JPH0319172Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電気接続に用いられる電気コネクタ
に関し、特に、相手コンタクトと接触嵌合する嵌
合部の他に、ケーブルを接続するための結線部を
も一体に有したコンタクトを複数本、すなわち多
芯に組み込んである電気コネクタに関する。

〔従来の技術〕

従来、第７図及び第８図に示した絶縁性のハウ
ジング９と、このハウジング９に組み込まれた複
数のコンタクト１１とを有する電気コネクタが知
られている。コンタクト１１は、嵌合部１２と、
結線部１３と、これらの間の結合部１４とを一体
に有している。嵌合部１２は、相手コンタクトと
接触嵌合する部分である。結線部１３は、切溝１
５を有し、この切溝１５内に径方向に圧入された
ケーブル１７の導体と電気的に接続する部分であ
る。コンタクト１１の嵌合部分１２には、相手コ
ネクタの絶縁性の相手ハウジング１９に設けられ
ている導電性の相手コンタクト２０が接触嵌合
し、電気的な接続が得られる。

この電気コネクタによると、結線作業が容易で
あり、しかも、一旦結線されたケーブルを取外し
て他のケーブルを結線するという、ケーブル交換
作業も簡単に行なうことができる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、第７図及び第８図の電気コネク
タのコンタクト１１では、嵌合部１２と結線部１
３とが同一軸心上に在るため、それらを結合部１
４の互いに反対側に設けざるを得ない。特に、結
線部１３は切溝１５にケーブル１７を圧入する構
造であるため、その部分自体の寸法の短縮に制限
がある。したがつてコンタクト１１の軸心方向の
寸法、即ち高さH₁が大となつてしまう。

また、ケーブル１７は、結線部１３で保持され
ているだけであるため、ケーブル１７が動きやす
く不安定な状態になつてしまう。

それ故に本考案の目的は、高さ寸法の小さい電
気コネクタを提供することにある。

また、本考案の他の目的は、ケーブルを一本づ
つ安定した状態でハウジングに保持した電気コネ
クタを提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案によれば、相手コネクタの相手コンタク
トと接触嵌合する嵌合部と、ケーブルの導体を接
触受け入れする溝を形成した結線部と、該嵌合部
と該結線部とを互いに結合した結合部とを有する
導電性のコンタクトと、該コンタクトを組み込ん
だ絶縁性のハウジングとを含む電気コネクタにお
いて、上記嵌合部と上記結線部とは、互いに平行
な相異なる軸心上に形成され、いずれも上記結合
部の一端部から上記各軸心に沿つて同じ側に互い
に平行に突出しており、上記ハウジングは上記軸
心と平行に上記ケーブルを保持するケーブル保持
溝を有していることを特徴とする電気コネクタが
得られる。

〔実施例〕

第１図は、本考案による電気コネクタのコンタ
クトの一実施例を示す。コンタクト２１は、概略
四角筒に作られた嵌合部２２を有する。嵌合部２
２は、結合部２３の対のアーム２４の先端に一体
に形成されている。結合部２３には、さらに、板
状の結線部２５も一側に突出した状態で一体に形
成されている。結線部２５は、ケーブルの導体を
接触状態に受け入れるための切溝２６を有してい
る。

このような構造のコンタクト２１は、一枚の導
電板にプレス切断並びに折曲げ加工を施すことに
より容易に得られる。このコンタクト２１におい
て、結線部２５の軸心ａと嵌合部２２の軸心ｂと
は、互いに間隔をおいて平行になつている。しか
も嵌合部２２は、アーム２４の先端から結線部２
５と同じ側に少し突出した状態に形成されてい
る。すなわち、嵌合部２２と結線部２５とはいず
れも結合部２３の一端部から各軸心ａ，ｂに沿つ
て同じ側に互いに平行に突出している。したがつ
て、コンタクト２１の軸心方向の寸法、即ち高さ
H₂、を小さく作ることができる。

嵌合部２２には、その突出端から内側に相手コ
ンタクト、例えば棒状ピン、が接触状態に挿入さ
れる。一方、結線部２５においては、切溝２６に
ケーブルがその半径方向に圧入されると、ケーブ
ルの被覆が切断されて内部の導体が、切溝２６の
内面で弾力的に挟持される。その結果、コンタク
ト２１とケーブルとの確実な電気的および機械的
な接続が得られる。

第２図は上述したコンタクトを絶縁性のハウジ
ング３１に組み込んでなる電気コネクタを示し、
また第３図はそのコネクタにケーブルを接続した
状態を示す。ハウジング３１は、コンタクト２１
の嵌合部２２の先端に対向したピン挿入孔３２の
他に、結線部２５に対応したケーブル挿入溝３３
と、側面のケーブル保持溝３４とを有している。

ハウジング３１には複数のケーブル保持溝３３
がコンタクト２１の軸心ａ，ｂとは、互いに間隔
をおいて平行に形成されている。ケーブル３５の
取付けに際し、先ず、ハウジング３１のケーブル
挿入溝３３にケーブル３５の先端近傍部分を径方
向に押し込むことで、コンタクト２１の結線部２
５の切溝２６に導体３６を圧入させる。その後、
ケーブル３５を直角に曲げて、ハウジング３１の
ケーブル保持溝３４に圧入して一本づつ保持させ
る。かくして、ハウジング３１のピン挿入孔３２
とは反対側の面からケーブル３５が引き出された
状態になる。

このような電気コネクタにおいて、第４図のよ
うに相手電気コネクタのハウジング４１に固定さ
れた相手コンタクト、即ちピン４２がハウジング
３１のピン挿入孔３２に差込まれると、そのピン
４２はコンタクト２１の嵌合部２２に接触嵌合す
る。かくしてケーブル３５の導体３６とピン４２
とがコンタクト２１を介して接続される。

第５図および第６図においては、ハウジング３
１の形状が一部変更されている。即ち、ハウジン
グ３１には、第２図および第３図のケーブル挿入
溝３３に代えて、ケーブル挿入穴５１を設けてあ
る。この場合におけるコンタクト２１とケーブル
３５との接続作業は、先ず、ハウジング３１にコ
ンタクト２１を半挿入した状態で、ケーブル３５
の先端をケーブル挿入穴５１に通して、その後
に、コンタクト２１をハウジング３１に所定の位
置まで圧入し、ケーブル３５の導体３６をコンタ
クト２１の結線部２５の切溝２６に受け入れるこ
とにより行われる。

〔考案の効果〕 本考案によれば、相手コンタクトと接触嵌合す
る嵌合部と、ケーブルの導体を接触受け入れする
溝を形成した結線部とを、互いに異なる軸心上に
設けているので、高さ寸法が小さい寸法安定性に
優れた高密度の電気コネクタを提供できる。

また、ケーブルはケーブル保持溝に保持される
ため、ケーブルを一本づつ整列してハウジングに
安定した状態で保持できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による電気接続用コンタクトの
一実施例の斜視図、第２図は第１図の実施例を用
いた電気コネクタの斜視図、第３図は第２図の電
気コネクタにケーブルを接続した状態の側断面
図、第４図は第３図の電気コネクタと相手電気コ
ネクタとの相互関係を示す斜視図、第５図は第１
図の実施例を用いた電気コネクタの変形例を示す
斜視図、第６図は第５図の電気コネクタにケーブ
ルを接続した状態の側断面図、第７図は従来の電
気コネクタの斜視図、第８図は第７図の電気コネ
クタとこの電気コネクタに嵌合する相手コネクタ
とを示す側面図である。 ２１……コンタクト、２２……嵌合部、２３…
…結合部、２５……結線部、２６……切溝、３１
……ハウジング、３２……ピン挿入孔、３４……
ケーブル保持溝、３５……ケーブル３６……導
体、４２……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相手コネクタの相手コンタクトと接触嵌合する
   嵌合部と、ケーブルの導体を接触受け入れする溝
   を形成した結線部と、該嵌合部と該結線部とを互
   いに結合した結合部とを有する導電性のコンタク
   トと、該コンタクトを組み込んだ絶縁性のハウジ
   ングとを含む電気コネクタにおいて、上記嵌合部
   と上記結線部とは、互いに平行な相異なる軸心上
   に形成され、いずれも上記結合部の一端部から上
   記各軸心に沿つて同じ側に互いに平行に突出して
   おり、上記ハウジングは上記軸心と平行に上記ケ
   ーブルを保持するケーブル保持溝を有しているこ
   とを特徴とする電気コネクタ。