JPH0317922B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ワイシヤツ等の衣類を縫製又はクリ
ーニングをした後、これを陳列等の為に畳むに先
立つて、ボタンを掛けるための装置に関するもの
である。

従来の技術 一般にワイシヤツ等を縫製した後、これを台紙
の上に綺麗に畳んで袋に入れた状態で店頭に陳列
される。而してこれを美しく畳むためには、ワイ
シヤツ等のボタンは正しく掛けられていることが
必要である。

従来、これらのワイシヤツ等の衣類のボタンを
掛ける作業は、全て人手に頼つていたのが実情で
ある。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、このワイシヤツ等のボタンを掛
ける作業は、極めて面倒な作業であつた。ボタン
を掛けること自体は決して困難な作業ではなく、
子供でもできることであるが、指先において相当
の力を要する単純作業であり、多数の衣類のボタ
ンを相当の速度で掛ける必要があり、このような
単純作業を長時間続けることは、作業者に大きな
苦痛を与えるものである。

しかもこのようなボタン掛け作業は、衣類をプ
レスした後に行われるため、ボタンを掛ける際に
衣類が汚れたり、皺が生じたりしてはならず、単
純作業でありながら、相当の熟練を要するもので
あつた。

このボタン掛けの作業を自動化しようとする試
みは行われており、例えばループ状の針金をボタ
ンホールに通し、そのループにボタンを引掛けて
ボタンホールに引込んでボタン掛けを行うように
したもの等が考案されたこともある。しかしなが
ら、この場合でもループをボタンホールに通す作
業が必要であり、ボタンをボタンホールに通すの
と作業としては大差なく、結局作業の合理化には
ならなかつた。

また特公昭46−23462号公報には一対の挟持針
をボタンホールに通した後、その挟持針でボタン
を挟持し、しかる後その挟持針をボタンホールか
ら抜くことによりボタンをボタンホールに引込ん
でボタン掛けを行うものが記載されているが、こ
のものではボタンをボタンホールに通す間挟持針
でボタンを強固に保持しておかなければならず、
挟持針でボタンを保持させたり離したりするため
には複雑な動作をさせる必要があり、構造が複雑
であり、また動作の信頼性にも劣るものであつ
た。

本発明はかかる事情に鑑みなされたものであつ
て、ワイシヤツ等のボタン掛け作業を機械化する
ことにより、作業者を単純作業の苦痛から救済す
ると共に、ボタン掛け作業をスピードアツプし、
且つ衣類に汚れや皺が生じるのを防止することを
目的とするものである。

問題点を解決する手段 而してこの発明は、相対向する一対のフレーム
の、一方のフレームに凹溝を形成し、他方のフレ
ームに、前記一方のフレームに離接可能の複数の
シヤフトを設け、該シヤフトの先端にフオーク状
引掛け部を形成し、前記シヤフトが前記一方のフ
レームに接近した際に、前記引掛け部が前記凹溝
に挿入されるようにしたことを特徴とするもので
ある。

以下本発明を、図面に従つて説明する。図面は
本発明のボタン掛け機を示すものであつて、相対
向する一対のフレーム１，２を有しており、一方
のフレーム１には、他方のフレーム２に対向する
面に、その長さ方向に伸びる凹溝３が形成されて
いる。

また他方のフレーム２には、所定の間隔で複数
のエアーシリンダー４が取付けられている。該エ
アーシリンダー４の間隔は、衣類におけるボタン
及びボタンホールの間隔に一致するように設定さ
れており、必要に応じてその間隔を変更可能に形
成するのが良い。

エアーシリンダー４におけるシヤフト５の先端
にはへら状の挿入部６が形成され、さらに該挿入
部６の先端には、フオーク状に二股に分かれた引
掛け部７が形成されている。そしてエアーシリン
ダー４を作動してシヤフト５が突出したときに
は、引掛け部７が前記凹溝３内に挿入されるよう
になつている。

８は前記一方のフレーム１の両端部に設けられ
たクリツプである。

作 用 本発明のボタン掛け機を使用するには、先ず衣
類におけるボタンの間隔に合わせて、フレーム２
におけるエアーシリンダー４の間隔を調整して設
定する。

次いで衣類９の一方の身頃９ａをフレーム１に
当てて、そのボタンホール１０が凹溝３の位置に
来るようにし、この状態でクリツプ８で該一方の
身頃９ａを保持する。

次に他方の身頃９ｂに縫着されたボタン１１を
前記引掛け部７に引掛け、該他方の身頃９ｂは挿
入部６の下に垂下させる。この状態が第２図の実
線に示されている。

この状態でエアーシリンダー４を作動させ、シ
ヤフト５を押出して、前記フレーム１に接近させ
る。これにより第２図における鎖線で示すよう
に、引掛け部７はボタン１１を引掛けたままボタ
ンホール１０を貫通して、ボタン１１と共に凹溝
３内に挿入される。

続いてエアーシリンダー４を作動させてシヤフ
ト５を後退させると、引掛け部７はボタンホール
１０から脱出するが、ボタン１１はボタンホール
１０に引掛つて残り、ボタンが掛けられた状態と
なるのである。ここでクリツプ８を外して衣類９
を取外すと、全てのボタンが正しく掛けられた状
態の衣類が得られるのである。

発明の効果 本発明によれば、衣類の一部をクリツプ８でフ
レーム１に取付け、ボタン１１を引掛け部７に引
掛けるだけで、自動的にボタン１１がボタンホー
ル１０に挿入され、正しくボタンの掛かつた衣類
が得られる。従つて指先の力の要る単純作業が必
要でなくなり、また熟練を要することなく、衣類
が汚れたり皺が生じたりすることがなく、大幅に
作業性が向上するのである。また本発明によれ
ば、ボタンをボタンホールに押込むため、引掛け
部７はボタンを保持するための特別の構造や動作
を必要とせず、装置は極めて簡単であつて故障も
少なく、信頼性の高いものである。

実施例 本発明においては、複数の各シヤフト５は、一
つずつ作動してボタン１１を一つずつ掛けるよう
にしてもよく、またすべてのシヤフト５を同時に
作動させ、全てのボタン１１を同時に掛けるよう
にしてもよい。さらに図面のように各シヤフト５
を個別にエアーシリンダー４で作動させてもよ
く、全てを一つのエアーシリンダー４で一体とし
て作動させるようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のボタン掛け機の斜視図であ
り、第２図はその主要部の断面図、第３図は引掛
け部の拡大平面図である。 １，２……フレーム、３……凹溝、５……シヤ
フト、７……引掛け部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 相対向する一対のフレーム１，２の、一方の
   フレーム１に凹溝３を形成し、他方のフレーム２
   に、前記一方のフレーム１に離接可能の複数のシ
   ヤフト５を設け、該シヤフト５の先端にフオーク
   状引掛け部７を形成し、前記シヤフト５が前記一
   方のフレーム１に接近した際に、前記引掛け部７
   が前記凹溝３に挿入されるようにしたことを特徴
   とする、衣類のボタン掛け機。