JPH0319331Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案はコーヒー豆を粉砕するコーヒーミルに
関する。

（従来の技術） 従来のミルケースの壁面に設けられたミルフイ
ルタにつき第３図を参照して説明する。ミルフイ
ルタ１はコーヒーミル内で粉砕されたコーヒー粉
を外部へ排出するように板材２に多数の排出孔３
を設けることにより構成されていた。特に従来の
ミルフイルタ１にあつては、排出孔３，３の周方
向（矢印Ａ方向）の間隙４をできる限り小さいも
のとし、更にこれら排出孔３の上部に垂直方向の
間隙５を介して排出孔３の列を設けることで排出
孔３を多数設けるように構成されていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかし上記構成のものでは、周方向の間隙４を
できる限り小さくしたため、周方向の排出孔３の
列とこの列のすぐ上に設けられた排出孔３の列と
の間には垂直方向の間隙５がどうしても必要であ
つた。またカツタのおこす空気流及びコーヒー粉
の遠心力によりコーヒー粉は排出孔３を通つて外
部に排出されるが、コーヒーの粉は周方向に回転
しながら排出されるため同一円周上に排出孔３が
ないと外部に排出されないので垂直方向の間隙５
を有する従来のものではミル時間が長くなり、コ
ーヒー豆の粉砕によつて生じる摩擦熱でコーヒー
の味覚が失われるという問題点を有していた。

本考案の目的はコーヒーの味覚を失うことなく
コーヒー豆を粉砕することができるコーヒーミル
を提供することにある。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するために、ミルフイ
ルタに円周方向に間隙を介して配列した排出孔が
円周方向からみて第１の列の排出孔と重なる部分
を有するように排出孔を第１の列のそれぞれの間
隙に設けることにより第２の列を設け、この第２
の列の上方にこの第２の列と同様に形成された複
数の列を設ける。

（作用） カツタにより粉砕されたコーヒー粉はカツタの
おこす風とコーヒー粉の遠心力によりミルケース
の周壁面に沿つて回転し、排出孔が設けられたコ
ーヒーフイルタの位置を通りすぎると、円周方向
に対してもれなく排出孔が設けられてあるため、
コーヒー粉がきわめて短時間に外部に排出される
のでコーヒー粉の摩擦熱によるコーヒーの味覚を
失うことがない。

（実施例） 以下本考案をコーヒー製造機に適用した一実施
例につき第１図及び第２図を参照して説明する。

まず第２図において、１１はコーヒー製造機の
本体で、これの図示左側部にカートリツジ式の貯
水タンク１２が設けられ、右側下部に加熱台１３
が設けられている。この加熱台１３内には図示し
ない加熱管とヒーターからなる湯生成装置が設け
られており、この加熱台１３の上部にはボトル１
４が載置されている。１５はボトル１４の上方に
配置したカツプ状の抽出器で、１６は抽出器１５
内に収容した紙フイルタで、１７は抽出器１５の
底部に設けられた抽出口であり、１８はこの抽出
口１７を開閉する弁装置である。１９は本体１１
に抽出器１５の図示左側部に位置して配設したモ
ータで、２０はこのモータ１９の上方に配設され
たミルケースである。このミルケース２０の内底
部にはコーヒー豆粉砕用のカツタ２１が前記モー
タ１９の回転軸２２に枢着されている。２３は後
に詳述するミルフイルタであり、このミルフイル
タ２３は前記ミルケース２０の周壁面２４に取付
けられており、更にこのミルフイルタ２３は前記
抽出器１５の上面開口部に臨んでいる。２５はミ
ルフイルタ２３からのコーヒー粉を抽出器１５内
に導くためのフード部で、このフード部２５に湯
受部２６を一体に形成するとともに、この湯受部
２６には複数の注湯孔２７を穿設する。２８は給
湯口体で前述した湯生成装置の加熱管で生成され
た湯がこの給湯口体２８から湯受部２６内に吐出
される。

次に前記ミルフイルタ２３につき第１図を参照
して詳述する。ミルフイルタ２３は板材２９に複
数の排出孔３０を設けて構成される。またこの排
出孔３０はミルケース２０の円周方向（矢印Ａ方
向）に間隙３１を介して配列し、第１の列３２を
構成する。またこの第１の列３２のすぐ上に排出
孔３０が矢印Ａ方向からみて第１の列３２と重な
る部分を有するように、排出孔３０を第１の列３
２の排出孔３０のそれぞれの間隙３１に設けるこ
とにより第２の列３３を設け、この第２の列３３
の上部には前記第１の列３２と第２の列３３と同
じような関係に第３の列３４、第４の列３５と
順々に複数の列を形成する。

次に上記構成につきその作用を説明する。まず
所望の人数分の水及びコーヒー豆を貯水タンク１
２及びミルケース２０に夫々収容する。その後モ
ータ１９に通電することによりモータ１９は回転
し、その回転が回転軸２２を介してカツタ２１を
回転させる。このカツタ２１の回転によりコーヒ
ーミル２０内に収容されたコーヒー豆は粉砕さ
れ、同時にカツタ２１のおこす空気流とコーヒー
粉の遠心力により、コーヒー粉はコーヒーミル２
０の周壁面２４に沿つて回転し、ミルフイルタ２
３の位置にくるとコーヒー粉は矢印Ａ方向に対し
てもれなく設けられた排出孔３０を通過して外部
に排出される。この排出されたコーヒー粉はフー
ド部２５に案内されて抽出器１５内の紙フイルタ
１６上に落下する。その後湯生成装置のヒータに
通電すると貯水タンク１２内の水が順次熱湯化さ
れて、給湯口体２８から湯受部２６内に吐出さ
れ、注湯孔２７からフード部２５内を通して紙フ
イルタ１６上のコーヒー粉に滴下される。滴下さ
れた熱湯はコーヒー粉に浸透してコーヒー粉から
コーヒーのエキスを抽出し、紙フイルタ１６によ
りろ過されて抽出口１７からボトル１４内にコー
ヒー液を滴下し貯留される。

上記構成によれば、ミルフイルタ２３にミルケ
ース２０の円周方向（矢印Ａ方向）に間隙３１を
介して配列した排出孔３０の第１の列３２を設
け、この第１の列３２のすぐ上に排出孔３０が矢
印Ａ方向からみて第１の列３２の排出孔３０と重
なる部分を有するように排出孔３０を第１の列３
２のそれぞれの間隙３１に設けることにより第２
の列３３を設け、この第２の列３３の上方にこの
第２の列３３と第１の列３２と同様な関係になる
ように複数の列を設けたので、ミルケース２０内
で粉砕されたコーヒー粉がきわめて短時間で外部
に排出されるためコーヒー粉の摩擦熱によるコー
ヒーの味覚を失うことがなくなる。またコーヒー
粉の排出時間が短くなるためモータ１９を回転さ
せておく時間も短くなり、電気代の節約にもな
る。

尚、本考案は上記実施例に限定されるものでは
なく、例えばミルフイルタ２３はミルケース２０
と一体形のものであつても良い等種々の変形が可
能である。

［考案の効果］ 本考案は、ミルフイルタに円周方向に間隙を介
して配列した排出孔の第１の列を設け、この第１
の列のすぐ上に排出孔が円周方向からみて第１の
列の排出孔と重なる部分を有するように排出孔を
第１の列のそれぞれの間隙に設けることにより第
２の列を設け、この第２の列の上方にこの第２の
列と第１の列と同様な関係を有するように複数の
列を設けたので、ミルケース内で粉砕されたコー
ヒー粉がきわめて短時間で外部に排出されるため
コーヒー粉の摩擦熱によるコーヒーの味覚を失う
ことはないという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示した
もので、第１図は要部の正面図、第２図は一部を
切欠いた全体図であり、第３図は従来例の第１図
相当図である。 図中、２０はミルケース、２１はカツタ、２３
はミルフイルタ、２４は周壁面、３０は排出孔、
３１は間隙、３２は第１の列、３３は第２の列を
示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コーヒー豆を粉砕するカツタと、このカツタを
   収容するミルケースと、このミルケースの内側よ
   りコーヒーの粉を外部へ排出するための排出孔を
   複数有したミルフイルタをミルケースの周壁面に
   備えたものにおいて、ミルフイルタは円周方向に
   間隙を介して配列した排出孔の第１の列と、この
   第１の列のすぐ上に排出孔が円周方向からみて第
   １の列の排出孔と重なる部分を有するように排出
   孔を第１の列のそれぞれの間隙に設けることによ
   り形成した第２の列と、この第２の列と第１の列
   の関係を同様に第２の列の上方に形成された複数
   の列を有することを特徴とするコーヒーミル。