JPH03180555A - シート状物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ 本発明は、耐摩耗性、高強力性、断ち切り性および寸法
安定性等に優れたシート状物に関するものである。

［従来の技術］ 合成繊維および／または天然繊維を用いたウェブをステ
ッチングした従来のシート状物はステッチングすること
により高強力化は可能であるが、使用時にステッチ糸の
一部が切れると、たちどころにほつれ、強力低下を招く
こともさることながら、品位が極端に低下し製品として
致命的な欠点となる。また、裁断面の耳はつれが起こり
やすく縁かがりを必要とするものであり、したがって、
自ずとその展開用途も限定され汎用性に富むものではな
かった。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の目的は、かかる従来技術の欠点に鑑み、耐摩耗
性、高強力性、断ち切り性および寸法安定性等の改良さ
れたシート状物を提供するものである。

［課題を解決するための手段］ 上述した目的を構成する本発明は、次のような構成を有
するものである。

すなわち、本発明のシート状物は、合成繊維および／ま
たは天然繊維からなるウェブが、タテおよび／またはヨ
コ方向に縫糸でステッチングされた構造を有し、かつ、
前記ウェブを構成する繊維が縫糸の束および束間にラン
ダムに絡合し、ウェブと縫糸とが不離一体化された絡合
構造を有することを特徴とするシート状物である。

そして、さらに本発明のシート状物は、その好ましい実
施態様として、合成繊維が細化可能な複合繊維により得
られたものであること、またウェブを構成する繊維が短
繊維であること、また、ランダムな絡合がウォータージ
ェットパンチによりなされた絡合であるものである。

［作用］ 以下、本発明について詳細に説明する。

まず、ウェブを構成する合成繊維とは、例えばポリエス
テル類、ポリアミド類、ポリオレフィン類等が用いられ
る。また、目的によっては、耐熱性、耐薬品性を有する
繊維類あるいは高強力化された繊維類等も用いられるが
、シートの使用用途により適宜選択すればよく、特に限
定するものではない。

繊維の断面形状についても、特に限定されるものではな
く、円形、変形型、中空型、芯鞘型等のあらゆる形状が
、目的・用途に応じて用いられる。

また、天然繊維とは、例えば綿、絹、麻、羊毛、獣毛等
を使用することができるが、むろんこれらに限定される
ものではなく、やはり目的、用途に応じて適宜具体的に
定められればよい。

これらの繊維を用いて、例えば、カード・クロスラッパ
装置を用いウェブ化を行なう。

このウェブに、タテおよび／またはヨコ方向に縫糸をス
テッチングニードルにより所定のステ・ソチ長にステッ
チングする。ステッチングする前のウェブは、例えばニ
ードルパンチングにより絡合されたものであってもよく
、ウェブの形態保持性、絡合密度調整等を考慮すると、
このようにするのまが好ましい場合もある。ただし、ウ
ェブをステッチングした後の絡合性、すなわち、繊維の
移動性から、あまり高密度に絡合をさせることは好まし
くない。

縫糸には、フィラメント糸またはスパン糸等が用いられ
るが限定されるものではない。一般に縫糸の強力を保つ
ためには、フィラメント糸が好ましく、また、後述する
が、ウェブが縫糸の束および京間にランダムに絡合する
効果をより強く発揮させたい場合には、スパン糸の方が
ウェブ形成繊維との絡みが良く好ましいと言える。縫糸
は、それぞれの目的・用途に合ったものを使い分けて使
用すればよい。このように、ウェブをステッチングする
ことによりシートの強力は向上し、かつ伸びもおさえる
ことができる。

このシートにウォータージェットパンチあるいはニード
ルパンチ絡合処理を行なうことにより、ウェブを形成し
ている繊維がステッチングしている縫糸の束および京間
にランダムに絡合し被覆した不離一体化された構造とな
り、このような構造であるが故に、本発明の目的が達成
されるのである。

また、合成繊維としては、多成分系の細化可能な複合繊
維を用いるのが好ましい。細化可能な複合繊維とは、例
えば、高分子相互配列体繊維、海島型ブレンド繊維、菊
花状あるいはその細形状の分割型繊維等であるが、特に
限定されるものではない。

細化可能な複合繊維を使うと、縫糸との不離−体化され
た絡合構造がより強固になり、風合が柔軟でかつ断ち切
り性、耐摩耗性、吸水性等がさらに改良され、例えばタ
オル類あるいはワイピングクロス等にも使用可能となり
、さらに、切断端の縁かがりの簡約化が可能となり、汎
用性に富むシート状物を得るのに好ましいものである。

また、ウェブを構成する繊維は短繊維形態で用いるのが
好ましい。特に、本発明の特異な絡合構造を形成するに
は、カット長が２０ｍｍ〜１５０咽のものを使用するこ
とが好ましい。より好ましくは３５ｍｍ〜１００ｍｍ程
度のものを用いるのが良い。

２０ｍｍ未満であると、カード・クロスラッパー通過時
の脱落、ウェブの絡み不足による繊維の素抜は等が発生
しやすく、また、１５０ｍｍを超えるとカードの通過性
、ウェブの均−性等が劣り加工性が低下し好ましいもの
ではない。

ウェブ構成繊維と縫糸とのランダムな絡合手段としては
、ニードルパンチ、ウォタージェットパンチ等が挙げら
れる。ニードルパンチではウェブにステッチングした縫
糸を切断または損傷を与え強力低下を招くこともあり得
るため、ニードルの寸法としては、縫糸繊維の直径より
も細目の寸法を有するニードルを使用するのが好ましい
。また、ニードルの植込み角度を調整し縫糸への衝撃を
緩和するのも好ましい方向である。

また、特に、縫糸への衝撃を緩和しながら、ウェブ構成
繊維を縫糸の束および／または束間に交絡させるには、
高圧流体処理がより好ましいものである。この場合の圧
力としては、ウェブを形成する繊維によっても異なるも
のであるが、通常５〜２００ｋｇ／Ｃｉ程度が好ましい
。より好ましくは、２０〜１００ｋｇ／ｃｎｆ程度が良
い。５　ｋｇ　／ａｄ未満だとウェブの短繊維と縫糸と
の絡合が弱く、良好な耐摩耗性、断ち切り性が得られに
くく、２００ｋｇ／ｃｄを超えるとウェブ短繊維を切断
させたり、脱落が発生し、さらには、縫糸強力の低下を
誘発し好ましくない。

かかる絡合処理に当って、ノズルの揺動速度とシートの
送り速度を調整することは、シート全面に効果的にパン
チングをするのに、また、ウェブ構成繊維と縫糸とがよ
り一層強固に交絡し不離−体化されたシートを得るのに
好ましいものである。

細化可能な複合繊維を用いるときは、ウェブをステッチ
ングした後に、該複合繊維に応じた細化処理を行ない、
その後、絡合処理を施す方法としてもよく、あるいは、
高圧流体の噴き当てと同じに、細化と絡合を同時に行っ
てもよい。また、シート密度を高めるために収縮処理を
行なうとか、細化処理時の寸法安定性付与のために、形
態保持剤等を適宜含浸処理してもよく、本発明の効果を
損うものではない。また、本発明のシートは、その展開
用途によって、溶剤系または水系等の適宜のバインダー
の付与を行なったり、あるいは、本発明のシートの少な
くとも一面に銀面を付与しても何ら差し支えない。

また、本発明のシート状物に、より高い付加価値を与え
るために、染色処理ミ揉み処理等を施してももちろんよ
い。

本発明にかかるシート状物は、衣料用、産業資材分野な
どにおいて、特に耐摩耗性、高強力性、断ち切り性およ
び寸法安定性を必要とする用途に好ましく用いられる。

［実施例］ 以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。

実施例１．２ 以下に示したステープル（Ｉ）、（ｎ）を準備した。

ステープル（Ｉ） 成　　分：ポリエチレンテレフタレートデニール：１．
５ｄ 繊維長：３８ｍｍ ケン線数＝１３山／ｉｎ ステープル（ＩＩ） 島　或　分：ポリエチレンテレフタレート海　或　分：
ポリスチレン 島本数：３６本 島／海比率ニア０／３０重量％ 複合糸デニール：約３．Ｏｄ 島単糸デニール：約０．０６ｄ 繊維長：５１ｍｍ ケン槽数：１０山／ｉｎ 上記ステープル（Ｉ）、（ｎ）を用いて別々にカード・
クロスラッパー装置に通し、ウェブを作成した。このウ
ェブを別々にステッチニードルを有する縫編機に通し、
縫糸（ポリエステルフィラメント：　２５０ｄ−４８ｆ
）でステッチ長２．５ｍｍでタテ方向に締縮し、ステー
プル（Ｉ）を用いた日付２００ｇ／ｒｒｆのシート（実
施例１）とステープル（ｎ）を用いた目付２５０ｇ／ｒ
ｒｆのシートを得た。

次いで、ステープル（Ｉｔ）を用いたシートにＰＶＡ溶
液を含浸しシート状物６と対して８重量％が付着するよ
うに、マングルで絞った後、熱風乾燥した。その後、ト
リクロルエチレン中に浸漬し、ニップロールで繰り返し
絞った後、熱風乾燥し、目付約１９５ｇ／ｆｆｌのシー
ト（実施例２）を得た。

これら実施例１．２のシートをそれぞれ別々に水圧６０
ｋｇ／ｃａｒで、ノズルを揺動し表裏各１回のウォータ
ージェットパンチを行ない乾燥した。

かくして得られたシート状物は、ウェブを構成する短繊
維が縫糸の束および束間にランダムに交絡し被覆した不
離一体化された絡合構造のものであり、特に実施例２の
ものについては、縫糸と極細化されたウェブ構成繊維と
がより強固に絡合したものであった。

本発明にかかるシート状物は、耐摩耗性、強力に優れ、
ハサミで切断しても縫糸のほつれも起らず、また、寸法
変化の少ないシート状物であった。

また、特に実施例２のシート状物は、吸水性にも優れた
ものであった。

比較例 実施例１で用いたステープル（Ｉ）を準備した。

実施例１と同じようにステープル（Ｉ）をカード・クロ
スラッパー装置に通して、ウェブを作成した。このウェ
ブを実施例１と同様な縫糸を用いてタテ方向にステッチ
ングし、日付２００ｇ／％のステッチングボンド不織布
を得た。

このステッチングボンド不織布は、摩耗するとウェブの
ステープルが抜はピリングが発生し、また、ウェブをヨ
コ方向に引張るとウェブが素抜けて破れ、ハサミで切断
すると縫糸が簡単にほつれ、本発明のシート状物に比較
し、耐摩耗性、高強力性、断ち切り性および寸法安定性
に劣るものであった。

［発明の効果］ 本発明のシート状物は、特異な絡合構造を有するが故に
、以下のような優れた効果を発揮することができる。

（１）耐摩耗性に優れたシート状物が得られる。

■　バインダーを使わずに製品強力が維持できるため、
柔軟な風合を付与することができる。

（３）裁断面のほつれがなく、縁かがりを基本的に必要
としない。

（４）寸法変化が少なく、後加工が容易にできる。

したがって、これら（１）〜（４）の特長点を生かし、
本発明のシート状物は、タオル類、ワイピングクロス類
、自動車内装材、芯地類など耐摩耗性、高強力性、断ち
切り性および寸法安定性等の必要な各種分野に非常に好
ましく用いられるものである。

特許出願大東し株式会社

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）合成繊維および／または天然繊維からなるウェブ
   が、タテおよび／またはヨコ方向に縫糸でステッチング
   された構造を有し、かっ、前記ウェブを構成する繊維が
   縫糸の束および束間にランダムに絡合し、ウェブと縫糸
   とが不離一体化された絡合構造を有することを特徴とす
   るシート状物。
2. （２）合成繊維が、細化可能な複合繊維より得られたも
   のであることを特徴とする特許請求の範囲第（１）項記
   載のシート状物。
3. （３）ウェブを構成する繊維が短繊維であることを特徴
   とする特許請求の範囲第（１）項または第２項記載のシ
   ート状物。
4. （４）ランダムな絡合が、ウォータージェットパンチに
   よりなされた絡合であることを特徴とする特許請求の範
   囲第（１）項、第（２）項または第（３）項記載のシー
   ト状物。