JPH0210925Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はシートの定着装置に関し、特にビニー
ルハウスの屋根、壁面、妻面等に硬質の合成樹脂
シートを展張する際に使用するのに適するシート
の定着装置に関する。

〔従来の技術〕

一般に植物の早期育成、又は季節はずれの植物
の栽培には屋根、壁面、妻面に透明又は半透明な
シートを展張した温室が使用されている。

このように温室に合成樹脂シート、例えば、ビ
ニールシートを展張する為に実公昭48−37715号
公報に開示されているようなシートの定着装置が
開発されている。

この荘置は開口部巾狭の蟻溝を有する支持フレ
ーム内に弾性な係止線条を介してビニールシート
を保持させるものであるが、装着されるビニール
シートが硬質で厚みのある場合には支持フレーム
内に係止線条で嵌入させることが非常に困難であ
り、強引に嵌入させるとビニールシートにでこぼ
こした凹凸や皺が発生し、この部分から破断する
場合が多い。

この為、硬質のビニールシートを展張するた
め、いろいろな工夫がされ、例えば特開昭57−
164539号公報に開示されているような硬質シート
の定着装置が開発されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記の硬質シート用の定着装置
は構造が複数であり、部品点数が多く、加工性、
経済性が悪い。又ビス等によりシート押え材を締
め付ける場合には作業性が悪くビニールハウスの
構築作業を著しく低下させている。

従つて本考案の目的は、シートに凹凸や皺を発
生させず、構造が簡単で、部品点数が少なく、シ
ートの装着作業が簡単に行なえる硬質シートの装
着に適するシートの定着装置を提供することであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、本考案の構成は、
開口部巾狭の支持フレームと、シート押え部材
と、スペーサとからなり、シート押え部材はカバ
ー本体とこのカバー本体に設けた相対向する一対
の支持片からなり、支持片は支持フレームの開口
部より支持フレーム内にシートを押し込み、スペ
ーサを一対の支持片間に嵌入させて当該支持片を
支持フレームの内壁方向に拡開させることを特徴
とするものである。

〔作用〕

スペーサを一対の支持片間に嵌入させた時支持
片が拡開し、支持フレーム内周と支持片外周とで
シートを挟持する。

〔実施例〕

以下本考案の実施の態様を図面について説明す
る。

第１図、第２図は本考案の一実施例に係るシー
トの定着装置を示す。

シートの定着装置１は開口部巾狭の長尺な支持
フレーム２と、シート押え部材３と、スペーサ４
とから構成されている。

支持フレーム２は底面５の両サイドから斜め方
向に起立する一対の両側フレーム６，６と、底面
５と両側フレーム６，６との間に形成される開口
部巾狭の蟻溝８，８と、両側フレーム６，６の上
端に設けたカール７，７とを有している。底面５
は水平でも良く、必要により中央にビス止め用の
溝９を設けている。

但し支持フレームは図示のものに限らず、例え
ばＣ形チヤンネルを称する型材であつてもよく、
その他開口部巾狭の支持材でもよい。

シート押え部材３はほぼ水平な板状カバー１０
と、このカバー１０の下面に一体に成形した相対
向する一対の支持片１２，１２とを有している。

カバー１０は水平でもよく、図示のようにやや
彎曲してもよく、又その横巾は支持フレーム２の
開口部より大きく成形されている。カバー１０の
両端は水平でもよいが、カール７の外面の曲率と
等しいか、又はほぼ等しい曲率で彎曲するシート
押え片１１，１１を設けてもよい。

一対の支持片１２，１２は垂直でもよく、やや
傾斜していてもよく、又は図示のようにやや断面
Ｓ字状に屈曲させてもよい。図示のようにややＳ
字状に屈曲させているのはその外面がカール７の
内周にフイツトし、又支持片１２，１２間のスペ
ーサ４を嵌入させやすくするためである。

スペーサ４は水平な板体から構成され、その長
さはカバー３の長さと等しい。スペーサ４は支持
片１２，１２間に挿入しやすくする為先端部にテ
ーパ４ａを設けてもよい。

更にスペーサ４の端部にハンマーで打ち込みや
すくするように肉厚部や屈曲部を設けてもよい。

支持フレーム２はビニールハウスの屋根、壁
面、妻面の建方材、横架材、もや材等に固定され
る。

この状態で、ビニールシート、例えば硬質な合
成樹脂シート１３を支持フレーム２上に置き、次
いで支持片１２，１２でこのシート１３の一部を
支持フレーム２の蟻溝８内に開口部より押し込
み、支持フレーム２の内周と支持片１２，１２外
周とでシート１３を挟持しながら仮り止めしてお
く。

次にこの状態から、横方向よりスペーサ４を支
持片１２，１２間に強制的に差し込むと支持片１
２，１２が両側フレーム６，６の内壁方向に拡開
し、これによりシート１３は支持フレーム２と支
持片１２，１２とでより強固に挟持される。

しかも、支持片１２，１２の厚みと、シート１
３の厚みと、スペーサ４の巾の合計長さが支持フ
レーム２の開口部の巾より大きい為、硬質なシー
ト１３の弾性でシート押え部材３とスペーサ４を
押し出そうとしても抜けなくなり、シート１３が
確実に定着される。

一方、カバー１０の両端、例えば彎曲したシー
ト押え片１１，１１はカール７との間でシート１
３を挟持するから、シート１３が支持フレーム２
とカバー１０とに沿つて均一に押えられるからシ
ート１３にでこぼこした凹凸や皺が発生しない。
シート押え材３の長さは支持フレーム２の長さと
等しくてもよく、短かくてもよい。

支持フレーム２と同じ長さの場合はシート１３
を均一に保持でき、支持フレーム２の内に雨水の
侵入を防止できる。

支持フレーム２より短かい場合はシート１３を
数ケ所で保持する。

第３図はシート押え部材３を短かくした場合の
実施例を示す。

支持フレーム２は第１図の実施例と同じであ
り、シート押え部材３は支持フレーム２より短か
く、支持フレーム２に対してシート１３を数ケ所
で保持する。

カバー１０は水平な板体からなつており、この
カバー１０に支持片１２，１２が一対設けられて
いる。

カバー１０の外面に孔１４′を設けたブラケツ
ト１４が一体に設けられ、このブラケツト１４に
はシート１３を押さえるひも１６、ワイヤロープ
等が結合されるようになつている。

このブラケツト１４は第１図に示すカバー１０
に任意の間隔を置いて設けてもよい。

スペーサとしては先端部にテーパ１５ａを設け
た板状の楔１５が使用され、楔１５の巾は支持フ
レーム２の開口部の巾より小さくされ、つまみ１
５ｂを介して手動又はハンマーを使用して開口部
より支持片１２，１２の間に打ち込まれる。但し
つまみ１５ｂは無くてもよい。作用、効果は第１
図の実施例と同じである。

第４図〜第６図は本考案の他の実施例に係り、
シート押え部材とスペーサを変形し、シート１３
を支持フレーム２に対して数ケ所で保持するもの
である。支持フレーム２は第１図の支持フレーム
と同じである。

シート押え部材３ａは円板状のカバー１０ａ
と、このカバー１０ａに設けた一対の支持片１
２，１２とからなり、カバー１０ａにはシート押
え用のひも１６等を保持するブラケツト１４ａが
一体に設けられ、ブラケツト１４ａに設けた孔１
４a′にひも１６等が結合される。

スペーサとして断面コ字状の楔１７が使用され
る。

楔１７は一対の脚１８，１８を有し、脚１８，
１８の端面にはテーパ面が形成され、楔１７の横
巾は支持フレーム２の開口部の巾より小さい。

従つて、支持片１２，１２を介してシート１３
を支持フレーム２内に押し込んで手動等で仮り止
めしておき、次いで支持フレーム２の開口部に押
入した楔１７を横方向から支持フレーム２に沿つ
て支持片１２，１２間に打ち込む。この時楔１７
の脚１８，１８が支持片１２，１２を拡開させ、
シート１３は支持フレーム２の内周と支持片１
２，１２の外周とで挟持される。

脚１８，１８の厚みと支持片１２，１２の厚み
とシート１３の厚みの合計が支持フレーム２の開
口部巾より大きい為、シート１３が硬質シートで
あつても外方に飛び出さない。

シート１３は支持フレーム２のカール７の内周
と両側フレーム６，６の内周に沿つて均一に挟持
されるから皺や凹凸が発生しない。

尚ひも１６はパイプハウスの屋根、壁面に展張
されたシート１３がばたばたするのを防止するも
のである。

第７図は本考案の他の実施例に係るシートの定
着装置を示す。

これはシート押え部材３ｂとスペーサを変形し
たものである。シート押え部材３ｂはカバー１０
ｂとこのカバー１０ｂに肉厚な支持片１２ｂ，１
２ｂを一対設け、この支持片１２ｂ，１２ｂの間
に断面やや円形状の空間を形成したものである。

一方、スペーサとして円柱１９を使用し、支持
片１２ｂ，１２ｂ間の空間にこの円柱１９を強制
的に嵌合させ、この時支持片１２ｂ，１２ｂを外
方に拡開させて支持フレーム２と支持片１２ｂ，
１２ｂとでシート１３を挟持するものである。

スペーサとしては第８図に示すねじ桿２０を使
用し、第７図の支持片１２ｂ，１２ｂ間の空間に
回転しながら嵌合させてもよい。

更に、第９図は本考案の他の実施例に係り、こ
れはスペーサを差し込みやすくし、且つ支持片を
拡開しやすくしたものである。

即ち、シート押え材３ｃは肉厚なカバー１０ｃ
と、このカバー１０ｃに設けた一対の支持片１２
ｃ，１２ｃと、ひも取り付け用のブラケツト１５
ｃとを有し、カバー１０ｃには切込み２１を形成
し、支持片１２ｃ，１２ｃには長手方向に沿う溝
２２，２２を設けたものである。

この場合は、支持片１２ｃ，１２ｃ間のスペー
サ４を挿入する際溝２２，２２内に沿つて嵌入さ
せる。この時スペーサ４は支持片１２ｃ，１２ｃ
を外方に拡開させるが、切込み２１を有している
から、この切込み２１が拡開し、支持片１２ｃ，
１２ｃが拡開しやすく、スペーサ４はスムースに
溝２２に沿つて挿入される。

〔考案の効果〕

本考案によれば次の効果を有する。

支持フレーム内に支持片を介してシートを押
し込み、この状態で支持片間にスペーサを挿入
するだけでシートを支持フレームと支持片とで
挟持できるから、シートの定着作業が容易で作
業性が著しく向上する。

スペーサが支持片を強制的に拡開させ、その
結果、スペーサと支持片とシートの合計の巾が
支持フレームの開口部より大きいからシート押
え部材とスペーサは外方に飛び出さない。従つ
て弾性に富んだ硬質シートでもより強力に保持
できる。

支持フレームとシート押え部材がシートを均
一に挟持するから軟質シートのみならず、硬質
シートでも皺や凹凸が発生しない。

部品はシート押え部材とスペーサのみである
から部品点数が少なく、構造が簡単であり、加
工性、経済性にすぐれている。

カバーが支持フレームと同じ長さの場合は、
支持フレーム内に雨水の侵入するのを防止でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るシートの定着
装置の斜視図、第２図は第１図の縦断側面図、第
３図は他の実施例に係るシートの定着装置の斜視
図、第４図は他の実施例に係るシートの定着装置
の斜視図、第５図は第４図のシート押え部材の斜
視図、第６図は第４図の縦断側面図、第７図は他
の実施例に係るシートの定着装置の縦断側面図、
第８図はスペーサの他の実施例に係る斜視図、第
９図は他の実施例に係るシートの定着装置の縦断
側面図である。 ２……支持フレーム、３，３ａ，３ｂ，３ｃ…
…シート押え部材、４，１５，１７，１９，２０
……スペーサ、１０，１０ａ，１０ｂ，１０ｃ…
…カバー、１２，１２ｂ，１２ｃ……支持片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 開口部巾狭の支持フレームと、シート押え部
   材と、スペーサとからなり、シート押え部材は
   カバー本体とこのカバー本体に設けた相対向す
   る一対の支持片とからなり、支持片は支持フレ
   ームの開口部より支持フレーム内にシートを押
   し込み、スペーサを一対の支持片間に嵌入させ
   て当該支持片を支持フレームの内壁方向に拡開
   させることを特徴とするシートの定着装置。 (2) スペーサが板体である実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のシートの定着装置。 (3) スペーサが楔である実用新案登録請求の範囲
   第１項記載のシートの定着装置。 (4) 一対の支持片の厚みと、スペーサの横巾と、
   シートの厚みの合計が支持フレームの開口部の
   巾より大きい実用新案登録請求の範囲第１項記
   載のシートの定着装置。 (5) 楔の横巾は支持フレームの開口部の巾より小
   さい実用新案登録請求の範囲第３項記載のシー
   トの定着装置。 (6) カバーの長さは支持フレームの長さと等しい
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のシートの
   定着装置。 (7) カバーの長さは支持フレームの長さより短い
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のシートの
   定着装置。 (8) シートが硬質な合成樹脂シートである実用新
   案登録請求の範囲第１項記載のシートの定着装
   置。