JPH0319409Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の属する技術分野〕 この考案は、ウインチ機構を備えた走行玩具に
係り、特に無線操縦が可能な自動車玩具に関する
ものである。

〔従来技術とその問題点〕

今日、無線操縦走行玩具類においては、実物に
模してそれと同一の機構を備え、しかもこの機構
を簡便に操作できることが要求されている。

このような観点から、例えばウインチ付き自動
車玩具が提案されているが、単にウインチドラム
を電動モータで回動させ、ウインチ紐の巻上げお
よび巻戻しを自動的に行うよう構成することは極
めて容易である。すなわち、無線操縦自動車玩具
においては、走行の制御とウインチの制御とを
別々に行う必要から、例えば１つの駆動源に対し
ギヤ変換を行うことによつて、従来の無線操縦送
信機をそのまま使用して操縦するよう構成するこ
とができる。

しかしながら、この種の自動車玩具において、
駆動源としての電動モータに接続される減速ギヤ
の一部に、ギヤの切換えを行うよう構成すること
は、機構を複雑にするばかりでなく使用頻度の増
大によりギヤの摩耗や破損を生じて故障が発生し
易くなる難点がある。また、ウインチ機構の操作
時において、ウインチ紐の巻上げが完了した場合
にウインチドラムが回転停止した際、電動モータ
が拘束運転となり、この状態が継続するとモータ
の焼損に至る危険がある。このため、電動モータ
とギヤとの結合部に空転機構を設けて電動モータ
の異常な過負荷運転を回避するよう構成すること
も可能であるが、この場合、走行の制御に際して
電動モータには常時所定の負荷が掛ることから、
走行路上の障害によつて時々発生する過負荷状態
時に前記空転機構が作動し、走行能力を著しく低
下させる難点がある。

従つて、この種の自動車玩具においては、走行
の制御とウインチの制御との切換えを行う手段を
故障の少ないものとすると共に、ウインチの制御
時においてのみ作動する電動モータの過負荷運転
を回避する手段を設けることが要望される。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、ウインチ付き無線操縦走行玩
具において、走行とウインチとの制御操作をそれ
ぞれ独立した電動モータで行うよう構成し、これ
ら電動モータの付勢回路を電気的に切換えること
によつて前記制御操作の切換えを達成し、しかも
ウインチの制御用電動モータ側に過負荷運転防止
のための機構を設けると共にウインチ紐の引出し
を容易化した、簡単な構成で故障も少なく操作性
に優れたウインチ付き無線操縦走行玩具を提供す
るにある。

〔考案の要点〕

本考案に係るウインチ付き無線操縦走行玩具
は、駆動輪とウインチ機構とを備え、駆動輪の駆
動制御を行う第１の電動モータと、ウインチ機構
の巻上げおよび巻戻し制御を行う第２の電動モー
タと、前記両電動モータの電源回路の切換えを行
う切換スイツチとを設け、前記両電動モータは共
通の無線操縦送信機によつて正転、逆転および停
止指令を行うよう構成したウインチ付き無線操縦
走行玩具からなり、 前記第２の電動モータにはその出力軸に減速ギ
ヤを介してウインチドラムを結合し、 前記第２の電動モータの出力軸と減速ギヤとの
結合部に歯車を枢着すると共にこの歯車を軸方向
に弾力作用を有するばねを介して一対の固定リン
グにより固定挾持し、ウインチ機構の巻上げ完了
に伴うウインチドラムの回転停止に際して前記第
２の電動モータの過負荷運転を防止するための空
転機構を構成し、 さらに前記ウインチドラムと減速ギヤとの結合
に際し、該減速ギヤの支軸にウインチドラムを枢
着し、隣接する減速ギヤとウインチドラムの対向
側面に回転方向に結合する噛合部を設け、前記減
速ギヤの支軸を軸方向に弾力作用を有するばねを
介して取付け、前記減速ギヤとウインチドラムと
の噛合部を結合離反可能に構成することを特徴と
する。

〔考案の実施例〕

次に、本考案に係るウインチ付き無線操縦走行
玩具の実施例につき添付図面を参照しながら以下
詳細に説明する。

第１図は本考案に係るウインチ付き無線操縦自
動車玩具の一例を示すものである。すなわち、第
１図において、参照符号１０は車体を示し、この
車体１０の前部と後部にはそれぞれ駆動輪１２，
１４が一対づつ設けられ、前部バンパ部の下側に
ウインチ機構１６を装着し、さらに荷台の一部に
走行とウインチとの制御を切換えるための切換ス
イツチ１８を設けたものである。

しかるに、本考案においては、前記車体１０に
設けられた駆動輪１２，１４とウインチ機構１６
を駆動する手段として、それぞれ独立した電動モ
ータ２０，２２を設けて独立して制御するよう構
成する。そこで、本考案における前記電動モータ
２０，２２の電気的制御回路の基本構成を示せ
ば、第２図に示す通りである。第２図から明らか
なように、一対の電動モータ２０，２２は、無線
受信機２４、モータ駆動回路２６および電池２８
からなる電源回路に対し並列に接続され、切換ス
イツチ１８によりいずれか一方の電動モータ２
０，２２が付勢されるよう構成される。

一方、本考案の自動車玩具に使用する無線操縦
送信機３０は、第３図に示すように、従来のもの
と構成が同一である。すなわち、第３図に示す送
信機３０は、電動モータ用回転制御レバー３２と
ステアリング制御レバー３４とを備え、前者は電
動モータの正転、逆転よび停止を指令し、また後
者は走行車輪の右旋回、左旋回および中立を指令
するよう構成される。なお、第３図において、参
符番号３６は電源スイツチ、３８は送信アンテナ
をそれぞれ示す。

このように構成することにより、本考案におい
ては、例えば切換スイツチ１８を切換操作して電
動モータ２０を付勢するよう回路構成すれば、無
線操縦送信機３０の回転制御レバー３２を操作す
ることにより自動車玩具の前進、後退および停止
の走行制御を達成し得ると共に、ステアリング制
御レバー３４を操作することにより自動車玩具の
右旋回、左旋回および中立状態の方向制御を達成
することができる。次いで、切換スイツチ１８を
第２図に示すように切換操作して電動モータ２２
を付勢するよう回路構成すれば、無線操縦送信機
３０の回転制御レバー３２を操作することにより
ウインチ機構の巻上げ、巻戻しおよび停止のウイ
ンチ制御を達成することができる。

次に、本考案に係る自動車玩具に使用するウイ
ンチ機構１６の構成につき、第４図を参照して説
明する。すなわち、第４図において、ウインチ機
構１６は、電動モータ２２の出力軸から減速歯車
機構を介して所定の回転駆動力が伝達されるウイ
ンチドラム４０を備え、このウインチドラム４０
に所定の長さを有するウインチ紐４２の一端部を
固定すると共にウインチ紐４２の他端部にフツク
４４を取付け、このウインチ紐４２をウインチド
ラム４０に対し巻上げおよび巻戻し自在に構成さ
れる。また、本実施例のウインチ機構１６におい
て、電動モータ２２の出力軸よりウインチドラム
４０に対しその駆動力を伝達する減速歯車機構
は、次のように構成される。まず、電動モータ２
２の出力軸には第１歯車４６が設けられる。この
第１歯車４６は、前記出力軸に固定される一対の
固定リング４８，５０間にばね５２を介して枢着
し、後述する負荷側（ウインチ機構）の過大負荷
に対して前記ばね５２の弾力に抗して空転するよ
う構成配置される。この第１歯車４６には、第２
大歯車５４を噛合させると共にこの第２大歯車５
４と同軸に結合される第２小歯車５６を第３大歯
車５８に噛合させる。第３大歯車５８には、これ
と同軸に第３小歯車６０、第４歯車６２および第
５歯車６４が結合されている。しかるに、前記第
５歯車６４には、ウインチドラム４０を回転自在
に枢支する軸６６の一部に固着した第６歯車６８
に噛合させる。この場合、第６歯車６８とウイン
チドラム４０の対向する側面にはそれぞれ噛合部
７０，７２を設けて相互に回転方向に結合するよ
う構成する。なお、ウインチドラム４０の反対側
面には、前記第３歯車５８，６０と第４歯車６２
を安定に保持するため、前記第３小歯車６０と第
４歯車６２とそれぞれ噛合する第７大歯車７４と
第７小歯車７６を前記軸６６に枢着する。しかる
に、前記軸６６に固着した第６歯車６８の反対側
面に突出する軸部分には、ばね７８を介してウイ
ンチ機構１６の収納ケース８０の一側部に枢着す
ると共に軸６６の反対端部を収納ケース８０から
外部へ充分突出させてその先端部にキヤツプ８２
を施すことにより、第６歯車６８とウインチドラ
ム４０とは、その噛合部７０，７２においてばね
７８の作用下に噛合し、ウインチドラム４０に電
動モータ２２の駆動力を伝達することができる。

このように構成した本実施例のウインチ機構１
６は、前記ウインチドラム４０を枢支する軸６６
のキヤツプ８２を取付けた一端部を、ばね７８の
弾力に抗して矢印方向に押圧すれば、第６歯車６
８とウインチドラム４０との噛合部７０，７２に
おける結合を解除することができるため、ウイン
チドラム４０が自由回転可能となり、この結果ウ
インチドラム４０に巻かれているウインチ紐４２
を円滑に引出すことができる。

また、前記ウインチ機構６を駆動する電動モー
タ２２の出力軸には、駆動力を伝達するための第
１歯車４６を一対の固定リング４８，５０間にば
ね５２を介して弾力的に固定されているため、ウ
インチドラム４０の回転が強制的に停止させられ
た場合、電動モータ２２の出力軸は回転を阻止さ
れる第１歯車４６に対し固定リング４８，５０が
すべり回転（空転）し、電動モータの過負荷運転
による焼損を防止することができる。

〔考案の効果〕

前述した実施例から明らかなように、本考案に
係るウインチ付き無線操縦走行玩具は、駆動輪の
駆動とウインチの駆動とを行う電動モータをそれ
ぞれ独立して設け、各電動モータと接続される電
源回路を切換スイツチにより切換えるよう構成し
たことにより、単一の無線操縦送信機および受信
機を使用して、走行制御とウインチ制御とを簡便
にしかも円滑に達成することができる。

特に、本考案に係る走行玩具においては、ウイ
ンチを駆動制御する電動モータを独立専用化した
ことにより、走行制御に切換える際のギヤ変換機
構を設ける必要がないため、機構が簡略化される
と共に堅固な構成とすることができる。また、こ
の場合、ウインチの巻上げ停止に伴う電動モータ
の過負荷運転に際し、これを回避するための過負
荷運転防止手段としての空転機構を直接電動モー
タの出力軸に対して設けることができ、電動モー
タの保護を容易に達成することができる。

さらに、本考案の走行玩具においては、ウイン
チドラムをその駆動力を伝達する減速ギヤに対し
係脱自在に結合する構成としたことにより、前記
ウインチドラムを外部操作によつて減速ギヤとの
結合を解除してウインチドラムを自由回転状態に
し、ウインチ紐を手動によつて迅速に引出すこと
が可能となる。

なお、前述したウインチ機構の構成について
は、本実施例における無線操縦走行玩具に限ら
ず、通常の自動走行玩具ないしその他の各種リモ
ートコントロール走行玩具にも応用することがで
きることは勿論である。

以上、本考案の好適な実施例について説明した
が、本考案は前述した自動車玩具に限らず、ウイ
ンチ機構を備えた各種の走行玩具に適用すること
ができるばかりでなく、その他本考案の精神を逸
脱しない範囲内において種々の改良並びに変更を
施すことができることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るウインチ付き無線操縦走
行玩具の一実施例を示す斜視図、第２図は本考案
玩具の電気的制御機構を示すブロツク回路図、第
３図は本考案玩具に使用する無線操縦送信機の斜
視図、第４図は本考案玩具のウインチ機構の詳細
構造を示す一部断面平面図でる。 １０……車体、１２，１４……駆動輪、１６…
…ウインチ機構、１８……切換スイツチ、２０，
２２……電動モータ、２４……無線受信機、２６
……モータ駆動回路、２８……電池、３０……無
線操縦送信機、３２……回転制御レバー、３４…
…ステアリング制御レバー、３６……電源スイツ
チ、３８……送信アンテナ、４０……ウインチド
ラム、４２……ウインチ紐、４４……フツク、４
６……第１歯車、４８，５０……固定リング、５
２……ばね、５４……第２大歯車、５６……第２
小歯車、５８……第３大歯車、６０……第３小歯
車、６２……第４歯車、６４……第５歯車、６６
……軸、６８……第６歯車、７０，７２……噛合
部、７４……第７大歯車、７６……第７小歯車、
７８……ばね、８０……収納ケース、８２……キ
ヤツプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 駆動輪とウインチ機構とを備え、駆動輪の駆動
   制御を行う第１の電動モータと、ウインチ機構の
   巻上げおよび巻戻し制御を行う第２の電動モータ
   と、前記両電動モータの電源回路の切換えを行う
   切換スイツチとを設け、前記両電動モータは共通
   の無線操縦送信機によつて正転、逆転および停止
   指令を行うよう構成したウインチ付き無線操縦走
   行玩具からなり、 前記第２の電動モータにはその出力軸に減速ギ
   ヤを介してウインチドラムを結合し、 前記第２の電動モータの出力軸と減速ギヤとの
   結合部に歯車を枢着すると共にこの歯車を軸方向
   に弾力作用を有するばねを介して一対の固定リン
   グにより固定挾持し、ウインチ機構の巻上げ完了
   に伴うウインチドラムの回転停止に際して前記第
   ２の電動モータの過負荷運転を防止するための空
   転機構を構成し、 さらに前記ウインチドラムと減速ギヤとの結合
   に際し、該減速ギヤの支軸にウインチドラムを枢
   着し、隣接する減速ギヤとウインチドラムの対向
   側面に回転方向に結合する噛合部を設け、前記減
   速ギヤの支軸を軸方向に弾力作用を有するばねを
   介して取付け、前記減速ギヤとウインチドラムと
   の噛合部を結合離反可能に構成することを特徴と
   するウインチ付き無線操縦走行玩具。