JPH048754Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はパイプハウスに関し、更に詳しくはア
ーチパイプ上に透明なシートを展張した温室たる
パイプハウスに関する。

〔従来の技術〕

この種、従来の温室たるパイプハウスでは、弯
曲した複数のアーチパイプを地上に起立させ、こ
のパイプ上に透明なビニールシートを展張したい
わゆるビニールハウスが知られている。

このビニールハウスではパイプと交叉する水平
方向に蟻溝を形成した長尺な支持フレームを保持
し、パイプ上と支持フレーム上に展張したビニー
ルシートを他の弾性な係止線条を介して支持フレ
ームの蟻溝に嵌合して定着させている。

しかして、上部に蟻溝を形成した支持フレーム
をパイプに保持するには、例えば、実開昭51−
16056号公報、実開昭54−126406号公報、実開昭
56−171407号公報、実開昭59−113060号公報に開
示された取り付け具を介して保持している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このように蟻溝を形成した支持
フレームを他のジヨイント等の取り付け具を介し
てパイプに保持するには取り付け具を介在させる
から、支持フレームの取り付け作業が面倒である
こと、部品点数が多く、特に支持フレームとパイ
プとが交叉する位置に多数の取り付け具を用意す
る必要があり、コスト的に不利であること、取り
付け具の構造が複数であり、その製作が困難であ
り且つ経済性が悪いこと等の不具合がある。

従つて本考案の目的は蟻溝を形成した支持フレ
ームをパイプに対して位置合わせしながら直接取
り付けられ、支持フレームの着脱作業が容易であ
り、部品点数が少なく、経済性にすぐれたパイプ
ハウスを提供することである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、本考案の構成は地
上にアーチパイプを複数起立させ、アーチパイプ
には長手方向に蟻溝を設けた複数のシート支持フ
レームを横方向に向けて取り付け、シート支持フ
レームの蟻溝に弾性な係止線条を介して定着され
たシートがアーチパイプ上に展張されるパイプハ
ウスに於て、シート支持フレームは下方を開放し
たフレーム本体と、フレーム本体の上部に長手方
向に沿つて形成した開口部巾狭の蟻溝と、フレー
ム本体の下部に形成した楔支持部と、フレーム本
体の胴部に形成した複数のパイプ挿入用の孔又は
切欠きとからなり、アーチパイプに前記孔又は切
欠きを介してシート支持フレームのフレーム本体
を挿入し、アーチパイプと楔支持部との間に楔を
打ち込んでシート支持フレームをアーチパイプに
固定させたことを特徴とするものである。

〔作用〕

シート支持フレームのパイプ挿入用孔又は切欠
きにアーチパイプを挿入し、楔をパイプと楔支持
部間に打ち込むだけでパイプに支持フレームが保
持される。

〔実施例〕

以下本考案の実施の態様を図面について説明す
る。

第１図Ａ，Ｂに本考案の最適な実施例が示され
ている。

本考案のパイプハウスには地上に起立する複数
のアーチパイプ１１と、アーチパイプ１１に挿入
して横方向に架設したシート支持フレーム１と、
シート支持フレーム１の蟻溝に定着されてアーチ
パイプ１１上に展張されたシート１２とから構成
されている。（第５図） シートを定着するためのシートの定着装置はシ
ート支持フレーム１と楔２０とからなつている。

シート支持フレーム１は相対向する左右一対の
腰高な側面板２，２からなるフレーム本体３と、
フレーム本体３の上端に長手方向に沿つて形成さ
れた開口部巾狭の溝たる蟻溝４と、側面板２，２
の下端を内側に屈曲したフツク状の楔支持部５，
５と、側面板３の胴部に任意の間隔、例えば等間
隔に穿つた複数のパイプ挿入用の孔６と、同じく
側面板３の胴部に穿つたワイヤロープ、紐等の締
結用の小孔７とからなり、側面板２，２の下方は
下方に向けて開放されている。

楔２０は断面コ字状に形成され、パイプに当接
する水平板８と、左右一対の脚９，９と、脚９，
９の下面に形成されたテーパ面１０とからなつて
いる。

シート支持フレーム１をアーチパイプ１１に保
持する取り付け状態が第２図〜第４図に示されて
いる。

シート支持フレーム１のパイプ挿入用の孔６内
にアーチパイプ１１を貫通させ、更にシート支持
フレーム１を任意の位置までスライドさせ、次い
で楔支持部５に沿つて楔２０を打ち込むと、楔２
０のアーチパイプ当接用の水平板８の上面がパイ
プ１１に当接し、且つ楔２０のテーパ面１０に沿
つて楔２０の水平板８が上方に移動するからアー
チパイプ１１も押し上げられ、これによりアーチ
パイプ１１は楔２０の水平板８と孔６の上端縁と
の間で挟持される。従つて、アーチパイプ１１の
任意の位置に支持フレーム１が保持される。

楔２０は脚９の下面にテーパ面１０を形成して
いるが、この脚９の縦方向の巾を腰高に形成し、
強制的に打ち込み、脚９の巾分パイプ１１を押し
上げるようにしておいても使用可能である。

又、楔２０はシート支持フレーム１の端部より
楔支持部５に沿つて打ち込んでも良く、又はシー
ト支持フレーム１の途中の開放部から傾斜させて
挿入し、その後アーチパイプ１１の下部に打ち込
んでも使用できる。

シート支持フレーム１をアーチパイプ１１に保
持し、シート支持フレーム１の蟻溝にビニールシ
ート１２を定着し、アーチパイプ１１上全体にシ
ートを展張させたパイプハウス１３の具体的使用
例が第５図に示されている。

即ち、地上に逆Ｕ字状に弯曲したアーチパイプ
１１をパイプハウス１３の骨組として複数起立さ
せ、当該アーチパイプ１１はそれぞれ複数のシー
ト支持フレーム１のパイプ挿入用の孔６に挿入さ
れ、各シート支持フレーム１をアーチパイプ１１
の所定位置に保持させておく。この際シート支持
フレーム１は前記したように楔２０を打ち込んで
保持しておくものである。

アーチパイプ１１に保持された上部一対の相対
向する二つのシート支持フレーム１，１の孔６又
は小孔７間にはワイヤ、ロープ１４等が架け渡さ
れている。このワイヤ、ロープ１４等はパイプハ
ウス１３内の地上より育成された植物のつるがか
らまるようにしたり、又は支持するようにするも
のである。

アーチパイプ１１上に透明なビニールシート１
２を展張する場合は次のように行なう。

巾広のビニールシート１２をアーチパイプ１１
とシート支持フレーム１上に展り、シート支持フ
レーム１の蟻溝４内に弾性な係止線状１５を介し
て嵌合させれば、各シート支持フレーム１にビニ
ールシート１２が保持され、これによりアーチパ
イプ１１上全面に亘つてビニールシート１２が展
張される。

第６図は本考案の他の実施例に係る。

これは、アーチパイプ１１が地上に差し込む
際、その差し込みを容易にするため、アーチパイ
プ１１の下端に鋭角部１１ａを形成した場合、こ
の鋭角部１１ａをシート支持フレーム１の孔に挿
入できるようにシート支持フレーム１のパイプ挿
入用の孔を変形したものである。

即ち、シート支持フレーム１の側面板２，２の
胴部に孔６とこの孔６に開放された左右一対の長
孔６ａ，６ａを形成し、アーチパイプ１１の鋭角
部１１ａがこの長孔６ａ，６ａを介して挿入でき
るようになつている。

同様に第７図は本考案の他の実施例に係る。

これは、パイプ挿入用の孔に対してアーチパイ
プ１１の太さがまちまちであつたり、アーチパイ
プ１１の傾斜角度がまちまちである場合、孔が真
円ではアーチパイプ１１を差し込めないので、ア
ーチパイプ１１の太さ、角度にかかわりなく差し
込めるような切欠きをシート支持フレーム１に形
成したものである。

即ち、シート支持フレーム１の側面板２，２の
胴部に下方に開放された側面逆Ｕ字状のパイプ挿
入用の切欠き１６を形成し、シート支持フレーム
１はアーチパイプ１１に対して上方からこの切欠
き１６の開放部を介して差し込むようにしてい
る。

同様に第８図もパイプの角度、太さに対応する
ように切欠きを形成した他の実施例である。

この場合はシート支持フレーム１の側面板２の
胴部に下方に開放された切欠き１７を形成し、又
この切欠き１７に通じる横方向の切欠き１８を設
け、切欠き１７にアーチパイプ１１を差し込み、
又他の切欠き１８よりアーチパイプ１１と同一方
向から楔２０を打ち込むようにしたものである。

〔考案の効果〕

本考案によれば、次の効果を有する。

シート支持フレームをそれぞれ自体直接パイ
プに挿入して保持するから、従来のようにジヨ
イント等の取り付け具の装着作業が介在しない
から、その取り付け作業が著しく向上する。

構造上、シート支持フレームにパイプ挿入用
の孔又は切欠きを形成し、他の楔を必要とする
だけであるから従来のような複雑な取り付け具
が不要となり構造が簡単であり、製作が容易で
ある。

従来のようにジヨイント等の取り付け部材が
必要でなく、これにより部品点数が少なく、経
済性にすぐれている。

シート支持フレームはアーチパイプに複数挿
入し、その後一つ一つ任意の位置にスライドす
ればよく、位置合わせや装着作業が容易であ
る。

シート支持フレームのパイプ挿入用の孔は植
物のつるをからませるワイヤ、ロープ等の接続
にも使用できる。

シート支持用のパイプ挿入用の切欠きはアー
チパイプの太さ、角度が異なつていてもパイプ
を用意に挿入できる。

シート支持フレームは横架材として使用さ
れ、アーチパイプをシート支持フレームの孔に
挿入しているから、パイプハウスが頑丈とな
り、且つシート支持フレームがはずれることが
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂは本考案の一実施例に係るパイプ
ハウスにおけるシートの定着装置の一部切欠き斜
視図、第２図はシートの定着装置にアーチパイプ
を差し込んだ状態の斜視図、第３図はアーチパイ
プに差し込んだ状態のシートの定着装置の縦断側
面図、第４図は第３図の−線縦断正面図、第
５図はパイプハウスの斜視図、第６図、第７図、
第８図は他の実施例に係るシートの定着装置の一
部切欠き斜視図である。 符号の説明、１……シート支持フレーム、２…
…側面板、３……本体、４……蟻溝、５……楔支
持部、６，６ａ，１６，１７，１８……孔、切欠
き、１１……アーチパイプ、１３……パイプハウ
ス、１４……ワイヤ、ロープ、１５……係止線
条、２０……楔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 地上にアーチパイプを複数起立させ、アーチ
   パイプに長手方向に蟻溝を設けた複数のシート
   支持フレームを横方向に向けて取り付け、シー
   ト支持フレームの蟻溝に弾性な係止線条を介し
   て定着されたシートがアーチパイプ上に展張さ
   れるパイプハウスに於て、シート支持フレーム
   は下方を開放したフレーム本体と、フレーム本
   体の上部に長手方向に沿つて形成した開口部巾
   狭の蟻溝と、フレーム本体の下部に形成した楔
   支持部と、フレーム本体の胴部に形成した複数
   のパイプ挿入用の孔又は切欠きとからなり、ア
   ーチパイプに前記孔又は切欠きを介してシート
   支持フレームのフレーム本体を挿入し、アーチ
   パイプと楔支持部との間に楔を打ち込んでシー
   ト支持フレームをアーチパイプに固定させたこ
   とを特徴とするパイプハウス。 (2) フレーム本体が左右一対の側面板からなる実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のパイプハウ
   ス。 (3) 楔支持部が左右一対の側面板の下部を内方に
   折り曲げた一対のフツクからなる実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のパイプハウス。 (4) 左右一対の側面板に相対向する孔又は切欠き
   が形成されている実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のパイプハウス。 (5) 左右一対の側面板が縦方向が長く成形されて
   いる実用新案登録請求の範囲第２項記載のパイ
   プハウス。