JPH032119Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はビニールハウスのビニールシート張設
固定する長尺フレームのエンドカバーに係り、特
に断面が蟻溝状とした長フレームの端部に装着し
てビニールハウスの天井部から側方に垂下したビ
ニールシートの長フレーム端面による損傷を防止
するエンドカバーに関する。

〔従来の技術〕

最近のビニールハウス、温室等の簡易ハウスで
は、パイプハウス、大型鉄骨ハウス、連棟型ハウ
ス等いずれも型式においてもその屋根、側面に透
明なビニールシートを張設し、このビニールシー
トを通して太陽熱をハウス内に吸収しているのが
普通である。

然るに上記ビニールシートを簡易ハウスの屋
根、側面に張設する作業は極めて面倒であるた
め、ビニールシートを簡単に固定できる定着装置
が開発されている。

これは実公昭58−27639号公報に記載されてい
るように断面蟻溝状に屈曲成形した長尺支持フレ
ームの内側にビニールシートを対向させ、該ビニ
ールシートをその上面より波形の係止線条にて長
尺支持フレームの蟻溝状溝内に押入挾圧して固定
するようにしたものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記ビニールシート定着装置に
おける長支持フレームは、簡易ハウスの骨組に対
して固定するのに、ボルト、ナツトにより締着し
たり、溶接したりするため、その作業が甚だ面倒
であり、且つ多大な労力と時間が費やされ、また
せつかくビニールシートが簡単に固定できるにも
かかわらず、張設したビニールシートが支持フレ
ームによつて破損されるという欠点があつた。

特に、張設するビニールシートを天井部から側
方に垂下して側壁部を形成する場合には、従来の
長尺支持フレームの両側縁に形成した補強リブの
端面が直接ビニールシートに接しているので、使
用中に風にあおられこの部分から損傷を受けシー
トの破れが広がるという問題が多数発生してい
る。

本考案は、上記の事情に鑑みて考案されたもの
であり、簡単な構造で長尺フレーム端面から突出
状態に装着させて長尺フレーム端面によるビニー
ルシートの破損を完全に防止できるビニールハウ
ス用長尺フレームのエンドカバーを提供すること
を目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記の目的を達成するため、ビニール
ハウスの垂木に沿つて長く接続して配設する断面
が蟻溝状の長尺フレームの端部に装着する長尺フ
レームの合成樹脂製エンドカバーにおいて、前記
長尺フレームとほぼ同形の蟻溝状断面を有し、そ
の両側縁部には該長尺フレームの両側縁に形成さ
れた補強リブに嵌着する溝部を形成したことを特
徴としたエンドカバーであり、さらに上記溝部は
リツプ状端片を有し、中央部は長尺フレームの蟻
溝巾よりもやや広巾に形成したことを特徴として
いる。

〔作用〕

次に、本考案の作用について説明すると、まず
ビニールハウスの構造的骨組である垂木に沿つて
長尺フレームを接続して設置する。

次に垂木先端に配置した長尺フレームの端部か
ら突出させて合成樹脂製エンドカバーを長尺フレ
ームに装着する。この装着は、長尺フレームの両
側縁に形成されている断面円形の補強リブにエン
ドカバーの両側縁部のリツプ状端片付きの溝部を
嵌合して行なう。

このようにしてエンドカバーを突出させて装着
後、ハウスにビニールシートの原反を覆いかぶ
せ、ハウス側方にシートを垂れ下げる。

そして、長尺フレームの蟻溝に両端部に角形握
持部を備えた合成樹脂などの保護体を装着した台
形部が左右交互に連続する一定の長さの波形線材
にてビニールシートを挿入し定着する。この作業
はまず前記波形線材の一端に装着された保護体の
角形握持部を指先でつまんでビニールシートとと
もに蟻溝に押し込み、ついで台形部を順次長尺フ
レームの蟻溝に押し込み、波形線材の弾性力によ
つて蟻溝内の左右両側に挾持固定していく。そし
て前記波形線材の終端に至つて、端部に装着した
保護体の角形握持部を指先でつまんで同様に蟻溝
に押し込み、１本の波形線材の装着が終了する。

さらに、波形線材を連続して装着する場合は上
記波形線材の終端に対抗する蟻溝の反対面に次の
波形線材の先端部に装着された保護体を位置する
ように押し込み、以下同様の作業をくり返す。

次に各長尺フレームの間でビニールの締め紐を
ハウス全体にわたつて掛け渡し、締めつけビニー
ルハウスの構造体にビニールシートの張設が完了
する。

この際、ビニールハウスの両軒先は長尺フレー
ムの端部に突出状態に装着された合成樹脂製のエ
ンドカバーが弾性体であるためスムーズに弯曲
し、長尺フレームの端面によつてビニールシート
が損傷を受けることがない。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。第１図、及び第２図に示す本実施例は、ビニ
ールハウスの垂木１の上面に配置した断面蟻溝状
の長尺フレーム２の端部に上方からビニール、ナ
イロンなどの合成樹脂製のエンドカバー３の両側
縁部に形成したリツプ状端片４を備えた溝５，５
を長尺フレーム２の両側縁の補強リブ７，７に嵌
合して装着する。

このエンドカバー３は長尺フレーム２の端面か
らエンドカバーの約半分を突出するように装着
し、その際にはエンドカバー３の溝５の開口部に
設けてあるリツプ状端片４によつて断面円形の補
強リブ７への嵌合が容易である。

また、エンドカバー３の断面は長尺フレーム２
の断面とほぼ同じ蟻溝状をしているが、エンドカ
バー３の中央部６は長尺フレーム２の蟻溝底部よ
りやや広巾に形成されており、長尺フレーム２の
巾の大小に容易に対応できるようになつている。

このようにしてビニールハウスの垂木１の配設
された長尺フレーム２の端部にエンドカバー３を
装着し、そのハウス全体にビニールシートを覆い
かぶせ、ハウス側方にはシートを垂れ下げ、ビス
１１によつて固定する。そして長尺フレーム２の
蟻溝に、両端部を角形握持部１０を備えた合成樹
脂などの保護体を装着した台形部が左右交互に連
続する一定の長さの波形線材９にてビニールシー
ト８を挿入し定着する。この作業はまず前記波形
線材９の一端に装着された保護体の角形握持部１
０を指先でつまんでビニールシート８とともに長
尺フレーム２の蟻溝に押し込み、ついで台形部を
順次長尺フレーム２の蟻溝に押し込み、波形線材
９の弾性力によつて蟻溝内の左右両側に挾持固定
していく。そして前記波形線材９の終端に至つ
て、端部に装着した保護体の角形握持部１０を指
先でつまんで同様に蟻溝に押し込み、１本の波形
線材の装着が終了する。

さらに、波形線材を連続して装着する場合は上
記波形線材９の終端に対抗する蟻溝の反対面に次
の波形線材９の先端部に装着された保護体を位置
するように押し込み、以下同様の作業をくり返
す。

次に各長尺フレーム２の間でビニールの締め紐
をハウス全体にわたつて掛け渡し、締めつけビニ
ールハウスの構造体にビニールシート８の張設が
完了する。

この際、ビニールハウスの両軒先は第５図に示
すように長尺フレーム２の端部に突出状態に装着
された合成樹脂製のエンドカバー３の弾性によつ
てスムーズに弯曲し、長尺フレーム２の端部によ
つてビニールシート８が損傷を受けるのを防止す
ることができる。

また、第３図及び第４図に示すように合成樹脂
製エンドカバー３の溝５は、開口部に平板状のリ
ツプ片４、または弯曲状のリツプ片４ａを形成し
てもよい。

〔考案の効果〕

上述の本考案によれば、ビニールハウスの垂木
に沿つて配設した長尺フレームの端部に合成樹脂
製のエンドカバーをその長尺フレームの両側縁に
形成した補強リブに嵌着して突出状態に装着した
ので、装着作業が容易で、かつその上に覆つたビ
ニールシートが長尺フレームに直接触れることが
なく、さらにエンドカバー突出部の弾性によつて
ハウス軒先の垂下したビニールシートがスムーズ
に弯曲するから、シートの損傷が完全に防止でき
る。

また、エンドカバーの溝部にリツプ状端片を形
成してあるため補強リブへの装着が容易であり、
装着後ずれることがない。

さらに、エンドカバーの中央部をやや広巾に形
成してあるから、巾の異なる種々の長尺フレーム
に容易に適応して使用できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示しており、第１図は
本実施例の分解斜視図、第２図は一部断面側面
図、第３図及び第４図はエンドカバーの側面図、
第５図はビニールハウスに使用した斜視図であ
る。 １……垂木、２……長尺フレーム、３……エン
ドカバー、４……リツプ状端片、５……溝部、６
……中央部、７……補強リブ、８……ビニールシ
ート、９……波形線材、１０……角形握持部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ビニールハウスの垂木に沿つて長く接続して配
   設する断面が蟻溝状の長尺フレームの端部に突出
   状態に装着する長尺フレームの合成樹脂製エンド
   カバーにおいて、前記長尺フレームとほぼ同形の
   蟻溝状断面を有し、中央部は長尺フレームの蟻溝
   巾よりもやや広巾に形成し、その両側縁部には該
   長尺フレームの両側縁に形成された補強リブに嵌
   着する溝部を形成し、該溝部は長尺フレームの補
   強リブに嵌入し易くするためのリツプ状端片を有
   していることを特徴とするビニールハウス用長尺
   フレームのエンドカバー。