JP2019062820A - シートの定着装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この種のシートの定着装置は、開口部が幅狭の蟻溝フレームと、この蟻溝フレーム内に嵌合する弾性な係止線条たるスプリングとからなるもので、合成樹脂製の透明シートを蟻溝フレーム内に挿入後この透明シートを蟻溝フレームの内周と係止線条の外周とで挟持するものである。
他方、植物の栽培に利用するビニールハウスでは、透過性に優れ、耐久性のある硬質な透明シートを利用してこれをハウスの屋根面、側面、又は妻面に展張するのが好ましい。
しかしながら、上記のシートの定着装置では、機能上の欠陥があるわけでは無いが、硬質の合成樹脂シートは剛性が強く、またスプリングの挟持力が弱いため、このスプリンが透明シートの剛性に耐え切れずこの透明シートを蟻溝フレーム内に安定した状態で均一に保持できない場合や透明シートが歪んでしまう場合がある。
しかも、上記のスプリングは手動で透明シートを押え込みながら蟻溝フレーム内に透明シートの剛性に抗して強制的に嵌合させるので操作性が悪く、手を痛める場合もある。
そこで、この不具合を解消するため、例えば、特許文献1、特許文献2に開示されているようなシートの定着装置が開発されている。
特許文献1に示すシートの定着装置は、開口部が幅狭の蟻溝フレームと、この蟻溝フレームの上端に嵌合する湾曲した弾性なシート止め板材とからなるもので、シート止め板材が蟻溝フレーム状に置かれた硬質の透明シートを押し込みながら蟻溝フレームの外周との間で強制的に挟持するものである。
これにより透明シート全体がハウスの屋根面、側面又は妻面に展張される。しかもシート押え板材を蟻溝フレームの開口部上方に外側から押し込んで嵌合させるだけであるから透明シートを均一に蟻溝フレームとの間で挟持でき、しかもスプリングによるシートの定着操作に比べて透明シートの剛性にあまり影響を受けないので操作性が良く、操作時に手を痛めることも無い。
特許文献2に示すシートの定着装置は、開口部が幅狭の蟻溝フレームと、この蟻溝フレームの上端に嵌合する断面コ字状のシート押えフレームと、シート押えフレームと蟻溝フレームとを貫通するビスとからなるもので、シート押えフレームが蟻溝フレーム状に展張した硬質の透明シートを押え込み、次いでビスをシート押え板と透明シートを貫通して蟻溝フレームの底部の螺合させるものである。これにより、透明シートが特許文献1のシートの定着装置と同じようにハウスの屋根面等に均一に展張される。
しかも、ビスは透明シートの剛性に関係なく装着でき、手動でシートの押えこみ操作をしないので手を痛める不具合も発生しない。
すなわち、特許文献1のシートの定着装置では、シート止め板材が弾性な板から構成されている為、透明シートに強風等の強い外力が作用すると、この外力でシートがシート止め板材を押し上げる方向に押し上げ、シート止め板材が外れ、シートの定着が解消されてバタバタし、結果的にシートの展張が不能になってしまう恐れがある。
また、特許文献2のシートの定着装置では、ビスでシート押えフレームが蟻溝フレームに固定されているので、シートに外力が作用してシート押えフレームが外れることは無い利点がある反面、ビスがシート押えフレームと透明シートと蟻溝フレームの底部に貫通しているのでこれらの部材にはビスを貫通させた時孔が形成され、この孔から雨水が侵入し、土壌にこの雨水が落下して植物の根腐れを発生させる恐れがある。
また、シートに外力が作用した時このシートが孔の部分から破断してくる恐れもあり、これらの改善が望まれている。
そこで、本発明の目的は、透明シートに強風等の強い外力が作用してもシートの定着が解消されず、雨水の侵入を防止でき、シートの破断も防止できるシートの定着装置を提供することである。
上記シート押えキャップを板フレームと、上記板フレームの一端に設けた上下一対の二股状の支持片と、上記板フレームの他端近傍に下方に向け起立した垂直又は傾斜した押え片とで構成させたことを特徴とするものである。
又シートの定着操作時に手を痛めず、操作性を向上させ、シートを破断させるのも防止しできる。
本発明のシートの定着装置P1、P2が適用されているビニールハウスYは、例えば、図3(A)に示すトンネル型の連棟ハウスであるが、図示のものに限らず、単棟型ハウス、その他透明な透光性シートを展張しているハウスであっても良い。
また、ビニールハウスYにおけるシートの定着装置P1、P2の適用場所は屋根面、側面、又は妻面の全域又は一部であっても良い。
図3(A)に示すビニールハウスYに適用したシートの定着装置P2は図2に示す他の実施の形態に係るものを利用している。
このシートの定着装置P2は硬質な透明シートS1と軟質な換気用の透明シートS2を定着するものである。
ただし、単に透明シートS1のみを定着してビニールハウスの屋根面等に展張させる場合は図1の実施の形態に係るシートの定着装置P1が利用される。
図3(A)のビニールハウスYは地上に多数のアーチパイプTからなる骨組みを前後方向に沿って起立させ、これらのアーチパイプTとクロスする方向にジョイント等を介してシートの定着装置P2を固定したものである。
このビニールハウスYとして連棟式のハウスが使用されているが、単一のトンネルハウスからなる単棟式のハウスであっても良い。
図3(A)の連棟式ハウスは谷部に樋Vが設けられており、後述するように図2におけるシートの定着装置P2に設けた樋フレーム9から結露回収具(図示せず)を介して回収した結露水を樋V等を利用してからハウス内又はハウス外に排水できるようにしている。
硬質な透明シートS1は、例えば、ハウスの屋根面に展張されて太陽光線をハウス内に透過させるものであり、軟質な透明シートS2は屋根面に形成した開口部を開閉して換気用に利用されるものである。
次にシートの定着装置の実施の形態を詳述する。
上記したように、図1は本発明の一実施の形態に係るシートの定着装置P1を示している。
これは、上端の開口部3を幅狭に形成した長尺な蟻溝フレーム1と、蟻溝フレーム1の開口端部に着脱自在に嵌合するシート押えキャップ2とからなるもので、蟻溝フレーム2内に透光性と耐久性に優れた合成樹脂製の硬質な透明シートS1を押し込みながら当該透明シートS1を蟻溝フレーム1とシート押えキャップ2とで挟持するものである。
このシートの定着装置P1は硬質のシートの定着に適しているが、軟質な透明シートの定着にも適用できる。
シート押えキャップ2は図1、図4(A)、(B)に示すように、蟻溝フレーム1の上端開口部3に沿う長尺な板フレーム4と、板フレーム4の右側一端に設けた上下一対の二股状の支持片5と、板フレーム4の左側他端近傍に下方に向け起立した垂直又は傾斜した押え片6bとで構成されている。
上記のように、ソケット6は螺子溝6dを内周に形成した第一の内側垂直片からなるガイド片6aと、このガイド片6aに対向すると共にガイド片6aより短く且つ外面に突起6cを形成した押え片6bたる第二の外側垂直片とで構成されている。
ソケット拡径部材は図示のようにフランジ7aとこのフランジ7aから延びるネジ棒からなるビス7から構成され、このビス7のネジ棒を強制的にガイド片6aと押え片6b間にねじ込んだとき各少なく一方の押え片6bを横方向に広げるようになっている。
ただし、このソケット拡径部材はガイド片6aと押え片6b間に強制的に差し込んだ時これらのガイド片6aと押え片6bを横方向に押し込んで両者の間を拡げ、特に押え片6bを蟻溝フレーム1の他方の左側側壁1b側に押し込むようにできるものであれば他の部材でも使用可能である。
したがって、シートS1に外力が作用して浮き上がろうとした時このシートS1は上側の支持片5aで押え込まれているので浮き上がりが防止できる。
特に、強風等の強い外力でシートS1が上側の支持片5aを押し上げた時でも下側の支持片5bが蟻溝フレーム1の右側の側壁1b内面に圧接するため右側の二股状の支持片5が蟻溝フレーム1のこの側壁1bから外れない。
B)同じくシート押えキャップ2が板フレーム4の他端近傍に下方に向けて起立した押え片6bを設けているので、透明シートS1に強風等の外力が作用し、この透明シートS1が板フレーム4の左側端部を外方たる上方に押し上げようとして、梃の原理で押え片6bと突起6cとが蟻溝フレーム1の左側の側壁1b内周に圧接するので板フレーム4の左側が浮き上がるのが防止され、板フレーム4が左側の側壁1bから外れない。
C)同様に、板フレーム4の他端側に一対の内側ガイド片6aと外側押え片6bとからなるソケット6と、板フレーム4を貫通してソケット6内に嵌入するビス7等のソケット拡径部材を設けている場合においても、ソケット6内に拡径部材を嵌入した時ソケット6が拡径し、外側押え片6bと突起6cとが蟻溝フレーム1の他方の左側側壁1b側に押圧され、この側壁1bと協働して透明シートS1を挟持する。
D)更に、シートの定着操作時に手を痛めず、操作性を向上させ、シートを破断させるのも防止できる。
1a 底部
1b 側壁
1c 彎曲部
2 シート押えキャップ
3 開口部
4 板フレーム
5 支持片
5a 上側支持片
5b 下側支持片
6 ソケット
6a ガイド片
6b 押え片
6c 突起
7 ビス
8 他の蟻溝フレーム
9 樋フレーム
S1 硬質な透明シート
S2 軟質な透明シート
P1 シートの定着装置
P2 シートの定着装置
Claims (6)
- 上端の開口部(3)を幅狭に形成した長尺な蟻溝フレーム(1)と、上記蟻溝フレーム(1)の開口端部に着脱自在に嵌合するシート押えキャップ(2)とからなり、上記蟻溝フレーム(2)内に透明シート(S1)を押し込みながら当該透明シート(S1)を上記蟻溝フレーム(1)と上記シート押えキャップ(2)とで挟持するシートの定着装置において、
上記シート押えキャップ(2)を板フレーム(4)と、上記板フレーム(4)の一端に設けた上下一対の二股状の支持片(5)と、上記板フレーム(4)の他端近傍に下方に向けて起立した垂直又は傾斜した押え片(6b)とで構成させたことを特徴とするシートの定着装置。 - 上記押え片(6b)に対向して垂直なガイド片(6a)を起立し、当該二つの押え片(6b)とガイド片(6a)とでソケット(6)を構成させ、更に、上記板フレーム(4)を貫通して上記ソケット(6)内に嵌入するソケット拡径部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のシートの定着装置。
- 上記蟻溝フレーム(1)が水平な底部(1a)と、上記底部(1a)の両端かる斜め内側に起立する一対の側壁(1b)、(1b)と、上記各側壁(1b)、(1b)の上端に形成した湾曲部(1c)、(1c)とで構成されている請求項1又は2に記載のシートの定着装置。
- 上記蟻溝フレーム(1)の下端に断面L字状の樋フレーム(9)と、この樋フレーム(9)に対向する開口部が幅狭の他の蟻溝フレーム(8)とが設けられている請求項1、2又は3に記載のシートの定着装置。
- 上記二股状の支持片(5)が上記一方の側壁(1b)の上端に嵌合する上側支持片(5a)と下側支持片(5b)とで構成され、上記ガイド片(6a)が螺子溝(6d)を内周に形成した第一の内側垂直片からなり、上記押え片(6b)がこの第一の垂直片(6a)に対向すると共に第一の垂直片(6a)より短く且つ外面に突起(6c)を形成した第二の外側垂直片(6b)からなる請求項2、3又は4に記載のシートの定着装置。
- 上記ソケット拡径部材がビス(7)からなる請求項2、3、4又は5に記載のシートの定着装置。
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