JPH03208641A - 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

二軸配向熱可塑性樹脂フィルム

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JPH03208641A
JPH03208641A JP2003998A JP399890A JPH03208641A JP H03208641 A JPH03208641 A JP H03208641A JP 2003998 A JP2003998 A JP 2003998A JP 399890 A JP399890 A JP 399890A JP H03208641 A JPH03208641 A JP H03208641A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は二軸配向熱可塑性樹脂フィルムに関する。さら
に詳しくは、横強度、屈折率の高い二軸配向熱可塑性樹
脂フィルムに関するものである。
[従来の技術コ 横強度、屈折率の高い二軸配向熱可塑性樹脂フィルムと
しては、少なくとも片面の滑り性が改良されたフィルム
が知られている(例えば、特開平−281920号公報
等)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の熱可塑性樹脂フィルムでは、
例えば、磁気媒体用途に使用したときにおける磁性層塗
布、カレンダー工程、あるいは、できたビデオテープ等
をダビングしてソフトテープ等を製造する工程等の工程
速度の増大に伴い、接触するロールやガイドでフィルム
表面に傷がつくという欠点があった。また従来のもので
は、上記ダビング時の画質低下のために、ビデオテープ
にした時の画質、すなわち、S/N (シグナル/ノイ
ズ比)も不十分という欠点があった。さらに従来のもの
では、特にフィルム平滑化、すなわちカレンダー工程で
フィルム表面に削れが生じるという問題点があった。
本発明はかかる従来の課題を解決し、特に高速工程でフ
ィルムに傷がつきに<<(以下耐スクラッチ性に優れる
という)、シかもダビング時の画質低下の少ない(以下
耐ダビング性に優れるという)熱可塑性樹脂フィルム、
およびそのフィルムを製造する際のカレンダー工程で表
面削れの生じにくい(以下耐カレンダー性に優れるとい
う)二軸配向熱可塑性樹脂フィルムを提供することを目
的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記目的を達成するために、熱可塑性樹脂A
と粒子を主成分とする厚さ0.005〜3μmのフィル
ム層Aを熱可塑性樹脂Bを主成分とするフィルム層Bの
少なくとも片面に積層してなる二軸配向熱可塑性樹脂フ
ィルムであって、フィルム層Aに含有される粒子の平均
粒径がフィルム層Aの厚さの0.  2〜5倍、粒子の
含有量がフィルム層Aに対して1〜20重量%であり、
さらに少なくとも横方向のF−5値が16kg/mm2
以上、複屈折率が−0.03以下であることを特徴とす
る二軸配向熱可塑性樹脂フィルムとするものである。
3 本発明を構威する熱可塑性樹脂Aはポリエステル、ポリ
オレフィン、ボリアミド、ポリフェニレンスルフィドな
ど特に限定されないが、特にポリエステル、なかでもエ
チレンテレフタレート、エチレンα,β−ビス(2−ク
ロルフエノキシ)エタン−4.4′−ジカルボキシレー
ト、エチレン2.6−ナフタレート単位から選ばれた少
なくとも一種の構造単位を主要構成或分とする場合に耐
カレンダー性、耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一
層良好となるので望ましい。また、本発明を構成する熱
可塑性樹脂Aは結晶性、あるいは溶融時光学異方性であ
る場合に耐カレンダー性、耐スクラッチ性、耐ダビング
性がより一層良好となるのできわめて望ましい。ここで
いう結晶性とはいわゆる非品質でないことを示すもので
あり、定量的には結晶化パラメータにおける冷結晶化温
度Tccが検出され、かつ結晶化パラメータΔTcgが
150℃以下のものである。さらに、示差走査熱量計で
測定した融解熱(融解エンタルピー変化)が7.5ca
l/g以上の結晶性を示す場合に耐カレンダー性、4 耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となるの
できわめて望ましい。また、エチレンテレフタレートを
主要構成成分とするポリエステルの場合に耐ダビング性
、耐カレンダー性、耐スクラッチ性がより一層良好とな
るので特に望ましい。
なお、本発明を阻害しない範囲内で、2種以上の熱可塑
性樹脂を混合してもよいし、共重合ポリマを用いてもよ
い。
本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子は、粒径比(粒子の長
径/短径)が1.0〜1.3の粒子、特に球形状の粒子
の場合に耐カレンダー性、耐スクラッチ性がより一層良
好となるので望ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子は相対標準偏差
が0.6以下、好ましくは0.5以下の場合に耐カレン
ダー性、耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好
となるので望ましい。
本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子の種類は特に限定され
ないが、上記の好ましい粒子特性を満足するにはアルミ
ナ珪酸塩、1次粒子が凝集した状態のシリカ、内部析出
粒子などは好ましくなく、コロイダルシリカに起因する
実質的に球形のシリ力粒子、架橋高分子による粒子(た
とえば架橋ポリスチレン)などの場合に耐カレンダー性
、耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となる
ので特に望ましい。
粒子の大きさは、フィルム中での平均粒径がフィルム層
Aの厚さの0.  2〜5倍、好ましくは0.3〜4倍
、さらに好ましくは0.8〜3倍の範囲であることが必
要である。平均粒径/フィルム層Aの厚さ比が上記の範
囲より小さいと耐カレンダー性、耐スクラッチ性が不良
となり、逆に大きくても耐カレンダー性、耐スクラッチ
性、耐ダビング性が不良となるので好ましくない。
また熱可塑性樹脂A中の粒子の平均粒径(直径)が0.
01〜1μm1特に0. 02 〜0. 5amの範囲
である場合に耐カレンダー性、耐スクラッチ性、耐ダビ
ング性がより一層良好となるので望ましい。
本発明の粒子の含有量は、フィルム層Aに対して1〜2
0重量%、好ましくは1.5〜15重量%、さらに好ま
しくは2〜10重量%であることが必要である。粒子の
含有量が上記の範囲より少なくても、逆に大きくても耐
カレンダー性、耐スクラッチ性が不良となるので好まし
くない。
本発明フィルム層Aには、本発明の目的を阻害しない範
囲内で他種ボリマをブレンドしてもよいし、また酸化防
止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの有機添加剤
が通常添加される程度添加されていてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂Bとしては、結晶性ボリマが望ま
しく、特に結晶性パラメータΔTcgが20〜100℃
の範囲の場合に耐ダビング性がより一層良好となるので
望ましい。具体例として、ポリエステル、ボリアミド、
ポリフェニレンスルフィド、ポリオレフィンが挙げられ
るが、ポリエステルの場合に耐ダビング性がより一層良
好となるので特に望ましい。またポリエステルとしては
、エチレンテレフタレート、エチレンα,β−ビス(2
−クロルフエノキシ)エタン−4.4′−ジカルボキシ
レート、エチレン2.6−ナフタレート単位から選ばれ
た少なくとも一種の構造単位を主要構成成分とする場合
に耐ダビング性が特に良好となるので望ましい。ただし
、本発明を阻害しない範囲内、望ましい結晶性を損なわ
ない範囲内で、好ましくは5モル%以内であれば他成分
が共重合されていてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂Bにも、本発明の目的を阻害しな
い範囲内で他種ポリマをブレンドしてもよいし、また酸
化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの有機添
加剤が通常添加される程度添加されていてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂B中には特に粒子を含有する必要
はないが、平均粒径が0.01〜2μm1特に0.02
〜1μmの粒子を0.01〜2重量%、特に0.02〜
1重量%含有すると、耐カレンダー性、耐スクラッチ性
がより一層良好となるのできわめて望ましい。その場合
粒子の種類は、熱可塑性樹脂Aに含有されるものと異な
ってもよいが、耐カレンダー性、耐スクラッチ性、耐ダ
ビング性の点で同じ種類である方が望ましい。
上記の熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの結晶化パラメ
ータΔTcgの差(A−B)は特に限定されないが、−
30〜+20℃の場合に、耐カレンダー性、耐スクラッ
チ性、耐ダビング性がより一層良好となるので特に望ま
しい。
本発明フィルムは、上記粒子を含有する熱可塑性樹脂A
よりなるフィルム層Aを熱可塑性樹脂Bよりなるフィル
ム層Bの少なくとも片面に積層し、二軸配向せしめたフ
ィルムである。一軸あるいは無配向フィルムでは耐カレ
ンダー性、耐スクラッチ性が不良となるので好ましくな
い。また、本発明フィルムは、フィルムの厚さ方向の一
部分、例えば表層付近のポリマ分子の配向が無配向、あ
るいは一軸配向になっていない、すなわち厚さ方向の全
部分の分子配向が二軸配向である場合に耐カレンダー性
、耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となる
ので特に望ましい。特にアッペ屈折率計、レーザーを用
いた屈折率計、全反射レーザーラマン法などによって測
定される分子配向が、表面、裏面ともに二軸配向である
場合に耐力レンダー性、耐スクラッチ性、耐ダビング性
がより一層良好となるので特に望ましい。
さらに熱可塑性樹脂Aが結晶性ポリエステルであり、フ
ィルム層Aの表面の全反射ラマン結晶化指数が20cm
−”以下、好ましくは18an−1以下、さらに17a
n−”以下の場合に耐カレンダー性、耐スクラッチ性、
耐ダビング性がより一層良好となるのできわめて望まし
い。
本発明のフィルム層Aの厚さは0.005〜3μm1好
ましくは0.01〜2μm1さらに好ましくは0.02
〜1μmであることが必要である。
フィルム層Aの厚さが上記の範囲より小さいと耐ダビン
グ性が不良となり、逆に大きいと耐カレンダー性、耐ス
クラッチ性が不良となるので好ましくない。
本発明のフィルム層Aの表面に形成された表面突起の平
均突起高さは5〜500nm,好ましくは10〜400
nm,さらに好ましくは15〜300nmの範囲である
場合に耐カレンダー性、耐スクラッチ性、耐ダビング性
がより一層良好となるので特に望ましい。
本発明のフィルム層Aの前記表面突起の平均突起間隔は
6μm以下、好ましくは4μm以下である場合に耐カレ
ンダー性、耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良
好となるので特に望ましい。
本発明フィルムは上述したように、構成する熱可塑性樹
脂が結晶性あるいは溶融光学異方性であることがきわめ
て望ましいが、溶融等方性フイルムの場合、結晶化パラ
メータΔTcgが25〜65℃である場合に耐カレンダ
ー性、耐スクラッチ性がより一層良好となるので特に望
ましい。
なお熱可塑性樹脂Aがポリエステルの場合にはフィルム
層A表面の厚さ方向屈折率が1.  5以下の場合に耐
カレンダー性、耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一
層良好となるので特に望ましい。
さらにフィルム層Aの固有粘度が0.60以上、特に0
.65以上の場合に耐カレンダー性、耐スクラッチ性が
より一層良好となるので特に望ましい。
本発明のフィルムは、耐カレンダー性、耐スク11 ラッチ性、耐ダビング.性の点から少なくとも横方向の
F−5値が16kg/m+n2以上、好ましくは18k
g/M2以上、さらに好ましくは20kg/mm2以上
である必要がある。上記範囲からはずれると耐カレンダ
ー性、耐スクラッチ性、耐ダビング性を満足することが
できない。
さらに本発明のフイルムは、耐カレンダー性、耐スクラ
ッチ性、耐ダビング性の点から複屈折率が−0.03以
下、好ましくは一0.04以下、さらに好ましくは−0
.05以下である必要がある。上記範囲からはずれると
耐カレンダー性、耐スクラッチ性、耐ダビング性を満足
することができない。
次に本発明フイルムの製造方法について説明する。
まず、熱可塑性樹脂Aに粒子を含有せしめる方法として
は、熱可塑性樹脂がポリエステルの場合には、ジオール
成分であるエチレングリコールのスラリーの形で分散せ
しめ、このエチレングリコールを所定のジカルボン酸成
分と重合せしめるの12 が本発明範囲の厚さと平均粒径の関係、含有量、および
F−5値、複屈折率のフィルムを得るのに有効である。
また、粒子を含有するポリエステルの溶融粘度、共重合
成分などを調節して、その結晶化パラメータΔTCgを
40〜65℃の範囲にしておく方法は本発明範囲の厚さ
と平均粒径の関係、含有量、およびF−5値、複屈折率
のフィルムを得るのに有効である。
また、粒子のエチレングリコールのスラリーを140〜
200℃、特に180〜200℃の温度で30分〜5時
間、特に1〜3時間熱処理する方法は本発明範囲の厚さ
と平均粒径の関係、含有量、およびF−5値、複屈折率
のフィルムを得るのに有効である。
また熱可塑性樹脂に粒子を含有せしめる方法として、粒
子をエチレングリコール中で熱処理した後、溶媒を水に
置換したスラリーの形で熱可塑性樹脂と混合し、ベント
方式の2軸押出機を用いて混練して熱可塑性樹脂に練り
込む方法も本発明範囲の厚さと平均粒径の関係、含有量
、およびFー5値、複屈折率のフィルムを得るのにきわ
めて有効である。粒子の含有量を調節する方法としては
、上記方法で高濃度マスターを作っておき、それを製膜
時に粒子を実質的に含有しない熱可塑性樹脂で希釈して
粒子の含有量を調節する方法が有効である。
次に、粒子を所定量含有するペレットを必要に応じて乾
燥したのち、熱可塑性樹脂Bよりなるフィルムの少なく
とも片面に熱可塑性樹脂Aよりなるフィルムを積層する
方法としては、次の方法が有効である。
所定の熱可塑性樹脂A組成物と熱可塑性樹脂B(A,B
は同種、異種どちらでもよい)を公知の溶融積層用押出
機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出し、
キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フイ
ルムを作る。すなわち、2または3台の押出し機、2ま
たは3層のマニホールドまたは合流ブロックを用いて、
熱可塑性樹脂A,Bを積層し、口金から2または3層の
シートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未
延伸フィルムを作る。この場合、熱可塑性樹脂Aのポリ
マ流路に、スタティックミキサー、ギヤポンプを設置す
る方法は本発明範囲の厚さと平均粒径の関係、含有量、
およびF−5値、複屈折率のフィルムを得るのに有効で
ある。また、熱可塑性樹脂A側の押し出し機の溶融温度
を熱可塑性樹脂B側より10〜40℃高くすることが本
発明範囲の厚さと平均粒径の関係、含有量、およびF−
5値、複屈折率のフィルムを得るのに有効である。
次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配向せしめ
る。延伸方法としては、逐次二軸延伸法または同時二軸
延伸法を用いることができる。その場合、最初に長手方
向、次に幅方向さらに幅方向の延伸を行なう逐次二軸延
伸法、最初に幅方向次に長平方向さらに幅方向の延伸を
行なう逐次二軸延伸法は本発明範囲の厚さと平均粒径の
関係、含有量、およびF−5値、複屈折率のフィルムを
得るのに有効である。ただし、熱可塑性樹脂が溶融光学
異方性樹脂である場合は長平方向延伸倍率15 は1.0〜1.1倍が適切である。長手方向延伸温庫は
熱可塑性樹脂の種類によって異なり一概には言えないが
、通常、その1段目を50〜130℃とし、2段目以降
はそれより高くすることが本発明範囲の厚さと平均粒径
の関係、含有量、およびF−5値、複屈折率のフィルム
を得るのに有効である。長手方向延伸速度は5, 00
0〜50, 000%/分の範囲が好適である。幅方向
の延伸方法としてはステン夕を用いる方法が一般的であ
る。延伸倍率は、3.0〜5.0倍の範囲が適当である
。幅方向の延伸速度は、1.000〜20, 000%
/分、温度は80〜160℃の範囲が好適である。ただ
し、積層フィルムの場合の延伸温度の設定は熱可塑性樹
脂Aを基準として設定する必要がある。
次にこの延伸フィルムを熱処理する。この場合の熱処理
温度は170〜200℃、特に170〜190℃、時間
は0.  5〜60秒の範囲が好適である。ただし、2
層積層フィルムの熱処理工程は、熱可塑性樹脂A層に吹
き付ける熱風温度を熱可塑性樹脂B層よりも3〜20℃
低くすることが本発l6 明範囲の厚さと平均粒径の関係、含有量、およびF−5
値、複屈折率のフィルムを得るのに有効である。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]本発明の特
性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の通りである
(1)粒子の平均粒径 フィルムから熱可塑性樹脂をプラズマ低温灰化処理法で
除去し粒子を露出させる。処理条件は熱可塑性樹脂は灰
化されるが粒子はダメージを受けない条件を選択する。
これを走査型電子顕微鏡で粒子数5000個以上を観察
し、粒子画像を画像処理装置で処理し、次式で求めた数
平均径Dを平均粒径とした。
D=ΣDi/N ここで、Diは粒子の円相当径、Nは個数である。
(2)粒径比 上記(1)の測定において個々の粒子の長径の平均値/
短径の平均値の比である。
すなわち、下式で求められる。
長径=ΣDli/N 短径=ΣD2i/N Dli, D2iはそれぞれ個々の粒子の長径(最大径
)、短径(最短径)、Nは総個数である。
(3)粒径の相対標準偏差 上記(1)の方法で測定された個々の粒径Dj1平均径
D1粒子総数Nから計算される標準偏差σ(={Σ(D
i −D) 2/N) ”’ )を平均径Dで割った値
(σ/D)で表わした。
(4)粒子の含有量 熱可塑性樹脂は溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択し
、粒子を熱可塑性樹脂から遠心分離し、粒子の全体重量
に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。場
合によっては赤外分光法の併用も有効である。
(5)結晶化パラメータΔTcg,融解黙示差走査熱量
計を用いて測定した。測定条件は次の通りである。すな
わち、試料10mgを示差走査熱量計にセットし、30
0℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素中に急冷する
。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点T
gを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状態からの結
晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度TCCとした
。さらに昇温を続け、融解ピークから融解熱を求めた。
ここでTccとTgの差(Tcc−Tg)を結晶化パラ
メータΔTcgと定義した。
(6)表面の分子配向(屈折率)、表面の全反射ラマン
結晶化指数 ナトリウムD線(589nm)を光源として、アッペ屈
折率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレ
ンを用い、25℃、65%RHにて測定した。ポリマの
二軸配向性は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をN
1、N2、N3とした時、N3 / [ (Nl +N
2>/2]が0.95以下であることをひとつの基準と
できる。また、レーザー型屈折率計を用いて屈折率を測
定しても良い。さらに、この方法では測定が難しい場合
は全反射レーザーラマン法を用いることもできる。
レーザー全反射ラマンの測定は、Jobin−Yvon
社製Ramanor U−1 0 0 0ラマンシステ
ムにより、全19 反射ラマンスペクトルを測定し、例えばポリエチレンテ
レフタレートの場合では、1 6 1 5cm−”(ベ
ンゼン環の骨格振動)と1 7 3 0cm−1(カル
ボニル基の伸縮振動)のバンド強度比の偏光測定比(Y
Y/XX比など。ここでYY:レーザーの偏光方向をY
にしてYに対して平行なラマン光検出、XX:レーザー
の偏光方向をXにしてXに対して平行なラマン光検出)
が分子配向と対応することを利用できる。ポリマの二軸
配向性はラマン測定から得られたパラメータを長平方向
、幅方向の屈折率に換算して、その絶対値、差などから
判定できる。またカルボニル基の伸縮振動である173
0cm−’の半価幅をもって表面の全反射ラマン結晶化
指数とした。この場合の測定条件は次のとおりである。
■光源 アルゴンイオンレーザー(5145A)■試料のセッテ
ィング フィルム表面を全反射プリズムに圧着させ、レーザのプ
リズムへの入射角(フィルム厚さ20 方向との角度)は60゜とした。
■検出器 PM : RCA31034/Photon Coun
ting System(Hamamatsu C12
3G)  (supply 1600V)■測定条件 SLIT        1000μmLASER  
     100mW GATE TIME     1. OsecSCAN
 SPEED     12cm−17minSAMP
LING INTERVAL O. 2cm −”RE
PEAT TIME    6 (7)複屈折率 フィルムの長平方向および幅方向の屈折率(それぞれn
 MD% n tDとする)を、アッペの屈折計を用い
て測定し、この両方の値の差、つまりnMDnTDで定
義した。
(8)F−5値 引っ張り試験機に、幅10mmに切断したフイルムをチ
ャック間長が100mmとなるようにセットし、引っ張
り速度2 0mm/min,温度25℃の条件でフィル
ムの5%伸長に対応する強度を測定した。
(9)表面突起の平均高さ 2検出器方式の走査型電子顕微鏡と断面測定装置におい
てフィルム表面の平坦面の高さをOとして走査した時の
突起の高さ測定値を画像処理装置に送り、画像処理装置
上にフイルム表面突起画像を再構築する。また、この2
値化された個々の突起部分の中で最も高い値をその突起
の高さとし、これを個々の突起について求める。この測
定を場所をかえて500回繰返し、測定された全突起に
ついてその高さの平均値を平均高さとした。走査型電子
顕微鏡の倍率は、1,000〜10, 000倍の間の
値を選択する。
(10)固有粘度[η] (単位はdi/g)オルトク
ロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から下記
式から計算される値を用いる。
すなわち、 ηsp/c ”’  [ηコ +K [η] 2 ・ 
Cここで、η5,=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは
溶媒100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/100m
l,通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343とす
る)。また、一溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度
計を用いて測定した。
(11)耐カレンダー性 フィルムの削れ性を5段のミニカレンダーを使用して評
価する。カレンダーはナイロンロールとスチールロール
の5段カレンダーであり、処理温度80℃、フィルムに
かかる線圧は250kg/cm,フィルムスピードは8
0m/分で走行させる。走行フィルムは全長3000m
走行させた時点でカレンダーのトップローラーに付着す
る汚れでフィルムの削れ性を評価する。評価は以下の2
段階で判定した。
○:ナイロンロールの汚れが殆どない ×:ナイロンロールが汚れる (12)耐スクラッチ性 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面
粗度:Raで100nm)上を走行23 させる(走行速度1,000m/分、走行回数10パス
、巻き付け角=60゜、走行張力:80g)。
この時、フィルムに入った傷を顕微鏡で観察し、幅2.
5μm以上の傷がテープ幅あたり2本未満は優、2本以
上10本未満は良、10本以上は不良と判定した。優が
望ましいが、良でも実用的には使用可能である。
(13)耐ダビング性 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカ
レンダー処理した後、70℃、48時間キュアリングす
る。上記テープ原反を1/2インチにスリットし、パン
ケーキを作成した。このパンケーキから長さ250mの
長さをVTRカセットに組み込みVTRカセットテープ
とした。
(磁性塗料の組或) ・Co含有酸化鉄       :100重量部24 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:10重量部・ポリ
ウレタンエラストマ   : 10重量部・ポリイソシ
アネート)     ・  5重量部・レシチン   
          1重量部・メチルエチルケトン 
    : 75重量部・メチルイソブチルケトン  
 : 75重量部・トルエン          : 
75重量部・カーボンブラック         2重
量部・ラウリン酸         =1.5重量部こ
のテープに家庭用VTRを用いてテレビ試験波形発生器
により100%クロマ信号を記録し、その再生信号から
カラービデオノイズ測定器でクロマS/Nを測定しAと
した。また上記と同じ信号を記録したマスターテープの
パンケーキを磁界転写方式のビデオソフト高速プリント
システム(スプリンタ)を用いてAを測定したのと同じ
試料テープ(未記録)のパンケーキへダビングした後の
テープのクロマS/Nを上記と同様にして測定し、Bと
した。このダビングによるクロマS/Nの低下(A−B
)が3dB未満の場合は耐ダビング性:優、3dB以上
5dB未満の場合は良、5dB以上は不良と判定した。
優が望ましいが、良でも実用的には使用可能である。
[実施例] 本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1〜4、比較例1ん4 平均粒径の異なるコロイダルシリカ、架橋ポリスチレン
粒子を含有するエチレングリコールスラリーを調製し、
このエチレングリコールスラリーを180℃で3時間熱
処理した後、テレフタル酸ジメチルとエステル交換反応
後、重縮合し、該粒子を0,5〜10重量%含有するポ
リエチレンテレフタレート(以下PETと略記する)の
ペレットを作った。この時、重綜合時間を調節し固有粘
度を0.63とした(熱可塑性樹脂A)。また、常法に
よって、固有粘度0.62のPETを製造し熱可塑性樹
脂Bとした。これらのポリマをそれぞれ180℃で6時
間減圧乾燥(3Torr) Lた。
熱可塑性樹脂Aを押出機1に供給し288℃で溶融し、
さらに、熱可塑性樹脂Bを押出機2に供給、282℃で
溶融し、これらのポリマを合流ブロック(フィードブロ
ック)で合流積層し、静電印加キャスト法を用いて表面
温度25℃のキャスティング・ドラムに巻きつけて冷却
固化し、2層構造の未延伸フィルムを作った。また、そ
れぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、フィルム層A
の厚さを調節した。この未延伸フィルムを温度85℃に
て長手方向に4.2倍延伸した。この一軸延伸フィルム
をステン夕を用いて延伸速度2,000%/分で105
℃で幅方向に4.0倍延伸し、100℃にて幅方向に1
.2倍延伸し、定長下で210℃にて5秒間熱処理し、
総厚さ7μm1フィルム層Aの厚さ0.2〜3μmの二
軸配向積層フィルムを得た。これらのフィルムの本発明
のパラメータは第1表に示したとおりであり、本発明の
パラメータが範囲内の場合は耐カレンダー性、耐スクラ
ッチ性、耐ダビング性は第1表に示したとおり優または
良であったが、そうでない場合は耐カレンダー性、耐ス
クラッチ性、耐ダビング性を両立するフィルムは得られ
なかった。
27 [発明の効果] 本発明は、製法の工夫により、粒子を含有する熱可塑性
樹脂を用いて、粒子の大きさとフイルム層Aの厚さの関
係、含有量、フイルム厚さ、F5値、複屈折率を特定範
囲とした積層フイルムとしたので、耐カレンダー性、耐
スクラッチ性、耐ダビング性が優れたフイルムが得られ
た。本発明フイルムの用途は特に限定されないが、加工
工程でのフィルム表面の傷が加工工程上、製品性能上特
に問題となる磁気記録媒体用ベースフィルムとして特に
有用である。また、本発明フイルムのうち2層構造のも
のはフィルム層A面が走行面(磁気記録媒体用では磁性
層を塗布しない面、その他の用途では印刷やその他塗材
の塗布などの処理がほどこされない面)として用いるこ
とが好ましい。
また、本発明は製膜工程内で、コーティングなどの操作
なしで直接複合積層によって作ったフイルムであり、製
膜工程中あるいはその後のコーティングによって作られ
る積層フイルムに比べて、最表層の分子も二軸配向であ
るため、上述した特28 性以外、例えば、表面の耐削れ性もはるかに優れ、しか
もコスト面、品質の安定性などにおいて有利であるもの
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1.  熱可塑性樹脂Aと粒子を主成分とする厚さ0.005
    〜3μmのフィルム層Aを熱可塑性樹脂Bを主成分とす
    るフィルム層Bの少なくとも片面に積層してなる二軸配
    向熱可塑性樹脂フィルムであって、フィルム層Aに含有
    される粒子の平均粒径がフィルム層Aの厚さの0.2〜
    5倍、粒子の含有量がフィルム層Aに対して1〜20重
    量%であり、さらに少なくとも横方向のF−5値が16
    kg/mm^2以上、複屈折率が−0.03以下である
    ことを特徴とする二軸配向熱可塑性樹脂フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH05278105A (ja) * 1992-04-03 1993-10-26 Toray Ind Inc 二軸配向積層フイルム

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JPH03175034A (ja) * 1989-12-05 1991-07-30 Toray Ind Inc 二軸配向ポリエステルフイルムおよびその加工物
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