JP3245849U - 農業用温室の谷樋の底部被覆部材及びそれを備えた農業用温室 - Google Patents

農業用温室の谷樋の底部被覆部材及びそれを備えた農業用温室 Download PDF

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Abstract

【課題】既設の谷樋にも幅広く適用できる汎用性を備えると共に、製作容易で、かつ長期に亘って使用できる耐久性を有する農業用温室における谷樋の底部被覆部材及びそれを備えた谷樋を提供する。【解決手段】連棟式農業用温室の谷樋30の底面を覆うべく谷樋に空間部14を介して長手方向に装着される底部被覆部材本体と、底部被覆部材本体の両端部において幅方向に設けられる壁体とを備え、底部被覆部材本体を谷樋に装着した際に、谷樋と底部被覆部材本体と壁体とにより空間部を閉鎖し、空間部を閉鎖空間部Sとして構成している。谷樋は、底壁31と底壁の両側部にそれぞれ立ち上げ形成される側壁32とを有し、底部被覆部材本体を谷樋に装着すべく、底部被覆部材本体を下方から支持する支持部21と、支持部の両端に設けられ、かつ、谷樋の各側壁の上端部に係止可能な係止部22とを有する帯状または線状の装着具20を備える。【選択図】図4

Description

本考案は、連棟式の農業用温室の谷樋の下面に設ける底部被覆部材及びそれを備えた農業用温室に関する。
従来、この種の谷樋としては、例えば実用新案登録第3204149号公報記載の考案が存在する。すなわち、この谷樋は、谷樋本体の下面に発泡ウレタンやグラスウール等からなる断熱材を接着剤により貼着したものであり、前記断熱材により温室内外で生じる温度差を低減して、前記谷樋の下面における結露の発生を抑制できるようにしたものである。
実用新案登録第3204149号公報
しかしながら、上記従来の谷樋における底部被覆部材は、断熱材を平板からなる樋材料の表面に接着剤により貼着し、これに曲げ加工を施して製作されるものであるために、その製作時において樋材料から断熱材が不用意に離脱したり、破損したりする虞があり、良好な品質を確保することが困難であると共に、耐久性にも欠けるという問題点があった。
また、上記従来の谷樋は、予め谷樋本体の下面に貼着される断熱材によるものであるために、既設の谷樋にその底部被覆部材を設けることは困難であり、汎用性に欠けるという問題点があった。
一方、前記谷樋の底面は農業用温室内部に臨んでいるため、外気温の上昇が、温室内部の温度管理に悪影響を与える場合も生じていた。
本考案は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷気や暖気に影響を受けにくい、そして、谷樋の下面における結露の発生を抑制できる、製作容易で、かつ、長期に亘って使用できる耐久性に優れた農業用温室の谷樋の底部被覆部材を提供すると共に、既設の谷樋にも幅広く適用できる汎用性を備える谷樋の底部被覆部材及びそれを備える農業用温室を提供することにある。
請求項1に記載の農業用温室の谷樋の底部被覆部材は、連棟式農業用温室の谷部に設けられる谷樋の底面を覆うべく前記谷樋に空間部を介して長手方向に装着される底部被覆部材本体と、前記底部被覆部材本体の両端部において幅方向に設けられる壁体とを備え、前記底部被覆部材本体を前記谷樋に装着した際に、前記谷樋と前記底部被覆部材本体と前記壁体とにより前記空間部を閉鎖し、前記空間部を閉鎖空間部として形成してなることを特徴とする。
請求項1に記載の農業用温室における谷樋の底部被覆部材にあっては、前記谷樋の底面を覆うように前記空間部を介して前記底部被覆部材本体を前記谷樋に装着すると、前記谷樋と前記底部被覆部材本体と前記壁体とにより前記空間部を閉鎖し、前記空間を閉鎖空間部として形成する。
したがって、請求項1に記載の農業用温室の谷樋の底部被覆部材においては、前記谷樋と前記底部被覆部材本体と前記壁体とによって前記閉鎖空間部が良好な断熱効果を発揮することになり、前記連棟式農業用温室の内外で温度差による影響が大幅に低減される。よって、温室内部の温度環境が冷気や暖気に影響を受けにくくなる。また、前記谷樋の底面における結露の発生が抑制され、結露が前記連棟式農業用温室内に落下して農作物の生育に支障を与えるようなこともない。また、前記底部被覆部材は前記谷樋とは別途製作される別体の部材であるために、その製作時に前記底部被覆部材に損傷等を与えるようなこともなく、全体が簡易な構成からなるために、容易に製作することができる。さらに、前記底部被覆部材の前記谷樋への装着により形成される閉鎖空間部により断熱を図るものであるために、長期に亘って使用できるという耐久性も備えている。また、前記底部被覆部材は既設の谷樋にも装着することが可能であるという汎用性を有するために、前記谷樋の有効利用を図ることができる。
請求項2に記載の農業用温室における谷樋の底部被覆部材は、請求項1記載の谷樋の底部被覆部材において、前記谷樋は、底壁と前記底壁の両側部にそれぞれ立ち上げ形成される側壁とを有し、前記底部被覆部材本体を前記谷樋に装着すべく、前記底部被覆部材本体を下方から支持する支持部と、前記支持部の両端に設けられ、かつ、前記谷樋の各側壁の上端部に係止可能な係止部とを有する帯状または線状の装着具を備えてなることを特徴とする。
請求項2に記載の農業用温室における谷樋の底部被覆部材にあっては、前記装着具の係止部を前記谷樋の各側壁の上端部に係止すると、前記底部被覆部材本体が前記装着具の支持部により支持された状態で、前記底部被覆部材本体が前記谷樋に装着されることになる。
請求項2に記載の農業用温室における谷樋の底部被覆部材においては、前記装着具の係止部を前記谷樋の各側壁の上端部に係止するという極めて簡易な操作により、前記底部被覆部材本体を前記谷樋に確実に装着することができると共に、前記空間部において空気層が形成されるために、良好な断熱効果を得ることができる。また、装着具自体の構成も簡易であるために、安価に、かつ、容易に製作することができる。さらに、前記底部被覆部材は既設の谷樋にも装着することが可能であるという汎用性を備えることができる。
請求項3に記載の農業用温室における谷樋の底部被覆部材は、請求項1又は2記載の谷樋の底部被覆部材において、前記底部被覆部材本体及び前記壁体が断熱材からなることを特徴とする。
請求項3に記載の農業用温室における谷樋の底部被覆部材にあっては、前記空気層と断熱材からなる前記底部被覆部材本体及び壁体による断熱効果によって、前記連棟式農業用温室の内外の温度差による影響が二重に軽減される。これにより、前記谷樋の結露の発生をより一層確実に抑制することができる。
請求項4に記載の農業用温室は、前記谷樋に請求項1又は2記載の農業用温室における谷樋の底部被覆部材とを備えてなることを特徴とする。
請求項5に記載の農業用温室は、前記谷樋に請求項3記載の農業用温室における谷樋の底部被覆部材とを備えてなることを特徴とする。
請求項4及び5に記載の農業用温室にあっては、通常前記連棟式農業用温室の谷樋に設けられるが、既設の谷樋に対しては、前記既設の谷樋に装着して使用することが可能である。いずれの場合においても優れた断熱効果を発揮するために、前記谷樋おける結露の発生を長期に亘って良好に抑制できる。また、全体構成も簡易であるために、その製作も容易に行える。
本考案によれば、温室内部の温度環境が冷気や暖気に影響を受けにくくなり、また、前記谷樋の底面における結露の発生が抑制され、製作容易で、かつ長期に亘って使用できる耐久性を有する、農業用温室における谷樋の底部被覆部材及びそれを備えた谷樋を提供することができると共に、既設の農業用温室にも幅広く適用できる汎用性を備える。
本考案に係る農業用温室の谷樋の底部被覆部材を示す斜視図である。 本考案に係る底部被覆部材が装着された連棟式農業用温室内部の一例を示す斜視図である。 谷樋を示す正面図である。 谷樋に底部被覆部材を装着した状態を示す断面図である。 同側面図である。 同側面図である。 同斜視図である。
以下、農業用温室における谷樋の底部被覆部材の一実施形態について、図面に従って説明する。
図1は本考案に係る農業用温室の谷樋の底部被覆部材を示す斜視図である。
図1に示す底部被覆部材10は、後述する谷部に空間部Sを介して装着される長尺状の底部被覆部材本体11と、前記底部被覆部材本体11を前記谷樋30に装着固定するための装着具20とを備える(図4参照)。前記底部被覆部材本体11は、両端部においてそれぞれ幅方向に設けられる壁体12、12と、前記壁体12、12に対向して前記底部被覆部材本体11の略中央位置に設けられる補強用リブ13とを有している。なお、前記補強用リブ13の数は、前記底部被覆部材本体11の長さ等に応じて適宜変更できる。
前記底部被覆部材本体11は、底板部11aと、その幅方向の両端から斜め上方に向けて外向きにそれぞれ設けられる一対の側板部11b、11bとを備えている。前記底部被覆部材10は、例えば発泡スチロールのような発泡系断熱材やゴム系断熱材等からなる断熱材により形成されている。ただし、後述する閉鎖空間部Sを有しているため、前記底部被覆部材本体11は、必ずしも断熱材で構成する必要はなく、断熱性を有しない合成樹脂や金属等で構成しても良い。
前記装着具20は、図1に示すように、可撓性を有する金属製の帯状体からなっており、前記底部被覆部材本体11を下方から支持する支持部21と、前記支持部21の両端に設けられ、かつ、後述する谷樋30の側壁32、32の各上端部に係止すべく内向きに折曲形成される係止部22とを備えている。なお、前記装着具20は線状体で構成してもよく、またその材質も前記底部被覆部材本体11の大きさや重量等を考慮して、例えば合成樹脂等で構成することも可能であり、その具体的な材質は問うものではない。以上で説明したように、本実施形態に係る前記底部被覆部材10は、前記谷樋30とは別途製作される別体の部材であるために、その製作時に前記谷樋30に損傷等を与えるようなこともなく、また全体が簡易な構成からなるために、容易に製作することができる。
図2は谷樋の底部被覆部材が装着される連棟式農業用温室内部の一例を示す斜視図であり、図3は谷樋が固着された状態を示す略断面図であり、図4は谷樋に底部被覆部材を装着した状態を示す略断面図であり、図5及び図6は、同側面図であり、図7は同部分斜視図である。
図2に示す農業用温室40は、両屋根連棟式の農業用温室40であり、間口方向X及び奥行方向Yに所定間隔を有して基礎上に立設される支柱43と、奥行方向Yに配置される前記支柱43の上部に架設される桁材45と、前記支柱43の上部に開口方向Xに複数架設される山形の合掌材(屋根面構成材)46と、前記合掌材46の頂部において奥行方向Yに架設される長尺状の棟材48等とを有しており、前記支柱43の頂部には谷樋30を支持する谷樋受け部材51を固着し、前記谷樋受け部材51の上に奥行方向Yに沿って前記谷樋30が架設されている。そして、屋根面にはフィルムシート42を張設している。
そして、前記谷樋30は、図3及び図4に示すように、底壁31と、前記底壁31の両側部にそれぞれ立ち上げ形成される側壁32とを備える谷樋本体33と、前記各側壁32の上端部に沿って長手方向に設けられる長尺状のフィルムシート取り付け部材34とを有しており、前記フィルムシート取り付け部材34は、断面略∪字状の受け部61と、前記受け部61を前記谷樋30の側壁32に固定する固定部62とからなるシート受け部材63と、前記受け部61に嵌合されるシート押さえ部材64とを備えており、後述するフィルムシート42の端部を、前記シート受け部材63の受け部61と、前記シート押さえ部材64との間に取り付けて固定している。
そして、本考案に係る底部被覆部材10は、前記谷樋30の底面、すなわち、温室の室内に臨む部分を覆うように装着するものであり、図5及び図6に示すように、前記支柱43の上部に設けられる前記谷樋受け部材51の部位近傍位置を除いて、前記支柱43,43間の複数箇所に装着される。また、前記支柱43と前記谷樋30とは、前記支柱43の上端部に設けた谷樋受け部材51を介して固定され、前記谷樋受け部材51は前記谷樋30の底面全体を受けるべく、図3において二点鎖線で示すとおり前記谷樋30と略同様の断面形状を有しており、固定具52により両者は固定されている。
そして、図4に示すように、前記谷樋30の底面を覆うように前記空間部14を介して前記底部被覆部材10を配し、前記装着具20の係止部22、22を前記谷樋30の各側壁32、32の上端部に係止すると、前記底部被覆部材10が前記装着具20の支持部22により支持された状態で、図4及び図7に示すように、前記底部被覆部材10が前記谷樋30に装着される。そして、前記谷樋30、前記底部被覆部材本体11及び前記壁体12により前記空間部14が閉鎖され閉鎖空間部Sを形成することになる。同様にして、図5及び図6に示すように、複数の前記底部被覆部材10を前記谷樋30に装着するので、かかる一連の装着作業は極めて容易に行うことができる。
このように、前記谷樋30と前記底部被覆部材本体11と前記壁体12とにより前記閉鎖空間部Sが形成されると共に、前記底部被覆部材10は断熱材により構成されているために、二重の断熱効果を発揮することになり、前記連棟式農業用温室40の内外で温度差による影響が大幅に軽減され、温室内部の温度環境が冷気や暖気に影響を受けにくくなり、また、前記谷樋30の底面における結露の発生が確実に抑制されるために、外気温の冷気や暖気による悪影響が低減でき、前記連棟式農業用温室40内の結露の落下により、農作物の生育に障を与えるようなこともない。
また、前記底部被覆部材10は既設の農業用温室の谷樋30にも装着することが可能であるという汎用性を有するために、前記谷樋30の有効利用を図ることができる。
また、上述したように前記底部被覆部材10の前記谷樋30への装着により形成される前記閉鎖空間部Sによって断熱を図るものであるために、長期に亘って使用できるという耐久性も備えている。また、全体構成も簡易であるために、その製作も容易に行える。
なお、上記実施形態における前記底部被覆部材10は、前記底部被覆部材本体11と前記装着具20とを備えているが、この装着手段は決して前記装着具20に限定されるものではなく、前記谷樋30の形態等に応じて適宜変更可能である。
10 底部被覆部材
11 底部被覆部材本体
12 壁体
14 空間部
20 装着具
21 支持部
22 係止部
30 谷樋
31 底壁
32 側壁
33 谷樋本体
40 連棟式農業用温室
S 閉鎖空間部


Claims (5)

  1. 連棟式農業用温室の谷樋の底面を覆うべく前記谷樋に空間部を介して長手方向に装着される底部被覆部材本体と、
    前記底部被覆部材本体の両端部において幅方向に設けられる壁体とを備え、
    前記底部被覆部材本体を前記谷樋に装着した際に、前記谷樋と前記底部被覆部材本体と前記壁体とにより前記空間部を閉鎖し、前記空間部を閉鎖空間部として形成してなることを特徴とする谷樋の底部被覆部材。
  2. 前記谷樋は、底壁と前記底壁の両側部にそれぞれ立ち上げ形成される側壁とを有し、
    前記底部被覆部材本体を前記谷樋に装着すべく、前記底部被覆部材本体を下方から支持する支持部と、前記支持部の両端に設けられ、かつ、前記谷樋の各側壁の上端部に係止可能な係止部とを有する帯状または線状の装着具を備えてなる請求項1記載の谷樋の底部被覆部材。
  3. 前記底部被覆部材本体及び前記壁体が断熱材からなることを特徴とする請求項1又は2記載の谷樋の底部被覆部材。
  4. 前記谷樋に請求項1又は2記載の農業用温室における谷樋の底部被覆部材とを備えてなることを特徴とする農業用温室。
  5. 前記谷樋に請求項3記載の農業用温室における谷樋の底部被覆部材とを備えてなることを特徴とする農業用温室。

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