JPH0318026B2 - - Google Patents
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- JPH0318026B2 JPH0318026B2 JP62331334A JP33133487A JPH0318026B2 JP H0318026 B2 JPH0318026 B2 JP H0318026B2 JP 62331334 A JP62331334 A JP 62331334A JP 33133487 A JP33133487 A JP 33133487A JP H0318026 B2 JPH0318026 B2 JP H0318026B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は自動車のエンジン制御装置に関し、更
に具体的にはマイクロコンピユータを使用したエ
ンジン制御装置に関する。 〔従来の技術〕 最近ではマイクロコンピユータによりエンジン
の総合的制御を行うことが実施されつつある。マ
イクロコンピユータによりエンジンの総合的制御
を高精度で行うにはソフトウエアとしてはエンジ
ンの運転状況に応じて複数の、起動周期の異なる
プログラム(以下、タスクという。)群の起動、
停止の管理が十分に行われるように構成されるこ
とが要請される。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら現在の処、上記のようなマイクロ
コンピユータによるエンジンの総合的制御を行う
ものにおいては上記タスク群の管理は粗雑なもの
であり、特にエンジンの過渡的運転状態、即ちエ
ンジン始動時、アイドル時または加速運転時には
円滑なタスクの引き継ぎを行うことが不可能であ
る為に自動車において要請される、例えば排気ガ
ス対策等に合致したエンジン制御が行われない欠
点がある。 また、タスクの優先制御にあつても、特開昭54
−58116公報等に提案されているように、タスク
を優先度に基づいて複数のタスクレベル(優先レ
ベル)に分類し、割込優先制御はタスクレベル単
位で一律に行なうようにしている。しかし、この
方法によれば、1つのタスクレベルに属する複数
のタスクが一括して実行されることになるので、
例えば起動周期が異なるタスクを同一のタスクレ
ベルに含ませることができない。このため、エン
ジンの制御特性に応じて要求される各タスクの起
動周期と優先度にそれぞれ対応させたきめ細かな
タスク管理ができないという問題があつた。 また、特開昭53−40105号公報又は特開昭50−
128429号公報にも、タスクを優先度に基づいて複
数のタスクレベル(優先レベル、以下レベル優先
度という)に分類し、割込優先制御はタスクレベ
ル単位で一律に行なうようにすることが提案され
ている。しかし、同一のレベル優先度に属する複
数のタスク間の優先割込みをどのように行なうか
についての記載はない。したがつて、従来と同様
に、単にタスク間で定められた優先度(タスク優
先度)に従つて優先制御するとすれば、同一タス
クレベルに属するタスクの優先度の高いタスクの
起動要求が次々と発生すると、タスク優先度の低
い中断タスクはなかなか実行再開されないので、
実行効率が低下し、エンジン制御の高速応答性が
損われて、過渡状態等の制御精度が低下するおそ
れがある。 本発明の目的は、エンジンの制御機能から要求
される各タスクの実行を、タスクの起動周期と優
先度とにそれぞれ対応させて優先制御を行なえる
構成とし、エンジンの過渡的運転状態における高
精度のエンジン制御を可能とするエンジン制御装
置を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、上記目的を達成するため、 入力されるインターバル割込要求を含む複数の
割込要求をそれぞれ一旦蓄積する手段と、該手段
の出力端に設けられ与えられる割込禁止指令に応
じて前記割込要求の発生を阻止するゲート手段と
を有してなる割込要求発生手段と、 エンジンの制御機能毎に対応させてそれぞれ所
定の起動周期とタスク優先度とが設定され、かつ
予めレベル優先度が定められた複数のタスクレベ
ルに区分してなる複数のタスクを格納するメモリ
と、 前記各タスクレベルに対応させて区画され、当
該タスクレベルに属するタスクが実行又は中断さ
れていることを表すフラグが立てられる複数の実
行フラグ領域と、前記各タスクレベル毎に当該タ
スクレベルに属する複数のタスクに対応させてか
つタスク優先度の順に配列させて区画され、各タ
スクの起動要求フラグが立てられる複数の起動要
求フラグ領域とを有してなるタスク制御テーブル
と、 前記割込要求発生手段から出力されるインター
バル割込要求に基づいて計数された前記各タスス
クの起動周期に係る経過時間テーブルが格納され
るソフトタイマーテーブルと、 前記割込要求発生手段から出力されるインター
バル割込要求に応動して実行中のタスクの実行を
中断させて退避させるとともに、前記ソフトタイ
マテーブルの経過時間データの計数動作を行い、
該計数動作の内容により各タスクが起動周期に達
したか否かを判定し、起動周期に達したタスクの
起動要求を示すフラグを前記タスク制御テーブル
の起動要求フラグ領域の当該タスクに対応する領
域に立てる割込処理手段と、 前記タスク制御テーブルの前記レベル優先度が
高い順から前記実行フラグ領域と前記起動要求フ
ラグ領域とを検索し、レベル優先度の高いタスク
レベルに属する実行フラグ又は起動要求フラグに
対応するタスクの実行再開指令又は実行指令を出
力するものとし、同一タスクレベルの区画内に実
行フラグと起動要求フラグが共に立てられている
ときは、実行フラグにる中断中のタスクの実行再
開指令を出力し、同一タスクレベルの区画内に起
動要求フラグのみが2つ以上立てられているとき
はタスク優先度の高いタスクの実行指令を出力す
るタスクデイスパツチヤと、 前記タスクデイスパツチヤから出力されるタス
クの実行指令に応動して対応するタスクを前記メ
モリから読み出し、該タスクの内容に従つてエン
ジンの制御演算を実行し、前記タスクデイスパツ
チヤから出力される実行再開指令に応動して前記
退避されたタスクの実行を再開するタスク実行手
段とを備えてなるエンジン制御装置にある。 〔作用〕 このように構成されることから、各タスクの実
行はまず割込処理手段によりソフトタイマテーブ
ルの起動周期に基づき管理され、次にタスクデイ
スパツチヤにより起動周期に達したタスク相互間
で優先制御がなされることになる。したがつて、
起動周期に達していないタスクは同一のタスクレ
ベルに属していても実行されることがないことか
ら、不必要なタスクの実行をすることがなくなる
ばかりでなく、他の優先度の低いタスクにとつて
は優先割込みによる中断時間が短縮されることに
なる。そして、エンジンの制御機能等の要求に応
じて、自由にタスクの起動周期と優先制御を組立
てることができるので、きめ細かな効率のよい制
御を実現でき、これにより過渡状態の制御を高精
度化でき。 また、タスクレベル間では優先度に応じて実行
権を移行するが、同一タスクレベル内において
は、中断中のタスクが最も優先度が高いものとし
て優先制御するようにしたことからタスクの中断
回数等が低減される、これにより中断に伴う待避
処理時間が減るのでタスクの実行効率が高まるこ
とになり、さらに過渡状態等の制御精度を高める
ことになるのである。 〔実施例〕 以下、本発明を図面に示した実施例に基づき詳
細に説明する。 第1図にはエンジン系統全体の制御装置が示さ
れている。図において、吸入空気はエアクリーナ
2、スロツトルチヤンバ4、吸気管6を通り、シ
リンダ8へ供給される。シリンダ8で燃焼したガ
スは、シリンダ8から排気管10を通り、大気中
へ排出される。 スロツトルチヤンバ4には、燃料を噴射するた
めのインジエクタ12が設けられており、このイ
ンジエクタ12から噴出した燃料はスロツトルチ
ヤンバ4の空気通路内で霧化され、吸入空気と混
合して混合気を形成し、この混合気は吸気管6を
通つて、吸気弁20の開弁により、シリンダ8の
燃焼室へ供給される。 インジエクタ12の出口近傍には絞り弁14,
16が設けられている。絞り弁14は、アクセル
ペタルと機械的に連動するように構成され、運転
者により駆動される。一方、絞り弁16はダイヤ
フラム18により駆動されるように配置され、空
気流量が小の領域で全閉状態となり、空気流量が
増大するにつれてダイヤフラム18への負圧が増
大することにより絞り弁16は開き始め、吸入抵
抗の増大を抑止する。 スロツトルチヤンバ4の絞り弁14,16の上
流には空気通路22が設けられ、この空気通路2
2には熱線式空気流量計を構成する電気的発熱体
24が配設され、空気流速と発熱体の伝熱量との
関係から定まる空気流速に応じて変化する電気信
号が取り出される。発熱体24は空気通路22内
に設けられているので、シリンダ8のバツクフア
イア時に生じる高温ガスから保護されると共に、
吸入空気中のごみなどによつて汚染されることか
らも保護される。この空気通路22の出口はベン
チユリの最狭部近傍に開口され、その入口はベン
チユリの上流側に開口されている。 インジエクタ12に供給される燃料は、燃料タ
ンク30から、フユーエルポンプ32、フユーエ
ルダンパ34及びフイルタ36を介して燃圧レギ
ユレータ38へ供給される。一方、燃圧レギユレ
ータ38からはインジエクタ12へパイプ40を
介して加圧燃料が供給され、そのインジエクタ1
2から燃料が噴射される吸気管6の圧力と上記イ
ンジエクタ12への燃量圧の差が常に一定になる
ように、燃圧レギユレータ38から燃料タンク3
0へリターンパイプ42を介して燃料が戻される
ようになつている。 吸気弁20から吸入された混合気はピストン5
0により圧縮され、点火プラグ52によるスパー
クにより燃焼し、この燃焼は運動エネルギに変換
される。シリンダ8は冷却水54により冷却さ
れ、この冷却水の温度は水温センサ56により計
測され、この計測値はエンジン温度として利用さ
れる。点火プラグ52には点火コイル58より点
火タイミングに合わせて高電圧が供給される。 また、図示しないクランク軸にはエンジンの回
転に応じて基準クランク角毎におよび一定角度
(例えば0.5度)毎に基準角信号およびポジシヨン
信号を出すクランク角センサが設けられている。 このクランク角センサの出力、水温センサ56
の出力56A及び発熱体24からの電気信号はマ
イクロコンピユータなどからなる制御回路64に
入力され、制御回路64で演算処理され、この制
御回路64の出力によつてインジエクタ12及び
点火コイル58が駆動される。 以上の構成に基づき制御されるエンジン系統に
おいて、スロツトルチヤンバ4にはスロツトルの
絞り弁16を跨いで吸気管6に連通するバイパス
26が設けられ、このバイパス26には開閉制御
されるバイパスバルブ62が設けられている。こ
のバイパスバルブ62の駆動部には、前記制御回
路64の制御入力が供給され、開閉制御されるよ
うになつている。 このバイパスバルブ62は絞り弁16を迂回し
て設けられたバイパス26に臨ませられ、パルス
電流によつて開閉制御がなされる。このバイパス
バルブ62は弁のリフト量によりバイパス26の
断面積を変更するもので、このリフト量は制御回
路64の出力によつて駆動系が駆動され制御され
る。即ち、制御回路64においては駆動系の制御
のため開閉周期信号が発生され、駆動系はこの開
閉周期信号によつてバイパスバルブ62のリフト
量を調節するための制御信号をバイパスバルブ6
2の駆動部に付与するものである。 第2図は第1図の点火装置の説明図であり、増
幅器68を介してパワー・トランジスタ72へパ
ルス電流が供給され、この電流によりトランジス
タ72はONする。これによりバツテリ66より
点火コイル58へ一次コイル電流が流れる。この
パルス電流の立ち下がりでトランジスタ72は遮
断状態となり、点火コイル58の2次コイルに高
電圧を発生する。 この高電圧は配電器70を介してエンジンの各
シリンダにある点火プラグ52のそれぞれにエン
ジン回転に同期して高電圧を配電する。 第3図は排気ガス環流(以下EGRと記す)シ
ステムを説明するためもので、負圧源80の一定
負圧が制圧弁84を介して制御弁86へ加えてい
る。制圧弁84はトランジスタ90に加えられる
繰返しパルスのONデユーテイ比率に応じ、負圧
源の一定負圧を大気88へ開放に対する比率を制
御し、制御弁86への負圧の印加状態を制御す
る。従つて制御弁86へ加えられる負圧はトラン
ジスタ90のONデユーテイ比率で定まる。この
制圧弁84の制御負圧により排気管10から吸気
管6へのEGR量が制御される。 第4図は制御システムの全体構成図である。
CPU102とリード・オンリ・メモモリ104
(以下ROMと記す。)とランダム・アクセス・メ
モリ106(以下RAMと記す。)と入出力回路
108とから構成されている。上記CPU102
はROM104内に記憶された各種のプログラム
により、入出力回路108からの入力データを演
算し、その演算結果を再び入出力回路108へ戻
す。これらの演算に必要な中間的な記憶はRAM
106を使用する。CPU102,ROM104,
RAM106、入出力回路108間の各種データ
のやり取りはデータ・バスとコントロール・バス
とアドレス・バスからなるバスライン110によ
つて行われる。 入出力回路108には第1のアナログ・デイジ
タル・コンバータ(以下ADC1と記す)と第2の
アナログ・デイジタル・コンバータ(以下ADC2
と記す)と角度信号処理回路126と1ビツト情
報を入出力する為のデイスクリート入出力回路
(以下DIOと記す)との入力手段を持つ。 ADC1にはバツテリ電圧検出センサ132(以
下VBSと記す)と冷却水温センサ56(以下
TWSと記す)と大気温センサ112(以下TAS
と記す)と調整電圧発生器114(以下VRSと
記す)とスロツトル角センサ116(以下θTHS
と記す)とλセンサ118(以下λSと記す)と
の出力がマルチ・プレクサ120(以下MPX区
記す)に加えられ、MPX120によりこの内の
1つを選択してアナログ・デイジタル・変換回路
122(以下ADCと記す)へ入力する。ADC1
22の出力であるデイジタル値はレジスタ124
(以下REGと記す)に保持される。 また流量センサ24(以下AFSと記す)は
ADC2へ入力され、アナログ・デイジタル・変換
回路128(以下ADCと記す)を介してデイジ
タル変換されレジスタ130(以下REGと記す)
へセツトされる。 角度センサ146(以下ANGSと記す)から
は基準クランク角例えば180度クランク角を示す
信号(以下REFと記す)と微少角例えば1度ク
ランク角を示す信号(以下POSと記す)とが出
力され、角度信号処理回路126へ加えられ、こ
こで波形整形される。 DIOにはアイドル・スイツチ148(以下
IDLE−SWと記す)とトツプ・ギヤ・スイツチ
150(以下TOP−SWと記す)とスタータ・ス
イツチ152(以下START−SWと記す)とが
入力される。 次にCPUの演算結果に基づくパルス出力回路
および制御対象について説明する。インジエクタ
制御回路134(INJCと記す)は演算結果のデ
イジタル値をパルス出力に変換する回路である。
従つて燃料噴射量に相当したパルス幅を有するパ
ルスがINJC134で作られ、ANDゲート136
を介してインジエクタ12へ印加される。 点火パルス発生回路138(以下IGNCと記
す)は点火時期をセツトするレジスタ(ADVと
記す)と点火コイルの1次電流通電開始時間をセ
ツトするレジスタ(DWLと記す)とを有し、
CPUよりこれらデータがセツトされる。セツト
されたデータに基づいてパルスを発生し、第2図
に詳述した増幅器68へANDゲート140を介
してこのパルスを加える。 バイパスバルブ62の開弁率は制御回路(以下
ISCCと記す)142からANDゲート144を介
して加えられるパルスによつて制御される。
ISCC142はパルス幅をセツトするレジスタ
ISCDと繰返しパルス周期をセツトするレジスタ
ISCPとを持つている。 第3図に示したEGR制御弁86を制御するト
ランジスタ90を制御するEGR量制御パルス発
生回路154(以下EGRCと記す)にはパルスの
デユーテイを表わす値をセツトするレジスタ
EGRDとパルスの繰返し周期を表わす値をセツト
するレジスタEGRPとを有している。このEGRC
の出力パルスはANDゲート156を介してトラ
ンジスタ90に加えられる。 また1ビツトの入出力信号は回路DIOにより制
御される。入力信号としてはIDLE−SW信号、
TOP−SW信号、START−SW信号がある。ま
た出力信号としては燃料ポンプを駆動するための
パルス出力信号がある。このDIOは端子を入力端
子として使用するか、出力端子として使用するか
を決定するためのレジスタDDRと、出力データ
をラツチするためのレジスタDOUTとが設けら
れている。 レジスタ160は入出力回路108内部の色々
な状態を指令する命令を保持するレジスタ(以下
MODと記す)であり、例えばこのレジスタに命
令をセツトすることにより、ANDゲート136,
140,144,156を総てターンオンさせた
り、ターンオフさせたりする。このようにMOD
レジスタ160に命令をセツトすることにより、
INJCやIGNC,ISCCの出力の停止や起動を制御
できる。 第5図は第4図の制御回路のプログラムシステ
ムの基本構成を示す図である。 図においてイニシヤル処理プログラム202、
割込処理プログラム206、マクロ処理プログラ
ム228およびタスクデイスパツチヤ208はタ
スク群を管理するための管理プログラムである。
イニシヤル処理プログラム202はマイクロコン
ピユータを作動させるための前処理を行うための
プログラムであり例えば、RAM106の記憶内
容をクリアしたり入出力インターフエイス回路1
08のレジスタ類の初期値を設定したり、さらに
はエンジン制御を行うのに必要な前処理を行うた
めの入力情報例えば冷却水温Tw、バツテリー電
圧等のデータを取込むための処理を行う。また、
割込処理プログラム206は各種の割込みを受け
付け、その割込要因を分析し、タスク群210な
いし226の内の必要なタスクを起動させるため
の起動要求をタスクデイスパツチヤ208に出
す。割込要因には後述するごとく電源電圧、冷却
水温度等の入力情報をAD変換終了後に発出する
AD変換割込(ADC)、エンジン回転に同期して
発生するイニシヤル割込(INTL)、又設定され
た一定時間毎に、例えば10ms毎に発生するイン
ターパル割込(INTV)、更にはエンジンのスト
ツプ状態を検出し、発生するエンスト割込
(ENST)等がある。 タスク群210乃至226の各タスクには優先
順位を表わすタスク番号が割り当てられており、
各タスクはタスクレベル0乃至2の何れかのタス
クレベルに属する。即ち、タスク0乃至タスク2
はタスクレベル0に、タスク3乃至タスク5はタ
スクレベル1に、更にタスク6乃至タスク8はタ
スクレベル2に各々属する。 タスクデイスパツチヤ208は前記各種割込の
起動要求を受け付けこれらの起動要求に対応する
各種タクスに付けられた優先順位に基づきCPU
の占有時間を割り当てる。 ここでタスクデイスパツチヤ208によるタス
クの優先制御は下記の方法に拠る。(1)優先度の低
いタスクを中断し、優先度の高いタスクへの実行
権の移行はタスクレベル間のみで行う。なおここ
ではレベル0が最も優先度が高いものとする。(2)
同じタスクレベル内で、現在実行中又は中断中の
タスクがある場合は、該タスクが最も優先度が高
く該タスクが終了するまで他のタスクは動作でき
ない。(3)同じタスクレベル内で複数のタスクに起
動要求がある場合には、タスク番号が小さい程優
先度が高いものとする。タスクデイスパツチヤ2
08の処理内容は後述するが本発明では上記優先
制御を行うためにタスク単位にRAMにソフトタ
イマを設け、又タスクレベル単位にタスクを管理
する制御ブロツクをRAM中に設定するように構
成している。そして上記各タスクの実行終了毎に
そのタスクの実行終了報告をマクロ処理プログラ
ム228によりタスクデイスパツチヤ208に行
うようにしている。 次にタスクデイスパツチヤ208の処理内容に
ついて第6図乃至第12図に基づき説明する。第
6図はタスクデイスパツチヤ208の管理する
RAMに設けられたタスク制御ブロツクが示され
ている。このタスク制御ブロツクがタスクレベル
の教だけ設けられており本実施例ではタスクレベ
ル0乃至2の3つ設けられている。各制御ブロツ
クには各々8ビツトが割り当てられ、その内0乃
至2ビツト目(Q0〜Q2)までが起動要求タスク
表示を行う起動ビツトであり、7ビツト目Rが同
一タスクレベル中の何れかのタスクが現在実行中
であるか又は中断中であるかを示す実行ビツトを
表わす。そして前記起動ビツトQ0乃至Q2はそれ
ぞれ各タスクレベル中で実行優先度の高い順に配
列されており、例えば第5図中でタスク4に該当
する起動ビツトはタスクレベル1のQ1である。
ここでタスクの起動要求があつた場合には起動ビ
ツトの何れかにフラグが立てられ、一方タスクデ
イスパツチヤ208は出された起動要求を高いレ
ベルのタスクに該当する起動ビツトより順に検索
し、出された起動要求に該当するフラグをリセツ
トすると共に実行ビツトにフラグ1を立て、該当
タスクを起動させるための処理を行う。 第7図はタスクデイスパツチヤ208の管理す
るRAM106に設けられたスタートアドレステ
ーブルである。スタートアドレスSAO乃至SA8
は第5図に示したタスク群210乃至226の各
タスク0乃至8に該当するスタートアドレスを示
す。各スタートアドレス情報には16ビツトが割り
当てられ、これらのスタートアドレス情報は後述
する如くタスクデイスパツチヤ208により起動
要求のあつた該当タスクを起動するのに使用され
る。 次に第8図乃至第9図にタスクデイスパツチヤ
の処理フローを示す。第8図に於いてステツプ3
00でタスクデイスパツチヤの処理が開始される
とステツプ302でタスクレベルlに属するタス
クが実行中断中か否かが判断される。即ち、実行
ビツトに1が立つていたらマクロ処理プログラム
228により未だタスク終了報告がタスクデイス
パツチヤ208に出されていない状態であり、実
行中だつたタスクがより優先レベルが高い割込み
が生じたために中断させられている状態を示す。
従つて、実行ビツトにフラグ1が立つていたらス
テツプ314にジヤンプし、中断タスクを再開す
る。 一方、実行ビツトにフラグ1が立つていない即
ち実行表示フラグがリセツトされている場合には
ステツプ304に移行し、レベルlに起動待ちタ
スクがあるか否かが判断される。即ち、レベルl
の起動ビツトを対応するタスクの実行優先度の高
い順、即ちQ0,Q1,Q2の順に検索する。タスク
レベルlに属する起動ビツトにフラグ1が立つて
いない場合はステツプ306に移行し、タスクレ
ベルの更新が行われる。即ちタスクレベルlは+
1インクリメントされl+1とする。ステツプ3
06でタスクレベルの更新が行われるとステツプ
308に移行しタスクレベルの全レベルがチエツ
クされたか否かが判断される。全レベルのチエツ
クが行われていない、即ちl=2でない場合には
ステツプ302に戻り同様に上記手順で処理が行
われる。ステツプ308でタスクレベルの全レベ
ルがチエツクされている場合にはステツプ310
に移行し、割込み解除が行われる。即ち、ステツ
プ302乃至ステツプ308までの処理期間中は
割込みを禁止しているのでこのステツプで割込み
解除が為される。そして次のステツプ312で次
の割込みを待つ。 次に前記ステツプ304でタスクレベルlに起
動待ちタスクがある場合、即ちタスクレベルlに
属する起動ビツトにフラグ1が立つている場合に
はステツプ400に移行する。ステツプ400及
び402のループでタスクレベルlのどの起動ビ
ツトにフラグ1が立つているか対応する優先実行
度の高いレベルの順に即ちQ0,Q1,Q2の順で検
索する。該当する起動ビツトを割出したらステツ
プ404に移行し、ステツプ404ではそのフラ
グの立つている起動ビツトをリセツトし、その該
当タスクレベルlの実行ビツト(以下Rビツト)
にフラグ1を立てる。更にステツプ406では起
動タスク番号の割出しを行いステツプ408で第
7図に示したRAMに設けられたスタートアドレ
ステーブルにより該当する起動タスクのスタート
アドレス情報を取り出す。 次にステツプ410では該当起動タスクを実行
するか否かの判断が行われる。ここでは取り出し
たスタートアドレス情報が特定の値例えば0であ
れば該当タスクの実行は行わなくてもよいと判断
される。この判断ステツプはエンジン制御を行う
前記タスク群の内容車種により選択的に特定のタ
スクのみの機能を持たせるのに必要なものであ
る。ステツプ410で該当タスクの実行が停止で
あると判断された場合にはステツプ414に移行
し、該当タスクレベルlのRビツトをリセツトす
る。そして更にテツプ302に戻りタスクレベル
lは中断中であるか否かが判断される。これは同
一タスクレベルl中に複数の起動ビツトにフラグ
が立つている場合があり得るのでステツプ414
でRビツトをリセツトした後ステツプ302に移
行するように構成されている。 一方ステツプ410で該当タスクの実行が停止
でない場合即ち実行する場合にはステツプ412
へ移行し該当タスクへジヤンプし、タスクの実行
が行われる。 次に第10図はマクロ処理プログラム228の
処理フローを示す図である。このプログラムは終
了タスクを見つけるためのステツプ562と56
4から成る。このステツプ562と564で先ず
タスクレベルの0より検索し終了したタスクレベ
ルを見つける。これによりステツプ568へ進み
ここで終了したタスクのタスク制御ブロツクの7
ビツト目の実行(RUN)フラグをリセツトする。
これによりそのタスクの実行が完全に終わつた事
になる。そして再びタスクデイスパツチヤ208
に戻り次の実行タスクが決定される。 次にタスクデイスパツチヤ208によりタスク
優先制御が行われる場合のタスクの実行と中断の
様子を第11図に基づき説明する。ここで起動要
求Nmnに於けるmはタスクレベルを表わし、n
はタスクレベルm中に於ける優先度の順位を表わ
すものとする。今CPUは管理プログラムOSを実
行していたとすると、この管理プログラムOSの
実行中に起動要求N21が発生した場合には時刻T1
で起動要求N21に該当するタスク、即ちタスク6
の実行が開始される。ここでタスク6の実行中に
時刻T2でより実行優先度の高いタスクの起動要
求N01が生じた場合には管理プログラムOSに実
行が移り既に述べた所定の処理を行つた後に時刻
T3で起動要求N01に該当するタスク、即ちタスク
0の実行が開好される。このタスク0の実行中に
更に時刻T4で起動要求N11が入つた場合には一
旦、管硫プログラムOSに実行が移り所定の処理
が行われた後再び時刻T5で中断されていたタス
ク0の実行が再開される。そしてタスク0の実行
が時刻T6で終了すると再び管理プログラムOSに
実行が移りここでマクロ処理プログラム228に
よりタスクデイスパツチヤ208へタスク0の実
行終了報告がなされ時刻T7で再び起動待ちにな
つていた起動要求N11に該当するタスク3の実行
が開始される。このタスク3の実行中時刻T8で
同じタスクレベル1のより優先度の低い起動要求
N12が入つた場合にはタスク3の実行は一旦中断
され実行は管理プログラムOSに移り所定の処理
が為された後、時刻T9でタスク3の実行が再開
される。そして時刻T10でタスク3の実行が終了
するとCPUの実行は管理プログラムOSに移り前
記マクロ処理プログラム228によりタスクデイ
スパツチヤ208へタスク3の実行終了報告が為
され、次いで時刻T11でより優先レベルの低い起
動要求N12に該当するタスク4の実行が開始さ
れ、時刻T12でタスク4の実行が終了すると実行
は管理プログラムOSに移り所定の処理が為され
た後、今まで中断されていた起動要求N21に該当
するタスク6の実行が時刻T13から再開される。 以上の様にしてタスクの優先制御が行われる。 タスクの優先制御に於ける状態遷移を第12図
に示す。Idle状態は起動待ちの状態であり、タス
クにまだ起動要求が出されていない。次に起動要
求が出されるとタスク制御ブロツクの起動ビツト
にフラグが立ち、起動が必要ということが表示さ
れる。Idle状態からQueue状態へ移動する時間は
各タスクのレベルにより定まつている。更に
Queue状態になつても実行される順序は優先度に
より定まる。そのタスクが実行状態に入るのは管
理プログラムOSの内のタスクデイスパツチヤ2
08でタスク制御ブロツクの起動ビツトのフラグ
がリセツトされ、Rビツト(7ビツト目)にフラ
グが立つてからである。これによりタスクの実行
が始められる。この状態がRUN状態である。そ
して実行が終るとタスク制御ブロツクのRビツト
のフラグがクリアされ、終了報告を終了する。こ
れによりRUN状態は終り、再びIdel状態となり
次の起動要求が出るのを待つ。しかし、タスクの
実行中即ちRUN中に割込みIRQが発生すると、
そのタスクは実行を中断しなければならない。こ
のためCPUの内容が待避され、実行が中断する。
この状態がReady状態である。次にこのタスクが
再び実行される状態になると待避エリアより、待
避していた内容を再びCPUへ戻し、実行が再開
される。つまりReady状態から再びRUN状態へ
戻る。この様に各レベルプログラムは第12図の
4つの状態を繰り返す。第12図は代表的な流れ
であるがReady状態でタスク制御ブロツクの起動
ビツトにフラグが立つ可能性がある。これは例え
ば起動中断中にそのタスクの次の起動要求タイミ
ングになつてしまつた場合である。この時にはR
ビツトのフラグが優先されて先ず、中断中のタス
クを終了させる。これによりRビツトのフラグが
消え、起動ビツトのフラグによりIdle状態を通ら
ずにQueue状態となる。 この様にタスク0〜8は各々第12図の何れか
の状態にある。 次に第13図は第5図のプログラムシステムの
具体的実施例を示している。図に於いて管理プロ
グラムOSはイニシヤル処理プログラム202、
割込み処理プログラム206、タスクデイスパツ
チヤ208及びマクロ処理プログラム228より
成る。 割込み処理プログラム206には各種の割込み
処理プログラムがあり、イニシヤル割込み処理
(以下INTL割込み処理という)602はエンジ
ン回転に同期して発生するイニシヤル割込み信号
によつて、エンジン1回転当たりエンジン気筒数
の半分、即ち4気筒なら2回イニシヤル割込みが
発生する。このイニシヤル割込みによつてEGIタ
スク612で計算した燃料の噴射時間を入出力イ
ンターフエイス回路108のEGIレジスタに設定
する。AD変換割込み処理604は2種類あり1
つはAD変換器1割込み(以下ADC1と略す)及
びAD変換器2割込み(以下ADC2と略す)であ
る。AD変換器1は8ビツトの精度を有し、電源
電圧、冷却水温度、吸気温度及び使用調整などの
入力に用いられ、マルチプレクサー120に対す
る入力ポイントの指定を行うと同時に変換を開始
し、変換終了後にADC1割込みを発生する。なお
本割込みはクランキング前にのみ使用する。又
AD変換器128は空気流量の入力に用いられ変
換終了後にADC2割込みを発生する。なお、本割
込みもクランキング前にのみ使用する。 次にインターパル割込み処理プログラム(以下
INTV割込み処理プログラムと示す。)606で
はINTV割込み信号はINTVレジスタに設定した
時間例えば10ms毎に発生し、一定周期で起動す
べきタスクの時間監視用基本信号として用いられ
る。本割込み信号によつて、ソフトタイマの更新
を行い、規定周期に達したタスクを起動する。更
にエンスト割込み処理プログラム(以下ENST割
込み処理プログラムと記す。)608ではエンジ
ンのストツプ状態を検出するもので、INTL割込
み信号を検出すると、計数を開始し所定時間例え
ば1秒以内に次のINTL割込み信号を検出できな
かつた時、ENST割込みが発生する。そして
ENST割込みが3回、例えば3秒経過しても
INTL割込信号が検出できなかつた場合にエンス
トが起つたものと判断し点火コイルへの通電及び
燃料ポンプの停止を行う。これらの処理の後スタ
ータスイツチ152がオンするまで待機する。上
記割込み要因に対する処理概要を表1に示す。
に具体的にはマイクロコンピユータを使用したエ
ンジン制御装置に関する。 〔従来の技術〕 最近ではマイクロコンピユータによりエンジン
の総合的制御を行うことが実施されつつある。マ
イクロコンピユータによりエンジンの総合的制御
を高精度で行うにはソフトウエアとしてはエンジ
ンの運転状況に応じて複数の、起動周期の異なる
プログラム(以下、タスクという。)群の起動、
停止の管理が十分に行われるように構成されるこ
とが要請される。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら現在の処、上記のようなマイクロ
コンピユータによるエンジンの総合的制御を行う
ものにおいては上記タスク群の管理は粗雑なもの
であり、特にエンジンの過渡的運転状態、即ちエ
ンジン始動時、アイドル時または加速運転時には
円滑なタスクの引き継ぎを行うことが不可能であ
る為に自動車において要請される、例えば排気ガ
ス対策等に合致したエンジン制御が行われない欠
点がある。 また、タスクの優先制御にあつても、特開昭54
−58116公報等に提案されているように、タスク
を優先度に基づいて複数のタスクレベル(優先レ
ベル)に分類し、割込優先制御はタスクレベル単
位で一律に行なうようにしている。しかし、この
方法によれば、1つのタスクレベルに属する複数
のタスクが一括して実行されることになるので、
例えば起動周期が異なるタスクを同一のタスクレ
ベルに含ませることができない。このため、エン
ジンの制御特性に応じて要求される各タスクの起
動周期と優先度にそれぞれ対応させたきめ細かな
タスク管理ができないという問題があつた。 また、特開昭53−40105号公報又は特開昭50−
128429号公報にも、タスクを優先度に基づいて複
数のタスクレベル(優先レベル、以下レベル優先
度という)に分類し、割込優先制御はタスクレベ
ル単位で一律に行なうようにすることが提案され
ている。しかし、同一のレベル優先度に属する複
数のタスク間の優先割込みをどのように行なうか
についての記載はない。したがつて、従来と同様
に、単にタスク間で定められた優先度(タスク優
先度)に従つて優先制御するとすれば、同一タス
クレベルに属するタスクの優先度の高いタスクの
起動要求が次々と発生すると、タスク優先度の低
い中断タスクはなかなか実行再開されないので、
実行効率が低下し、エンジン制御の高速応答性が
損われて、過渡状態等の制御精度が低下するおそ
れがある。 本発明の目的は、エンジンの制御機能から要求
される各タスクの実行を、タスクの起動周期と優
先度とにそれぞれ対応させて優先制御を行なえる
構成とし、エンジンの過渡的運転状態における高
精度のエンジン制御を可能とするエンジン制御装
置を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、上記目的を達成するため、 入力されるインターバル割込要求を含む複数の
割込要求をそれぞれ一旦蓄積する手段と、該手段
の出力端に設けられ与えられる割込禁止指令に応
じて前記割込要求の発生を阻止するゲート手段と
を有してなる割込要求発生手段と、 エンジンの制御機能毎に対応させてそれぞれ所
定の起動周期とタスク優先度とが設定され、かつ
予めレベル優先度が定められた複数のタスクレベ
ルに区分してなる複数のタスクを格納するメモリ
と、 前記各タスクレベルに対応させて区画され、当
該タスクレベルに属するタスクが実行又は中断さ
れていることを表すフラグが立てられる複数の実
行フラグ領域と、前記各タスクレベル毎に当該タ
スクレベルに属する複数のタスクに対応させてか
つタスク優先度の順に配列させて区画され、各タ
スクの起動要求フラグが立てられる複数の起動要
求フラグ領域とを有してなるタスク制御テーブル
と、 前記割込要求発生手段から出力されるインター
バル割込要求に基づいて計数された前記各タスス
クの起動周期に係る経過時間テーブルが格納され
るソフトタイマーテーブルと、 前記割込要求発生手段から出力されるインター
バル割込要求に応動して実行中のタスクの実行を
中断させて退避させるとともに、前記ソフトタイ
マテーブルの経過時間データの計数動作を行い、
該計数動作の内容により各タスクが起動周期に達
したか否かを判定し、起動周期に達したタスクの
起動要求を示すフラグを前記タスク制御テーブル
の起動要求フラグ領域の当該タスクに対応する領
域に立てる割込処理手段と、 前記タスク制御テーブルの前記レベル優先度が
高い順から前記実行フラグ領域と前記起動要求フ
ラグ領域とを検索し、レベル優先度の高いタスク
レベルに属する実行フラグ又は起動要求フラグに
対応するタスクの実行再開指令又は実行指令を出
力するものとし、同一タスクレベルの区画内に実
行フラグと起動要求フラグが共に立てられている
ときは、実行フラグにる中断中のタスクの実行再
開指令を出力し、同一タスクレベルの区画内に起
動要求フラグのみが2つ以上立てられているとき
はタスク優先度の高いタスクの実行指令を出力す
るタスクデイスパツチヤと、 前記タスクデイスパツチヤから出力されるタス
クの実行指令に応動して対応するタスクを前記メ
モリから読み出し、該タスクの内容に従つてエン
ジンの制御演算を実行し、前記タスクデイスパツ
チヤから出力される実行再開指令に応動して前記
退避されたタスクの実行を再開するタスク実行手
段とを備えてなるエンジン制御装置にある。 〔作用〕 このように構成されることから、各タスクの実
行はまず割込処理手段によりソフトタイマテーブ
ルの起動周期に基づき管理され、次にタスクデイ
スパツチヤにより起動周期に達したタスク相互間
で優先制御がなされることになる。したがつて、
起動周期に達していないタスクは同一のタスクレ
ベルに属していても実行されることがないことか
ら、不必要なタスクの実行をすることがなくなる
ばかりでなく、他の優先度の低いタスクにとつて
は優先割込みによる中断時間が短縮されることに
なる。そして、エンジンの制御機能等の要求に応
じて、自由にタスクの起動周期と優先制御を組立
てることができるので、きめ細かな効率のよい制
御を実現でき、これにより過渡状態の制御を高精
度化でき。 また、タスクレベル間では優先度に応じて実行
権を移行するが、同一タスクレベル内において
は、中断中のタスクが最も優先度が高いものとし
て優先制御するようにしたことからタスクの中断
回数等が低減される、これにより中断に伴う待避
処理時間が減るのでタスクの実行効率が高まるこ
とになり、さらに過渡状態等の制御精度を高める
ことになるのである。 〔実施例〕 以下、本発明を図面に示した実施例に基づき詳
細に説明する。 第1図にはエンジン系統全体の制御装置が示さ
れている。図において、吸入空気はエアクリーナ
2、スロツトルチヤンバ4、吸気管6を通り、シ
リンダ8へ供給される。シリンダ8で燃焼したガ
スは、シリンダ8から排気管10を通り、大気中
へ排出される。 スロツトルチヤンバ4には、燃料を噴射するた
めのインジエクタ12が設けられており、このイ
ンジエクタ12から噴出した燃料はスロツトルチ
ヤンバ4の空気通路内で霧化され、吸入空気と混
合して混合気を形成し、この混合気は吸気管6を
通つて、吸気弁20の開弁により、シリンダ8の
燃焼室へ供給される。 インジエクタ12の出口近傍には絞り弁14,
16が設けられている。絞り弁14は、アクセル
ペタルと機械的に連動するように構成され、運転
者により駆動される。一方、絞り弁16はダイヤ
フラム18により駆動されるように配置され、空
気流量が小の領域で全閉状態となり、空気流量が
増大するにつれてダイヤフラム18への負圧が増
大することにより絞り弁16は開き始め、吸入抵
抗の増大を抑止する。 スロツトルチヤンバ4の絞り弁14,16の上
流には空気通路22が設けられ、この空気通路2
2には熱線式空気流量計を構成する電気的発熱体
24が配設され、空気流速と発熱体の伝熱量との
関係から定まる空気流速に応じて変化する電気信
号が取り出される。発熱体24は空気通路22内
に設けられているので、シリンダ8のバツクフア
イア時に生じる高温ガスから保護されると共に、
吸入空気中のごみなどによつて汚染されることか
らも保護される。この空気通路22の出口はベン
チユリの最狭部近傍に開口され、その入口はベン
チユリの上流側に開口されている。 インジエクタ12に供給される燃料は、燃料タ
ンク30から、フユーエルポンプ32、フユーエ
ルダンパ34及びフイルタ36を介して燃圧レギ
ユレータ38へ供給される。一方、燃圧レギユレ
ータ38からはインジエクタ12へパイプ40を
介して加圧燃料が供給され、そのインジエクタ1
2から燃料が噴射される吸気管6の圧力と上記イ
ンジエクタ12への燃量圧の差が常に一定になる
ように、燃圧レギユレータ38から燃料タンク3
0へリターンパイプ42を介して燃料が戻される
ようになつている。 吸気弁20から吸入された混合気はピストン5
0により圧縮され、点火プラグ52によるスパー
クにより燃焼し、この燃焼は運動エネルギに変換
される。シリンダ8は冷却水54により冷却さ
れ、この冷却水の温度は水温センサ56により計
測され、この計測値はエンジン温度として利用さ
れる。点火プラグ52には点火コイル58より点
火タイミングに合わせて高電圧が供給される。 また、図示しないクランク軸にはエンジンの回
転に応じて基準クランク角毎におよび一定角度
(例えば0.5度)毎に基準角信号およびポジシヨン
信号を出すクランク角センサが設けられている。 このクランク角センサの出力、水温センサ56
の出力56A及び発熱体24からの電気信号はマ
イクロコンピユータなどからなる制御回路64に
入力され、制御回路64で演算処理され、この制
御回路64の出力によつてインジエクタ12及び
点火コイル58が駆動される。 以上の構成に基づき制御されるエンジン系統に
おいて、スロツトルチヤンバ4にはスロツトルの
絞り弁16を跨いで吸気管6に連通するバイパス
26が設けられ、このバイパス26には開閉制御
されるバイパスバルブ62が設けられている。こ
のバイパスバルブ62の駆動部には、前記制御回
路64の制御入力が供給され、開閉制御されるよ
うになつている。 このバイパスバルブ62は絞り弁16を迂回し
て設けられたバイパス26に臨ませられ、パルス
電流によつて開閉制御がなされる。このバイパス
バルブ62は弁のリフト量によりバイパス26の
断面積を変更するもので、このリフト量は制御回
路64の出力によつて駆動系が駆動され制御され
る。即ち、制御回路64においては駆動系の制御
のため開閉周期信号が発生され、駆動系はこの開
閉周期信号によつてバイパスバルブ62のリフト
量を調節するための制御信号をバイパスバルブ6
2の駆動部に付与するものである。 第2図は第1図の点火装置の説明図であり、増
幅器68を介してパワー・トランジスタ72へパ
ルス電流が供給され、この電流によりトランジス
タ72はONする。これによりバツテリ66より
点火コイル58へ一次コイル電流が流れる。この
パルス電流の立ち下がりでトランジスタ72は遮
断状態となり、点火コイル58の2次コイルに高
電圧を発生する。 この高電圧は配電器70を介してエンジンの各
シリンダにある点火プラグ52のそれぞれにエン
ジン回転に同期して高電圧を配電する。 第3図は排気ガス環流(以下EGRと記す)シ
ステムを説明するためもので、負圧源80の一定
負圧が制圧弁84を介して制御弁86へ加えてい
る。制圧弁84はトランジスタ90に加えられる
繰返しパルスのONデユーテイ比率に応じ、負圧
源の一定負圧を大気88へ開放に対する比率を制
御し、制御弁86への負圧の印加状態を制御す
る。従つて制御弁86へ加えられる負圧はトラン
ジスタ90のONデユーテイ比率で定まる。この
制圧弁84の制御負圧により排気管10から吸気
管6へのEGR量が制御される。 第4図は制御システムの全体構成図である。
CPU102とリード・オンリ・メモモリ104
(以下ROMと記す。)とランダム・アクセス・メ
モリ106(以下RAMと記す。)と入出力回路
108とから構成されている。上記CPU102
はROM104内に記憶された各種のプログラム
により、入出力回路108からの入力データを演
算し、その演算結果を再び入出力回路108へ戻
す。これらの演算に必要な中間的な記憶はRAM
106を使用する。CPU102,ROM104,
RAM106、入出力回路108間の各種データ
のやり取りはデータ・バスとコントロール・バス
とアドレス・バスからなるバスライン110によ
つて行われる。 入出力回路108には第1のアナログ・デイジ
タル・コンバータ(以下ADC1と記す)と第2の
アナログ・デイジタル・コンバータ(以下ADC2
と記す)と角度信号処理回路126と1ビツト情
報を入出力する為のデイスクリート入出力回路
(以下DIOと記す)との入力手段を持つ。 ADC1にはバツテリ電圧検出センサ132(以
下VBSと記す)と冷却水温センサ56(以下
TWSと記す)と大気温センサ112(以下TAS
と記す)と調整電圧発生器114(以下VRSと
記す)とスロツトル角センサ116(以下θTHS
と記す)とλセンサ118(以下λSと記す)と
の出力がマルチ・プレクサ120(以下MPX区
記す)に加えられ、MPX120によりこの内の
1つを選択してアナログ・デイジタル・変換回路
122(以下ADCと記す)へ入力する。ADC1
22の出力であるデイジタル値はレジスタ124
(以下REGと記す)に保持される。 また流量センサ24(以下AFSと記す)は
ADC2へ入力され、アナログ・デイジタル・変換
回路128(以下ADCと記す)を介してデイジ
タル変換されレジスタ130(以下REGと記す)
へセツトされる。 角度センサ146(以下ANGSと記す)から
は基準クランク角例えば180度クランク角を示す
信号(以下REFと記す)と微少角例えば1度ク
ランク角を示す信号(以下POSと記す)とが出
力され、角度信号処理回路126へ加えられ、こ
こで波形整形される。 DIOにはアイドル・スイツチ148(以下
IDLE−SWと記す)とトツプ・ギヤ・スイツチ
150(以下TOP−SWと記す)とスタータ・ス
イツチ152(以下START−SWと記す)とが
入力される。 次にCPUの演算結果に基づくパルス出力回路
および制御対象について説明する。インジエクタ
制御回路134(INJCと記す)は演算結果のデ
イジタル値をパルス出力に変換する回路である。
従つて燃料噴射量に相当したパルス幅を有するパ
ルスがINJC134で作られ、ANDゲート136
を介してインジエクタ12へ印加される。 点火パルス発生回路138(以下IGNCと記
す)は点火時期をセツトするレジスタ(ADVと
記す)と点火コイルの1次電流通電開始時間をセ
ツトするレジスタ(DWLと記す)とを有し、
CPUよりこれらデータがセツトされる。セツト
されたデータに基づいてパルスを発生し、第2図
に詳述した増幅器68へANDゲート140を介
してこのパルスを加える。 バイパスバルブ62の開弁率は制御回路(以下
ISCCと記す)142からANDゲート144を介
して加えられるパルスによつて制御される。
ISCC142はパルス幅をセツトするレジスタ
ISCDと繰返しパルス周期をセツトするレジスタ
ISCPとを持つている。 第3図に示したEGR制御弁86を制御するト
ランジスタ90を制御するEGR量制御パルス発
生回路154(以下EGRCと記す)にはパルスの
デユーテイを表わす値をセツトするレジスタ
EGRDとパルスの繰返し周期を表わす値をセツト
するレジスタEGRPとを有している。このEGRC
の出力パルスはANDゲート156を介してトラ
ンジスタ90に加えられる。 また1ビツトの入出力信号は回路DIOにより制
御される。入力信号としてはIDLE−SW信号、
TOP−SW信号、START−SW信号がある。ま
た出力信号としては燃料ポンプを駆動するための
パルス出力信号がある。このDIOは端子を入力端
子として使用するか、出力端子として使用するか
を決定するためのレジスタDDRと、出力データ
をラツチするためのレジスタDOUTとが設けら
れている。 レジスタ160は入出力回路108内部の色々
な状態を指令する命令を保持するレジスタ(以下
MODと記す)であり、例えばこのレジスタに命
令をセツトすることにより、ANDゲート136,
140,144,156を総てターンオンさせた
り、ターンオフさせたりする。このようにMOD
レジスタ160に命令をセツトすることにより、
INJCやIGNC,ISCCの出力の停止や起動を制御
できる。 第5図は第4図の制御回路のプログラムシステ
ムの基本構成を示す図である。 図においてイニシヤル処理プログラム202、
割込処理プログラム206、マクロ処理プログラ
ム228およびタスクデイスパツチヤ208はタ
スク群を管理するための管理プログラムである。
イニシヤル処理プログラム202はマイクロコン
ピユータを作動させるための前処理を行うための
プログラムであり例えば、RAM106の記憶内
容をクリアしたり入出力インターフエイス回路1
08のレジスタ類の初期値を設定したり、さらに
はエンジン制御を行うのに必要な前処理を行うた
めの入力情報例えば冷却水温Tw、バツテリー電
圧等のデータを取込むための処理を行う。また、
割込処理プログラム206は各種の割込みを受け
付け、その割込要因を分析し、タスク群210な
いし226の内の必要なタスクを起動させるため
の起動要求をタスクデイスパツチヤ208に出
す。割込要因には後述するごとく電源電圧、冷却
水温度等の入力情報をAD変換終了後に発出する
AD変換割込(ADC)、エンジン回転に同期して
発生するイニシヤル割込(INTL)、又設定され
た一定時間毎に、例えば10ms毎に発生するイン
ターパル割込(INTV)、更にはエンジンのスト
ツプ状態を検出し、発生するエンスト割込
(ENST)等がある。 タスク群210乃至226の各タスクには優先
順位を表わすタスク番号が割り当てられており、
各タスクはタスクレベル0乃至2の何れかのタス
クレベルに属する。即ち、タスク0乃至タスク2
はタスクレベル0に、タスク3乃至タスク5はタ
スクレベル1に、更にタスク6乃至タスク8はタ
スクレベル2に各々属する。 タスクデイスパツチヤ208は前記各種割込の
起動要求を受け付けこれらの起動要求に対応する
各種タクスに付けられた優先順位に基づきCPU
の占有時間を割り当てる。 ここでタスクデイスパツチヤ208によるタス
クの優先制御は下記の方法に拠る。(1)優先度の低
いタスクを中断し、優先度の高いタスクへの実行
権の移行はタスクレベル間のみで行う。なおここ
ではレベル0が最も優先度が高いものとする。(2)
同じタスクレベル内で、現在実行中又は中断中の
タスクがある場合は、該タスクが最も優先度が高
く該タスクが終了するまで他のタスクは動作でき
ない。(3)同じタスクレベル内で複数のタスクに起
動要求がある場合には、タスク番号が小さい程優
先度が高いものとする。タスクデイスパツチヤ2
08の処理内容は後述するが本発明では上記優先
制御を行うためにタスク単位にRAMにソフトタ
イマを設け、又タスクレベル単位にタスクを管理
する制御ブロツクをRAM中に設定するように構
成している。そして上記各タスクの実行終了毎に
そのタスクの実行終了報告をマクロ処理プログラ
ム228によりタスクデイスパツチヤ208に行
うようにしている。 次にタスクデイスパツチヤ208の処理内容に
ついて第6図乃至第12図に基づき説明する。第
6図はタスクデイスパツチヤ208の管理する
RAMに設けられたタスク制御ブロツクが示され
ている。このタスク制御ブロツクがタスクレベル
の教だけ設けられており本実施例ではタスクレベ
ル0乃至2の3つ設けられている。各制御ブロツ
クには各々8ビツトが割り当てられ、その内0乃
至2ビツト目(Q0〜Q2)までが起動要求タスク
表示を行う起動ビツトであり、7ビツト目Rが同
一タスクレベル中の何れかのタスクが現在実行中
であるか又は中断中であるかを示す実行ビツトを
表わす。そして前記起動ビツトQ0乃至Q2はそれ
ぞれ各タスクレベル中で実行優先度の高い順に配
列されており、例えば第5図中でタスク4に該当
する起動ビツトはタスクレベル1のQ1である。
ここでタスクの起動要求があつた場合には起動ビ
ツトの何れかにフラグが立てられ、一方タスクデ
イスパツチヤ208は出された起動要求を高いレ
ベルのタスクに該当する起動ビツトより順に検索
し、出された起動要求に該当するフラグをリセツ
トすると共に実行ビツトにフラグ1を立て、該当
タスクを起動させるための処理を行う。 第7図はタスクデイスパツチヤ208の管理す
るRAM106に設けられたスタートアドレステ
ーブルである。スタートアドレスSAO乃至SA8
は第5図に示したタスク群210乃至226の各
タスク0乃至8に該当するスタートアドレスを示
す。各スタートアドレス情報には16ビツトが割り
当てられ、これらのスタートアドレス情報は後述
する如くタスクデイスパツチヤ208により起動
要求のあつた該当タスクを起動するのに使用され
る。 次に第8図乃至第9図にタスクデイスパツチヤ
の処理フローを示す。第8図に於いてステツプ3
00でタスクデイスパツチヤの処理が開始される
とステツプ302でタスクレベルlに属するタス
クが実行中断中か否かが判断される。即ち、実行
ビツトに1が立つていたらマクロ処理プログラム
228により未だタスク終了報告がタスクデイス
パツチヤ208に出されていない状態であり、実
行中だつたタスクがより優先レベルが高い割込み
が生じたために中断させられている状態を示す。
従つて、実行ビツトにフラグ1が立つていたらス
テツプ314にジヤンプし、中断タスクを再開す
る。 一方、実行ビツトにフラグ1が立つていない即
ち実行表示フラグがリセツトされている場合には
ステツプ304に移行し、レベルlに起動待ちタ
スクがあるか否かが判断される。即ち、レベルl
の起動ビツトを対応するタスクの実行優先度の高
い順、即ちQ0,Q1,Q2の順に検索する。タスク
レベルlに属する起動ビツトにフラグ1が立つて
いない場合はステツプ306に移行し、タスクレ
ベルの更新が行われる。即ちタスクレベルlは+
1インクリメントされl+1とする。ステツプ3
06でタスクレベルの更新が行われるとステツプ
308に移行しタスクレベルの全レベルがチエツ
クされたか否かが判断される。全レベルのチエツ
クが行われていない、即ちl=2でない場合には
ステツプ302に戻り同様に上記手順で処理が行
われる。ステツプ308でタスクレベルの全レベ
ルがチエツクされている場合にはステツプ310
に移行し、割込み解除が行われる。即ち、ステツ
プ302乃至ステツプ308までの処理期間中は
割込みを禁止しているのでこのステツプで割込み
解除が為される。そして次のステツプ312で次
の割込みを待つ。 次に前記ステツプ304でタスクレベルlに起
動待ちタスクがある場合、即ちタスクレベルlに
属する起動ビツトにフラグ1が立つている場合に
はステツプ400に移行する。ステツプ400及
び402のループでタスクレベルlのどの起動ビ
ツトにフラグ1が立つているか対応する優先実行
度の高いレベルの順に即ちQ0,Q1,Q2の順で検
索する。該当する起動ビツトを割出したらステツ
プ404に移行し、ステツプ404ではそのフラ
グの立つている起動ビツトをリセツトし、その該
当タスクレベルlの実行ビツト(以下Rビツト)
にフラグ1を立てる。更にステツプ406では起
動タスク番号の割出しを行いステツプ408で第
7図に示したRAMに設けられたスタートアドレ
ステーブルにより該当する起動タスクのスタート
アドレス情報を取り出す。 次にステツプ410では該当起動タスクを実行
するか否かの判断が行われる。ここでは取り出し
たスタートアドレス情報が特定の値例えば0であ
れば該当タスクの実行は行わなくてもよいと判断
される。この判断ステツプはエンジン制御を行う
前記タスク群の内容車種により選択的に特定のタ
スクのみの機能を持たせるのに必要なものであ
る。ステツプ410で該当タスクの実行が停止で
あると判断された場合にはステツプ414に移行
し、該当タスクレベルlのRビツトをリセツトす
る。そして更にテツプ302に戻りタスクレベル
lは中断中であるか否かが判断される。これは同
一タスクレベルl中に複数の起動ビツトにフラグ
が立つている場合があり得るのでステツプ414
でRビツトをリセツトした後ステツプ302に移
行するように構成されている。 一方ステツプ410で該当タスクの実行が停止
でない場合即ち実行する場合にはステツプ412
へ移行し該当タスクへジヤンプし、タスクの実行
が行われる。 次に第10図はマクロ処理プログラム228の
処理フローを示す図である。このプログラムは終
了タスクを見つけるためのステツプ562と56
4から成る。このステツプ562と564で先ず
タスクレベルの0より検索し終了したタスクレベ
ルを見つける。これによりステツプ568へ進み
ここで終了したタスクのタスク制御ブロツクの7
ビツト目の実行(RUN)フラグをリセツトする。
これによりそのタスクの実行が完全に終わつた事
になる。そして再びタスクデイスパツチヤ208
に戻り次の実行タスクが決定される。 次にタスクデイスパツチヤ208によりタスク
優先制御が行われる場合のタスクの実行と中断の
様子を第11図に基づき説明する。ここで起動要
求Nmnに於けるmはタスクレベルを表わし、n
はタスクレベルm中に於ける優先度の順位を表わ
すものとする。今CPUは管理プログラムOSを実
行していたとすると、この管理プログラムOSの
実行中に起動要求N21が発生した場合には時刻T1
で起動要求N21に該当するタスク、即ちタスク6
の実行が開始される。ここでタスク6の実行中に
時刻T2でより実行優先度の高いタスクの起動要
求N01が生じた場合には管理プログラムOSに実
行が移り既に述べた所定の処理を行つた後に時刻
T3で起動要求N01に該当するタスク、即ちタスク
0の実行が開好される。このタスク0の実行中に
更に時刻T4で起動要求N11が入つた場合には一
旦、管硫プログラムOSに実行が移り所定の処理
が行われた後再び時刻T5で中断されていたタス
ク0の実行が再開される。そしてタスク0の実行
が時刻T6で終了すると再び管理プログラムOSに
実行が移りここでマクロ処理プログラム228に
よりタスクデイスパツチヤ208へタスク0の実
行終了報告がなされ時刻T7で再び起動待ちにな
つていた起動要求N11に該当するタスク3の実行
が開始される。このタスク3の実行中時刻T8で
同じタスクレベル1のより優先度の低い起動要求
N12が入つた場合にはタスク3の実行は一旦中断
され実行は管理プログラムOSに移り所定の処理
が為された後、時刻T9でタスク3の実行が再開
される。そして時刻T10でタスク3の実行が終了
するとCPUの実行は管理プログラムOSに移り前
記マクロ処理プログラム228によりタスクデイ
スパツチヤ208へタスク3の実行終了報告が為
され、次いで時刻T11でより優先レベルの低い起
動要求N12に該当するタスク4の実行が開始さ
れ、時刻T12でタスク4の実行が終了すると実行
は管理プログラムOSに移り所定の処理が為され
た後、今まで中断されていた起動要求N21に該当
するタスク6の実行が時刻T13から再開される。 以上の様にしてタスクの優先制御が行われる。 タスクの優先制御に於ける状態遷移を第12図
に示す。Idle状態は起動待ちの状態であり、タス
クにまだ起動要求が出されていない。次に起動要
求が出されるとタスク制御ブロツクの起動ビツト
にフラグが立ち、起動が必要ということが表示さ
れる。Idle状態からQueue状態へ移動する時間は
各タスクのレベルにより定まつている。更に
Queue状態になつても実行される順序は優先度に
より定まる。そのタスクが実行状態に入るのは管
理プログラムOSの内のタスクデイスパツチヤ2
08でタスク制御ブロツクの起動ビツトのフラグ
がリセツトされ、Rビツト(7ビツト目)にフラ
グが立つてからである。これによりタスクの実行
が始められる。この状態がRUN状態である。そ
して実行が終るとタスク制御ブロツクのRビツト
のフラグがクリアされ、終了報告を終了する。こ
れによりRUN状態は終り、再びIdel状態となり
次の起動要求が出るのを待つ。しかし、タスクの
実行中即ちRUN中に割込みIRQが発生すると、
そのタスクは実行を中断しなければならない。こ
のためCPUの内容が待避され、実行が中断する。
この状態がReady状態である。次にこのタスクが
再び実行される状態になると待避エリアより、待
避していた内容を再びCPUへ戻し、実行が再開
される。つまりReady状態から再びRUN状態へ
戻る。この様に各レベルプログラムは第12図の
4つの状態を繰り返す。第12図は代表的な流れ
であるがReady状態でタスク制御ブロツクの起動
ビツトにフラグが立つ可能性がある。これは例え
ば起動中断中にそのタスクの次の起動要求タイミ
ングになつてしまつた場合である。この時にはR
ビツトのフラグが優先されて先ず、中断中のタス
クを終了させる。これによりRビツトのフラグが
消え、起動ビツトのフラグによりIdle状態を通ら
ずにQueue状態となる。 この様にタスク0〜8は各々第12図の何れか
の状態にある。 次に第13図は第5図のプログラムシステムの
具体的実施例を示している。図に於いて管理プロ
グラムOSはイニシヤル処理プログラム202、
割込み処理プログラム206、タスクデイスパツ
チヤ208及びマクロ処理プログラム228より
成る。 割込み処理プログラム206には各種の割込み
処理プログラムがあり、イニシヤル割込み処理
(以下INTL割込み処理という)602はエンジ
ン回転に同期して発生するイニシヤル割込み信号
によつて、エンジン1回転当たりエンジン気筒数
の半分、即ち4気筒なら2回イニシヤル割込みが
発生する。このイニシヤル割込みによつてEGIタ
スク612で計算した燃料の噴射時間を入出力イ
ンターフエイス回路108のEGIレジスタに設定
する。AD変換割込み処理604は2種類あり1
つはAD変換器1割込み(以下ADC1と略す)及
びAD変換器2割込み(以下ADC2と略す)であ
る。AD変換器1は8ビツトの精度を有し、電源
電圧、冷却水温度、吸気温度及び使用調整などの
入力に用いられ、マルチプレクサー120に対す
る入力ポイントの指定を行うと同時に変換を開始
し、変換終了後にADC1割込みを発生する。なお
本割込みはクランキング前にのみ使用する。又
AD変換器128は空気流量の入力に用いられ変
換終了後にADC2割込みを発生する。なお、本割
込みもクランキング前にのみ使用する。 次にインターパル割込み処理プログラム(以下
INTV割込み処理プログラムと示す。)606で
はINTV割込み信号はINTVレジスタに設定した
時間例えば10ms毎に発生し、一定周期で起動す
べきタスクの時間監視用基本信号として用いられ
る。本割込み信号によつて、ソフトタイマの更新
を行い、規定周期に達したタスクを起動する。更
にエンスト割込み処理プログラム(以下ENST割
込み処理プログラムと記す。)608ではエンジ
ンのストツプ状態を検出するもので、INTL割込
み信号を検出すると、計数を開始し所定時間例え
ば1秒以内に次のINTL割込み信号を検出できな
かつた時、ENST割込みが発生する。そして
ENST割込みが3回、例えば3秒経過しても
INTL割込信号が検出できなかつた場合にエンス
トが起つたものと判断し点火コイルへの通電及び
燃料ポンプの停止を行う。これらの処理の後スタ
ータスイツチ152がオンするまで待機する。上
記割込み要因に対する処理概要を表1に示す。
【表】
【表】
イニシヤル処理プログラム202及びマクロ処
理プログラム228については記述の通りの処理
を行う。 上記各種の割込みにより起動されるタスク群は
次の通りである。タスクレベル0に属するタスク
としてはAD2入力タスク(以下ADIN2タスクと
記す)、燃料噴射制御タスク(以下EGIタスクと
記す)及び始動モニタタスク(MONITタスクと
言う)がある。又タスクレベル1に属するタスク
としてはAD1入力タスク(以上ADIN1タスクと
記す)、時間係数処理タスク(以下AFSIAタス
ク)がある。更にタスクレベル2に属するタスク
としてはアイドル回転制御タスク(以下ISCタス
クと記す)、補正計数タスク(以下HOSEIタスク
と記す)及び始動前処理タスク(以下ISTRTと
記す)がある。 上記各タスクレベルの割り当てとタスクの機能
を表2に示す。
理プログラム228については記述の通りの処理
を行う。 上記各種の割込みにより起動されるタスク群は
次の通りである。タスクレベル0に属するタスク
としてはAD2入力タスク(以下ADIN2タスクと
記す)、燃料噴射制御タスク(以下EGIタスクと
記す)及び始動モニタタスク(MONITタスクと
言う)がある。又タスクレベル1に属するタスク
としてはAD1入力タスク(以上ADIN1タスクと
記す)、時間係数処理タスク(以下AFSIAタス
ク)がある。更にタスクレベル2に属するタスク
としてはアイドル回転制御タスク(以下ISCタス
クと記す)、補正計数タスク(以下HOSEIタスク
と記す)及び始動前処理タスク(以下ISTRTと
記す)がある。 上記各タスクレベルの割り当てとタスクの機能
を表2に示す。
【表】
以上説明したように、本発明によれば、タスク
を起動周期の異同に拘らず優先度に対応させて複
数のタスクレベルに区分し、各タスクの実行を起
動周期と優先度に基づいて、それぞれ割込処理手
段とタスクデイスパツチヤとにより各別に制御
し、起動周期はソフトタイマテーブルにより管理
する構成としたことから、エンジンの制御機能等
の要求に応じて、自由にタスクの起動周期と優先
制御を組立てることができるので、きめ細かな効
率のよい制御を実現でき、これにより過渡状態の
制御を高精度化できるという効果がある。 また、上記に加え、タスクレベル間では優先度
に応じて実行権を移行するが、同一タスクレベル
内においては、中断中のタスクが最も優先度が高
いものとして優先制御するようにしたことから、
タスクの中断回数等が低減される。これにより中
断に伴う待避処理時間が減るのでタスクの実行効
率が高まることになり、さらに過渡状態等の制御
精度を高めることになるという効果がある。な
お、副次的にハードウエアの待避エリアを低減で
きるという効果がある。
を起動周期の異同に拘らず優先度に対応させて複
数のタスクレベルに区分し、各タスクの実行を起
動周期と優先度に基づいて、それぞれ割込処理手
段とタスクデイスパツチヤとにより各別に制御
し、起動周期はソフトタイマテーブルにより管理
する構成としたことから、エンジンの制御機能等
の要求に応じて、自由にタスクの起動周期と優先
制御を組立てることができるので、きめ細かな効
率のよい制御を実現でき、これにより過渡状態の
制御を高精度化できるという効果がある。 また、上記に加え、タスクレベル間では優先度
に応じて実行権を移行するが、同一タスクレベル
内においては、中断中のタスクが最も優先度が高
いものとして優先制御するようにしたことから、
タスクの中断回数等が低減される。これにより中
断に伴う待避処理時間が減るのでタスクの実行効
率が高まることになり、さらに過渡状態等の制御
精度を高めることになるという効果がある。な
お、副次的にハードウエアの待避エリアを低減で
きるという効果がある。
第1図はエンジン系統全体の制御装置を示す構
成図、第2図は第1図の点火装置の説明図、第3
図は排気ガス還流システムを説明するための構成
図、第4図はエンジン制御システムの全体構成
図、第5図は本発明に係わるエンジン制御方法の
プログラムシステムの基本的構成を示す図、第6
図はタスクデイスパツチヤの管理するRAMに設
けられたタスク制御ブロツクのテーブルを示す
図、第7図は各種割込みにより起動されるタスク
群のスタートアドレステーブルを示す図、第8図
及び第9図はタスクデイスパツチヤの処理フロー
を示す図、第10図はマクロ処理プログラムの処
理フローを示す図、第11図はタスク優先制御の
一例を示す図、第12図は上記タスク優先制御に
於けるタスクの状態遷移を示す図、第13図は第
5図に於ける具体的実施例を示す図、第14図は
RAMに設けられたソフトタイマテーブルを示す
図、第15図はINTV割込み処理プログラムの処
理フローを示す図、第16図はエンジンの運転状
態に応じて各種タスクの起動停止が行われる様子
を示したタイミンングチヤート、第17図は割込
みIRQの発生回路である。 102……CPU、104……ROM、106…
…RAM。
成図、第2図は第1図の点火装置の説明図、第3
図は排気ガス還流システムを説明するための構成
図、第4図はエンジン制御システムの全体構成
図、第5図は本発明に係わるエンジン制御方法の
プログラムシステムの基本的構成を示す図、第6
図はタスクデイスパツチヤの管理するRAMに設
けられたタスク制御ブロツクのテーブルを示す
図、第7図は各種割込みにより起動されるタスク
群のスタートアドレステーブルを示す図、第8図
及び第9図はタスクデイスパツチヤの処理フロー
を示す図、第10図はマクロ処理プログラムの処
理フローを示す図、第11図はタスク優先制御の
一例を示す図、第12図は上記タスク優先制御に
於けるタスクの状態遷移を示す図、第13図は第
5図に於ける具体的実施例を示す図、第14図は
RAMに設けられたソフトタイマテーブルを示す
図、第15図はINTV割込み処理プログラムの処
理フローを示す図、第16図はエンジンの運転状
態に応じて各種タスクの起動停止が行われる様子
を示したタイミンングチヤート、第17図は割込
みIRQの発生回路である。 102……CPU、104……ROM、106…
…RAM。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 入力されるインターバル割込要求を含む複数
の割込要求をそれぞれ一旦蓄積する手段と、該手
段の出力端に設けられ与えられる割込禁止指令に
応じて前記割込要求の発生を阻止するゲート手段
とを有してなる割込要求発生手段と、 エンジンの制御機能毎に対応させてそれぞれ所
定の起動周期とタスク優先度とが設定され、かつ
予めレベル優先度が定められた複数のタスクレベ
ルに区分してなる複数のタスクを格納するメモリ
と、 前記各タスクレベルに対応させて区画され、当
該タスクレベルに属するタスクが実行又は中断さ
れていることを表すフラグが立てられる複数の実
行フラグ領域と、前記各タスクレベル毎に当該タ
スクレベルに属する複数のタスクに対応させてか
つタスク優先度の順に配列させて区画され、各タ
スクの起動要求フラグが立てられる複数の起動要
求フラグ領域とを有してなるタスク制御テーブル
と、 前記割込要求発生手段から出力されるインター
バル割込要求に基づいて計数された前記各タスク
の起動周期に係る経過時間テーブルが格納される
ソフトタイマーテーブルと、 前記割込要求発生手段から出力されるインター
バル割込要求に応動して実行中のタスクの実行を
中断させて退避させるとともに、前記ソフトタイ
マテーブルの経過時間データの計数動作を行い、
該計数動作の内容により各タスクが起動周期に達
したか否かを判定し、起動周期に達したタスクの
起動要求を示すフラグを前記タスク制御テーブル
の起動要求フラグ領域の当該タスクに対応する領
域に立てる割込処理手段と、 前記タスク制御テーブルの前記レベル優先度が
高い順から前記実行フラグ領域と前記起動要求フ
ラグ領域とを検索し、レベル優先度の高いタスク
レベルに属する実行フラグ又は起動要求フラグに
対応するタスクの実行再開指令又は実行指令を出
力するものとし、同一タスクレベルの区画内に実
行フラグと起動要求フラグが共に立てられている
ときは、実行フラグに係る中断中のタスクの実行
再開指令を出力し、同一タスクレベルの区画内に
起動要求フラグのみが2つ以上立てられていると
きはタスク優先度の高いタスクの実行指令を出力
するタスクデイスパツチヤと、 前記タスクデイスパツチヤから出力されるタス
クの実行指令に応動して対応するタスクを前記メ
モリから読み出し、該タスクの内容に従つてエン
ジンの制御演算を実行し、前記タスクデイスパツ
チヤから出力される実行再開指令に応動して前記
退避されたタスクの実行を再開するタスク実行手
段とを備えてなるエンジン制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62331334A JPS63314352A (ja) | 1987-12-25 | 1987-12-25 | エンジン制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62331334A JPS63314352A (ja) | 1987-12-25 | 1987-12-25 | エンジン制御装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11294979A Division JPS5638541A (en) | 1979-09-05 | 1979-09-05 | Controlling method for engine |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63314352A JPS63314352A (ja) | 1988-12-22 |
JPH0318026B2 true JPH0318026B2 (ja) | 1991-03-11 |
Family
ID=18242521
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62331334A Granted JPS63314352A (ja) | 1987-12-25 | 1987-12-25 | エンジン制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63314352A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011065645A (ja) * | 2009-09-18 | 2011-03-31 | Square Enix Co Ltd | マルチコアプロセッサシステム |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50128429A (ja) * | 1974-03-28 | 1975-10-09 | ||
JPS5340105A (en) * | 1976-09-24 | 1978-04-12 | Nippon Denso Co Ltd | Automobile control unit |
-
1987
- 1987-12-25 JP JP62331334A patent/JPS63314352A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50128429A (ja) * | 1974-03-28 | 1975-10-09 | ||
JPS5340105A (en) * | 1976-09-24 | 1978-04-12 | Nippon Denso Co Ltd | Automobile control unit |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63314352A (ja) | 1988-12-22 |
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