JPH03199490A - オフセット用塗工紙の製造方法 - Google Patents

オフセット用塗工紙の製造方法

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JPH03199490A
JPH03199490A JP33509789A JP33509789A JPH03199490A JP H03199490 A JPH03199490 A JP H03199490A JP 33509789 A JP33509789 A JP 33509789A JP 33509789 A JP33509789 A JP 33509789A JP H03199490 A JPH03199490 A JP H03199490A
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coating
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JP33509789A
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Shigeru Eimaeda
栄前田 茂
Kazuo Hatori
一夫 羽鳥
Jun Igarashi
潤 五十嵐
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はオフセット印刷用のコート紙の製造方法に関し
、特にオフセット輪転機で印刷する際に片面がヒートセ
ットオフ型インキの使用による印刷に適し、反対面はコ
ールドセットオフ型インキの使用による印刷に適する如
く表面と裏面で異なる種類のインキが使用できる又は異
なる印刷方式での印刷が可能であるオフ輪用塗工紙の製
造方法に関する。
(従来の技術) 近年、印刷仕上げ及び鮮明度に優れた印刷用塗工紙の需
要の伸びは著しく、且用途も多方面に拡大している。
特にカラー化、ビジュアル化の傾向が強く、この傾向は
大量の部数を発行する新聞折込み広告にも及んでおり、
これらを印刷する輪転機の稼動率も上昇してきている。
一般に、これら印刷用塗工紙の多色印刷は鮮明性が要求
される為酸化重合型のインキを用い、アフタードライヤ
ーを装備したヒートセット型輪転機を使用するが、稼動
率の上昇に伴ないこの様な輪転機を備えた印刷所が随時
に利用できない状況となって来ている。又、一方では、
片面のみ高級な多色刷り印刷とし、反対面は一般の単色
印刷物で良いというニーズがある。
多色印刷面は酸化重合型のインキを使用し、アフタード
ライヤーを装備したヒートセット型輪転機で印刷するこ
とにより良い印刷品質が得られる。しかし、反対面は要
求される印刷品質から或いは設備上の関係から浸透乾燥
型インキを使用することが一般的である。特に新聞印刷
設備でこの印刷を行なう場合は多色面よりも先に単色印
刷を行ない、乾燥装置を通らずに多色印刷を実施するこ
ととなるので、反対面のインキは乾燥が完全でない為イ
ンキのセットが不充分の状態となる。従って、印刷物は
製本又は折り込み及び輸送過程においてユーザーの手に
渡るまでの間に印刷面がこすられ、印刷物が損なわれる
又、剥ぎ取られたインキが印刷面と重なりあった反対面
を汚すという重大な問題を発生する。
更に、印刷過程においても、通常のオフセット用塗工紙
ではインキ乾燥性が両面とも同じである為アフタードラ
イヤーを使用しない面の印刷に浸透乾燥型インキを使用
した場合、印刷面のインキが印刷機の圧胴に「裏移り」
 (セットオフ)し、印刷面が少しずつずれてしまう「
ダブリ」というトラブルを発生する。
(発明が解決しようとする課題) 片面のみを高級な多色カラー印刷することは従来から実
施されており、又表裏差のある用紙も従来から多くの種
類が市販されている。それ等には感熱、感圧、ノンイン
パクトプリンター用のいわゆる情報記録紙関連に属する
もの、写真印画紙、磁気記録紙、感光原紙、複写用紙等
のいわゆる雑種紙、特殊用紙に属するもの及び片つやク
ラフト、カード、板紙、段ボール等の包装用紙を挙げる
ことができる。
しかしながら、これらは両面印刷を目的とし積極的に表
裏差を大きくした用紙ではない。美麗な印刷物を得る目
的の為には塗工組成物を塗工・乾燥後にスーパーキャレ
ンダー等のつや掛け装置で処理した塗工紙が適しており
、印刷方式としては酸化重合型インキの如く比較的硬い
(粘性の高い)インキで印刷し、アフタードライヤーで
強制乾燥することが一般的に行なわれている。
つや掛けした塗工紙は紙面が緻密となり平滑性が高いの
でインキの付着が均一となり易く、又紙面の緻密さによ
ってインキの紙中への沈みが少ないことからより鮮明な
印刷物を得るのに効果的であると考えられる。インキと
しては粘性が高いものの方が多くのインキを紙に転移す
ることができより重厚な印刷物を得ることができる。
しかしながら、つや掛けした塗工紙は前記の如く強制乾
燥装置を使用すれば美麗な多色印刷を得るのに適するが
、印刷直後から強制乾燥装置を通過する迄の間はインキ
の乾燥が殆んど皆無であり、その中間の過程に別の印刷
工程、紙の移送設備等が存在する場合にはそれらの部品
にインキが付着して最終的に印刷面並びに印刷機そのも
のを汚してしまうトラブルを発生する。
又、強制乾燥の前工程でのこのような汚れトラブルを防
止する為には紙のインキ吸収速さ及び吸収力を大きくし
、さらにインキの種類を浸透乾燥型とする方式がある。
しかしながら、浸透乾燥型インキを使用する印刷方式の
うち凸版印刷、オフセット印刷のどちらの場合もインキ
の吸収速さ及び吸収力を大きくしてよほど乾燥を速くし
なければ印刷時のダブリ、印刷物のセットオフ、印刷面
同士又は紙と手のこすれによるインキ落ち(ラブオフ)
という重大なトラブルを引き起こすこととなる。
一方、多色印刷を行なう面の印刷品質を向上させる為に
塗工組成物を3〜15g/m”塗工する場合は通常反対
面もほぼ同量に塗工組成物を塗工し、更にキヤレンダー
掛け又はスーパーキヤレンダー掛け処理をして紙面に平
滑性及び光沢を付与せしめるのが一般的であるが、その
際反対面も同じように平滑性及び光沢が出てしまい、結
果的にインキは浸透乾燥し難くなっているのが常である
以上のような理由から、既存の技術及びそれらの組み合
せでは片面が従来のコート紙及び微塗工紙並のオフセッ
ト印刷適性を有し、反対面は浸透乾燥型インキでの印刷
適性を有するという満足な紙は無く、このような新製品
が強く要望されていた。
そこで、本発明は片面が酸化重合型インキを用いてヒー
トセット型印刷機により美麗な多色カラー印刷効果を発
現せしめ、反対面は浸透乾燥型インキを用いてコールド
セット型印刷機により単色印刷を行なう表裏同時印刷が
可能な塗工紙及びその製造方法を提供することを目的と
する。
(課題を解決するための手段) 本発明は加圧ストーングランドパルプ、ストーングラン
ドパルプ、レファイナーグランドパルブ、サーモメカニ
カルパルプ等の機械パルプのうち少なくとも1種を含む
原紙に顔料塗工組成物をA面の絶乾塗工量をag/m2
、B面の塗工量をbg/m2とした時 X=a−0,86b     ・・(1)Y−16−a
−2b  ・ ・ ・  (2)で計算されるX、Yと
も正の値となるような塗工量で塗工し、A面をJIS−
P8142で測定した光沢度が20%以上とし且B面を
RI印刷機で新聞オフ輪墨インキ(TV=3〜4相当)
の浸透乾燥型オフセットインキを用い、印刷濃度がコー
サー濃度計で1.0±0.1になるように印刷して1分
後、この印刷面に白色度82±1.5%、光沢度62±
8%の市販A2コート紙を重ねてニップ幅10mmの圧
力で圧着した時の市販A2コート紙へのインキの転写を
コーサー濃度計で測定した値(セットオフ値)が0.2
8以下となる如くつや掛け処理を行なって、A面にはヒ
ートセットオフ印刷に適する性質を持たしめ、B面には
浸透乾燥型インキ使用による印刷に適する性質を持たし
めたことを特徴とするオフセット用塗工紙の製造方法で
ある。
本発明では塗工用原紙に顔料を含有する塗工組成物を塗
工し、乾燥後、さらにスーパーキャレンダー ソフトキ
ャレンダー グロスキャレンダー等のつや掛け装置で処
理することが必須である。本発明は前記した構成とした
ことからA面には美麗な多色カラー印刷を得るため光沢
度が要求され、B面はインキの吸収速さ及び吸収力で代
表されるインキ吸収性(吸油度)が重要である。
しかしながらこれら2つの適性は二律背反的な要素を有
しており、塗工量を多くするか或いはスーパーキャレン
ダー等のつや掛け処理条件を強化するとA面及びB面と
も光沢度は向上するが、表面は緻密になりインキの吸収
性が悪化してしまう。逆に、塗工量を少なくするか或い
はスーパーキャレンダー等のつや掛け処理条件を緩和す
るとA面及びB面ともインキの吸収性が向上し、代りに
光沢度が低下する。
本発明はこの問題を解決するため種々検討した結果以下
の如き構成とすることによりこの困難を克服したもので
ある。
即ち、 (1)  原紙はインキ吸収性に優れ且つ塗工後の紙の
つや掛け処理に際し光沢度の向上効果が大きなパルプを
選択して抄紙したものである。
(2)塗工紙のA面及びB面の特性を差別化するため塗
工量はA面を多く、B面を少なくし、相対的につや掛け
処理条件を緩和してもA面の所望の光沢度を得ることが
できるようにし、同時にB面は塗工量の減少とつや掛け
処理条件の緩和の相乗効果によりさらに表面の緻密性が
軽減され、インキ吸収性の悪化を防止することが出来る
ようにした。
(3)つや掛け処理条件はスーパーキャレンダーの如く
ソフトロールと金属ロールを組み合せた装置においては
金属ロールに接する紙面の光沢度が向上し、表面の緻密
性が増加するのに対し、ソフトロールに接する紙面の光
沢度及び緻密性の増加の度合は金属ロールに接する面と
異なり少ないので、本発明ではA面の金属ロールに接す
る回数を多くし、B面の金属ロールに接する回数を皆無
或いは著しく少ない回数となる如くつや掛け処理を施す
ことにした。
本発明において用いられる塗工用原紙は加圧ストーング
ランドバルブ(PGW)  ストーングランドバルブ(
GP) レファイナーグランドパルプ(RG P ) 
 サーモメカニカルバルブ(TMP)等の機械バルブの
うち少なくとも1種を含有し、望ましくは20〜70重
量%の機械バルブを含有し、さらに望ましくはPGWを
含有するものである。このPGWは繊維に結束を含まず
柔軟性があり、繊維長はGPとTMPの中間ta維を多
く含有し、しかもフィブリル化されているので、このバ
ルブを用いることにより原紙の平滑性及び表面粗さが向
上する。これによって塗工の際の塗工ムラが改善され、
塗工紙の光沢が向上し、さらに印刷時のインキ着肉性が
改善されるので、美麗で見映えの良い印刷物を作ること
が可能である。
TMPのuA維形状はプレスチーミングによって軟化さ
れたチップがそのままの状態で加圧リファイニングされ
るので解繊が良好なため繊維のカッティング及び結束繊
維が少なくて、良好な長繊維が得られる。この為、TM
Pを原紙に含有させると、−飲に密度が低く、かさ高な
原紙となるので、吸油性が向上しインキセットオフ値を
小さくする事ができる。
その他のGP、RGPもそれぞれバルブの有する特徴を
原紙に反映させることができ、さらに脱インキ故紙パル
プ(DIP)も使用することができる。
これらの機械バルブは70重量%以上含有させると印刷
適性は向上するものの、紙の引張り、引裂及び破裂強度
で代表される紙力が低下し、20重量%以下では印刷適
性が発現し難くなるので本願発明の目的のためには不都
合である。
その他のバルブとしては針葉樹及び広葉樹の漂白バルブ
及びセミ漂白バルブが機械バルブ及びDIPと一緒に使
用できる。
本発明で使用される塗工用原紙は前記バルブを原料とし
て従来公知の抄紙機においてバンド、ロジンサイズ剤及
びその他の助剤を用いて酸性紙として又必要に応じてバ
ンドを用いない中性紙としてさらに所望されれば填料が
添加され抄造されるものである。
本発明において使用される塗工組成物の顔料は特に限定
されるものではなく、カオリン、クレー、重質炭酸カル
シウム、軽質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、サ
テンホワイト、二酸化チタン、亜硫酸カルシウム、硫酸
亜鉛、プラスチックピグメント等の通常の塗工紙用顔料
がそれぞれの顔料の性質に応じて適宜選択して配合され
る。
又、接着剤についてもカゼイン、大豆蛋白、酵母蛋白、
澱粉及び酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、
カチオン化澱粉等の変性澱粉、セルロース誘導体等の天
然接着剤、スチレン・ブタジェン共重合体、メチルメタ
クリレート・ブタジェン共重合体等の共役ジエン系共重
合体ラテックス、アクリル及び/又はメタクリル酸エス
テルの重合体又は共重合体等の酢酸ビニル共重合体ラテ
ックスといったアルカリ非感応性或いはアルカリ感応性
の合成樹脂エマルジョン等の合成樹脂接着剤の如き通常
の塗工紙用接着剤の一種以上が本発明の目的とする組品
質に応じて用いられる。接着剤の配合量は一般に顔料1
00重量部に対して5〜20重量部の範囲である。
又、一般に塗工組成物に配合される分散剤、流動変性剤
、消泡剤、防腐剤、潤滑剤、耐水化剤、保水剤、染料の
各種助剤は必要に応じて適宜配合される。目標とする表
面強度、インキ着肉、白紙光沢度、印刷後光沢度、平滑
度、白色度、不透明度等を得る為の配合及び塗工層の蒸
気透過性の低下を防ぐ為の配合は前記顔料、接着剤及び
補助薬品の種類及び添加量を変えて行なわれる。塗工方
法についても特に限定されるものではなくエアーナイフ
コーター ロールコータ−或いはパドル及びインバータ
型のブレードコーターでブレードがベベル及びベント型
のコーター、更にはビルブレード、ツインブレード等の
各種ブレードコーター等の通常の各種塗工装置が適宜用
いられる。
本願発明では塗工組成物をA面及びB面に塗工するが、
その塗工量はA面の塗工量をa  g/m2、B面の塗
工量をbg/m2とした場合、X=a−0,86b (1) Y=16−a−2b           (2)但し
X≧0.Y≧0である。
で示される(1)及び(2)式を満足する塗工量とする
ことが必須である。これらの塗工量(a及びb)は第1
図の斜線で示される範囲内の塗工量である。
(1)式でXが0未満ではa<0.86bとなりA面の
塗工量がB面の塗工量に比較して少なくなるので、A面
の光沢度を所望の水準名高めようとしてスーパーキャレ
ンダー等のつや掛け装置の処理条件を変更するとB面の
光沢度は例え光沢度を高くしない様に配慮しても、高く
なり紙表面の緻密性が増加するので、インキの吸収性が
悪化しセットオフトラブルを生じてしまう。
逆にB面のインキ吸収性を良くしセットオフトラブルを
解消する如きつや掛け装置の処理条件を応用するとA面
の光沢度が所望の水準に到達しないことになる。従って
本願発明においては(1)式におけるXはX≧0の条件
を満足する必要がある。
又、(1)式でXが0以上であっても、(2)式でYが
0未満の場合はa+2b>16となりA面とB面の塗工
量の合計が大きくなるので、スーパーキャレンダー等の
つや掛け装置での処理条件を所望の範囲内に設定するの
に困難を伴ない、又塗工及び乾燥工程にも負荷がかかり
、その上塗工紙のカールトラブルも発生する等生産面で
の問題も生ずる。さらに、この様な過剰な塗工量は生産
原価の高騰をもたらすことになるので本願発明ではa+
2 bは16g/m’以下が好ましいが、この数値に臨
界的な意味はない。
一方、本願発明ではA面はオフセット多色カラー印刷に
適する性質を持たしめるためA面の光沢度をJIS−P
8142で測定した値で20%以上必要である。20%
以下では本願発明の目的とする美麗なカラー印刷が得難
いからである。
B面は通常浸透乾燥型インキを使用するが、凸版印刷及
びオフセット印刷のどちらの場合もインキの吸収速さ及
び吸収力即ち吸油性が要求され、この要求が満足されな
いとインキが紙面に半乾燥状態で残され、セットオフや
ラブオフに起因する汚れトラブルを発生する。このトラ
ブルを解消するにはB面の塗工量は少ない方が都合が良
い。
インキの汚れを判断する指標として一般にセットオフ値
が用いられるが、これは浸透乾燥型インキを使用し印刷
した時の印刷面が印刷していない面をインキで汚す度合
を示し、米国テキサス州に存在するコーサーコーポレー
ションで開発された新しいコンピューターシステムを応
用した濃度計コーサー61Jを用いて印刷面から印刷さ
れていない面へ転写されたインキの濃度を光の反射率か
ら算出したコーサー濃度値のことをいい、コーサー濃度
dは d=log−但しR:反射率 で示される。
第1表はコーサー濃度と反射率の関係を示すものである
第  1 表 通常浸透乾燥型インキを使用して問題を発生していない
新聞用紙の場合、セットオフ値は0.22〜0.28の
範囲にあり、本発明の8面セットオフ値も0.28以下
である必要がある。セットオフ値が0.28以上の場合
、インキの紙への吸収が遅い為、印刷面のインキが印刷
機の圧胴に裏うつりする「汚れ」及び印刷面が少しづつ
ずれてしまう「ダブリ」というトラブルを発生するので
本発明では好ましくない。
この様に本発明のB面のセットオフ値を小さくしてイン
キの吸収性を大きくするとは浸透乾燥型インキを使用す
る場合大変重要である。本発明による塗工紙のB面にお
けるインキの吸収を早める好ましい方法の一つに顔料を
含む塗料を塗工した塗工紙を印刷を施行する前にスーパ
ーキャレンダー等でつや掛け処理を行い、その際にニッ
プ圧を軽減して塗工紙の密度の増加を抑制することが考
えられる。この方法では特にB面側のみの密度増加を選
択的に抑制することでインキの吸収を早めるものである
この目的は例えば、つや掛け装置としてスーパーキャレ
ンダーを使用する場合、本発明による塗工紙のA面がス
ーパーキャレンダーの金属ロール(チルドロール)への
接触回数が多くなる如く、そして、逆にB面は金属ロー
ルへの接触回数が皆無或いは著しく少なくなる如く、つ
まりスーパーキャレンダーの全段数を使用せずバイパス
して通紙することにまり達成できる。
さらにバイパスして通紙する場合も、上出しで上段のロ
ールを使用する方が(第3b図参照)下出し下段ロール
を使用するより(第3a図参照)B面側の密度の抑制を
一層強化することができる。その理由はロールの自重の
多寡がロールニップ面へ影響を及ぼすからである。
本発明ではA面の光沢度は20%以上であることが必須
要件であるので、かような処理によるB面の緻密性増加
を抑制しようとしても、スーパーキャレンダー処理条件
には自ずと制約があり、そして全ニップ圧は使用するつ
や掛け装置の種類によっても相違するが、スーパーキャ
レンダーでは3ニツプ処理で160〜500kg/ c
mの範囲、12段11ニツプ通紙処理で1200kg 
/ cmにおいて、A面とB面の塗工量差があまり大き
くない場合でもA面には必要最小限の光沢度を付与しな
がらB面の緻密性の増加を防止し、セットオフの悪化を
最小限に留めることができる。
(実施例) 以下に実施例をあげて本発明をより具体的に説明するが
、本発明は勿論これらに限定されるものではない。尚、
本発明で用いる部及び%は全て重量部及び重量%である
実施例1 原紙を構成するバルブ組成は、NBKP (680mf
 C,S、F) 30%、TMP (100m1C0S
、 F) 20%、RGP (100m1IC0S、F
) 30%、GP (65d C,S、P)  20%
よりなるパルプに、原紙中の灰分が7%となる如く内添
用タルクを添加し、更に、内添用紙力増強剤としてカチ
オン化澱粉(玉子ナショナル社製 ケート3210)を
パルプ当り1.0%及びサイズ剤(荒用化学社製5PG
)を0.3%硫酸バンドを1.0%添加して、中質紙、
グラビア印刷用紙及び新聞用紙が抄紙可能な抄紙機を用
い絶乾坪量38.5g/m2の紙を製造した(原紙Aと
呼称する)。
一方、塗工紙用塗工組織物は顔料としてカオリン(米国
tlNIVBR3E! TANKSlflPS社all
  AMAZON−88)75部、炭酸カルシウム(同
和カルフィン社製KS−2100−2)25部を用い、
顔料100部当り分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(
東亜合成社製 アロンT−40)0.2部を添加し、固
形分濃度70%になる如く水を添加して高速攪拌プリッ
タ−にて分散後さらに、接着剤としてカルボキシ変性ス
チレン−ブタジェン系共重合ラテックス(日本合成ゴム
社製、T−2045F)を12部及び酸化澱粉(玉子コ
ンスターチ社製 玉子エースA)4部を添加混合した。
その他辺下の薬品を顔料100部当り添加混合して、さ
らに5%濃度の苛性ソーダ溶液でp8.5に調整した約
55%固形分濃度の塗工組成物を製造した。
防腐剤 (成田薬品社製、スラオフAB)   0.04部消泡
剤 (サンノプコ社製、DBF122NS)    0.0
3部生先染料 (日本化薬社製、FOL)      0.1清談塗工
液をオンマシンでブレードコーターを用いて1000 
m/min、で原紙への一方の面(A面)に5g/m2
、他方の面(B面)に3.5g / m 2塗工した。
この時、式(1)におけるXは1.99、式(2)にお
けるYは4となる。該塗工紙を次に以下の条件でスーパ
ーキャレンダー処理した。スーパーキャレンダーはクラ
イネウェーバース社製のものである。
処理条件 通  紙  速  度   500m/min。
ボトムニップ圧  180kg/cm 全ニップ圧 500kg/cm 通  紙 下段の3ニツプ(第3a図参照) 原紙下出しく第2図参照) 全ニップ圧とは紙に加重される各ロールのニップ圧の累
計をいう。
該塗工紙の物性試験の結果を第2表に示す。
A面の光沢度は22.6%、B面のセットオフ値は0.
28で印刷面は両面とも良好であった。
実施例2 NBKP (560rnlC0S、F、)30%、PG
W(75mj! C0S、F、)45%、TMP (1
00ml’ C。
S、F、)25%よりなるパルプに、原紙中の灰分が7
%となる如く内添用タルクを添加する以外は実施例■と
同じ条件で絶乾坪量38.5g/m’の紙を製造したく
原紙Bと呼称する)。原紙Bへの塗工は塗工組成物、塗
工方法並びにスーパーキャレンダーでの処理条件は実施
例1のものと同一とした。
該塗工紙の物性試験の結果を第2表に示す。
A面の光沢度は24.0%、B面のセットオフ値は0.
24で実施例1で得られたものとの差はバルブ組成とし
てPGWを使用し、その比率を高めたことが寄与してオ
フセット印刷用紙としてさらに良好なものが得られた。
式(1)のXの値は1.99、式(2)のYの値は4で
あった。
実施例3 式(1)のXが4.14、式(2)のYが9、即ちA面
塗玉量を5g/m’、8面塗工量をIg/m’となる如
く塗工量を変更した以外はバルブ組成、抄紙、塗工組成
物並びにスーパーキャレンダー処理条件を実施例2と同
一にして塗工紙を製造した。
該塗工紙の物性試験の結果を第2表に示す。
A面の光沢度は24.4%、B面のセットオフ値は0.
23で良好な印刷面が得られた。
実施例4 塗工量並びにスーパーキャレンダー処理条件を以下の如
く変更した以外はバルブ組成、抄紙、塗工組成物を実施
例2と同一として塗工紙を製造した。
塗工量 A面    6g/m’ B面   0.5g/m” スーパーキャレンダー処理条件 通  紙  速  度     3 5 0 m/mi
n。
ボトムニップ圧   180kg/cm全ニップ圧 1
200 kg/cm 通  紙 11段(第3c図参照) 上出しく第2図参照) 該塗工紙の物性試験の結果を第2表に示す。
A面の光沢度は34.6%、B面のセットオフ値は0.
27で、コノ時の式(1) (7) X (7)値は5
.57、式(2)のYの値は9で良好な印刷用紙が得ら
れた。
実施例5 式(1)のXが4.99、式(2)のYが1、即ちA面
塗玉量を8.0g/m2.8面塗工量を3.5g/+n
”となる如く塗工量を変更した以外はパルプ組成、抄紙
、塗工組成物並びにスーパーキャレンダー処理条件を実
施例2と同一にして塗工紙を製造した。
該塗工紙の物性試験の結果を第2表に示す。
A面の光沢度は34.4%で、B面のセットオフ値は0
.26で良好なオフセット印刷用紙が得られた。
比較例1 スーパーキャレンダー処理条件を以下の如く変更した以
外はパルプ組成、抄紙、塗工組成物、塗工量、塗工方法
を実施例2と同一として塗工紙を製造した。
スーパーキヤレンダー処理条件(実施例4とと同じ) 通  紙  速  度     3 5 0 m/mi
n。
ボトムニップ圧   180kg/cm全ニップ圧 1
2 D Okg/cm 通 紙       12段11ニツプ該塗工紙の物性
試験の結果を第2表に示す。
A面の光沢度は29.0%、B面のセットオフ値は0.
32となり、A面の印刷適性は良好であったが、B面は
浸透乾燥型インキ印刷には不適である。
比較例2 式(1)のXを−0,16、式〔2)のYを−1、即ち
A面塗玉量を5.0g/m2.8面塗工量を6.0g/
 m 2となる如く変更した以外はパルプ組成、抄紙、
塗工組成物、塗工方法、スーパーキャレンダー処理条件
を実施例2と同一にして塗工紙を製造した。
該塗工紙の物性試験の結果を第2表に示す。
A面の光沢度は25%、B面のセットオフ値は0.52
でA面は良好であるがB面は浸透乾燥型インキによる印
刷は不適である。
比較例3 式(1) (7) Xを4.13、式(2) ノYを−
1、即チA面塗工量が8.0g/m2、B面の塗工量が
4.5g/ m 2となる如く、塗工量を変更した以外
はパルプ組成、抄紙、塗工組成物並びにスーパーキャレ
ンダー処理条件を実施例2と同一にして塗工紙を製造し
た。
該塗工紙の物性試験の結果を第2表に示す。
A面の光沢度は34.1%で、A面は良好であるが、B
面のセットオフ値は0.32でB面には浸透乾燥型イン
キによる印刷は不適である。
比較例4 式(1)のXを−0,15、式(2)のYを9、即ちA
面塗玉量が20g/m’、B面の塗工量が2.5g/ 
m 2となる如く、塗工量を変更した以外はパルプ組成
、抄紙、塗工組成物並びにスーパーキヤレンダー処理条
件を実施例2と同一にして塗工紙を製造した。
該塗工紙の物性試験の結果を第2表に示す。
A面の光沢度は16.6%で、B面のセットオフ値は0
.24でB面は良好であるがA面は光沢不足の為カラー
印刷用紙としては不適である。
第2表に記載の品質及び物性試験結果は下記の試験方法
に基づき評価したものである。
試  験  法 (1)光沢度 村上式グロスメーターで測定した。入射角75°で測定
を行なうもので試料に光を照射し試料の光沢に応じて反
射光を受光器に受けて測定する。数値の大きいもの程光
沢性は良い。
(2)  セットオフ値 印刷濃度がコーサー濃度計で1.0±0.1となるよう
にB面をRI印刷機で新聞オフ輪墨インキ(TV=3〜
4相当)の浸透乾燥型オフセットインキを用い印刷して
1分後、この印刷面と米坪157g/m2、白色度82
±1.5%、光沢度62±8%、厚さ132μの市販A
2コート紙を重ねてニップ幅10mmの圧力で圧着した
時の市販A2コート紙へのインキの転写をコーサーa度
計で測定し、その値をセットオフ値とした。数値の小さ
いもの程良い。
(発明の効果) 本発明は機械バルブを含有する原紙に顔料を含む塗被組
成物を塗工量において表面と裏面との差を大きくして塗
工し、且つや出し装置の条件を塗工量の多いA面の光沢
度が大きくなる如く選定して処理し、塗工紙のA面はオ
フセット多色印刷に適し、A面と反対の塗工量の少ない
B面は浸透乾燥型インキでの印刷に適している為新聞印
刷用の印刷設備等の高速輪転機で片面を単色印刷とし、
もう一方の面を高級な多色印刷とすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本願発明に好適なA面及びB面の塗工量の範囲
(斜線で囲う部分)を示し、第2図は本発明で用いられ
るスーパーキャレンダー処理におけるロールの繰り出し
の状態を示す図、第3a図はスーパーキャレンダー処理
における下段の3ニツプに通紙する状態を示す図、第3
b図は同全段に通紙する状態を示す図で、第3C図は同
全段に通紙する状態を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 加圧ストーングランドパルプ、ストーングランドパルプ
    、レファイナーグランドパルプ、サーモメカニカルパル
    プ等の機械パルプのうち少なくとも1種を含む原紙に顔
    料塗工組成物をA面の絶乾塗工量をag/m^2、B面
    の塗工量をbg/m^2とした時 X=a−0.86b・・・(1) Y=16−a−2b・・・(2) で計算されるX、Yとも正の値となるような塗工量で塗
    工し、A面をJIS−P8142で測定した光沢度が2
    0%以上とし且B面をRI印刷機で新聞オフ輪墨インキ
    (TV=3〜4相当)の浸透乾燥型オフセットインキを
    用い、印刷濃度がコーサー濃度計で1.0±0.1にな
    るように印刷して1分後、この印刷面に白色度82±1
    .5%、光沢度62±8%の市販A_2コート紙を重ね
    てニップ幅10mmの圧力で圧着した時の市販A_2コ
    ート紙へのインキの転写をコーサー濃度計で測定した値
    (セットオフ値)が0.28以下となる如くつや掛け処
    理を行なって、A面にはヒートセットオフ印刷に適する
    性質を持たしめ、B面には浸透乾燥型インキ使用による
    印刷に適する性質を持たしめたことを特徴とするオフセ
    ット用塗工紙の製造方法。
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55142794A (en) * 1979-04-17 1980-11-07 Kanzaki Paper Mfg Co Ltd Production of medium quality coated paper for offfwheel

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55142794A (en) * 1979-04-17 1980-11-07 Kanzaki Paper Mfg Co Ltd Production of medium quality coated paper for offfwheel

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