JPH0318469Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はネステイングブーム中にジブを容易
に挿入することができるようにしたネステイング
ブーム用ガイドローラに関するものである。

（従来技術） 従来、建設機械のブームの輸送の際のコンパク
ト化のために、対角材を無くして内部にブームを
挿入させることができるようにした、いわゆるネ
ステイングブームが採用されている。そしてネス
テイングブーム中にそれより寸法の小さいブーム
を挿入させて輸送するようにしているが、この挿
入のためのガイドローラをネステイングブームの
斜材に取付けている。このためガイドローラの取
付けに手間がかかり、またガイドローラに沿つて
ブームをネステイングブーム中に挿入させる際に
横方向にずれてネステイングブームの側部に当
り、傷をつけるという問題もあつた。

（考案の目的） この考案は、このような従来の欠点を解消する
ためになされたものであり、ネステイングブーム
に対してガイドローラを取付ける必要を無くし、
しかもブームを傷付けることなくネステイングブ
ーム中に挿入することができるネステイングブー
ム用ガイドローラを提供するものである。

（考案の構成） この考案は、ネステイングブーム中にジブを挿
入するためのガイドローラであつて、ローラ支持
部と、この支持部によつて回転可能に保持された
支持ローラと、上記支持部の側方に突出してその
先端部がネステイングブームの主柱に当接する位
置決め部材とを有し、上記支持部はネステイング
ブームの主柱間で一方の主柱に上記位置決め部材
を当接して設置され、上記支持ローラはジブの主
柱の外面に沿うように幅方向中央部が凹入して形
成されているものである。

上記構成では、二対のガイドローラを所定位置
に置くだけで、挿入するブームをガイドすること
ができ、ネステイングブームにガイドローラを取
付ける必要はなく、またブームをネステイングブ
ーム中に横方向にずれることなく挿入することが
できる。

（実施例） 第１図および第２図において、ガイドローラ１
は支持台２と、その上に取付けられた一対のブラ
ケツト３と、このブラケツト３に軸３０によつて
回転可能に支持された支持ローラ４と、両側方に
突出するようにブラケツト３に取付けられた位置
決め部材５，５０とからなり、上記支持台２とブ
ラケツト３とによつてローラ支持部が構成されて
いる。位置決め部材を両側に突出して設けている
のは、両側の位置決め部材５と５０との突出量を
異ならせて、いずれか一方の位置決め部材５また
は５０を利用できるようにするためである。さら
に位置決めの範囲（突出量）を異ならせるため
に、位置決め部材を長さの異なるものに取換え可
能に構成してもよい。

上記支持ローラ４はジブ６の主柱６０の外面に
沿うように幅方向中央部が凹入して形成されてい
る。この支持ローラ４は上記主柱６０を傷付けな
いように合成樹脂等の軟質材料で構成することが
好ましい。

ブーム６は第３図に示すように、四隅に長さ方
向に配置された主柱６０と各主柱６０を互いに連
結する斜材６１とで角筒状に形成され、対角材は
設けられていない。またネステイングブーム７も
四隅の長さ方向に配置された主柱７０と各主柱７
０を互いに連結する斜材７１とで構成され、対角
材は設けられていない。

つぎに上記ガイドローラ１を利用して小型のブ
ーム６をネステイングブーム７中に挿入する方法
を説明する。まず第１図および第３図に示すよう
に、ネステイングブーム７を地面１０上に設置す
るとともに、一対のガイドローラ１をネステイン
グブーム７の内部の一方の端部付近の地面１０上
に設置する。設置位置はネステイングブーム７の
斜材７１間で、位置決め部材５をネステイングブ
ーム７の主柱７０に当接させることにより設定す
る。図面では一方の側に配置したガイドローラ１
のみを示しているが、他方の側もこれと対称に配
置する。またネステイングブーム７の外部にも一
対のガイドローラ１を配置する。そして図示しな
いクレーンのロープ８により、挿入されるブーム
６を吊下げて降ろし、一端部をネステイングブー
ム７中に挿入させ、その内部に配置したガイドロ
ーラ１上に両側の主柱６０を乗せる。

ネステイングブーム７中のガイドローラ１はそ
の置位置がブーム６に対応して位置決め部材５に
より正確に決められているために、ブーム６を降
下させることにより、第１図に示すように主柱６
０が支持ローラ４の外面に沿うように設置され
る。ネステイングブーム７の外部に設置されたガ
イドローラ１はそれぞれ主柱６０に合致するよう
に手で移動させればよい。

ブーム６の長さ方向の両側の主柱６０をそれぞ
れ一対のガイドローラ１で支持させた後、ロープ
８を取外して第４図に示すように、一端部のみを
ロープ８で吊つてロープ８がネステイングブーム
７に当らないようにし、水平方向にブーム６をネ
ステイングブーム７中に挿入させる。そしてある
程度挿入されることにより、外部（第４図の左
側）のガイドローラ１がブーム６から外れれば、
それを矢印に示すようにネステイングブーム７の
奥側に移し、上記同様に位置決め部材５によつて
幅方向の位置決めをして設置し、ネステイングブ
ーム７中に設置された二対のガイドローラ１上を
転動させて第５図に示すようにブーム６をネステ
イングブーム７中に完全に挿入させる。挿入後ブ
ーム６の挿入されたネステイングブーム７を吊下
げて所定位置に運ぶと、ガイドローラ１はその場
に残されるので、再び別のブームの挿入に利用す
ることができる。

上記挿入の過程において、ブーム６はガイドロ
ーラ１の支持ローラ４によつて横方向の移動が生
じないようにガイドされているために、ネステイ
ングブーム７に当ることがなく、スムーズに挿入
される。また支持ローラ４を軟質材料で構成させ
ると、ブーム６の主柱６０を傷付けることを防止
することができる。

（考案の効果） 以上説明したように、この考案は二対のガイド
ローラを所定位置に置くだけで、挿入するブーム
をガイドすることができるものであり、ネステイ
ングブームにガイドローラを取付ける必要はな
く、またネステイングブーム中で移動するブーム
が横方向にずれることなくスムーズに挿入される
ことになり、したがつてネステイングブーム中に
ブームを挿入する作業を簡単かつ迅速に行うこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す断面図、第２
図はその側面図、第３図〜第５図はネステイング
ブーム中に小型のブームを挿入する過程を示す側
面図である。 １……ガイドローラ、２……支持台、４……支
持ローラ、５，５０……位置決め部材、６……ブ
ーム、７……ネステイングブーム、６０，７０…
…主柱。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ネステイングブーム中にジブを挿入するための
   ガイドローラであつて、ローラ支持部と、この支
   持部によつて回転可能に保持された支持ローラ
   と、上記支持部の側方に突出してその先端部がネ
   ステイングブームの主柱に当接する位置決め部材
   とを有し、上記支持部はネステイングブームの主
   柱間で一方の主柱に上記位置決め部材を当接して
   設置され、上記支持ローラはジブの主柱の外面に
   沿うように幅方向中央部が凹入して形成されてい
   ることを特徴とするネステイングブーム用ガイド
   ローラ。