JPH0338883B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、養魚水槽やプール又はメツキ液槽そ
の他液が入れられている槽内を、液が入つている
ままの状態で清掃でき、同時に槽内の液を浄化す
るための浄化装置に関するものである。

「従来の技術」 吸込み口と、内部にろ過材を有するケースと、
ポンプを有するポンプ室と、吐出し口とを、吸込
み口から吸込まれた液が−ケース内のフイルター
を介して前記吐出し口から吐出される状態に順に
連通させ、前記吸込み口と前記フイルターケース
との間に逆止弁を設け、前記吸込口を水の中に入
れ、ポンプを作動させて汚れた水を前記ろ過材で
連続的にろ過しながら吐出し口から吐出すことに
より、池等の水を徐々に浄化するようにした浄化
装置は、例えば実公昭55−47620号公報で開示さ
れているように公知である。

「発明が解決しようとする問題点」 前記公知の浄化装置では、吸込み口を水中に突
つ込むと、吸込み口から流れ込む水の水圧により
吸込み口とろ過材との間にある逆支弁が開き、水
が前記ろ過材を通過してポンプ室に流れ込み、こ
の段階でポンプを始動させるのであるが、吸込み
口からの水がポンプ室に満ちるまでに時間がかか
る欠点があつた。

このような不便を解消するためには、最初に吐
出し口からポンプ室内に呼び水を入れる必要があ
るが、例えばメツキ液槽内のメツキ液を浄化する
ような場合、普通の水の場合と異なつて慎重に行
なう必要があるので面倒である。

本発明の目的は、このような欠点を解消した液
槽内の浄化装置を提供することにある。

「問題点を解決するための手段」 本発明に係る浄化装置は、前述の目的と達成す
るため、吸込み口と、内部にフイルターを有する
フイルターケースと、ポンプを有するポンプ室
と、吐出し口とを、吸込み口から吸込まれた液が
フイルターケース内のフイルターを介して前記吐
出し口から吐出される状態に順に連通させ、前記
吸込み口と前記フイルターとの間に逆流防止弁を
設けた浄化装置において、前記フイルターを筒状
に構成し、このフイルターの内側の一端を前記ポ
ンプ室へ連通させるとともに他端を前記吸込口と
連通する弁座とを相対向させ、前記逆流止弁は、
弁軸とこの弁軸に形成された鍔状の本体とから構
成し、この本体を前記弁座へ接触させるととも
に、前記弁軸を前記フイルターの内側の前記他端
に挿入保持された案内筒内にスライド可能に挿入
し、前記案内筒の内面と弁軸との間に流通間隙を
形成したものである。

「作用」 吸込み口を槽の液の中に上方から突つ込むと、
逆流防止弁が液圧によつて開き、液は弁軸と案内
筒の内壁との間の流通間隙を通り、フイルターの
内側を経てポンプ室に入る。また、液の一部はフ
イルターを通つてポンプ室に入る。したがつて、
ポンプ室内に液が満ちるのがはるかに早い。

「実施例」 第１図〜第５図は本発明に係る浄化装置の一例
を示すものである。

１は筒状のフイルターケースで、このフイルタ
ーケース１は、透明な合成樹脂製の外筒１３と、
上方のねじ蓋１４と下方のねじ蓋１５から構成さ
れ、上方のねじ蓋１４には内部にポンプ７を有す
るポンプ室３が一体に形成され、このねじ蓋１４
の鍔状の部分には、後述のフイルター４の外周部
分と通じるようにエアー抜き弁１６が設けられて
いる。

下方のねじ蓋１５には中央部にソケツト部１１
が一体に形成され、このソケツト部１１には、第
２図及び第３図のような吸込み口２との連通管２
１が差し込まれており、連通管２１の上端の弁座
２４には逆流防止弁８が設けられている。

フイルターケース１内のフイルター４は円筒状
であつて、多数の孔４２を有する内筒４１に取り
付けられており、この内筒４１は、ねじ蓋１４の
ポンプ室３との連通口１２へ上端をねじ込むこと
により、フイルター４の内側をポンプ室３へ連通
している。

前記ポンプ室３には、第１図及び４図のように
連通管５１が差し込まれ、この連通管５１をポン
プ室３の外周へねじ込んだ内鍔付きのナツト６に
よつて固定し、連通管５１の途中に第４図の吐出
し口５を設けるとともに、その上端にハンドル９
１を有するモーターケース９を取り付け、このモ
ーターケース９内の図示しないモーターによりポ
ンプ７を作動させるように構成している。

フイルターケース１の外筒１３は、孔１７を多
数形成した孔開き板１８又は網によつて、上方の
フイルター設置部分１ｂと下方のごみ溜り室１ａ
とに区分され、吸込み口２から吸込まれたやや大
きなごみが前記孔開き板１８によつて捕捉される
ようになつている。

この実施例における逆流防止弁８は、鍔状の本
体８０と、本体８０へ垂直に形成された一体な弁
軸８１から構成されており、本体８０は弁座２４
の上に接触させ、弁軸８１はフイルター４の内筒
４１の下端へねじ込みによつて挿入保持された案
内筒４４内にスライド可能に挿入され、案内筒４
４の内周壁と弁軸８１の外面との間には、弁軸８
１に形成した縦溝による流通間隙８２が形成され
ている。また、弁軸８１の上端にはねじ８４によ
つて鍔８３が取り付けられている。

逆流防止弁８は、運転中にポンプ５が停止した
時、又は運転終了の時には液圧を受けて連通管２
１の上端の弁座２４を閉じるが、この際に連通管
２１へ内部の液のみが逆流するように、連通管２
１とごみ溜り室１ａを連通する孔８５を形成し、
孔８５に網８６を張るのが好ましい。

この実施例の浄化装置は、第４図のように、吸
込み口２を液ｂが入つている液槽ａ内に突つ込ん
だ状態にし、ハンドル９１を持つて全体をやや傾
けると、液ｂが吸込み口２から連通管２１に入
り、その液圧で逆流防止弁８が浮上し、液ｂはご
み溜り室１ａ、流通間隙８２、フイルター４の内
筒を経てポンプ室３内に入る。また、ごみ溜り室
１ａ内に入つた液の一部は、孔開き板１８の孔１
７及びフイルター４を経てポンプ室３内に入る。
液がポンプ室３内を満たしたならばポンプ７を作
動させ、吸込み口２を槽ａ内で移動させながら使
用する。このとき、弁８が吸引されて本体８０が
案内筒の下端を塞ぐので、汚濁した液が流通間隙
８２からポンプ室３の方に流れることはない。

吸込み口２から吸込まれた液は、フイルター４
で連続的にろ過されることにより浄化され、吐出
し口５から順次液槽ａに戻される。このように液
槽ａ内の液ｂを循環させている間に、液槽ａ内の
沈澱物や浮遊する塵芥がフイルター４で捕捉除去
され、槽ａ内の液ｂが全体として浄化される。吸
込み口２とフイルター４の間に前記のような逆流
防止弁８が設けられているので、使用中ポンプ７
を停止しても、フイルターケース１内のごみその
他の捕捉物は液槽ａに逆流しない。

弁軸８１の案内筒４４の内周面の間には流通間
隙があるので、ポンプ室３内に液が満ちるのにあ
まり時間がかからず、非常に便利である。

この実施例の装置は、ごみ溜り室１ａ内に塵芥
が多く溜つた場合には、外筒１３の下端のねじ蓋
１５を外して内部の塵芥を排出することができる
とともに、フイルター４が詰まつたときは上方の
ねじ蓋１４を外して新たなものと簡単に交換する
ことができる。

吐出し口５には、適当な長さの図示しないホー
スを取付けてもよいし、あるいは、吐出し口５に
ホースを取付けて、吐出し口５から吐き出される
浄化された液を他の容器で受けながら液槽ａ内を
清掃してもよい。また、液槽ａが養魚槽などであ
つて、槽ａの内底部に砂利などが敷かれているよ
うな場合には、第６図のように吸込み口２に網２
２又は多孔板等を張り、網付きの吸込み口２又は
多孔吸込み口に構成して使用すればよいし、ある
いは、液槽ａの内壁に水垢などの付着物がある場
合には、第７図のように吸込み口２の周囲に先端
方向へ向くブラシ２３を取付けてブラシ付き吸込
み口２に構成し、このブラシ２３で槽ａの内部を
ブラツシングしながら使用するのが望ましい。

さらに、前記実施例の浄化装置を、大型の養魚
水槽又はプールの清掃などに使用する場合は、装
置全体を大型にする必要があり、このような場合
は、吸込み口２のみを槽内で容易に移動したり操
作したりすることができるように、第１図におけ
る連通管２１の全部又は一部をフレキシブルな管
（例えば、公知の蛇腹状のホース）として実施す
ることができる。

「発明の効果」 本発明に係る液槽内の浄化装置は、吸込み口を
液槽の中に突つ込んだとき、ポンプ室内に液が満
ちるまでの時間が従来の装置よりもはるかに短か
くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る浄化装置の一例を示す要
部の縦断面図、第２図は吸込み口の断面図、第３
図は吸込み口の部分破断側面図、第４図は第１図
の装置の使用状態の概略正面図、第５図は第１図
における逆流防止弁の拡大平断面図、第６図及び
第７図は吸込み口の変形例を示す部分断面図であ
る。 図中主要符号の説明、１はフイルターケース、
１１はソケツト部、１３は外筒、１４，１５はね
じ蓋、１６はエアー抜き弁、１ａはごみ溜り室、
２は吸込み口、２１は連通管、３はポンプ室、４
はフイルター、４４は案内筒、５は吐出し口、７
はポンプ、８は逆流防止弁、８０は弁の本体、８
１は弁軸、８２は流通間隙である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 吸込み口と、内部にフイルターを有するフイ
   ルターケースと、ポンプを有するポンプ室と、吐
   出し口とを、吸込み口から吸込まれた液がフイル
   ターケース内のフイルターを介して前記吐出し口
   から吐出される状態に順に連通させ、前記吸込み
   口と前記フイルターとの間に逆流防止弁を設けた
   浄化装置において、前記フイルターを筒状に構成
   し、このフイルターの内側の一端を前記ポンプ室
   へ連通させるとともに他端を前記吸込口と連通す
   る弁座と相対向させ、前記逆流防止弁は、弁軸と
   この弁軸に形成された鍔状の本体とから構成し、
   この本体を前記弁座へ接触させるとともに、前記
   弁軸を前記フイルターの内側の前記他端に挿入保
   持された案内筒内へスライド可能に挿入し、前記
   案内筒の内面と弁軸の外面との間に流通間隙を有
   することを特徴とした液槽内の浄化装置。 ２ フイルターケースは、外筒と、この外筒の一
   端にねじ付けられ前記ポンプ室を有する一方のね
   じ蓋と、前記外筒の他端にねじ付けられ前記弁座
   を有する他方のねじ蓋から構成され、前記外筒内
   の前記他方のねじ蓋寄り部分は、フイルターの設
   置部分とは孔開き板又は網により区分されたごみ
   溜り室に構成されている、特許請求の範囲第１項
   に記載の液槽内の浄化装置。 ３ フイルターケースの全体又は一部が透明であ
   る、特許請求の範囲第１項又は第２項に記載の液
   槽内の浄化装置。 ４ フイルターケースはポンプ室寄りの部分にエ
   アー抜き弁を有する、特許請求の範囲第１項又は
   第２項に記載の液槽内の浄化装置。 ５ 吸込み口が外周へ先端方向に向けてブラシを
   有するブラシ付き吸込み口である、特許請求の範
   囲第１項又は第２項に記載の液槽内の浄化装置。 ６ 吸込み口が網付き吸込み口又は多孔吸込み口
   である、特許請求の範囲第１項又は第２項に記載
   の液槽内の浄化装置。