JPH0317906B2 - - Google Patents

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JPH0317906B2
JPH0317906B2 JP62025065A JP2506587A JPH0317906B2 JP H0317906 B2 JPH0317906 B2 JP H0317906B2 JP 62025065 A JP62025065 A JP 62025065A JP 2506587 A JP2506587 A JP 2506587A JP H0317906 B2 JPH0317906 B2 JP H0317906B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、基板に対して、複数のスパツタ室を
有する多層/多元薄膜形成スパツタリング装置お
よびその運転方法に関する。
[従来の技術] 近年、多元化合物薄膜、多層薄膜等をスパツタ
リングにより形成するることが注目されている。
多元化合物薄膜の場合、目的の多元化合物を
ターゲツトとしてスパツタリングを行なう方法、
多元化合物を構成する各元素毎にターゲツトを
設け、これらのターゲツトを同時にスパツタリン
グする方法、多元化合物を構成する各元素を適
当な面積比で1枚のターゲツトに配置してスパツ
タリングを行なう方法が提案されている。
一方、多層薄膜の場合、各層の成分元素毎に
ターゲツトを設け、これらのターゲツトを同一円
周上に配置して、基板を該円周上を順次移動させ
てスパツタリングする方法、各層の成分元素毎
にターゲツトを設け、これらのターゲツトを直線
的に配置し、基板を該直線上に順次移動させてス
パツタリングする方法が提案されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、上記従来の方法は、多元化合物薄膜お
よび多層薄膜のいずれについても、次のような問
題があつた。
即ち、多元化合物薄膜の場合、多元化合物をタ
ーゲツトとしてスパツタリングを行なうの方法
は、一般に、スパツタされた原子が、ターゲツト
の多元化合物と同じ組成比で基板に付着すること
が期待できず、多元化合物の一部の蒸気、また
は、多元化合物の構成元素の一部を含む気体を補
充する必要がある。そのため、この方法を適用で
きる化合物の範囲が限られているという問題があ
つた。
構成元素毎のターゲツトを同時スパツタリング
するの方法は、ターゲツト面と平行な面に基板
が配置され、この基板を、ターゲツト面と垂直な
軸を中心として回転させて、各元素が均等若しく
は所望の割合で付着するようにすると共に、各タ
ーゲツトに供給する電力を変化させて、各成分元
素の付着量を制御し、所望の組成比の膜を得るよ
うにしている。しかし、各ターゲツトに供給する
電力は、放電の維持の必要からら、変化し得る範
囲が狭く、必然的に各成分元素の付着量の制御も
狭い範囲とならざるを得ない。そのため、この方
法では、広い範囲にわたつて任意の組成比で薄膜
を形成することが困難であるという欠点があつ
た。
しかも、その方法では、、複数個の各ターゲツ
ト面と平行な回転円盤上に基板を配置することに
なるので、、同一組成比となる領域が狭く、量産
用には適していないという欠点もあつた。
さらに、スパツタリングする元素によつては、
他のターゲツトの元素と化合して、当該ターゲツ
ト表面を汚染しやすいという問題があつた。ター
ゲツトが汚染されると、組成制御に悪影響を与え
るだけでなく、汚染されたターゲツト表面の比抵
抗が変化した場合、放電が不安定になる問題もあ
つた。
多元化合物を構成する各元素を適当な面積比で
1枚のターゲツトに配置してスパツタリングを行
なうの方法では、ターゲツトの構成を変更しな
ければ、組成比を変えることができず、また、ス
パツタリングする元素によつては、ターゲツトを
汚染し、上記同様の問題を発生するという欠点が
あつた。
一方、多層薄膜の場合、基板を、各層の成分元
素ターゲツトの下を順次移動させてスパツタリン
グするおよびの方法は、いずれも供給電力を
変化させて付着量を変え、各層の膜厚を制御する
るため、上記したように付着量の変化できる範囲
が限られ、制御できる膜厚の範囲が狭いという欠
点があつた。
また、上記の方法にあつては、スパツタリン
グする元素によつては、ターゲツトを汚染し、上
記同様の問題を発生するるという欠点があつた。
なお、上記の方法では、各ターゲツト毎にス
パツタ室を構成することにより、ターゲツトの汚
染を防止することができる利点がある。ただし、
上記の方法は、多層膜を構成する各元素の層を
多重に被着する場合、成膜に時間がかかる欠点が
ある。
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたも
ので、その第1の目的は、複数のターゲツトを各
ターゲツト毎に各々独立してスパツタリングする
ることができて、各ターゲツトの汚染を防止でき
ると共に、各元素の付着量を広範囲にかつ精密に
制御できるスパツタリング装置を提供することに
ある。
第2の目的は、各元素の付着量を広範囲にかつ
精密に制御できて、組成比、膜厚、添加量等を精
密に設定することが可能となり、多元化合物薄
膜、多層薄膜、超格子薄膜等の形成に好適なスパ
ツタリング装置を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 中央真空槽と、この中央真空槽に各々独立に連
通して設けられる複数のスパツタ室と、上記中央
真空槽内に、回転可能に設置される基板保持機構
と、この基板保持機構を可変速回転させる手段と
を備える多層/多元薄膜形成スパツタリング装置
を提供する。
また、本発明は、上記問題点を解決する手段と
して、 中央真空槽と、その外側に各々独立に連結して
設けられる複数のスパツタ室と、上記中央真空槽
内に、回転可能に設置される基板保持機構と、こ
の基板保持機構を可変速回転させる手段とを備
え、 上記中央真空槽と各スパツタ室との連結部に、
上記基板保持機構に保持される基板にスパツタリ
ング膜形成可能に連通する窓を設け、 かつ、上記スパツタ室の基板前方位置にスリツ
ト状の開口を持つ可変絞りを配置して構成する多
層/多元薄膜形成スパツタリング装置を提供す
る。
上記各スパツタ室は、各々排気系に接続され
て、それぞれ排気される構成とすることが好まし
い。もつとも、排気系自体は、共通であつてもよ
い。
上記中央真空槽と、その内部に配置される基板
保持機構とは、円筒形状に形成することが好まし
く、両者は同心的に配置される。また、中央真空
槽と基板保持機構とは、配置時に、前者の内周面
と後者の外周面との間〓が、できるだけ狭くなる
ように近接して配置できる構成であることが望ま
しい。
上記連結部の基板前方位置に配置される可変絞
りは、スパツタ室側から連通窓を通して基板に付
着する元素の量を制御できるものであれば、どの
ような形態であつてもよく、例えば、孔状のもの
であつても、スリツト状のものであつてもよい。
また、この可変絞りは、スパツタ室外部から開口
度の調節操作ができる構造であることが好まし
く、しかも、望まましくは、シヤツタとして使用
できるよう、全開・全閉ができる構造とする。も
ちろん、可変絞りとは別にシヤツタを設けてもよ
い。
[作用] 上記のように構成される本発明は、次にように
作用する。
基板保持機構を中央真空槽に配置し、該中央真
空槽の外側に、複数のスパツタ室を各々独立して
設けてあるので、各スパツタ室では、独立してス
パツタリングすることができる。例えば、印加す
る電力を各スパツタ室毎に変えたり、各スパツタ
室毎に異なる種類のターゲツトを配置することが
できる。もちろん、同種のターゲツトを複数個配
置することもでき、また、一部のスパツタ室を予
備としておくこともでき、さらに、この予備のス
パツタ室を基板の観察用として、あるいは、蒸着
室として使用することもできる。
各スパツタ室では、各々のターゲツトからスパ
ツタリングされて飛び出した物質が、当該スパツ
タ室から窓を通して中央真空槽に進入し、各窓の
位置にある基板に付着することとなる。この際、
上記基板保持機構を高速回転させると共に、各タ
ーゲツトを同時にスパツタリングすると、保持さ
れる各基板に、各スパツタ室のターゲツトからの
元素が混在して付着し、基板温度等の条件を適当
に設定することにより、付着した元素が化合し
て、目的の多元化合物薄膜が形成される。
また、本発明は、上記スパツタ室の基板前方位
置に可変絞りを配置して絞りの開口度を調整する
ことにより、スパツタリング物質の単位時間当り
の該絞り通過量、即ち、各元素の基板付着量が制
御できる。従つて、基板に付着する元素の存在比
が設定でき、所望の組成比で多元化合物薄膜を形
成できる。同時に、膜厚も精密に設定できる。
一方、上記基板保持機構を回転させつつ、最下
層から積層順に、対応する元素を各スパツタ室か
らら飛び出させることにより、多層膜を形成する
ことができる。この際、、上記同様に、絞りを適
当な開口度に設定することにより、各層の膜厚を
制御することができる。また、各層毎に、基板保
持機構の回転数を変化させて、膜厚を制御するこ
とも可能である。この基板保持機構の回転速度を
調節することにより、基板が各スパツタ室の絞り
に開口部分の前を通過する時間が定まり、その結
果、スパツタリング物質の基板に付着する総量が
精密に設定できる。
また、本発明は、各スパツタ室が独立している
ので、あるスパツタ室の前にある基板に他のスパ
ツタ室のターゲツトからのスパツタリング物質が
付着することが殆どなく、また、各スパツタ室の
ターゲツトが各々他のスパツタ室のターゲツトか
ら飛び出した元素に汚染されることも防止され
る。
なお、上記作用は、基板保持機構の外周側面と
中央真空槽の内周側面とを近接させるほど、より
効果的に働く。即ち、両者が近接するほど、両者
の間〓が十分狭くなるので、スパツタリングされ
た物質が隣接のスパツタ室の前のある基板の位置
まで回り込むことが阻止される。
本発明のスパツタリング装置によれば、多元化
合物薄膜にあつては、組成比を広範囲にわたつて
所望の値とすることが可能となると共に、膜厚も
正確に所望値とすることができる。また、多層薄
膜にあつては、各層の膜厚および全体の膜厚を精
密に制御することができる。
さらに、本発明によれば、基板保持機構の外周
側面全体に、均一に元素を付着させることができ
るので、同一組成比の化合物、または、同一膜厚
の層を形成できる領域の面積が広く、従つて、多
数の基板に、多元化合物薄膜または多層膜を形成
でき、量産が容易となる。しかも、各スパツタ室
では、最適放電状態を維持できるので、安定かつ
高能率のスパツタリングが可能となり、高速成膜
を実現できる。
[実施例] 本発明の実施例について、図面を参照して説明
する。
<実施例の構成> 第1図に本発明スパツタリング装置の一実施例
の構造を示す。
同図に示す実施例のスパツタリング装置は、中
央真空槽2と、その外側に各々独立に連結して設
けられる複数のスパツタ室4a〜4dと、観察室
6とを備え、かつ、上記中央真空槽2に、回転可
能に設けられると共に、外周側面部に基板を保持
する基板保持機構8を配置して構成される。
中央真空槽2は、金属、本実施例ではステンレ
ススチールにより製作され、下端側をベースプレ
ート10により閉塞し、上端側を開放した円筒形
に形成されている。上端には、上蓋12が図示し
ないガスケツトを介して載置され、真空封止でき
るようになつている。また、中央真空槽2の側面
の、スパツタ室4a〜4dと観察室6とが連結さ
れている部分には、連通窓14が各々設けてあ
る。この連通窓14は、本実施例では、断面矩形
状に開口してある。
上記中央真空槽2の内部には、後述する基板保
持機構8を支持すると共に、基板加熱用のヒータ
20を装着した回転支持部16が設けてある。こ
の回転支持部16は、、第3図に示すように、そ
の下端側が、ベースプレート10に載置固着され
ている。また、回転支持部16の上面中心部に
は、軸受18が設けてある。
上記ヒータ20は、例えば、赤外線ヒータを使
用し、回転支持部16内周面に沿つて、複数本が
配置されている。配置位置は、本実施例では、各
スパツタ室4a〜4dおよび観察室6の各連通窓
14に対応するよう設定してある。これらのヒー
タ20は、第3図に示すように、ベースプレート
10に設けてある電流導入端子22を介して、外
部の電源に接続される。なお、回転支持部16の
該ヒータ20に隣接する部分には、赤外線を透過
できるように窓17が設けてある。
各スパツタ室4a〜4dおよび観察室6は、基
本的には、同一の外形で形成してある。即ち、
各々ほぼ円筒形状に形成してあり、一端側を中央
真空槽の側周面に連結固着し、他端側を、スパツ
タ室4a〜4dについてはターゲツト保持部24
により真空封止し、観察室6については、観察窓
保持部26により真空封止する構造となつてい
る。
これらのスパツタ室4a〜4dおよび観察室6
は、各々独立に中央真空槽2に連結され、本実施
例では、正五角形の頂点に対応する位置を各々中
心として取り付けてある。また、これらのスパツ
タ室4a〜4dおよび観察室6は、各々真空配管
80を介して図示しない排気系に接続してあり、
それぞれ個別に排気される。もつとも、排気系は
共通であつてもよい。なお、本実施例では、中央
真空槽2自体は個別に排気されず、上記連通窓1
4を介してスパツタ室4a〜4dおよび観察室6
から排気される。
上記上蓋12は、ステンレススチール板にて形
成され、その中央部には、回転導入器28が設け
てあり、周縁部には、ガス導入口30と、基板温
度モニタ用熱電対32が設けてある。これらは、
いずれも真空シールが施されている。
回転導入器28は、上記上蓋12を貫くと共に
軸状に形成してあり、下部側に、後述する基板保
持機構8とを連結して、これを回動させる駆動側
継手部34を備え、上部側に、モータおよびギヤ
ボツクスからなる回転駆動機構38を連結してあ
る。駆動側継手部34には、後述する受動側継手
部44と係合して回転を伝達する突起36が設け
てある。
また、本実施例では、第1図に示すように、上
蓋12上に、エアロツク式基板導入機構40を備
えている。
上記中央真空槽2内挿入される基板保持機構8
は、円筒状に形成され、上部側が平板42により
閉じられ、この平板42の中央部に、上記突起3
6と係合する穴45を有する受動側継手部44が
設けてある。また、基板保持機構8の外周側面に
は、溝部46が円周状を等間隔で5箇所、即ち、
上記スパツタ室4a〜4dおよび観察室6に対応
して設けてある。この溝部46には、基板ホルダ
48が各々装着してある。
この基板ホルダ48は、断面台形状に形成さ
れ、上記溝部46にあり差し状に嵌合する構造と
なつている。基板ホルダ48の前面側に基板50
が装着保持されている。また、該ホルダ48の上
端部には、螺子穴52が設けてある。この螺子穴
52に、上記した基板導入機構40内にあるホル
ダ着脱機構(図示せず)の螺子が螺合して、該着
脱機構によりホルダ48を基板保持機構8に着脱
する。
スパツタ室4a〜4dに設けられているターゲ
ツト保持部24は、第2図および第3図に示すよ
うに、シリンダ状のスパツタ室4a〜4dの各々
に、O−リング54を介して挿入され、スパツタ
室4a〜4dのフランジ56にボルト58で固定
してある。この保持部24は、ボルト58の締め
方により、挿入深さを調節することができる。
ターゲツト保持部24は、ターゲツト60と水
冷電極62とを保持する。この場合、水冷電極6
2には高電圧が印加されるので、絶縁部材78に
より保持される。水冷電極62には給排水部が設
けてあり、内部に冷却水が注入され、ターゲツト
60を冷却する。
また、スパツタ室4a〜4dには、可変絞り6
4が設けてある。この絞り64は、連通窓14の
前方に近接して設けられる。本実施例では、2枚
の遮蔽板66a,66bと、この遮蔽板66a,
66bを開閉駆動する絞り開閉機構68とを有し
て構成される。
遮蔽板66a,66bは、ステンレススチール
からなり、下部側が敷居溝70に摺動自在に嵌め
込まれている。また、絞り開閉機構68は、送り
螺施を構成する回転軸72と、該回転軸72に設
けられる螺条(図示せず)に螺合するナツト部7
4a,74bとからなる。回転軸72に設けられ
る螺条は、遮蔽板66a,66bに対応して設け
られ、その施回方向が左右逆になつている。従つ
て、該回転軸72を回転させると、ナツト部74
a,74bが相互に逆方向に移動することとな
る。また、ナツト部74a,74bは、それぞれ
対応する遮蔽板66a,66bに連結固定され、
回転軸72の回転により、遮蔽板66a,66b
を回転軸72のの軸方向に沿つて移動させる。
回転軸72は、その一端が真空シールを介して
スパツタ室4a〜4dの外側に突出している。従
つて、各スパツタ室4a〜4dにおいて、真空を
破ることなく絞り64の開口度を調節することが
できる。この場合、絞り64の開口度は、回転軸
72の回転数により設定できる。
また、スパツタ室4a〜4dの外周側面には、
観察窓76が設けてあり、放電状態の観察を行な
うことができる。
<実施例の作用> 上記のように構成された本実施例のスパツタリ
ング装置により薄膜を形成する場合に作用につい
て説明する。
準備作業として、先ず、スパツタ室4a〜4d
の内から使用するスパツタ室を選ぶ。例えば、4
a〜4cの3室を選び、それらの水冷電極62
に、スパツタリングすべき物質のターゲツト60
を装着し、該水冷電極62をターゲツト保持部2
4に装着し、該保持部24を対応するスパツタ室
4a〜4cに装着する。この際、ボルト58の締
め方により、挿入深さを調節して電極間隔を所望
値に設定しておく。
一方、基板50を装着した基板ホルダ48を基
板保持機構8に装着して、この保持機構8を中央
真空槽2に挿入し、さらに、上蓋12により該中
央真空槽2の開口部を封止して、排気を開始す
る。この際、駆動側継手部34と受動側継手部4
4とを、回転を伝達するように係合する。
真空槽2内を高真空(例えば1−10-7Torr)
に排気して、残留不純物ガスの除去を行なつた
後、放電を行なうためのガス、例えば、高純度
Arガスをガス導入口30から中央真空槽2内に
導入する。ガスは、中央真空槽2から連通窓14
を通つて各スパツタ室4a〜4dおよび観察室6
から排気される。このガスの導入量を、最適平衡
分圧、例えば5×10-2Torr程度となるように調
整保持する。なお、本実施例では、図示していな
いが、ターゲツト60の後方にマグネツトを配置
して、低ガス圧で放電できるようにしてある。
この間、基板50をヒータ20によりベーキン
グすると共に、基板温度モニタ用熱電対32によ
り測定して、所定温度、例えば200℃に保持する。
この場合、フイーバツク制御により自動的に所定
温度に保持するようにしてもよい。
また、回転導入器28を介して回転駆動機構3
8により基板保持機構8を回転させる。回転速度
は、例えば、0.1rpm〜500rpmとする。通常、多
元化合物薄膜を形成するときは高速とし、多層膜
を形成するときは低速とする。もちろん、基板保
持機構8を回転させずにスパツタリングすること
もでき、また、連続回転でなく、一定角度ずつス
テツプ回動させてもよい。
各スパツタ室、本実施例では4a〜4cにおい
て、絞り64を完全に閉め、プレスパツタリング
を行なう。本実施例では、可変絞りをシヤツタと
しても使用しているが、シヤツタを別に備えてい
る装置であればシヤツタを閉める。この後、回転
軸72を回転して該絞り64を所定の開口度で開
く。開口度は、回転軸72の回転数と、必要付着
量とを考慮して設定する。
スパツタリングに際しては、ターゲツト物質の
電気抵抗に合わせて、直流電力または高周波電力
を選定する。例えば、Se等のように高抵抗のも
のには高周波電力を使用し、CuおよびInのよう
に低抵抗のものには直流電力を使用する。
このような準備のもとで、多元化合物薄膜を形
成するときは、各ターゲツト60を同時にスパツ
タリングする。一方、多層薄膜を形成するとき
は、各ターゲツト60を積層順にスパツタリング
する。この場合、スパツタリングは各ターゲツト
60について同時に行ない、可変絞り64をシヤ
ツタとして、必要時のみ順次開放して、ターゲツ
ト物質を選択的に基板に到達させ、多層膜を形成
することが好ましい。
なお、各ターゲツト60は、水冷電極62に冷
水却を循環して冷却する。
また、薄膜の形成状態は、観察室6の観察窓に
より観察することができる。
<実験例> 次に、上記装置による薄膜の製作実験例につい
て説明する。
(a) 実験例1「CuInSe2多元化合物薄膜」 スパツタ室4a〜4dの内から4a〜4cの3
室を選んで、それらにCu、In、Seの各物質のタ
ーゲツトを装着し、、またガラス基板を基板保持
機構8に装着して、これら本実施例装置に装着
し、真空槽2内を1×10-7Torr程度に排気して、
残留不純物ガスの除去を行つた後、高純度Arガ
ス導入した。このArガス圧は、スパツタリング
中、5×10-2Torr程度に保持した。また、上記
基板保持機構8に装着保持されているガラス基板
の基板温度を200℃に保持した。
上記雰囲気中で、基板保持機構8を100rpmの
回転速度で回転させつつ、Seターゲツトについ
ては高周破電力(100W)、CuおよびInターゲツ
トについては直流電力(0.3KV,100mA)を
各々供給して、スパツタリングを行なつた。この
時、各可変絞り64の開口度は、各ターゲツトに
ついて次のように設定した。
Cu…(7×50)mm2 In…(6×50)mm2 Se…(0.76×50)mm2 上記のようにして、スパツタリングを行なつた
ところ、、毎時600Åの堆積速度で、黒色の光沢の
ある薄膜が形成された。得られた膜について、X
線回折で調べたところ、この膜がカルコパイライ
ト型構造のCuInSe2多結晶膜であることを確認で
きた。
また、X線マイクロアナライザによる組成分析
の結果、得られた膜の組成比は、 Cu…23at%、In…27at%、Se…50at%であつ
た。
なお、CuおよびInの各ターゲツトについて、
Seの付着による汚染は、観察されなかつた。
(b) 実験例2「Cu・In・Se多層薄膜」 基板保持機構8を0.1rpmの回転速度で回転さ
せると共に、基板温度を室温とし、各ターゲツト
に対応する可変絞り64をシヤツタとして用い、
膜の積層順に従つて順次1分間ずつ全開する条件
で、その他は上記実験例1と同様にしてスパツタ
リングを行なつたところ、ガラス基板上に下層か
ら順に、Cu(100Å)・In(300Å)・Se(80Å)の各
層およびCu(100Å)・In(300Å)・Se(80Å)の各
層を積層した多層膜が得られた。
また、CuおよびInの各ターゲツトについて、
Seの付着による汚染は、観察されなかつた。
<他の実施例> 上記実施例では、中央真空槽の外側に4個のス
パツタ室と観察室を設けていたが、全てをスパツ
タ室としてもよい。また、スパツタ室の一部を予
備室として、観察室として使用することもでき
る。さらに、一部を蒸着室とすることもできる。
上記実施例では、観察室を含めて5室設けてあ
るが、これに限らず、スパツタ室の数を少なく、
または、多くすることができる。
この他、上記実施例では、多元化合物薄膜、多
層薄膜の形成に使用する例を示したが、半導体や
誘導体中に、他の物質を微量添加することにも使
用できる。例えば、半導体に不純物を導入する場
合は、当該半導体を基板とし、不純物をターゲツ
トとして、絞りの開口度を非常に小さくすると共
に、基板保持機構を高速回転させて、スパツタリ
ングすることにより添加することができる。もつ
とも、半導体が薄膜の場合、それ自身もスパツタ
リングで形成しつつ、不純物の添加を行なうこと
もできる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明は、複数のターゲツ
トを各ターゲツト毎に各々独立してスパツタリン
グすることができる。
また、本発明によれば、各元素の付着量を広範
囲にかつ精密に制御できて、組成比の正確な多元
化合物薄膜や、各層の膜厚が正確に設定された多
層薄膜、さらには超格子薄膜等を容易に製作する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明スパツタリング装置の一実施例
の構造を示す要部分解斜視図、第2図は上記実施
例において中央真空槽とスパツタ室の構造を示す
要部截断平面図、第3図は中央真空槽とスパツタ
室の構造を示す断面図である。 2…中央真空槽、4a〜4d…スパツタ室、6
…観察室、8…基板保持機構、10…ベースプレ
ート、12…上蓋、14…連通窓、20…ヒー
タ、24…ターゲツト保持部、28…回転導入
器、30…ガス導入口、48…基板ホルダ、50
…基板、60…ターゲツト、62…水冷電極、6
4…可変絞り、66a,66b…遮蔽板。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 中央真空槽と、この中央真空槽に各々独立に
    連通して設けられる複数のスパツタ室と、上記中
    央真空槽内に、回転可能に設置される基板保持機
    構と、この基板保持機構を可変速回転させる手段
    とを備えることを特徴とする多層/多元薄膜形成
    スパツタリング装置。 2 上記基板保持機構は、上記中央真空槽の内周
    側面に対し、一定間隔を保つて基板を保持可能で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の多層/多元薄膜形成スパツタリング装置。 3 中央真空槽と、その外側に各々独立に連結し
    て設けられる複数のスパツタ室と、上記中央真空
    槽内に、回転可能に設置される基板保持機構と、
    この基板保持機構を可変速回転させる手段とを備
    え、 上記中央真空槽と各スパツタ室との連結部に、
    上記基板保持機構に保持される基板にスパツタリ
    ング膜形成可能に連通する窓を設け、 かつ、上記スパツタ室の基板前方位置にスリツ
    ト状の開口を持つ可変絞りを配置して構成するこ
    とを特徴とする多層/多元薄膜形成スパツタリン
    グ装置。 4 中央真空槽と、この中央真空槽に各々独立に
    連通して設けられる複数のスパツタ室と、上記中
    央真空槽内に、回転可能に設置される基板保持機
    構とを備え、 上記中央真空槽の上端には、真空封止可能に上
    蓋が載置され、この上蓋の中央部には回転導入器
    が設けられ、この回転導入器の上部側には回転駆
    動手段が連結され、この回転導入器の下側には、
    上記基板保持機構と連結して、これを回転させる
    駆動側継手手段が設けられ、 上記基板保持機構の内側にはこの基板保持機構
    を支持する回転支持部を設けていることを特徴と
    する多層/多元薄膜形成スパツタリング装置。 5 中央真空槽と、その外側に各々独立に連結し
    て設けられる複数のスパツタ室と、上記中央真空
    槽内に、回転可能に設置される基板保持機構と、
    上記スパツタ室の基板前方位置に可変絞りと、を
    備えた多層/多元薄膜形成スパツタリング装置の
    運転方法であつて、 目的とする薄膜の構成および組成に応じて、上
    記基板保持機構の回転速度と可変絞りの開口度と
    を設定し、上記複数のスパツタ室内の各ターゲツ
    トをスパツタリングすることを特徴とする多層/
    多元薄膜形成スパツタリング装置の運転方法。
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