JPH0320348B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、プリンタ装置における媒体の給送
装置に関するものである。

電子計算機からの印字出力情報の担体としては
連帳媒体と単票媒体とがあり、従来のプリンタ装
置はこれらの媒体のいずれかを主体にして媒体給
送経路が設計されており、これに適当なアタツチ
メントを付加することあるいはプリンタ装置の一
部を交換することによつて他の種類の媒体をも処
理できるように構成されている。第１図および第
２図はこのような従来のプリンタ装置の構成を例
示する図であつて、第１図のものは連帳媒体を主
体にした媒体経路を有するもの、第２図のものは
単票媒体の自動処理を主体に設計された媒体給送
経路を有するものである。

第１図のものでは、プラテン１の後方および下
方にトラクタ装置２と連帳ガイド３とが設けられ
るとともに印字位置４の下方に単票案内路５が予
め形成されており、これにフイードローラ６およ
び単票ガイド７，８を有するインサータを付加す
ることにより、単票媒体９の手差処理を行うこと
ができるようにしたものである。なお、１０は印
字ヘツド、１１は連帳媒体であつて、図中の矢印
は各媒体９，１１の供給排出方向を示すものであ
る。

第２図のものでは、プラテン１の上方に単票媒
体９ａを自動供給するためのホツパ台１２および
ピツクローラ１３と印字処理された単票媒体９を
受取つて貯留するためのスタツカローラ１４およ
びスタツカ１５が配置されており、連帳媒体を処
理する場合には、このホツパ台１２、ピツクロー
ラ１３、スタツカローラ１４およびスタツカ１５
を取り外してこれらに代えてトラクタ装置２を装
着するようにしたものである。１６は単票媒体９
の先端または連帳媒体の後端を検出するためのセ
ンサ、１７は媒体ガイド、１８，１９はプラテン
に圧接回動する媒体案内用のフリクシヨンローラ
である。

ところがこのような連帳媒体あるいは単票媒体
のいずれかを主体にして設計されたプリンタで
は、たとえば第１図のプリンタでは単票媒体の自
動処理を行うことができず、第２図のプリンタで
は媒体変換時における作業が面倒なばかりでな
く、手差しによる単票媒体はプラテンの後方より
差込んでやらねばならないという不便あるいは連
帳媒体処理時には単票媒体の処理を全く行うこと
ができないなどという問題が生ずる。また、連帳
媒体および単票媒体の処理をすべて可能とする媒
体経路を形成するためにプラテンと印字ヘツドと
の位置関係をたとえば上下方向にした場合には、
印字直後の媒体の視認性が悪くなり、たとえばキ
ーボードプリンタ装置のプリンタとして使用でき
ないという問題が生ずる。

この発明は、このような従来装置の問題点を解
消してすべての媒体処理を行うことが可能で、そ
の操作性がよくかつ媒体の視認性を損うこともな
いプリンタ装置を得ることを目的とするものであ
つて、この目的のために、独特の媒体給送経路を
有する印字媒体給送装置を提供するものである。

第３図ないし第５図に示す実施例に基づいて説
明すれば、図中、１はプラテン、１０は印字ヘツ
ド、１７，２０，２１，２２，２３，２４はそれ
ぞれ固定的に設けられた媒体ガイド、２５はホツ
パ台、２６はホツパ台２５上の単票媒体９ａに圧
接するピツクローラ、２７は媒体検出センサ、２
８は一対のローラ２８ａ，２８ｂからなるフイー
ドローラ、２９はプラテン１に圧接離隔自在に設
けられたフリクシヨンローラ、３０はトラクタ装
置、３１はその駆動軸、３２はそのピンカバー、
３３はトラクタ駆動軸３１に装着された駆動ロー
ラ３３ａとこれに圧接離隔する従動ローラ３３ｂ
とからなるスタツカローラ、３４はスタツカ、９
は印字処理中の単票媒体、９ａはホツパ台２５上
に装填された単票媒体、９ｂはスタツカ３４に排
出された単票媒体、１１は連帳媒体である。

媒体ガイド２０，２１，２２はホツパ台２５か
ら自動給紙される単票媒体の挿入経路ａと手差単
票媒体の挿入経路ｂとを形成しており、これらの
経路ａ，ｂはフイードローラ２８のローラ当接部
ｃに向けて形成される。媒体ガイド２３はフイー
ドローラ２８から供給される媒体を印字位置４に
案内するものであり、媒体ガイド１７はプラテン
１との間で媒体経路ｄを形成している。後述する
ように、自動処理される単票媒体はフイードロー
ラ２８によつてこの媒体経路ｄに案内されてフリ
クシヨンローラ２９によつて挾持されるが、手差
処理の場合および連帳媒体処理時にはこのフリク
シヨンローラ２９はプラテン１から離隔された状
態に保持される。トラクタ装置３０のピンカバー
３２はプラテン１の直上にまで延長されて媒体ガ
イド２４との間に媒体経路ｅを形成している。フ
イードローラ２８のプラテン側のローラ２８ｂ
は、第５図に示すように、図示しないフレームに
枢着された腕３５，３６間に架設された軸３７に
軸承されており、腕３５，３６を揺動させること
によつて他方のローラ２８ａに圧接された状態
と、このローラ２８ａから離隔してプラテン１に
圧接された状態とに切換えることができるように
なつている。ローラ２８ｂにはこれと一体となつ
て回転しその先端がローラ２８ｂの外周より突出
した柔軟な爪を有する爪車３８が装着されてお
り、爪の先端が屈曲することによつてローラ２８
ｂとローラ２８ａまたはプラテン１との当接は可
能であるが、ローラ２８ｂの周面に当接する媒体
の先端辺はこの爪車３８によつてローラ２８ｂの
回転方向に案内される。第５図にはトラクタ装置
３０とスタツカローラ３３との関係がより明確に
図示されており、前述した媒体経路ｅへと送り出
された媒体は、トラクタ装置３０またはスタツカ
ローラ３３によつて排出される。第３図に示すよ
うに、連帳媒体処理時および単票媒体の手差処理
時には従動ローラ３３ｂは駆動ローラ３３ａから
離隔した状態で保持される。

上述のように構成された印字媒体給送装置にお
ける各媒体の供給排出経路は次のとおりである。

連帳媒体１１はスタツカ３４の下方から媒体経
路ｄ、印字位置４、媒体経路ｅを経てトラクタ装
置３０のピン駆動によつてスタツカ３４の上方へ
排出される。このときフリクシヨンローラ２９と
プラテン１、フイードローラのプラテン側のロー
ラ２８ｂとプラテン１およびスタツカローラ３３
ａと３３ｂは、前述したように、それぞれ離隔し
た状態で保持される（第３図）。

手差処理される単票媒体はこの第３図に示す状
態で処理され、媒体挿入経路ｂから挿入されてフ
イードローラ２８で挾持されて給送され、印字位
置４を経て媒体経路ｄへと案内される。このとき
単票媒体の上端がセンサ２７によつて検出されて
該上端がフイードローラ２８のローラ当接部ｃの
直近に達したときにフイードローラ２８が停止し
て媒体の頭出しが完了する。この状態からフイー
ドローラ２８の逆方向回転によつて上方に送り出
されながら印字処理が行われ、媒体の上端がガイ
ド２１によつて案内されて、挿入経路ｂへと送り
戻されて排出される。

自動給紙される単票媒体は、たとえば第３図に
示す状態で供給され、フリクシヨンローラ２９が
プラテン１に圧接され、ローラ２８ｂがローラ２
８ａから離隔してプラテン１に圧接され、スタツ
カローラ３３ａと３３ｂとが圧接された第４図に
示す状態で排出される。ピツクローラ２６によつ
て媒体挿入経路ａから供給された単票媒体は、フ
イードローラ２８に挾持されて印字位置４を経て
媒体経路ｄへと案内されてプラテン１とフリクシ
ヨンローラ２９とによつて挾持される。センサ２
７によつて検出された媒体の上端がフイードロー
ラ２８の当接部ｃから外れた直後にプラテン１を
停止させると停止した媒体の上端辺はローラ２８
ｂとともに回転している爪車３８によつてプラテ
ン１の方へと送られ、プラテン１とローラ２８ｂ
との間に達するから、その後ローラ２８ｂをプラ
テン１の方に圧接させてやればこの媒体の上端は
プラテン１とローラ２８ｂとによつて挾持され
る。この状態から媒体はプラテン１によつて上方
に送り出されながら印字処理が行われ、媒体経路
ｅを経てスタツカローラ３３に挾持されてスタツ
カ３４へと排出される。スタツカローラ３３およ
びプラテン１とフリクシヨンローラ２９とは単票
媒体の自動給紙処理中常時圧接させたままとして
おいても上述の媒体の給送動作は保障される。

以上の説明より理解されるように、この発明に
係る印字媒体給送装置を採用したプリンタは、連
帳媒体の処理、フロントフイードによる単票媒体
の手差処理および単票媒体の自動給紙処理のいず
れをも行うことが可能で、印字ヘツドがインパク
トヘツドであつて連帳媒体が複写用紙である場合
を除き連帳媒体をプラテンに巻回されたままでも
単票媒体の手差処理を行うことができ、印字部に
おける媒体の視認性が損われることもない。この
ような効果はプラテン１に近接して印字位置４の
直上に設けられた一対のローラ２８ａ，２８ｂよ
りなるフイードローラ２８と、印字位置４より下
方に設けられたフリクシヨンローラ２９とを有し
ており、フイードローラ２８のローラ２８ａ，２
８ｂ間を通る媒体供給経路およびフイードローラ
２８とプラテン１との間を通る媒体排出経路から
なる単票媒体の供給排出経路を含む媒体給送経路
を設けることによつて達成可能であつて、たとえ
ば上記媒体供給経路から媒体排出経路への媒体経
路の切換を図示実施例における媒体ガイド２３を
揺動させることによつて行うこともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来のプリンタ装置にお
ける媒体給送経路を例示する側面図、第３図ない
し第５図はこの発明の一実施例を示す図であつ
て、第３図は連帳媒体処理時および単票媒体の手
差処理時における状態を示す側面図、第４図は自
動処理される単票媒体の排出時における状態を給
紙側の部材を省略して示す側面図、第５図はフイ
ードローラ、プラテン、トラクタおよびスタツカ
ローラの構成および位置関係のみを示す斜視図で
ある。 図中、１はプラテン、４は印字位置、１０は印
字ヘツド、１７，２０ないし２４は媒体ガイド、
２５はホツパ台、２６はピツクローラ、２７は媒
体検出センサ、２８はフイードローラ、２８ｂは
プラテン側のローラ、２９はフリクシヨンロー
ラ、３０はトラクタ装置、３１はトラクタ駆動
軸、３２はピンカバー、３３はスタツカローラ、
３４はスタツカ、３８は爪車である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ プラテン１に近接して印字位置の直上に設け
   られた一対のローラ２８ａ，２８ｂよりなり且つ
   その一方２８ｂがプラテン１に当接離隔自在に設
   けられているフイードローラ２８と、印字位置よ
   り下方においてプラテン１に当接離隔自在に設け
   られたフリクシヨンローラ２９とを有しており、
   前記フイードローラのローラ間を通る媒体供給経
   路および前記フイードローラとプラテンとの間を
   通る媒体排出経路からなる単票媒体の供給排出経
   路を有していることを特徴とする、印字媒体給送
   装置。 ２ フイードローラのプラテン側のローラ２８ｂ
   がこれと同軸にして設けられた柔軟な爪車３８を
   有するものである、特許請求の範囲第１項記載の
   印字媒体給送装置。