JPS6125636Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は温室用として簡易に取付けられる樋、
例えば温室屋根裏面の結露水滴の集水排水用又は
室内仕切カーテンへの散水後の集水・回収用とし
て設置される樋の改良に関する。

従来、この種の温室用樋としては、予め凹断面
を形成した所定長の硬質プラスチツク板製や防錆
加工を施した金属板製のもの、或は長尺な軟質プ
ラスチツクシートを現場合せで適宜長にカツトし
てその両側縁をクリツプ等で固定して樋状に垂設
したものなどが知られている。

しかるに前者の樋においては、限定された長さ
の物を複数連結して配設する関係上、連結個所の
水漏を防止するための構造が複雑となり、これが
取付け上の繁雑さを招く原因となつている。更に
この種の樋は通常不透明であるので、温室用とし
て使用した場合、日中温室内に影を落とす事とな
り、作物の採光上好ましくない。また後者の樋に
おいては構造が簡単である反面、シートの部分的
伸縮によつて樋内の水が滞溜し易く、ここから破
損して水漏れが生じるという欠点を有しており、
これを改善するために樋底に補強テープを接着し
たり、樋底に加工を施したりして水の滞溜を防止
する試みがなされているが、いずれも効果的な解
決策とはなつていない。

本考案は上記のような従来の欠点を除去するた
めに考案されたものであり、その目的は取付け作
業を迅速容易になし得る温室用樋を提供すること
にある。

本考案の他の目的は、日中の日影を生じない透
明な温室用樋を提供することにある。

本考案の更に他の目的は任意所望の樋断面形状
を形成保持することができ、かつ接ぎ目がなく、
従つて水漏れの生じない温室用樋を提供すること
にある。

本考案の更に他の目的は、各部材をコンパクト
に収納運搬することのできる温室用樋を提供する
ことにある。

本考案の更に他の目的は、強風等によつて温室
骨組が変形揺動しても柔軟に適応変形し得る温室
用樋を提供することにある。

上記本考案の目的は、長手方向の両側縁にフア
スナー片を有する透明な硬質弾性プラスチツクシ
ート製の樋本体と、該樋本体をＵ字状等の凹形状
に保持するための保型支持部材と、長手方向の一
側縁又は両側縁に上記フアスナー片と係合可能な
フアスナー片を有しかつその要所には上記保型支
持部材に対して移動かつ着脱可能な取付部材を有
するプラスチツク製の連結シートとからなる温室
用樋により達成される。

次に本考案を図面に示された実施例に従つて更
に詳しく説明することとする。

１は長手方向の両側縁にフアスナーＡ片１１を
一体的に連設せしめてなる透明かつ弾性を有する
硬質プラスチツクシート１ａからなる樋本体であ
り、素材としては、例えば硬質塩化ビニルや硬質
ポリエステル等が用いられる。

２はプラスチツクシート２ａ製の連結シートで
あり、その長手方向一側縁又は図示のように両側
縁には上記フアスナーＡ片と対をなして係合可能
なフアスナーＢ片２１が一体的に連設せしめられ
ている。

２２は該連結シート２の一面において長手方向
に一体的に固着されている筒状の取付部材であ
り、長手方向に設けたフアスナー２２ａによつて
開閉自在に形成されている。

尚、上記の各フアスナーＡ片１１とＢ片２１、
および２２ａはそれぞれ互いに係合する公知の
種々のフアスナーを用いることができる。

３ａ，３ｂは温室骨組材の支柱４の内方に張設
固定された保型支持部材たるロープ材、ワイヤ
材、又は小径のパイプ材、５は支柱４に固定可能
な保型支持部材たる板状の支持凹部材であり、そ
の凹部内に上記樋本体１のシート１ａを押圧嵌入
せしめて樋形状を形成せしめるものである。

樋の組立に当つては、ロール状の樋本体１、連
結シート２，２を展延して温室の大きさに応じて
必要長にカツトし、次いで樋本体１の両側縁に連
結シート２，２をそれぞれフアスナー係合により
連結し、これを支持凹部材５の上方から押圧嵌入
した後、予め開口してある筒状取付部材２２内に
ロープ３ａをそれぞれ嵌入挿通し、フアスナー２
２ａを端部から順次摺圧して封入するものであ
る。

而して、樋本体１は第２図に示すように支持凹
部材５の凹部形状例えば略Ｕ字、略半円形、略Ｖ
字状等に応じた形状に保型されかつ支持される。
また、支持凹部材５，５間においても樋本体１は
ロープ３ａ，３ｂによりその外側方から支持され
て上記樋形状が保持されている。尤も、上記支持
凹部材５を用いずに２本のロープ３ａ，３ｂによ
つて保型支持すること、また、連結シート２にフ
アスナー２２ａを設けずに筒状取付部材２２の端
部開口よりロープ３ａ，３ｂをそれぞれ挿通した
後張設固定し得るように設けることは本考案に含
まれる実施態様である。

更に、第２図に示すように支持凹部材５の凹部
両内側にロープ挿通用の切欠部を設けてロープ３
ａ，３ｂの間隔を的確に保持し得るようにしても
よい。

而して、第３図に示す連棟温室においても、両
側壁部の樋Ｔ１，Ｔ２を上記の取付構成によるも
のとし、谷部の樋Ｔ３は次の取付構成によつて目
的を達成することができる。

すなわち、第４図に示すように、谷部支柱４ａ
を中心として上記樋構造Ｔ１，Ｔ２を左右対称に
配置し、両者を中央部シート６を介して連結する
ことにより谷部樋Ｔ３を形成することができるも
のである。この中央部シート６は谷部支柱４ａの
幅と略同幅の透明な弾性の硬質プラスチツクシー
ト製からなり、その両側縁長手方向にはフアスナ
ーＣ片６１，６１が一体的に連設されており、前
記連結シート２のフアスナーＢ片２１，２１と係
合可能に設けられている。

而して、取付に当つては谷部支柱４ａ，４ａの
間隔に合せて長尺ロール状の該中央部シート６を
適宜長にカツトして左右の連結シート２，２に連
結するものである。従つて、２列の樋本体１，１
の間は略円弧状に完全に被覆されるので、仕切り
カーテン７，７の下方の暖気が上方へ漏れること
がないとともに、該カーテン７，７上面に散水さ
れる加温用又は冷却用の水が仕切りの下方へ飛散
することがないものである。この場合の取付構成
においては、保型支持用のロープ材３ｂに代え
て、仕切カーテン用フレーム８の一部に保型支持
部８ａを設け、これに連結シート２の一側縁を固
定するものとしてもよい。

このように連結シート２、樋本体１を別途形成
し樋を配設する際に連結することにより、第２，
４，５，６ａ，６ｂ図からも明らかなように、樋
固定部近傍における強制的な折曲げ作用を樋本体
にさせずに済み、該樋を損傷から回避することが
できる。また、両者の連結を図示のようにフアス
ナーにより連結することにより連結作業を容易に
するとともにこれたにより仕切られた上面と下面
を密封状体に分離できる。

第６ａ図にはその実施例が示されており、８ａ
はカーテン用フレーム８の一側長手方向に形成さ
れた保型支持用の溝、２３は連結シート２′の一
側縁に連設された連結片であり、上記溝８ａの幅
よりわずかに厚肉の変形可能な弾性部材とする。

而して、該弾性の連結片２３内に圧入固定し、
一方のシート側縁はフアスナー２１，１１を介し
て樋本体シート１ａに連結することにより樋本体
１は所定の断面形状に保型支持される。尚、第６
ｂ図に示すように、該連結片２３に係合段部２３
ａ、内壁に係合突部８a′を設ける等して、抜止め
効果を高めるものとしてもよい。

第７ａ〜７ｄ図にはカーテン用フレーム８の他
の実施例が示されている。８１は溝８ａを有する
カーテン用の側端フレームであり、第７ｂ図のよ
うに突合わせて一本の長尺なフレームに形成して
もよい。

８２，８３はそれぞれ該側端フレーム８１を遊
嵌挿通し又は挿通固着し得る外枠であり、外枠８
２の上面にはカーテン支持用アーチフレーム９１
が立設固定されるとともに、その下面には前記支
持凹部材が固設されている。

他方の外枠８３の上面には前記アーチフレーム
９１を平行して張設された仕切面ワイヤ９２の固
定装置９２ａが固設されている。このように設け
れば、樋構造とカーテン支持フレームとをユニツ
トとして組立てることができるので、取付け作業
の簡略化迅速化を図ることができるとともに、取
扱いが容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る温室用樋の一実施例を示
す展開斜視図、第２図は組立時におけるＡ−Ａ線
断面図、第３図は連棟式温室における取付方式を
示す簡略説明図、第４図は第３図における一部拡
大図、第５図は第４図における一部省略斜視図、
第６ａ図および第６ｂ図は連結シートの他の実施
例を示す断面図、第７ａ図は保型支持部材の他の
実施例を示す斜視図、第７ｂ図はＢ−Ｂ線断面
図、第７ｃ図はＣ−Ｃ線断面図、第７ｄ図はＤ−
Ｄ線断面図である。 １……樋本体、２，２′……連結シート、３
ａ，３ｂ，５……保型支持部材、６……中央部シ
ート、８……カーテン用フレーム、１１，２１，
６１……フアスナー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 長手方向の両側縁にフアスナー片を有する透
   明な硬質弾性プラスチツクシート製の樋本体
   と、該樋本体を所定の凹状に保持するための保
   型支持部材と、長手方向の一側縁又は両側縁に
   上記樋本体のフアスナーと係合可能なフアスナ
   ー片を有しかつその要所には上記保型支持部材
   に対して移動かつ着脱可能な取付部材を設けた
   プラスチツク製の連結シートからなる温室用
   樋。 ２ 保型支持部材が、樋本体の長手方向に沿つて
   両側外方に張設固定されるロープ材である前記
   登録請求の範囲第１項記載の温室用樋。 ３ 保型支持部材が、樋本体の外側長手方向に沿
   つて張設される１本以上のロープ材と、樋本体
   を適宜間隔で支持するための任意の凹形状を有
   する支持凹部材とからなる前記登録請求の範囲
   第１項記載の温室用樋。 ４ 取付部材が、連結シートの一面長手方向に固
   着されたプラスチツク製の筒状部材であり、上
   記保型支持用のロープ材を挿通可能に設けてな
   る前記登録請求の範囲第２項又は第３項記載の
   温室用樋。 ５ 筒状部材が、フアスナーにより長手方向に沿
   つて開閉可能に設けられてなる前記登録請求の
   範囲第４項記載の温室用樋。 ６ 取付部材が連結シートの一側縁に沿つて連設
   された弾性変形部材である前記登録請求の範囲
   第１項記載の温室用樋。