JPH0317669B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、自転車などに用いるタイヤの製造工
程において、タイヤのトレツドゴム帯をグリーン
ケースへ貼り合わせる際にトレツドゴム帯の耳端
を揃えて搬送する装置に関する。

従来の技術 タイヤ成型時にトレツドゴム帯をグリーンケー
スの上に蛇行や僅かな変形もなく真すぐに貼りつ
けることが望ましい。このためには、トレツドゴ
ム帯の耳端を自動的に揃えて搬送する装置が必要
である。ところが、未加硫のトレツドゴム帯は剛
性に非常に乏しく摩擦係数が大きいので、強制的
に引張ると伸びて変形し、強制的に押すと折れ曲
がる。このため従来用いられている薄鉄板、紙、
布等の耳端制御搬送方法はいずれも有効でない。

従つて、トレツドゴム帯の貼り合わせは専ら手
作業で行われていた。僅かに自動化例として特公
昭57−52218号公報に示される装置がある。ここ
では、平坦なローラーの両端に、内方へ傾斜した
リング状つばを設け、このつばをトレツドゴム帯
の搬送速度より早く回転させることにより、トレ
ツドゴム帯の耳端を制御するようにしている。

発明が解決しようとする問題点 しかし、上記のような構成では、トレツドゴム
搬送時に外部との摩擦の影響により、トレツドの
蛇行および僅かな変形に対して正確な強制的ガイ
ド作用は有せず、大体のセンタリングしかできな
いと想像される。トレツドの表面の色が黒色等の
単色の場合はこの程度でも差し支えないが、異な
る２色のコンビタイヤを成型するためには、より
正確なセンタリングが要求されるので充分なもの
ではない。

本発明は、トレツドゴム帯を正確なセンタリン
グのもとに搬送できる装置を提供することを目的
とする。

問題点を解決するための手段 本発明では、トレツドゴム帯をその表裏から挾
む２本の自由回転するローラーと、このローラー
と直角の方向に配されてトレツドゴム帯の耳端に
接しかつトレツドゴム帯の進行方向と逆方向に回
転する２本のローラーとを井桁型に組合せてロー
ラー格子機構をつくり、このローラー格子機構を
２組ないし数組垂直に配列してトレツドゴム帯を
下方から上方へ通過させるようにし、さらにロー
ラー格子機構の上方には、トレツドゴム帯と同じ
幅の駆動ローラーを設け、この駆動ローラーの両
端にはこのローラーと逆方向に回転する側円盤を
設けるものである。

作 用 上記の構成によると、トレツドゴム帯が垂直に
近く吊り下げた状態で搬送されるので、トレツド
ゴム帯の外部との摩擦の影響が大幅に排除され
る。

そして、トレツドゴム帯がローラー機構を通過
する際、蛇行しようとしても、耳端に接し逆回転
するローラーにより内側へ押し戻される。こうし
てトレツドゴム帯はその耳端が揃つて搬送され
る。また、送りローラーと逆回転する側円盤も同
様の耳端制御作用を発揮する。

実施例 第１図は本発明によるトレツドゴム搬送装置の
全体構成を示している。

Ｔはトレツドゴム帯、Ｇはこれを貼りつけるグ
リーンケースを示す。

１は基台上の支点２に取りつけられた可動アー
ムであり、その上端にはエアシリンダー３が連結
され、エアシリンダー３の作動により、右方へ傾
くことができる。可動アーム１にはブラケツト４
が取りつけてあり、その上には基盤５が設けてあ
る。基盤５の上方に設けたブラケツト６には送り
ローラー７が取りつけられ、基盤５の下部にはモ
ーター８が取りつけられ、モーター８の軸につく
プーリー９と送りローラー７につくプーリー１０
とはベルト１１で結ばれている。

１２は移動基盤であり、これに取りつけたステ
ー１３のサドル１４が、基盤５に取りつけたブラ
ケツト１５上のガイドレール１６に載つていて、
レール１６に沿つて横方向（第１図では紙面に垂
直方向）に移動させてその位置を調節することが
できる。移動基盤１２には軸受１７，１８を設
け、これらにトレツドゴム帯Ｔの耳端制御ローラ
ー１９，２０にはブーリー２１，２２がつけら
れ、これらはステー１３上に設置したモーター２
３のプーリー２４とベルトでつながれて、同方向
に回転するようになつている。

上記の耳端制御ローラ１９，２０に対して直角
にローラ２５Ａ，２５Ｂとローラー２６Ａ，２６
Ｂが配されている。ローラー２５Ａ，２６Ａは、
第２図に示すように、タイヤトレツドのプロフア
イルに沿う形状を存し、相対するストレートロー
ラー２５Ｂ，２６Ｂとの間に若干の間隙をもつて
タイヤトレツドゴム帯を挾むようになつている。
これらの下方には、同様にトレツドゴム帯を挾む
ローラー２７Ａ，２７Ｂが配されている。以上の
ローラー２５Ａ，２５Ｂ，２６Ａ，２６Ｂ，２７
Ａ，２７Ｂは各々自由に回転するローラーであつ
て、基盤５側に支持されている。

一方、耳端制御ローラー１９，２０の下方には
自由に回転する耳端寄せローラー２８が移動基盤
１２に支持されている。そして、移動基盤１２と
同様に、モーターで駆動されるローラー１９′，
２０′と自由回転ローラー２８′を有する移動基盤
（図示しない）が設けてあり、これら一対の移動
基盤の間隔を調整することによりローラ１９，２
０，２８とローラー１９′，２０′，２８′との間
の間隔を調整することができる。

上記のようにして、ローラー１９，１９′とロ
ーラー２５Ａ，２５Ｂと、またローラー２０，２
０′とローラー２６Ａ，２６Ｂとをそれぞれ井桁
型に組合せてローラー格子機構を構成している。

次に、基盤５側に設けられた送りローラー７及
びプロフアイルローラー２９について説明する。
送りローラー７はトレツドゴム帯の幅と同じ幅を
もつており、その両端にはローラー７とは逆方向
に回転する側円盤３０が設けてある。側円盤３０
はローラー７より直径が大きく、ローラー７と同
じ軸にベアリングでもつて組み込まれている。そ
してこの軸に固定された歯車３１が中間歯車３
２，３３を介してプロフアイルローラー２９の軸
の歯車３４に逆方向の回転を伝える。この逆方向
の回転をプーリー３５とベルト３６を介して、側
円盤３０に固定されたプーリー３７に伝える。こ
うして送りローラー７と側円盤２９とは常に相反
する方向に回転する。

プロフアイルローラー２９の下方に配されるト
レツド保持ローラー３８は、くの字状のレバー３
９の先端に支持されている。そしてレバー３９は
その中央が支点40に回動自在に支持され、後端に
は引張りスプリング４１がつけられている。従つ
て、ローラー３８は常にプロフアイルローラー２
９側に圧接される。

４２はトレツドゴム帯の送り量を検出する光電
管であり、ここからの信号に基づいてトレツドゴ
ム帯の送り量を調節する。４３は成型ホーマーで
ある。

次に、この装置の動作を説明する。

第１図のように、トレツドゴム帯Ｔの先端をプ
ロフアイルローラー２９とローラー３８で挾んだ
状態で、エアシリンダー３の作動により可動アー
ム１が矢印のように動き、プロフアイルローラー
２９が成型ホーマー４３に近づく。そして成型ホ
ーマーに掛るグリーンケースＧ上にトレツドゴム
帯Ｔの先端を貼りつける。

成型ホーマー４３とプロフアイルローラー２９
及び送りローラー７の周速は同じにされている。
従つて、成型ホーマー４３の回転に同期して送り
ローラー７が回転し、トレツドゴム帯Ｔを下から
上へ引き上げて送る。こうして搬送されるトレツ
ドゴム帯Ｔは、最初に自由回転する耳端寄せロー
ラー２８，２８′と、自由回転するトレツド挾み
ローラー２７Ａ，２７Ｂの間を通り、およそトレ
ツド通過軸線中心に保持される。

トレツドゴム帯Ｔは、次に井桁型のローラー機
構に入る。このローラー機構におけるトレツドゴ
ム帯Ｔの通過状態を第２図に示している。自由回
転するプロフアイルローラー２６Ａとストレート
ローラー２６Ｂの間の若干の隙間に挾まれたタイ
ヤトレツドゴム帯Ｔは、吊り下げられた状態で下
から上へ進み、その耳端を耳端制御ローラー２
０，２０′で押さえられる。ローラー２０，２
０′はトレツドゴム帯の進行方向とは逆方向に回
転するので、トレツドゴム帯を払い落とすように
作用し、トレツドゴム帯を常に通過軸線中心に保
持する。

この井桁型ローラー機構を少なくとも２組配列
することにより、剛性のない変形しやすいトレツ
ドゴム帯の蛇行進行をなくすことができる。そし
て、トレツドゴム帯が、これと同じ幅の送りロー
ラ７に乗り移るとき、ローラー７の両端に接し逆
回転する側円盤３０がローラー７に乗りかかつて
くるトレツドゴム帯の耳端を乗る直前に下へ払い
落として揃える作用をする。

第４図は送りローラー７の上にトレツドゴム帯
Ｔが乗つた状態を表わしている。第５図は送りロ
ーラー７と通過軸線を同じくした隣り合うプロフ
アイルローラー２９にトレツドゴム帯がトレツド
保持ローラー３８で保持された状態を表わしてい
る。このようにして通過軸線中心を合せた成型ホ
ーマー４３の上のグリーンケースＧに通過軸線中
心を合せてトレツドゴム帯Ｔを送り込んで貼りつ
けることができる。

発明の効果 井桁型ローラー機構に囲まれたトレツドゴム帯
は、蛇行してどちらの側に逃げようとしても耳端
制御ローラーの回転で内側に押し戻される。これ
を両側から行うので手で耳端の両側を支えてしご
き揃えるのと同じ効果を発揮する。また送りロー
ラーと側円盤の逆回転の関係も同じ効果を発揮す
る。

トレツドゴムは垂直に近い状態に吊り下げて移
動させるので、トレツドを支えるために接触する
ものがないので、摩擦係数の大きいゴムに対して
外力の影響に敏感に追従させ耳端修正させる効果
がある。これによりタイヤ成型時のトレツド蛇行
防止搬送が可能になり、この作業の自動化を可能
にすることができる。また蛇行防止がより正確に
行われるので、従来の方法では不可能であつたコ
ンビタイヤトレツド、例えば真中黒で両側白色と
なつているタイヤのトレツドゴムジヨイント部の
線合せも可能で、従来の手作業のトレツド貼りで
生じるコンビタイヤの境界線の乱れもなくし、し
かも連続自動で手作業よりも速く短時間で正確に
トレツドを貼ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の全体構成の要部を断
面にした側面図、第２図はローラー格子機構を示
す平面図、第３図は要部の斜視図、第４図はトレ
ツド送りローラーの断面図、第５図はプロフアイ
ルローラー部分の断面図である。 Ｔ……トレツドゴム帯、Ｇ……グリーンケー
ス、５……基盤、７……送りローラー、８，２３
……モーター、１２……移動基盤、１９，１９′，
２０，２０′……耳端制御ローラー、２５Ａ，２
５Ｂ，２６Ａ，２６Ｂ……自由回転ローラー、２
９……プロフアイルローラー、３０……側円盤、
３８……トレツド保持ローラー、４３……成型ホ
ーマー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ トレツドゴム帯の表面及び裏面を若干の間隙
   をもたせて挾む２本の自由回転するローラーとこ
   のローラーと直角方向に配されてトレツドゴム帯
   の耳端に接しかつトレツドゴム帯の進行方向と逆
   方向に回転する２本のローラーとで構成したロー
   ラー格子機構の少なくとも２組を垂直に配列する
   とともに、前記ローラー格子機構の上方に、トレ
   ツドゴム帯と同じ幅の駆動ローラーを配置し、こ
   の駆動ローラーの両端にこのローラーを挾みかつ
   ローラーの回転方向と逆方向に回転する側円盤を
   設け、トレツドゴム帯が前記ローラー格子機構を
   下方から上方へ通過して前記駆動ローラーへ達す
   るように構成したタイヤトレツドの搬送装置。