JPH0319897Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、アイアンクラブヘツドに係り、特に
ロングアイアン、ミドルアイアン及びシヨートア
イアンの各機能をより有効に発揮できるようにし
たアイアンクラブヘツドに関するものである。

〔従来の技術〕

アイアンクラブヘツドに於て、２番〜４番のア
イアンクラブをロングアイアン、５番〜７番のア
イアンクラブをミドルアイアン、８番、９番及び
ピツチングウエツジ、サンドウエツジをシヨート
アイアンと称しており、そして、２番アイアンか
らサンドウエツジに行くに従いロフトが大きくな
り、打たれるボールが飛んでいく高さと距離を規
定するものである。

上記ロングアイアンは、180ヤード程度の射程
距離を目標とするもので、シヨートホールでのテ
イシヨツトやミドルホールでの第２打に多く使わ
れ、グリーンを狙うクラブである。これに対し、
ミドルアイアンは、グリーンを狙うクラブで、
130〜160ヤードの射程距離を目標としている。
又、シヨートアイアンは、ボールにバツクスピン
を掛けて高く打ち上げ、且つ目標点に落下させて
ボールを止める機能を有するもので、その機能は
８番アイアンからピツチングウエツジ、サンドウ
エツジになるに連れ、より顕著に発揮できるもの
である。

〔考案が解決しようとする課題〕

然し、上述した如き各番手のアイアンクラブの
性能は、一流プロが使用することで始めて発揮さ
れるものであつて、初級者、中級者等では各アイ
アンクラブの性能を発揮させることは殆ど不可能
に等しい。

然るに、初級者等技術的及び能力的に劣る者で
あつても、これによる各アイアンクラブの性能を
或る程度カバーできるようなクラブヘツドの構造
的改良が望まれている。

従来、斯かるクラブヘツドの構断的改良手段と
しては、フエースの打球面を硬度の高い材質によ
り覆つたり、或いはトウ、ヒール及びソール部等
に別部材を埋込む等することで、その重量分布を
大きくし、スイートスポツトを拡大する等の方式
が採られているが、ヘツド自体の構造を複雑に
し、而も希望する程の効果を発揮できないのが現
状である。

本考案は斯かる従来の問題点を解決するために
為されたもので、その目的は、特別な別部材を付
加することなしに各アイアンクラブの本来の機
能、即ち、より正確に目標点にボールを落とし、
且つボールを止める機能を発揮できるようにした
アイアンクラブヘツドを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係るアイアンクラブヘツドは、ロング
アイアン、ミドルアイアン及びシヨートアイアン
の各アイアンクラブヘツドに於て、各ヘツド打球
面部分のバツク側の端面を、各トツプ部のバツク
側の端部からソール部のバツク側の端部側に下ろ
した垂線よりもヘツド打球面側に位置させ、各ヘ
ツド打球面部分の肉厚をロングアイアンからシヨ
ートアイアンに行くに従い薄くすると共に、ソー
ル部の幅をロングアイアンからシヨートアイアン
に行くに従い広くしたものである。

〔作用〕

本考案に於ては、ロングアイアン（２番、３番
及び４番のアイアンクラブ）では、打球面のイン
パクト時の弾性変形を抑え、初級者等技術的に劣
るものであつても無理のないスイングで各番手の
有する機能を発揮できる。

又、ミドルアイアン（５番、６番及び７番のア
イアンクラブ）では、インパクト時の弾性変形を
ロングアイアンよりも大きくしてボールの方向性
及び目標点への正確な落下とボールの止めを確実
にできる。

更に、シヨートアイアン（８番，９番のアイア
ンクラブ及びピツチングウエツジ、サンドウエツ
ジ）では、インパクト時の弾性変形をミドルアイ
アンよりも大きくしてボールの方向性及び目標点
への正確な落下とボールの止めを確実にできる。

又、ソール部の幅がロングアイアンからシヨー
トアイアンに行くに従つて広くなるから、重心位
置が低くなり、バツクスピンが掛かり易くなり、
ボールが高く上がるようになる。

更に、アイアンクラブを振ると、振り抜き易く
なり、初級者等技術的に劣るものでも、トツプ、
ダフリ等が防止できる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面にもとづいて説明
する。

第１図ａ〜ｊは、本考案に係るアイアンクラブ
ヘツドを適用した各番手のアイアンクラブを示し
たもので、２は２番アイアンクラブ、３は３番ア
イアンクラブ、４は４番アイアンクラブ、５は５
番アイアンクラブ、６は６番アイアンクラブ、７
は７番アイアンクラブ、８は８番アイアンクラ
ブ、９は９番アイアンクラブ、１０はピツチング
ウエツジ、１１はサンドウエツジであり、これら
は例えば軟鋼等から一体成形されている。そし
て、各番手のアイアンクラブヘツド２乃至１１の
各ヘツド打球面部分２ａ乃至１１ａのバツク側の
端面２a′乃至１１a′を、そのトツブ部２ｃ乃至１
１ｃからソール部２ｂ乃至１１ｂのバツク側の端
部２b′乃至１１b′側に下ろした垂線２ｄ乃至１１
ｄよりもヘツド打球面２ｅ乃至１１ｅ側に位置し
ている。

この内、２番、３番及び４番のアイアンクラブ
２，３，４は、通常、ロングアイアンと称するも
ので、そのロフト（θ₂，θ₃，θ₄）は、２番から４
番に行くに従い大きくなつていると共に、打球面
部分２ａ，３ａ，４ａの肉厚は、従来のようにバ
ツク部の肉厚を除去しないで従来よりも厚くし、
且つ２番から４番に行くに従い僅かずつ薄くなつ
ており、更に、ソール部２ｂ，３ｂ，４ｂの夫々
の幅t₂，t₃，t₄が順次広くなつている。これによ
り打球面のインパクト時の弾性変形を抑えること
ができると共に、重心位置が従来のアイアンクラ
ブに比して低くなり、且つ、振り抜き易いクラブ
となり、初級者等技術に劣る者であつても無理の
ないスイングで各番手の有する機能を有効に発揮
できるようになつている。

又、５番，６番及び７番のアイアンクラブ５，
６，７は、ミドルアイアンと称するもので、これ
らの各ロフトは規定された角度θ₅，θ₆，θ₇（θ₅＜θ
₆
＜θ₇）になつていると共に、その打球面部分５
ａ，６ａ，７ａの肉厚は、バツク部中央を切除す
ることでロングアイアンより薄く形成され、更
に、ソール部５ｂ，６ｂ，７ｂの夫々の幅t₅，
t₆，t₇が順次広くなつている。これにより打球面
のインパクト時の弾性変形を抑えることができる
と共に、重心位置が従来のアイアンクラブに比し
て低くなり、且つ、振り抜き易いクラブとなり、
これによりインパクト時の弾性変形をロングアイ
アンより大きくしてボールの方向性及び目標点へ
の正確な落下とボールの止めを確実にできるよう
になつている。

更に、８番、９番アイアンクラブ８，９及びピ
ツチングウエツジ１０、サンドウエツジ１１はシ
ヨートアイアンと称するもので、これらの各ロフ
トは規定された角度θ₈，θ₉，θ₁₀，θ₁₁（θ₈＜θ₉＜
θ₁₀
＜θ₁₁）になつていると共に、その打球面部分８
ａ，９ａ，１０ａ，１１ａの肉厚は、ミドルアイ
アンのものより更に薄肉に形成され、夫々の肉厚
が８番アイアンクラブ８からサンドウエツジ１１
に行くに従い薄くなつており、更に、ソール部８
ｂ，９ｂ，１０ｂ，１１ｂの夫々の幅t₈，t₉，
t₁₀，t₁₁が順次広くなつている。このように打球
面部分の肉厚を薄くすることにより、インパクト
時の弾性変形が大きくなり、これに伴い打球面か
らボールに付与される反発力が減少すると共に、
ボールと打球面との接触面積が大きくなる。又、
ソール部８ｂ，９ｂ，１０ｂ，１１ｂの夫々の幅
t₈，t₉，t₁₀，t₁₁が順次広くなる。このため、ピン
シヨツト、即ち、ボールを高く上げると共に、バ
ツクスピンが掛かり易くなり、且つ振り抜き易く
なり、これに伴いボールを目標点に落とし止める
機能と、トツプ、ダフリ等の不具合を招くことな
く安定してボールをヒツトする機能とを初級者、
中級者等技術的に劣る者に於ても容易に発揮させ
得ることになる。このことは、又アプローチシヨ
ツトを目的とするシヨートアイアンの機能が有効
に発揮されることになる。

〔考案の効果〕

以上の如く、本考案によれば、各番手のアイア
ンクラブの各ヘツド打球面部分のバツク側の端面
を、各トツプ部のバツク側の端部からソール部の
バツク側の端部側に下ろした垂線よりもヘツド打
球面側に位置させ、各番手のアイアンクラブの打
球面部分の肉厚をロングアイアンからシヨートア
イアンに行くに従い薄くすると共に、ソール部の
幅をロングアイアンからシヨートアイアンに行く
に従い広くしたので、各アイアンクラブ本来の機
能、即ち、より正確に目標点にボールを落とし、
且つ該ボールを止める機能を、従来の如く別部品
を付けることなく充分に生かすことができると共
に、振り抜き易いクラブとすることができ、初級
者等技術的に劣る者でも容易にその機能を発揮さ
せることができるアイアンクラブヘツドを提供す
ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ〜ｊは本考案の実施例に係るアイアン
クラブヘツドに於ける各番手のアイアンクラブの
説明用縦断側面図である。 主要な部分の符号の説明、２……２番アイアン
クラブ、３……３番アイアンクラブ、４……４番
アイアンクラブ、５……５番アイアンクラブ、６
……６番アイアンクラブ、７……７番アイアンク
ラブ、８……８番アイアンクラブ、９……９番ア
イアンクラブ、１０……ピツチングウエツジ、１
１……サンドウエツジ、２ａ，３ａ，４ａ，５
ａ，６ａ，７ａ，８ａ，９ａ，１０ａ，１１ａ…
…打球面部分、２ｂ，３ｂ，４ｂ，５ｂ，６ｂ，
７ｂ，８ｂ，９ｂ，１０ｂ，１１ｂ……ソール、
２a′，３a′，４a′，５a′，６a′，７a′，８a′，
９
a′，１０a′，１１a′……ヘツド打球面部分のバツ
ク側の端面、２b′，３b′，４b′，５b′，６b′，７
b′，８b′，９b′，１０b′，１１b′……ソール部の
バツク側の端部、２ｃ，３ｃ，４ｃ，５ｃ，６
ｃ，７ｃ，８ｃ，９ｃ，１０ｃ，１１ｃ……トツ
プ部の端部、２ｄ，３ｄ，４ｄ，５ｄ，６ｄ，７
ｄ，８ｄ，９ｄ，１０ｄ，１１ｄ……垂線、２
ｅ，３ｅ，４ｅ，５ｅ，６ｅ，７ｅ，８ｅ，９
ｅ，１０ｅ，１１ｅ……ヘツド打球面、t₂，t₃，
t₄，t₅，t₆，t₇，t₈，t₉，t₁₀，t₁₁……幅。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロングアイアン、ミドルアイアン及びシヨート
   アイアンの各アイアンクラブヘツドに於て、各ヘ
   ツド打球面部分のバツク側の端面を、各トツプ部
   のバツク側の端部からソール部のバツク側の端部
   側に下ろした垂線よりもヘツド打球面側に位置さ
   せ、各ヘツド打球面部分の肉厚をロングアイアン
   からシヨートアイアンに行くに従い薄くすると共
   に、ソール部の幅をロングアイアンからシヨート
   アイアンに行くに従い広くしたことを特徴とする
   アイアンクラブヘツド。