JPH03180449A - 冷間加工性,靭性,耐食性,被削性の優れたフェライト系快削ステンレス鋼およびその製造方法 - Google Patents
冷間加工性,靭性,耐食性,被削性の優れたフェライト系快削ステンレス鋼およびその製造方法Info
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- JPH03180449A JPH03180449A JP32080089A JP32080089A JPH03180449A JP H03180449 A JPH03180449 A JP H03180449A JP 32080089 A JP32080089 A JP 32080089A JP 32080089 A JP32080089 A JP 32080089A JP H03180449 A JPH03180449 A JP H03180449A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、冷間加工性、靭性、耐食性、被削性の潰れた
フェライト系快削ステンレス鋼およびその製造方法に係
わり、各種ねじおよびボルト類。 熱処理設備用部品類、建築資材用部品類、配管用部品類
など、製造時の冷間加工性に優れていることが要求され
ると共に、被削性にも優れていることが要求され、さら
には使用時の靭性および耐食性にも優れていることが要
求される各種部品類ないしは製品類の素材として利用さ
れる冷間加工性、靭性、耐食性、被削性の優れたフェラ
イト系快削ステンレス鋼およびその製造方法に関するも
のである。 (従来の技術) 従来、上述した各種部品類ないしは製品類の素材として
は、JIS 5US304に代表されるオーステナイ
ト系ステンレス鋼が多く用いられてきている。 しかしながら、このようなオーステナイト系ステンレス
鋼は、耐食性には優れているものの高価であるという欠
点を有している。また、冷間加工性に劣るために、現状
では上記各種部品類ないしは製品類の製造にあたって切
削加工にたよらざるを得す、したがって、歩留りや工数
の面からも不利である。 そこで、この上うな靭性や耐食性が要求される部品類な
いしは製品類の素材としてオーステナイト系ステンレス
鋼に比べて安価であるフェライト系ステンレス鋼の採用
の動きが出てきた。 (発明が解決しようとする課題) ところが、このようなフェライト系ステンレス鋼は、冷
間加工性においである程度優れた特性を有しているもの
の、靭性に劣るため使用中に折損ないしは破損を生ずる
ことがないとはいえず、また耐食性にも劣ることがあり
、被削性はオーステナイト系ステンレス鋼に比べて優れ
ているもののいまだ改善の余地が残されているという課
題があった。 (発明の目的) 本発明は、このような従来の課題に着目してなされたも
ので、オーステナイト系ステンレス鋼に比べて安価であ
り、フェライト系であるため冷間加工性にも優れており
、またフェライト系でありながら従来のもの以上に靭性
に優れており、さらに被削性についても従来のもの以上
に改善されており、通常の使用ではオーステナイト系ス
テンレス鋼である5US304に近い優れた耐食性を有
する冷間加工性、靭性、耐食性、被削性の優れたフェラ
イト系快削ステンレス鋼およびその製造方法を提供する
ことを目的としている。
フェライト系快削ステンレス鋼およびその製造方法に係
わり、各種ねじおよびボルト類。 熱処理設備用部品類、建築資材用部品類、配管用部品類
など、製造時の冷間加工性に優れていることが要求され
ると共に、被削性にも優れていることが要求され、さら
には使用時の靭性および耐食性にも優れていることが要
求される各種部品類ないしは製品類の素材として利用さ
れる冷間加工性、靭性、耐食性、被削性の優れたフェラ
イト系快削ステンレス鋼およびその製造方法に関するも
のである。 (従来の技術) 従来、上述した各種部品類ないしは製品類の素材として
は、JIS 5US304に代表されるオーステナイ
ト系ステンレス鋼が多く用いられてきている。 しかしながら、このようなオーステナイト系ステンレス
鋼は、耐食性には優れているものの高価であるという欠
点を有している。また、冷間加工性に劣るために、現状
では上記各種部品類ないしは製品類の製造にあたって切
削加工にたよらざるを得す、したがって、歩留りや工数
の面からも不利である。 そこで、この上うな靭性や耐食性が要求される部品類な
いしは製品類の素材としてオーステナイト系ステンレス
鋼に比べて安価であるフェライト系ステンレス鋼の採用
の動きが出てきた。 (発明が解決しようとする課題) ところが、このようなフェライト系ステンレス鋼は、冷
間加工性においである程度優れた特性を有しているもの
の、靭性に劣るため使用中に折損ないしは破損を生ずる
ことがないとはいえず、また耐食性にも劣ることがあり
、被削性はオーステナイト系ステンレス鋼に比べて優れ
ているもののいまだ改善の余地が残されているという課
題があった。 (発明の目的) 本発明は、このような従来の課題に着目してなされたも
ので、オーステナイト系ステンレス鋼に比べて安価であ
り、フェライト系であるため冷間加工性にも優れており
、またフェライト系でありながら従来のもの以上に靭性
に優れており、さらに被削性についても従来のもの以上
に改善されており、通常の使用ではオーステナイト系ス
テンレス鋼である5US304に近い優れた耐食性を有
する冷間加工性、靭性、耐食性、被削性の優れたフェラ
イト系快削ステンレス鋼およびその製造方法を提供する
ことを目的としている。
(課題を解決するための手段)
本発明に係わる冷間加工性、靭性、耐食性。
被削性の潰れたフェライト系快削ステンレス鋼は、重量
%で、C:0.020%以下、Si:0.30%以下、
Mn:0.50%以下、P:0.020%以下、Cr:
16.0〜25.0%、Cu:1.0%以下、Ni:
1.0%以下、M o : 3 、0%以下、O:0.
010%以下、N:0.025%以下、C+N:0.0
40%以下、Nb/ (C+N): 1〜20、さらに
Pb:0.20%以下、Bi:0.10%以下。 Se:0.15%以下のうちの1種または2種以上、必
要に応じてTi:0.03〜0.50%およびZr:0
.03〜0.50%のうちの1種または2種、残部Fe
および不純物からなる構成としたことを特徴としており
1本発明に係わる冷間加工性、@性、耐食性、被剛性の
優れたフェライト系快削ステンレス鋼の製造方法は、上
記成分組成からなる鋼素材に、1000℃以下の温度で
加工率80%以上の熱間加工を行う構成としたことを特
徴としており、このような冷間加工性、@性、耐食性、
被剛性の優れたフェライト系快削ステンレス鋼およびそ
の製造方法の構成を上述した従来の課題を解決するため
の手段としている。 次に1本発明に係わる冷間加工性、靭性、耐食性、被削
性の優れたフェライト系快削ステンレス鋼の成分組成(
重量%)の限定理由について説明する。 C:0.020%以下 Cは添加したNbや不純物あるいは必要に応じて添加し
たTi、Zrなどの炭化物形成元素と結合して炭化物を
形威し、析出した炭化物が発錆の起点となって耐食性を
低下させることがあると共に、添加したNbと結合して
炭化物NbCを形成することによりNbの添加効果を低
減させて靭性を劣化させることとなるので、0.020
%以下とした。 Si:0.30%以下 Siは鋼溶製時において脱酸作用を有していると共に、
耐酸化性を増大させる作用を有しているが、多量に含有
すると冷間加工性や靭性を劣化させるので、0.30%
以下とした。 M n : 0 、50%以下 Mnは鋼溶製時において脱酸・脱硫作用を有していると
共に1機械的性質を改善する作用を有しているが、多量
に含有すると冷間加工性を害するので、0.50%以下
とした。 P:0.020%以下 Pはフェライト系ステンレス鋼の冷間加工性を低下させ
るのでなるべく少なくしておく必要があり、0.020
%以下とした。 Cr: 18.0〜25.0% Crはフェライト系ステンレス鋼の基本元素であり、十
分な耐食性を得るために16.0%以上とした。しかし
、多量に含有すると冷間加工性を低下させると共に、靭
性を劣化させるので、25.0%以下とした。 Cu:1.0%以下 Ni:1.0%以下 M o : 3 、0%以下 Cu、Ni、Moはフェライト系ステンレス鋼の耐食性
をより一層向上させるためには積極的に添加するのも良
いが、これらの多量添加は冷間加工性および靭性に悪影
響を及ぼし、特にMOによる影響が顕著であるので、C
uを含有させるとしても1.0%以下、Niを含有させ
るとしても1.0%以下、Moを含有させるとしても3
.0%以下とする必要がある。 0:0.010%以下 Oは各種元素と結びついて酸化物を形成し。 冷間加工性や耐食性に悪影響を及ぼすので。 0.010%以下とした。 N:0.025%以下 Nは添加したNbや不純物中あるいは必要に応じて添加
したTi、Zrなとの窒化物形成元素と結合して窒化物
を形成し、析出した窒化物が発錆の起点となって耐食性
を低下させることがあると共に、添加したNbと結合し
て窒化物NbNを形成することによりNbの添加効果を
低減させて靭性を劣化させることとなるので、0.02
5%以下とした。 C+N:0.040%以下 CおよびNは前述したように添加したNbと結合して炭
窒化物を形成することによりNbの添加効果を低減させ
て靭性を劣化させることとなるので、CおよびNの合計
を0.040%以下とした。 Nb/ (C+N): 1〜2O Nbはフェライト系ステンレス鋼の靭性を向上させて冷
間加工性を良好なものとするのに有効な元素であり、こ
のような効果を得るためにNb2(C+ N)とした。 しかし、多量に含有すると靭性がかえって劣化すること
となるので、Nb≦(C+N)X20とした。 Pb:0.20%以下 Bi:0.10%以下 Se:0.15%以下 Pb、BiおよびSeはフェライト系ステンレス鋼の被
削性を向上させるのに有効な元素であるので、これらの
1種または2種以上を添加することとした。しかしなが
ら、これら元素の含有量が多すぎると熱間加工性や冷間
加工性を低下させるので、pbについては0.20%以
下、Biについてはo、io%以下、Seについては0
.15%以下とした。 Tl:0.03〜0.50% Zr:0.03〜0.50% TIおよびZrはフェライト系ステンレス鋼の靭性をよ
り一層向上させるのに有効であるので、必要に応じてT
iは0.03%以上、Zrも0.03%以上の1種また
は2種を含有させるのもよい、しかしながら、多量に含
有させても効果が飽和し、かえって靭性を劣化させるの
で、含有させるとしてもTiは0.50%以下、Zrは
0.50%以下とする必要がある。 本発明に係わる冷間加工性、靭性、耐食性、被削性の優
れたフェライト系快削ステンレス鋼を製造するに際して
は、上記成分組成をもつ鋼素材に対し、1ooo℃以下
の温度で加工率80%以上の熱間加工を行うようにする
ことが望ましい、すなわち、熱間加工たとえば線材圧延
加工時に1000℃以下の温度で加工率(減面率)80
%以上の圧延加工を行うことによって、靭性のより一層
の向上をはかることができるようになる。 (発明の作用) 本発明に係わるフェライト系快削ステンレス鋼およびそ
の製造方法は上述した構成をなすものとなっているので
、このフェライト系快削ステンレス鋼は冷間加工性に潰
れていると共に、フェライト系ステンレス鋼でありなが
ら従来以上に靭性の潰れたものとなっており、また被削
性にも優れたものとなっており、さらに通常の使用では
オーステナイト系ステンレス鋼である5US304に近
い優れた耐食性を有するものになっていると共にオース
テナイト系ステンレス鋼に比べて安価であるという作用
がもたらされる。 (実施例) 第1表に示す化学成分の各種フェライト系ステンレス鋼
を真空誘導溶解による再溶解を行って溶製したのち造塊
し、各鋼塊を1200℃に加熱して直径60mmに鍛造
し、さらに線材圧延を行って直径16mmの鋼線材とし
、850℃で焼鈍処理を行った。 次に、前記各鋼線材に対し、線材圧延加熱温度を115
0℃として1000℃以下の温度での加工率(減面率)
が80%未満である熱間圧延条件とする熱間加工(熱間
圧延;第1表の熱間圧延条件の欄では1150℃と表示
)と、線材圧延加熱温度を1000℃として1000℃
以下の温度での加工率(減面率)が80%以上である熱
間加工(熱間圧延;第1表の熱間圧延条件の欄では10
00℃と表示)とを行い、それぞれの供試材について耐
食性、靭性、冷間加工性および被削性を評価した。 これらのうち、耐食性の評価は、JIS Z2371
に準する塩水噴霧試験(35℃、5%NaC!L、48
時間)を実施することにより行った結果を示すもので、
第1表のO印は耐食性が良好であったことを示し、Δは
やや良好であったことを示し、×印は良好でなかったこ
とを示している。また、靭性の評価は2mmvノツチシ
ャルピー試験(室ff1)を実施して衝撃値を測定する
ことにより行った。さらに、冷間加工性の評価は、鋼素
材をヘッダー加工により頭部材ねじに成形したときのダ
イスおよびパンチの破損の有無により行った結果を示す
もので、第1表の0印は破損がなかったことを示し、×
印は破損があったことを示している。さらにまた、被削
性の評価は、比較例15を基準としたときのドリル寿命
比で表わした。 第1表に示すように、本発明実施例N001〜14のフ
ェライト系ステンレス鋼ではいずれも耐食性の優れたも
のとなっていると共に、衝撃値においても大きな値を示
していて靭性の優れたものになっており、さらには冷間
加工性および被削性にも優れたものとなっていた。そし
て、同じ鋼組成のものに対して1000℃以下の温度で
加工率80%以上の熱間加工を行ったもの(熱間圧延条
件1000℃と表示したもの)では、1000℃以下の
温度で加工率80%以上の加工を行わなかったもの(、
!8間圧延条件1150℃と表示したもの)に比べて衝
!a値がかなり大きなものとなっており、靭性のより一
層の向上が実現できることが認められた。 これに対して、Cr含有量が少ない比較例No。 15では耐食性の劣ったものとなっており、CおよびN
含有量が多い比較例No、16では耐食性が十分でない
と共に冷間加工性および靭性が劣ったものになっており
、CrおよびMO含有量が多すぎる比較例No、17で
は冷間加工性および靭性が劣ったものとなっており、こ
のCrおよびM。 含有量が多すぎる比較例No、17において1000℃
以下の温度での加工率を80%以上とした比較例No、
18においても比較例No、17に比べて靭性の若干の
向上はみられるものの靭性および冷間加工性に劣ったも
のとなっており、CおよびN含有量に対してNb含有量
が多すぎる比較例No、19では耐食性、靭性および冷
間加工性が劣ったものとなっており、このNbiが多す
ぎる比較例No、19において1000℃以下の温度で
の加工率を80%以上とした比較例No、20において
も比較例No、19に比べて靭性のわずかな向上はみら
れるものの耐食性、靭性および冷間加工性が劣ったもの
となっていることが認められた。
%で、C:0.020%以下、Si:0.30%以下、
Mn:0.50%以下、P:0.020%以下、Cr:
16.0〜25.0%、Cu:1.0%以下、Ni:
1.0%以下、M o : 3 、0%以下、O:0.
010%以下、N:0.025%以下、C+N:0.0
40%以下、Nb/ (C+N): 1〜20、さらに
Pb:0.20%以下、Bi:0.10%以下。 Se:0.15%以下のうちの1種または2種以上、必
要に応じてTi:0.03〜0.50%およびZr:0
.03〜0.50%のうちの1種または2種、残部Fe
および不純物からなる構成としたことを特徴としており
1本発明に係わる冷間加工性、@性、耐食性、被剛性の
優れたフェライト系快削ステンレス鋼の製造方法は、上
記成分組成からなる鋼素材に、1000℃以下の温度で
加工率80%以上の熱間加工を行う構成としたことを特
徴としており、このような冷間加工性、@性、耐食性、
被剛性の優れたフェライト系快削ステンレス鋼およびそ
の製造方法の構成を上述した従来の課題を解決するため
の手段としている。 次に1本発明に係わる冷間加工性、靭性、耐食性、被削
性の優れたフェライト系快削ステンレス鋼の成分組成(
重量%)の限定理由について説明する。 C:0.020%以下 Cは添加したNbや不純物あるいは必要に応じて添加し
たTi、Zrなどの炭化物形成元素と結合して炭化物を
形威し、析出した炭化物が発錆の起点となって耐食性を
低下させることがあると共に、添加したNbと結合して
炭化物NbCを形成することによりNbの添加効果を低
減させて靭性を劣化させることとなるので、0.020
%以下とした。 Si:0.30%以下 Siは鋼溶製時において脱酸作用を有していると共に、
耐酸化性を増大させる作用を有しているが、多量に含有
すると冷間加工性や靭性を劣化させるので、0.30%
以下とした。 M n : 0 、50%以下 Mnは鋼溶製時において脱酸・脱硫作用を有していると
共に1機械的性質を改善する作用を有しているが、多量
に含有すると冷間加工性を害するので、0.50%以下
とした。 P:0.020%以下 Pはフェライト系ステンレス鋼の冷間加工性を低下させ
るのでなるべく少なくしておく必要があり、0.020
%以下とした。 Cr: 18.0〜25.0% Crはフェライト系ステンレス鋼の基本元素であり、十
分な耐食性を得るために16.0%以上とした。しかし
、多量に含有すると冷間加工性を低下させると共に、靭
性を劣化させるので、25.0%以下とした。 Cu:1.0%以下 Ni:1.0%以下 M o : 3 、0%以下 Cu、Ni、Moはフェライト系ステンレス鋼の耐食性
をより一層向上させるためには積極的に添加するのも良
いが、これらの多量添加は冷間加工性および靭性に悪影
響を及ぼし、特にMOによる影響が顕著であるので、C
uを含有させるとしても1.0%以下、Niを含有させ
るとしても1.0%以下、Moを含有させるとしても3
.0%以下とする必要がある。 0:0.010%以下 Oは各種元素と結びついて酸化物を形成し。 冷間加工性や耐食性に悪影響を及ぼすので。 0.010%以下とした。 N:0.025%以下 Nは添加したNbや不純物中あるいは必要に応じて添加
したTi、Zrなとの窒化物形成元素と結合して窒化物
を形成し、析出した窒化物が発錆の起点となって耐食性
を低下させることがあると共に、添加したNbと結合し
て窒化物NbNを形成することによりNbの添加効果を
低減させて靭性を劣化させることとなるので、0.02
5%以下とした。 C+N:0.040%以下 CおよびNは前述したように添加したNbと結合して炭
窒化物を形成することによりNbの添加効果を低減させ
て靭性を劣化させることとなるので、CおよびNの合計
を0.040%以下とした。 Nb/ (C+N): 1〜2O Nbはフェライト系ステンレス鋼の靭性を向上させて冷
間加工性を良好なものとするのに有効な元素であり、こ
のような効果を得るためにNb2(C+ N)とした。 しかし、多量に含有すると靭性がかえって劣化すること
となるので、Nb≦(C+N)X20とした。 Pb:0.20%以下 Bi:0.10%以下 Se:0.15%以下 Pb、BiおよびSeはフェライト系ステンレス鋼の被
削性を向上させるのに有効な元素であるので、これらの
1種または2種以上を添加することとした。しかしなが
ら、これら元素の含有量が多すぎると熱間加工性や冷間
加工性を低下させるので、pbについては0.20%以
下、Biについてはo、io%以下、Seについては0
.15%以下とした。 Tl:0.03〜0.50% Zr:0.03〜0.50% TIおよびZrはフェライト系ステンレス鋼の靭性をよ
り一層向上させるのに有効であるので、必要に応じてT
iは0.03%以上、Zrも0.03%以上の1種また
は2種を含有させるのもよい、しかしながら、多量に含
有させても効果が飽和し、かえって靭性を劣化させるの
で、含有させるとしてもTiは0.50%以下、Zrは
0.50%以下とする必要がある。 本発明に係わる冷間加工性、靭性、耐食性、被削性の優
れたフェライト系快削ステンレス鋼を製造するに際して
は、上記成分組成をもつ鋼素材に対し、1ooo℃以下
の温度で加工率80%以上の熱間加工を行うようにする
ことが望ましい、すなわち、熱間加工たとえば線材圧延
加工時に1000℃以下の温度で加工率(減面率)80
%以上の圧延加工を行うことによって、靭性のより一層
の向上をはかることができるようになる。 (発明の作用) 本発明に係わるフェライト系快削ステンレス鋼およびそ
の製造方法は上述した構成をなすものとなっているので
、このフェライト系快削ステンレス鋼は冷間加工性に潰
れていると共に、フェライト系ステンレス鋼でありなが
ら従来以上に靭性の潰れたものとなっており、また被削
性にも優れたものとなっており、さらに通常の使用では
オーステナイト系ステンレス鋼である5US304に近
い優れた耐食性を有するものになっていると共にオース
テナイト系ステンレス鋼に比べて安価であるという作用
がもたらされる。 (実施例) 第1表に示す化学成分の各種フェライト系ステンレス鋼
を真空誘導溶解による再溶解を行って溶製したのち造塊
し、各鋼塊を1200℃に加熱して直径60mmに鍛造
し、さらに線材圧延を行って直径16mmの鋼線材とし
、850℃で焼鈍処理を行った。 次に、前記各鋼線材に対し、線材圧延加熱温度を115
0℃として1000℃以下の温度での加工率(減面率)
が80%未満である熱間圧延条件とする熱間加工(熱間
圧延;第1表の熱間圧延条件の欄では1150℃と表示
)と、線材圧延加熱温度を1000℃として1000℃
以下の温度での加工率(減面率)が80%以上である熱
間加工(熱間圧延;第1表の熱間圧延条件の欄では10
00℃と表示)とを行い、それぞれの供試材について耐
食性、靭性、冷間加工性および被削性を評価した。 これらのうち、耐食性の評価は、JIS Z2371
に準する塩水噴霧試験(35℃、5%NaC!L、48
時間)を実施することにより行った結果を示すもので、
第1表のO印は耐食性が良好であったことを示し、Δは
やや良好であったことを示し、×印は良好でなかったこ
とを示している。また、靭性の評価は2mmvノツチシ
ャルピー試験(室ff1)を実施して衝撃値を測定する
ことにより行った。さらに、冷間加工性の評価は、鋼素
材をヘッダー加工により頭部材ねじに成形したときのダ
イスおよびパンチの破損の有無により行った結果を示す
もので、第1表の0印は破損がなかったことを示し、×
印は破損があったことを示している。さらにまた、被削
性の評価は、比較例15を基準としたときのドリル寿命
比で表わした。 第1表に示すように、本発明実施例N001〜14のフ
ェライト系ステンレス鋼ではいずれも耐食性の優れたも
のとなっていると共に、衝撃値においても大きな値を示
していて靭性の優れたものになっており、さらには冷間
加工性および被削性にも優れたものとなっていた。そし
て、同じ鋼組成のものに対して1000℃以下の温度で
加工率80%以上の熱間加工を行ったもの(熱間圧延条
件1000℃と表示したもの)では、1000℃以下の
温度で加工率80%以上の加工を行わなかったもの(、
!8間圧延条件1150℃と表示したもの)に比べて衝
!a値がかなり大きなものとなっており、靭性のより一
層の向上が実現できることが認められた。 これに対して、Cr含有量が少ない比較例No。 15では耐食性の劣ったものとなっており、CおよびN
含有量が多い比較例No、16では耐食性が十分でない
と共に冷間加工性および靭性が劣ったものになっており
、CrおよびMO含有量が多すぎる比較例No、17で
は冷間加工性および靭性が劣ったものとなっており、こ
のCrおよびM。 含有量が多すぎる比較例No、17において1000℃
以下の温度での加工率を80%以上とした比較例No、
18においても比較例No、17に比べて靭性の若干の
向上はみられるものの靭性および冷間加工性に劣ったも
のとなっており、CおよびN含有量に対してNb含有量
が多すぎる比較例No、19では耐食性、靭性および冷
間加工性が劣ったものとなっており、このNbiが多す
ぎる比較例No、19において1000℃以下の温度で
の加工率を80%以上とした比較例No、20において
も比較例No、19に比べて靭性のわずかな向上はみら
れるものの耐食性、靭性および冷間加工性が劣ったもの
となっていることが認められた。
本発明に係わる冷間加工性、靭性、耐食性。
被削性の優れたフェライト系快削ステンレス鋼は、重量
%で、C:0.020%以下、Si二0.30%以下、
Mn:0.50%以下・P:0.020%以下、Cr:
16.0〜25.0%、Cu:1.0%以下、Ni:1
.0%以下、M o : 3 、0%以下、O:0.0
10%以下、N:0.025%以下、C+N:0−04
0%以下、Nb/ (C+N): 1〜20.さらにP
b:0.20%以下、BI:0.10%以下。 Se:0.15%以下のうちの1種または2種以上、必
要に応じてTi:0.03〜0.50%およびZr:0
.03〜0.50%のうちの1種または2種、残部Fe
および不純物からなるものとなっており、また本発明に
係わる冷間加工性、靭性、耐食性、被削性の優れたフェ
ライト系伏倒ステンレス鋼の製造方法は、前記鋼素材に
対し。 1000℃以下の温度で加工率80%以上の熱間加工を
行うようにしたものであるから、オーステナイト系ステ
ンレス鋼に比べて安価であり、冷間加工性に優れている
と共に被削性、靭性および耐食性にも優れているものと
なっているので、各種ねじおよびボルト類、熱処理設備
用部品類、建築資材用部品類、配管用部品類など使用時
の靭性ならびに耐食性に優れていることが要求される各
種部品ないしは製品類を生産性の優れた冷間塑性加工に
よって製造する場合の素材として適したものであり、冷
間塑性加工による生産性の向上ならびに素材歩留りの向
上さらには冷間加工性および被削性の改善による工具寿
命の延長が実現されるという著しく優れた効果がもたら
される。
%で、C:0.020%以下、Si二0.30%以下、
Mn:0.50%以下・P:0.020%以下、Cr:
16.0〜25.0%、Cu:1.0%以下、Ni:1
.0%以下、M o : 3 、0%以下、O:0.0
10%以下、N:0.025%以下、C+N:0−04
0%以下、Nb/ (C+N): 1〜20.さらにP
b:0.20%以下、BI:0.10%以下。 Se:0.15%以下のうちの1種または2種以上、必
要に応じてTi:0.03〜0.50%およびZr:0
.03〜0.50%のうちの1種または2種、残部Fe
および不純物からなるものとなっており、また本発明に
係わる冷間加工性、靭性、耐食性、被削性の優れたフェ
ライト系伏倒ステンレス鋼の製造方法は、前記鋼素材に
対し。 1000℃以下の温度で加工率80%以上の熱間加工を
行うようにしたものであるから、オーステナイト系ステ
ンレス鋼に比べて安価であり、冷間加工性に優れている
と共に被削性、靭性および耐食性にも優れているものと
なっているので、各種ねじおよびボルト類、熱処理設備
用部品類、建築資材用部品類、配管用部品類など使用時
の靭性ならびに耐食性に優れていることが要求される各
種部品ないしは製品類を生産性の優れた冷間塑性加工に
よって製造する場合の素材として適したものであり、冷
間塑性加工による生産性の向上ならびに素材歩留りの向
上さらには冷間加工性および被削性の改善による工具寿
命の延長が実現されるという著しく優れた効果がもたら
される。
Claims (4)
- (1)重量%で、C:0.020%以下、Si:0.3
0%以下、Mn:0.50%以下、P:0.020%以
下、Cr:16.0〜25.0%、Cu:1.0%以下
、Ni:1.0%以下、Mo:3.0%以下、O:0.
010%以下、N:0.025%以下、C+N:0.0
40%以下、Nb/(C+N):1〜20、さらにPb
:0.20%以下、Bi:0.10%以下、Se:0.
15%以下のうちの1種または2種以上、残部Feおよ
び不純物からなることを特徴とする冷間加工性、靭性、
耐食性、被削性の優れたフェライト系快削ステンレス鋼
。 - (2)重量%で、C:0.020%以下、Si:0.3
0%以下、Mn:0.50%以下、P:0.020%以
下、Cr:16.0〜25.0%、Cu:1.0%以下
、Ni:1.0%以下、Mo:3.0%以下、O:0.
010%以下、N:0.025%以下、C+N:0.0
40%以下、Nb/(C+N):1〜20、Ti:0.
03〜0.50%およびZr:0.03〜0.50%の
うちの1種または2種、さらにPb:0.20%以下、
Bi:0.10%以下、Se:0.15%以下のうちの
1種または2種以上、残部Feおよび不純物からなるこ
とを特徴とする冷間加工性、靭性、耐食性、被削性の優
れたフェライト系快削ステンレス鋼。 - (3)重量%で、C:0.020%以下、Si:0.3
0%以下、Mn:0.50%以下、P:0.020%以
下、Cr:16.0〜25.0%、Cu:1.0%以下
、Ni:1.0%以下、Mo:3.0%以下、O:0.
010%以下、N:0.025%以下、C+N:0.0
40%以下、Nb/(C+N):1〜20、さらにPb
:0.20%以下、Bi:0.10%以下、Se:0.
15%以下のうちの1種または2種以上、残部Feおよ
び不純物からなる鋼素材に、1000℃以下の温度で加
工率80%以上の熱間加工を行うことを特徴とする冷間
加工性、靭性、耐食性、被削性の優れたフェライト系快
削ステンレス鋼の製造方法。 - (4)重量%で、C:0.020%以下、Si:0.3
0%以下、Mn:0.50%以下、P:0.020%以
下、Cr:16.0〜25.0%、Cu:1.0%以下
、Ni:1.0%以下、Mo:3.0%以下、O:0.
010%以下、N:0.025%以下、C+N:0.0
40%以下、Nb/(C+N):1〜20、Ti:0.
03〜0.50%およびZr:0.03〜0.50%の
うちの1種または2種、さらにPb:0.20%以下、
Bi:0.10%以下、Se:0.15%以下のうちの
1種または2種以上、残部Feおよび不純物からなる鋼
素材に、1000℃以下の温度で加工率80%以上の熱
間加工を行うことを特徴とする冷間加工性、靭性、耐食
性、被削性の優れたフェライト系快削ステンレス鋼の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32080089A JPH03180449A (ja) | 1989-12-11 | 1989-12-11 | 冷間加工性,靭性,耐食性,被削性の優れたフェライト系快削ステンレス鋼およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32080089A JPH03180449A (ja) | 1989-12-11 | 1989-12-11 | 冷間加工性,靭性,耐食性,被削性の優れたフェライト系快削ステンレス鋼およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03180449A true JPH03180449A (ja) | 1991-08-06 |
Family
ID=18125385
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32080089A Pending JPH03180449A (ja) | 1989-12-11 | 1989-12-11 | 冷間加工性,靭性,耐食性,被削性の優れたフェライト系快削ステンレス鋼およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH03180449A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003013188A (ja) * | 2001-07-02 | 2003-01-15 | Nippon Steel Corp | Bi快削鋼 |
US7297214B2 (en) | 1999-09-03 | 2007-11-20 | Kiyohito Ishida | Free cutting alloy |
US7381369B2 (en) | 1999-09-03 | 2008-06-03 | Kiyohito Ishida | Free cutting alloy |
JP2013531130A (ja) * | 2010-04-26 | 2013-08-01 | 敬治 中島 | 高結晶粒細粒化性能及び安定結晶粒細粒化性能をもつフェライト系ステンレス鋼とその製造方法 |
DE10143390B4 (de) * | 2001-09-04 | 2014-12-24 | Stahlwerk Ergste Westig Gmbh | Kaltverformbarer korrosionsbeständiger Chromstahl |
CN107552567A (zh) * | 2017-09-08 | 2018-01-09 | 苏州钢特威钢管有限公司 | 1Cr17铁素体不锈钢管的制备方法 |
-
1989
- 1989-12-11 JP JP32080089A patent/JPH03180449A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7297214B2 (en) | 1999-09-03 | 2007-11-20 | Kiyohito Ishida | Free cutting alloy |
US7381369B2 (en) | 1999-09-03 | 2008-06-03 | Kiyohito Ishida | Free cutting alloy |
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JP2013531130A (ja) * | 2010-04-26 | 2013-08-01 | 敬治 中島 | 高結晶粒細粒化性能及び安定結晶粒細粒化性能をもつフェライト系ステンレス鋼とその製造方法 |
CN107552567A (zh) * | 2017-09-08 | 2018-01-09 | 苏州钢特威钢管有限公司 | 1Cr17铁素体不锈钢管的制备方法 |
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