、安全にかつ有効に利用することができるようになる。
【0018】
本発明の浄化装置を利用した浄化用タンクの実施の形態を次ぎに示す。
汚濁水は、浄化用タンクに内設されている上記浄化装置で三段階の浄化を経たのち、その浄化装置のろ過部の上部の開口部の全周から流出する清浄でしかも水質的にも安全な浄化水は、浄化用タンクの貯水槽に貯水されて、配水管から必要とする給水ポイントに適時供給される。
【0019】
この浄化用タンクにおいて、上記浄化装置のオーバーフロー管に比して、一回り大きいオーバーフロー用の排水管を浄化用タンクの上部側面に設けて、その排水管に前記浄化装置のオーバーフロー管の流出管を挿入し、ろ過部の浄化能力の負荷を上回る汚濁水は、沈降部から、直接、オーバーフロー管を経て、浄化用タンクの外部に排水すること、沈降部の下部側面に排水管を設けること、浄化用タンクの最高水位のオーバーフローは、オーバーフロー用の排水管で排水すること、浄化用タンクの最低水位を維持する給水フローを浄化用タンクに設けること、浄化用タンクの下部側面に配水用ポンプの配水管と清掃用の排水管を設けることが好ましい。
【0020】
螺旋流分離部、ろ過部の本体は、耐水性のあるステンレス鋼板からなり、経済性に優れるスパイラルダクトが望ましい。この浄化装置と一体化する浄化用タンクの本体は、ステンレス鋼板で構成することが好ましい。
また、この浄化装置を内部に配置している浄化用タンクには、FPR,ポリタンクなどプラスチック製タンクを用いる。このプラスチック製の浄化用タンクには、その下部側面に清掃用排水管、その上部側面にオーバーフロー用の排水管を設け、給水用ポンプは、水中ポンプ、井戸ポンプなどの自給ポンプを用いる。
【0021】
その浄化装置の沈降部に沈殿した砂を排砂する排水管の開閉弁は、沈降部の内部に設けて、その排水弁の開閉は、排水弁の開閉軸棒を螺旋流分離部の上部の開口部まで伸ばし、その開口部で軸棒を正・逆転して、排水弁を開閉可能として、螺旋流分離部の水面中心部に集中する浮遊物を取り除く蓋を螺旋流分離部に着脱可能に付設する。
【0022】
これにより、従来、利用されることなくそのほとんどが放水されていた雨水、風呂水、池の水などの使用済生活用水を、主として飲料以外の用途に対する生活用水として、安全にかつ有効に利用することができるようになる。
【0023】
以下に、この発明の浄化装置の第一実施例を図面で説明する。
図1は、この発明にかかる浄化装置の第一実施例を示す断面略線図である。この発明の浄化装置は、沈降部3の上部円筒部32に螺旋流分離部2を着脱可能に取り付けるとともに、その沈降部の上部円筒部32の異なる上部円筒部33にろ過部4を着脱可能に取り付けて、導水部となる螺旋流分離部2の上部蓋1の裏側には、螺旋流を起こす放水管12が設けられ、その放水管12の表側には、汚濁水の導水管5が挿着される。この浄化装置のろ過部4には、不織布に詰められた木質細片炭41の層と浄化抗菌炭42の層を重畳して充填されている。
【0024】
図2は、この発明にかかる浄化装置の第一実施例を示す正面略線図である。
この浄化装置は、沈降部3の上部に装着された円筒型の螺旋流分離部2と、その螺旋流分離部の本体上部の円周方向に放水角をもつように配置された導水部の蓋1の放水管12、沈降部3の上部の異なった位置に装着された四角形のろ過部4の内部には、重畳された浄化抗菌剤が充填されている。この浄化装置の本体は、耐久性、耐候性のために、ステンレス鋼板(SUS304等)を用い、螺旋流分離部、ろ過部の躯体には、スパイラルダクトを用いる。
【0025】
上記構成からなる浄化装置において、汚濁水は、導水管5から自らの放水力によって、螺旋流分離部の円周方向へ放水角をもつ放水管12によって、螺旋流分離部2の外周内面21の円周方向に螺旋流を生じながら、流下する。その際に汚濁水に含まれるゴミなどの浮遊物は、螺旋流の作用が弱く、螺旋流分離部の渦力の少ない中心部に選って、浮力の作用で水面中心部22に集まる。一方、土砂の沈降物は、螺旋流の遠心力で、螺旋流分離部の外周面21に選って、沈降部3に沈降する。
【0026】
この螺旋流分離部2で浄化された一次浄化水は、沈降部3を流過して、その上部にあるろ過部4に流入する。螺旋流分離部1の底面から、ろ過部4の底面に1次汚濁水が流れる間に、細かい土砂を沈降部3の底部に沈降する。この沈降部3で浄化された二次浄化水は、ろ過部4の下部層の木質細片炭41と、その上部層の浄化抗菌炭42を流過し、細かい汚濁・異物をろ過し、細菌類を殺菌除去した三次浄化水(水質改善と滅菌)が得られる。
この浄化装置は、庭池中に浮かして配置することで、雨水、生活用水、庭池の水を浄化して、庭池の用水として再利用できる。
【0027】
図3は、上記の浄化装置の沈降部3にオーバーフロー管34を設けた断面概略図である。図4は、その正面概略図を示している。
上記に述べた浄化装置において、ろ過部4の浄化抗菌剤の浄化能力を超える汚濁水が、螺旋流分離部2に大量に流入し、その螺旋流分離部の流入開口から、オーバーフローしないように、沈降部の上部に上方に向けて、オーバーフロー管34を設けている。そのオーバーフロー管の流出口は、ろ過部4のオーバーフロー開口面より、少し高くし、螺旋流分離部2の開口面より、少し低くして、この浄化装置の外にある排水溝に連結する。ろ過部4の外周面上部には、集水部43を付設している。
【0028】
この構成による浄化装置において、日常的に流れ込む汚濁水は、螺旋流分離部2、沈降部3、ろ過部4を通過して、そのろ過部から、オーバーフローし、集水部に入った3次浄化された浄化水は、配水パイプを流れて、給水ポイントに排水される。大雨など汚濁水が、この浄化装置の螺旋流分離部2に流入すると、ろ過部4の流過抵抗によって、螺旋流分離部2から、直接、沈降部3のオーバーフロー管34を流過して、浄化装置の外にある排水溝に排水する。
【0029】
次ぎに、この発明の第一実施例の浄化装置をもつ第一実施例の浄化用タンクについて、説明する。この浄化用タンクの特徴は、その本体の一部で構成された、上記第一実施例の浄化装置と、その3次浄化水の貯水槽からなることにある。
以下、この発明にかかる浄化装置を利用する浄化用タンクの第一実施例を図面で説明する。
【0030】
図5は、この発明にかかわる浄化装置を利用する浄化用タンクの第一実施例を示す断面略線図である。図6は、この浄化用タンクの第一実施例の側面断面略線図である。図7は、この浄化用タンクの第一実施例の正面略線図である。この浄化装置を構成している沈降部3の本体の一部は、図5、6、7に示すように、浄化用タンク6の本体壁面63、64、65の一部からなり、その沈降部の底面は、浄化用タンクの底面と共有している。
【0031】
その沈降部3の上部には、異なった所に円筒型の螺旋流分離部2と、四角型のろ過部4が着脱可能に挿着されている。この浄化用タンクの蓋61は、螺旋流分離部2の円周方向に螺旋流を起こす放水管12をもつ蓋である。なお、汚濁水の導水管5は、浄化用タンク64の側面上部の導水部7から、その導水部7に放水管12を挿着する。導水管5から、大量の汚濁水が流入して、貯水槽の3次浄化水に混じらないように、沈降部3の上部からのオーバーフロー管34を挿着する排水管68を浄化用タンクの上部側面64に付設している。
【0032】
その排水管68の高さは、ろ過部4のオーバーフロー面と螺旋流分留部2の開口面の間に位置するように設ける。また、沈降部3の底面には、沈降物を排水管69に導く排砂用底板35を付設している。
更に、浄化用タンクには、下部側面に配水用ポンプに連結する配水管と清掃用の排水管、上部側面にオーバーフロー管と補給水を供給する給水管、上面に貯水槽の蓋が付設される。
【0033】
汚濁水の導水管5を着脱可能に挿着する導水部の導水管1には、螺旋流分離部2の本体の円周方向に螺旋流を起こす放出管12が挿着されている。
上記構成からなる浄化用タンクにおいて、雨水、風呂の排水などの汚濁水は、この浄化用タンク6の側面上部64の放水管12に挿着されている導水管5から自らの放水力によって、螺旋流分離部2の円周方向へ放水角をもつ放水管12によって、螺旋流分離部2の外周内面21の円周方向に螺旋流を生じながら、流下する。その際に、汚濁水に含まれるゴミなどの浮遊物は、螺旋流の作用が弱く、螺旋流分離部2の渦力の少ない中心部によって、浮力の作用で中心水面22に集まる。一方、土砂の沈降物は、螺旋流の遠心力で、螺旋流分離部2の外周面21によって、沈降部3に沈降する。
【0034】
この螺旋流分離部2で浄化された一次浄化水は、沈降部3を流れて、螺旋流分離部2と異なる上部にあるろ過部4の上方に流入する。螺旋流分離部1の底面から、ろ過部4の底面に1次汚濁水が流れる間に、細かい土砂を沈降部3の底部に沈降する。この沈降部3で浄化された二次浄化水は、ろ過部4の下部層の木質細片炭41と、その上部層の浄化抗菌炭42を流れて、細かい汚濁物をろ過し、細菌類を殺菌除去した三次浄化水(水質改善と滅菌)が得られる。
【0035】
なお、時には、雨水のように、大量に汚濁水が浄化装置に流入すると、ろ過部4の流過抵抗が増して、オーバーフロー管34の水位が上昇して、浄化用タンクの上部側面の配水管68から、排水溝に排水される。
この浄化装置のろ過部4から、オーバーフローした、この清浄な3次浄化水は、浄化用タンク6の貯水槽60に蓄えられて、配水ポンプ65で給水ポイントに配水される。
【0036】
洗車、水洗トイレ、潅水の日常の給水要求に応えるため、この貯水槽に一定の水を確保する最低水位は、水道水を補給する給水管66が浄化用タンク6に付設されていて、給水は、浄化用タンク6の最低水位を感知する給水フロートなどで、給水管66を開閉して行う。浄化用タンク6には、貯水槽の内部を点検する蓋62と、その浄化用タンク6の下部側面の排水管を設けて、その配水管で貯水槽の清掃水を排水する。
この発明の浄化用タンクによって、雨水、生活用水などの汚濁水が浄化されて、植木の潅水、洗車、水洗トイレ、池の水の生活用水に使用する。
【0037】
次ぎに、この発明の浄化装置の第二実施例を図面で説明する。
図8は、この発明にかかる浄化装置の第二実施例を示す断面略線図である。この発明の浄化装置は、螺旋流を起こす放水管12をもつ上蓋1の導水部と、円筒型の螺旋流分離部2と、その外周面21と画成し前記螺旋流分離部2を内部にもつ円筒型のろ過部4と、その外周面43と共有し前記螺旋流分離部2の開口底面、前期ろ過部4の開口底面、沈降部3の底板31からなる沈降部3とから構成されている。そのろ過部には、不織布に詰められた木質細片炭41の層と浄化抗菌炭42の層を重畳して配設してなる。
【0038】
図9は、この発明にかかる浄化装置の第二実施例を示す正面略線図である。この浄化装置は、円筒型のろ過部4の内周面を外周面21とする円筒型の螺旋流分離部2の上部の円周方向に沿って、放水管12が配置されて、螺旋流分離部の外周面21と、ろ過部の外周面43のろ過部4の内部には、浄化殺菌剤が重畳して充填されている。浄化殺菌剤は、木質細片炭層と木質細片炭であり、それを不織布に詰めて、ろ過部の下方から、木質細片炭と木質細片炭をろ過部に重畳している。
【0039】
この浄化装置は、第一の実施例と同様に汚濁水が導水部の放水管12から、螺旋流分離部2で螺旋流が起こり、浮遊物と沈降物を分離された一次浄化水は、沈降部3で細かい沈降物を分離して、二次浄化水が得られる。この二次浄化水は、ろ過部4の下方から、木質細片炭で微小な浮遊物と沈降物を取り除いて、その上の木質殺菌層で、一般細菌、大腸菌が殺菌された三次浄化水が得られる。この三次浄化水は、異物と雑菌の混入が無い清浄な浄化水となり、給水ポイントへ配水される。
【0040】
図10は、上記の浄化装置の沈降部3にオーバーフロー管34と、ろ過部4の外周面上部に集水部43を設けた断面概略図である。図11は、その正面略線図を示している。上記に述べた浄化装置において、ろ過部4の浄化抗菌剤の浄化能力を超える汚濁水が、螺旋流分離部2に大量に流入し、その螺旋流分離部の流入開口から、オーバーフローしないように、沈降部の上部に上方に向けて、オーバーフロー管34を設けている。そのオーバーフロー管の流出口は、ろ過部4のオーバーフロー開口面より、少し高くし、螺旋流分離部2の開口面より、少し低くして、本浄化装置の外にある排水溝に連結する。
【0041】
次ぎに、この発明の第二実施例の浄化装置をもつ第二実施例の浄化用タンクについて、説明する。この浄化用タンクは、その本体の一部で構成された、上記第二実施例の浄化装置と、その3次浄化水の貯水槽からなることにある。
以下、この発明にかかる浄化装置をもつ浄化用タンクの第二実施例を図面で説明する。
【0042】
図10は、この発明にかかわる浄化装置をもつ浄化用タンクの第二実施例を示す断面略線図である。図11は、この浄化用タンクの第一実施例の正面略線図である。
この浄化装置を構成している沈降部3とろ過部4の本体の一部は、図10、11に示すように、浄化用タンク6の本体壁面63、64、65の一部からなり、その沈降部の底面は、浄化用タンクの底面と共有している。
【0043】
その沈降部3の上部には、異なった所に螺旋流分離部2と沈降部3が着脱可能に挿着されている。この浄化用タンクにかかる蓋61は、螺旋流分離部2の円周方向に螺旋流を起こす放水管12をもつ蓋である。なお、汚濁水の導水管5は、蓋61の表側から、放水管12に挿着する。導水部から、大量の汚濁水が流入して、貯留槽の3次浄化水に混じらないように、沈降部3の上部からのオーバーフロー管34の排水管を浄化用タンクの上部側面64に設ける。
【0044】
その排水管の高さは、ろ過部のオーバーフロー面と螺旋流分留部2の開口面の間に位置するように設ける。また、沈降部3の底面には、沈降物が排水管69に導く排砂用底板35を付設することが望ましい。また、浄化用タンクには、下部側面に配水用ポンプに連結する配水管と排水管、上部側面にオーバーフロー管と補給水を供給する給水管、上面に貯水槽の蓋が付設される。
【0045】
汚濁水の導水部の蓋1には、汚濁水の導水管5を着脱可能に挿着し、螺旋流分離部2の本体の円周方向に螺旋流を起こす放出管12が、上蓋61の裏側に取り付けられている。
【0046】
上記構成からなる浄化用タンクにおいて、雨水、風呂の排水などの汚濁水は、この浄化用タンク6の蓋61の放水管12に挿着されている導水管5から自らの放水力によって、螺旋流分離部2の円周方向へ放水角をもつ放水管12によって、螺旋流分離部2の外周内面21の円周方向に螺旋流を生じながら、流下する。
その際に、汚濁水に含まれるゴミなどの浮遊物は、螺旋流の作用が弱く、螺旋流分離部2の渦力の少ない中心部に選って、浮力の作用で水面中心部22に集まる。一方、土砂の沈降物は、螺旋流の遠心力で、螺旋流分離部2の外周面21に選って、沈降部3に沈降する。
【0047】
この螺旋流分離部2で浄化された一次浄化水は、沈降部3を流れて、螺旋流分離部2の円筒面を画成して内接する、ろ過部4の上方に流入する。螺旋流分離部1の底面から、ろ過部4の底面に1次汚濁水が流れる間に、細かい土砂を沈降部3の底部に沈降する。この沈降部3で浄化された二次浄化水は、ろ過部4の下部層の木質細片炭41と、その上部層の浄化抗菌炭42を流れて、細かい汚濁物をろ過し、細菌類を殺菌除去した三次浄化水(水質改善と滅菌)となり、貯水槽と画成する、ろ過部4の外画板43の全周をオーバーフローして、貯水槽60に流入する。
【0048】
なお、時には、雨水のように、大量に汚濁水が浄化装置に流入すると、ろ過部4の流過抵抗が増して、オーバーフロー管34の水位が上昇して、この浄化用タンクの上部側面の配水管68から、排水溝に排水される。
この浄化装置のろ過部4の流出開口から、オーバーフローした、この清浄な3次浄化水は、浄化用タンク6の貯水槽60に蓄えられて、給水ポイントに配水ポンプ65で配水される。
【0049】
洗車、水洗トイレ、潅水の日常の給水要求に応えるため、この貯水槽に一定の水を確保する最低水位は、水道水を補給する給水管66が浄化用タンク6に付設されていて、給水は、浄化用タンク6の最低水位を感知する給水フロートなどで、給水管66を開閉して行う。浄化用タンク6には、貯水槽の内部を点検する蓋62と、その貯水槽を清掃するときには、その浄化用タンク6の底部の排水管から、貯水槽の清掃水を排水する。
【0050】
次ぎに、この発明の第二実施例の浄化装置をもつ第三実施例の浄化用タンクについて、説明する。この浄化用タンクは、その本体の一部で構成された、上記第二実施例の浄化装置と、その3次浄化水の貯水槽からなることにある。
以下、この発明にかかる浄化装置をもつ浄化用タンクの第三実施例を図面で説明する。
図12は、この発明にかかわる浄化装置をもつ浄化用タンクの第三実施例を示す断面略線図である。図13は、この浄化用タンクの第三実施例の正面略線図である。
【0051】
この浄化装置を構成している沈降部3とろ過部4の本体の一部は、図12、13に示すように、浄化用タンク6の本体壁面63、64、65の一部からなり、その沈降部の底面は、浄化用タンクの底面と共有している。
その沈降部3の上部には、ろ過部4と画成して、円筒型の螺旋流分離部2が付設されている。この浄化用タンクの蓋61は、螺旋流分離部2の円周方向に螺旋流を起こす放水管12をもつ蓋である。
【0052】
汚濁水の導水管5は、蓋61の表側から、放水管12に挿着する。導水部から、大量の汚濁水が流入して、貯水槽の3次浄化水に流入しないように、沈降部3に位置する浄化用タンクの外壁面からのオーバーフロー管34の流出管は、その高さが、ろ過部のオーバーフロー面と螺旋流分留部2の開口面の間に位置するようにして、逆U字型で設ける。
【0053】
また、浄化用タンクには、底部に給水用ポンプに連結する配水管と排水管、上部にオーバーフロー管と補給水を供給する給水管、上面に貯留槽の蓋が付設される。
汚濁水の導水部の蓋1は、汚濁水の導水管5を着脱可能に挿入し、螺旋流分離部2の本体の円周面に螺旋流を起こす放出管12が、上蓋61の裏側に取り付けられている。
【0054】
次ぎに、この発明の第二実施例の浄化装置をもつ第四実施例の浄化用タンクについて、説明する。この浄化用タンクは、その浄化タンク内部に設置した、上記第二実施例の浄化装置と、その3次浄化水の貯水槽からなることにある。
以下、この発明にかかる浄化装置をもつ浄化用タンクの第四実施例を図面で説明する。
図14は、この発明にかかわる浄化装置をもつ浄化用タンクの第四実施例を示す断面略線図である。図15は、この浄化用タンクの第四実施例の正面略線図である。
【0055】
この浄化装置は、図14、15に示すように、浄化用タンク6の開口部の真下に配置されて、その開口部の蓋には、導水部と、浄化水の配水用の自給ポンプと、貯水槽の点検口が付設されている。
上記第二浄化装置の浄化装置で説明したように、汚濁水は、導水部の蓋61の放水管12から、螺旋流となり、螺旋流分離部2で、浮遊物と沈降物を分離した1次浄化水は、沈降部3を流れて、砂を沈降した2次浄化水は、ろ過部の浄化殺菌剤41,42で、ろ過殺菌された3次浄化水の清浄な浄化水になり、浄化用タンクの貯水部60に貯水されて、配水ポンプで配水ポイントに供給される。
【0056】
補給水を供給する供給フローと排水管を浄化用タンクに付設する。この浄化装置の躯体には、ステンレス製鋼板を用いて、螺旋流分離部、ろ過部の躯体には、スパイラルダクトを用いる。また、この浄化用タンクには、市販のFRPタンク、ポリタンクなどのどのような貯水タンクを用いてもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明は、雨水、風呂水、池の水等の汚濁水を飲料以外の用途に対する生活用水として有効に利用することができる浄化装置およびその浄化装置をもつ浄化用タンクを安価な構造で提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】浄化装置の第一の実施例を示す断面略線図
【図2】浄化装置の第一の実施例を示す正面略線図
【図3】オーバーフロー管を設けた断面略線図
【図4】オーバーフロー管を設けた正面略線図
【図5】浄化用タンクの第一の実施例を示す断面略線図
【図6】浄化用タンクの第一の実施例を示す側面断面略線図
【図7】浄化用タンクの第一の実施例を示す正面略線図
【図8】浄化装置の第二の実施例を示す断面略線図
【図9】浄化装置の第二の実施例を示す正面略線図
【図10】浄化用タンクの第二の実施例を示す断面略線図
【図11】浄化用タンクの第二の実施例を示す正面略線図
【図12】浄化用タンクの第三の実施例を示す断面略線図
【図13】浄化用タンクの第三の実施例を示す正面略線図
【図14】浄化用タンクの第四の実施例を示す断面略線図
【図15】浄化用タンクの第四の実施例を示す正面略線図
【符号の説明】
1 蓋
12 放水管
2 螺旋流分離部
21 螺旋流分離部の外周面
3 沈殿部
34 オーバーフロー管
4 ろ過部
41 ろ過剤
42 ろ過剤
6 浄水用タンク
60 貯水槽
7 導水部
Claims (8)
- 汚濁水の導入側から、導水部、螺旋流分離部、沈降部、ろ過部からなる浄化装置であって、
汚濁水に含む浮遊物と沈降物を螺旋流で分離する前記螺旋流分離部の上部には、前記螺旋流分離部の円周方向に水流を起こす、前記導水部の放水管を配置するとともに、前記螺旋流分離部の底部には、前記沈降部を下方に連結し、前記沈殿部と上方に連結するろ過部を連結し、前記ろ過部の下方の流入開口から、前記ろ過部の上方の流出開口に向けて、浄化抗菌剤を充填したことを特徴とする浄化装置。 - 上記導水部は、上記螺旋流分離部の円周方向に螺旋流を起こす放水管をもつ螺旋流分離部の上蓋であることを特徴とする請求項1に記載の浄化装置。
- 上記ろ過部は、上記螺旋流分離部の外周面と画成して、前記螺旋流分離部を内設し前記沈降部の上部に連結したことを特徴とする請求項1に記載の浄化装置。
- 上記沈降部には、前記沈降部の上方に向けて、オーバーフロー管を連結し、前記オーバーフロー管の流出管は、上記ろ過部の流出開口と上記螺旋流分離部の流入開口の間に配置されていることを特徴とする請求項1から3に記載の浄化装置。
- 螺旋流分離部、ろ過部の躯体は、スパイラルダクトであることを特徴とする請求項1から4に記載の浄化装置。
- 請求項1から5に記載の浄化装置と、前記浄化装置の浄化水の貯水槽からなる浄化用タンクにおいて、前記浄化装置を前記浄化用タンクの内部に設けることを特徴とする浄化用タンク。
- 請求項1から5に記載の浄化装置の本体の一部構成面は、上記浄化用タンクの本体の構成面であることを特徴とする請求項6に記載の浄化用タンク。
- 請求項2に記載の螺旋流分離部の上蓋は、上記浄化用タンクの上蓋であることを特徴とする請求項6又は7に記載の浄化用タンク。
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JP2003149951A JP2004322060A (ja) | 2003-04-21 | 2003-04-21 | 浄化装置およびその浄化装置をもつ浄化用タンク |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2003-04-21 JP JP2003149951A patent/JP2004322060A/ja active Pending
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