JP3004703U - 長 着 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 着馴れない者でも衿元がはだけたり着くずれ
が生じたりすることなく端正に着用できると共に、簡易
にかつ手早く着付けられる長着を提供する。 【構成】 長着の上前の衿先に、上前衽（４）に縫着し
ていない状態に衿先部（９）を設け、着用時にその衿先
部（９）を腰紐（１１）に掛けるようにして衿を保定し
ている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は婦人用の長着の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

おはしょりを設けて着用する長着は、ある程度着馴れた者でないと、着用に時 間がかかるし、又自分の体型に合わせて衿元をすっきりと着用することが難かし い上に、着用中に衿元がはだけたり衿下（褄下）や裾が乱れたりすることがあっ った。

【０００３】

【考案の解決課題】

本考案は上記に鑑み、長着を着馴れない者でも衿元がはだけたり着くずれが生 じたりすることなく、端正に着用できると共に、簡易かつ手早く着付けられる長 着を提供しようとするものである。

【０００４】

【課題解決の手段】

本考案は、長着の上前の衿先に上前衽に縫着していない衿先部を設け、着用時 にその衿先部を腰紐等のおはしょり部を形成する紐に掛けるようにして衿を保定 するようにしたものである。

【０００５】

【実施例】

長着（１）は、木綿，絹，麻，毛，合成繊維等の生地で裁縫して袷や単衣に仕 立てられるもので、上前身頃（２），下前身頃（３），上前衽（４），下前衽（ ５），後身頃（６），衿（７），袖（８）等を備えている。

【０００６】 上前の衿（７）は、通常の衿の位置とは違って上前衽（４）に対し外方に位置 （変位）しており、その衿先に上記上前衽（４）に縫着していない衿先部（９） が形成されている。 図に示すものは身長約１５６cmの場合の長着であって、この場合、縫着してい ない上前衽の衿先部の長さが約１５cmになっている。

【０００７】 上記長着の褄下は、約７６cmの長さで、その下前衽（５）の裾から約６９cmの 位置に、おはしょり部(10)を形成する紐（腰紐）(11)の一方(12)が縫着され、又 他方の紐(13)が上前衽（４）の裾から約８４cmの位置に縫着されている。

【０００８】 左脇部(14)には、上記一方の紐(12)を通す孔(15)が裾から約８０cmの位置にあ り、約１５cmの大きさに形成されている。

【０００９】 上記長着には、更に下前の衿(16)の共衿から約１０cm下の位置に、おはしょり 部の上に締着する紐（腰紐）(17)の一方(18)が縫着され、他方の紐(19)が上前の 衿(20)の共衿から約６cm下に縫着されている。

【００１０】 着用する際は、衿部分を手に持って着丈より長い分をたぐり上げ、丈を身長に 合わせ裾の位置を決めて下半身の前身頃を打合わせる。この状態で下前衽（５） に設けた一方の紐(12)を左脇部(14)に形成した孔(15)に通し、その紐と上前衽（ ４）に設けた他方の紐(13)で通常の腰紐のように結んでおはしょりを形成する。

【００１１】 その際に、図３に示すように衿先部（９）を紐(11)に差し込み、衿元を整える ように衿先部の位置を調整してその衿先部を紐に掛けるようにする。なお、衿先 部は上記紐(11)を結ぶ際に予め差し込んでおいてもよい。

【００１２】 次に、下前の衿(16)に設けた一方の紐(18)を身八ツ口(21)に通し、該紐と上前 の衿に設けた他方の紐(19)で、おはしょり部(10)上に締着する。

【００１３】 上記紐(11)，(17)は、脇から背中に回して交差し前で結べる程度の長さで、通 常の腰紐程度の幅のものが用いられるが、紐の長さ、幅あるいは取付け位置及び 孔(15)の位置, 大きさ等は体型や好み等に応じて適宜変更される。 なお、上記 紐(11)，(17)の取り付け方法は、縫着の他、面ファスナ−を設けたり、ル−プ状 の紐を設けたり、適当な取り付け金具その他の取り付け具を設けたりすることが できる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は、上記のように上前の衿の衿先に上前衽に縫着していない衿先部を設 け、該衿先部をいわゆる腰紐に掛けるようにして保定するものであるから、着用 者の体型に合わせて衿元をすっきりとすることができ、着用中に衿元や褄下, 裾 等がはだけたり乱れたりすることがなく、着用したときの端正な姿をいつまでも 保持して着くずれするようなことがない。又予めおはしょり部を形成する紐やお はしょり部の上に締着する紐を設けると、上記衿先部による保定と相俟って着物 を着馴れない者でも手軽に素早く整然と着用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す紐を一部切欠いた正面図
である。

【図２】上前身頃部を開いた状態を示す正面図である。

【図３】着用状態を示す概略斜面図である。

【符号の説明】

４ 上前衽 ５ 下前衽 ９ 衿先部 10 おはしょり部 11 おはしょり部を形成する紐 15 孔 16 下前の衿 17 おはしょり部の上を締着する紐 20 上前の衿

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上前の衿を所定の位置より上前衽に対し
   外方に位置させおはしょり部を形成する紐に掛け得るよ
   う衿先に上記上前衽に縫着していない衿先部を設けた長
   着。
2. 【請求項２】 上記おはしょり部を形成する紐を上前衽
   と下前衽に設けると共に左側部に上記下前衽側の紐を通
   す孔を設けた請求項１記載の長着。
3. 【請求項３】 上記おはしょり部を形成する紐の位置よ
   りも上部にあって、おはしょり部上に締着する紐を上前
   の衿と下前の衿に設けた請求項２記載の長着。