JPH0317583B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は鋳造機等の金型内に中子を自動的に
所定位置にセツトし得る中子自動セツト装置に関
するものである。

（従来技術及びその問題点） 従来、鋳造機に固設される金型によつては、金
型内に中子の装着を必要とするものがあり、中子
の金型内へのセツトは、鋳込み後において金型が
開き、製品を金型内より取り出した後に、作業者
が直接金型内に手を入れ、中子をセツトする行程
で行なわれており、金型は高温に晒されているば
かりかセツト作業時に上型が落下する危険性もあ
り、中子のセツト作業は非常に危険を伴うもので
あつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したもの
であつて、中子を金型へ自動でかつ精度よく装填
することができる中子自動セツト装置を提供する
ことを目的とする。

上記の目的を達成するための本発明の構成は、
鋳造機の機外に設置され、かつ開閉可能な金型の
内部へ装填するための中子を、前記金型へ装填し
た時と同じ姿勢となるように位置決め手段にて位
置決めされた状態で載置しておくための治具台車
と、 この治具台車と前記金型間を走行して前記治具
台車上の中子を前記金型へ装填しさらに帰還する
中子セツターとを有してなり、 前記治具台車には前記中子セツターが前記金型
内へ中子を装填する際の装填位置の割出しを行う
ために、前記金型側に複数箇所配置されたキープ
レートと同一の配置をもつて複数箇所のキープレ
ートが配設される一方、 前記中子セツターは昇降可能な昇降テーブルを
有し、かつこの昇降テーブルには前記中子に対し
緩衝手段を介してクランプ・アンクランプを行う
クランプ機構が装着され、さらに中子セツターに
は同中子セツターが前記治具台車上から取出す場
合及び前記金型へ中子を装填する場合のそれぞれ
の場合におけるクランプ機構のクランプ動作に先
立つて前記治具台車及び前記金型側の各キープレ
ートを掴む位置決め機構が、前記昇降テーブルに
対し水平面内での変位が許容されるようにフロー
テイング機構を介してフローテイング支持されて
いることを特徴とするものである。

（作用） まず、治具台車上に中子がセツトされるのであ
るが、このときには中子は位置決め手段により金
型にセツトしたのと同じ状態（姿勢）が実現され
ている。次に、中子セツターが治具台車上に移動
し、中子セツターの昇降テーブルが下降する。そ
して、位置決め機構により治具台車上の各キープ
レートが掴まれ、この状態でクランプ機構により
中子がクランプされる。つまり、治具台車に対す
るクランプ機構の割り出しを行つた後に中子のク
ランプを行うわけである。しかる後に、中子セツ
ターは金型へ向けて移動し、金型の上方において
中子セツターの位置決め機構が金型側の各キープ
レートを掴む。金型側の各キープレートと治具台
車側の各キープレートは同一配置であるため、中
子セツターが金型側のキープレートを掴むことに
よつて、クランプ機構と金型との位置関係は治具
台車に対しての関係と同一の関係が得られるた
め、そのまま昇降テーブルを下降させれば、中子
を正規の位置に装填することができる。この金型
への装填に際し、緩衝機構により金型に対する中
子の押し付け力が軽減されるため、中子の損傷が
回避される。また、昇降テーブルはフローテイン
グ支持されているため、中子セツターに保持され
ている中子と金型との間で位置ずれが生じていて
も、これを吸収して位置決めを可能にする。かく
して、金型内の所定位置にに中子がセツトされ
る。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。

先ず第３図において、本例装置の全体構成を説
明する。

鋳造機１の機粋１ａの中央部位には水平状に下
ダイベース２が設置されており、この下ダイベー
ス２の上面側に下型３が固設され、この下型３内
に中子Ｔがセツトされる。本例では下型２は２個
の鋳物製品を成形可能な２個型に形成されたもの
であつて、中子Ｔは対称の位置に２個セツトされ
るものである。この下型３の上方の四方の支柱１
ｂの上端部にはプラテンＮが横設されており、こ
のプラテンＮには一対の昇降シリンダー４ａ，４
ｂが縦設され、昇降シリンダー４ａ，４ｂの下端
部には前記下型３と整合する一対の上型５ａ，５
ｂが上ダイベースＤを介し固設されており、昇降
シリンダー４ａ，４ｂが各一対のガイドバー５に
ガイドされて下方に移動することにより、上型５
ａ，５ｂが下型３と整合される。このように昇降
シリンダー４ａ，４ｂを介して上型５ａ，５ｂは
整合位置から上方に待機する待機位置に亘り移動
可能となつている。

又、前記下ダイベース２の下方部位には湯炉
（るつぼ）７が設置されており、湯炉７と下ダイ
ベース２との間には炉蓋６が配置されて湯炉７内
の気密性が保持されている。湯炉７と前記下型３
とはストークを介し連通されており、湯炉７内の
溶湯が下型３と上型５ａ，５ｂとにより形成され
るキヤビテイ内に圧入される構造となつている。
尚、湯炉７の下方にはリフト台部８が設けられて
おり、リフト台部８は湯炉７を上方に押圧可能と
なつている。又、湯炉７の下端には車輪９，９が
設けられており、レール１０，１０を介し機外に
退出できる構造となつている。

さらに本例においては、前記下型３の上方に水
平状に鋳造機１を貫通して一対のレール１１が配
設されており、このレール１１上を製品搬出台車
１２と中子セツター１３が走行可能となつてい
る。

製品搬出台車１２は、下型３と上型５ａ，５ｂ
とにより製品が鋳造された後に、上型５ａ，５ｂ
の上昇とともに製品が上方に持ち上げられた時
に、上型５ａ，５ｂの下方に走行し、上型５ａ，
５ｂから落下される製品を載置台１２ａで受け止
め、製品を機外に運び出すことができるものであ
り、下端部にはレール１１上を転動可能な車輪１
２ｂ，１２ｃが設けられている。

一方、中子セツター１３は同様にレール１１上
を走行可能な車輪を有し、中子Ｔ，Ｔを自動的に
下型３内にセツトするものである。

この中子セツター１３の走行状態を第１図の正
面図と、第２図の平面図をもつて説明すると、中
子セツター１３は、水平状のフレーム台１４と、
この上方に粋組状に固設されたフレーム１５を有
し、フレーム１５内に対向状に、左セツター部１
６と、右セツター部１７が一対設置されている。
左右のセツター部１６，１７は同一部材により構
成されたものであつて、前記下型３が２個の製品
成形用に形成されたものであるため、このような
一対の左右対称のセツター部１６，１７を備えて
いるのである。

左セツター部１６は、フレーム１５上に立設さ
れた昇降シリンダー１８を備え、この昇降シリン
ダー１８は下方に連設されている後述する位置決
め機構Ｂ及び中子クランプ機構Ｃを作動させる。
同様に右セツター部１７にも昇降シリンダー１９
が立設されており、一対のガイドバー２１にガイ
ドされて昇降動されるものである。又、フレーム
１５の図示左端部には減速モーター２２が固設さ
れており、減速モーター２２のスプロケツトに掛
装されたチエーン２４はフレーム台１４の下部に
回転可能に枢支された駆動軸２３のスプロケツト
２３ａに掛装されており、テンシヨンホイル２５
によりテンシヨンが掛けられている。従つて、減
速モーター２２が回転することによりチエーン２
４を介し駆動軸２３が回転し、駆動軸２３の軸端
に固設された一対の車輪２６ａ，２６ａが回転し
中子セツター１３はレール１１上を走行可能とな
つている。又、フレーム台１４の下部右端部にも
車輪２６ｂ，２６ｂが回転可能に軸支されてい
る。

又、フレーム台１４の図示左端部にはストツパ
ーシリンダー２７が縦設されており、中子セツタ
ー１３が下型３の上方位置に停止した時に、中子
セツター１３をその位置で位置決め固定するため
のものである。又、左セツター部１６の下方のフ
レーム台１４には減速リミツト２８と停止リミツ
ト２９が設置されており、さらに右セツター部１
７の下方のフレーム台１４には停止用リミツト３
０と減速用リミツト３１がそれぞれ設置されてい
る。この各リミツトスイツチ２８，２９，３０，
３１はレール１１上に固設されたリミツトスイツ
チドツグ３２，４５を介し作動されるものであ
り、レール１１上を中子セツター１３が走行する
時に、下型３上方の整合位置に良好に中子セツタ
ー１３を停止させ、又後述する待機位置Ｈに良好
に中子セツター１３を停止させるためのものであ
る。

一方レール１１の図示左端部には、レール１１
の下方にレール１１と直行する方向に一対の下レ
ール３３ａ，３３ｂが敷設されており、この下レ
ール３３ａ，３３ｂ上を走行可能に治具台車３４
が配置されている。

治具台車３４の上面部は水平平板状の治具板３
５となつており、治具台車３４の下方に転動可能
に車輪３６ａ，３６ｂが固設されており、この車
輪３６ａ，３６ｂが下レール３３ａ，３３ｂ上を
転動可能となつている。この治具台車３４の前記
治具板３５の上面には、上方に突出状にキープレ
ートK₁，K₂，K₃及びK₁₁，K₁₂，K₁₃の６個のキ
ープレートが固設されており、キープレートK₁，
K₂，K₃は前記中子セツター１３の左セツター部
１６の位置決めのためのものであり、又、キープ
レートK₁₁，K₁₂，K₁₃は右セツター部１７の位置
決めのためのものである。この各キープレート
K₁，K₂，K₃，K₁₁，K₁₂，K₁₃は、前記下型３内
に設置されているキープレートと同一のものであ
り、治具板３５上における各キープレートK₁，
K₂，K₃，K₁₁，K₁₂，K₁₃の配置位置は下型３内
に設置されているキープレートと全く同じ配置位
置となつている。即ち、治具板３５は下型３と対
応するものであり、この治具板３５に立設された
治具ピンＧ上に中子Ｔ，Ｔをセツトした時には、
中子Ｔ，Ｔは下型３の所定セツト位置と対応する
位置にセツトされたこととなる。即ち、第２図に
おける作業者セツト位置Ｐに治具台車３４を置
き、この位置で作業者が治具板３５上の治具ピン
Ｇ上に中子Ｔ，Ｔをセツトすることができるもの
となつている。

治具台車３４の下面側にはエアーシリンダー４
１のロツド４１ａの先端部が配置されており、ロ
ツド４１ａと治具台車３４は固定部４０を介し連
結されており、エアーシリンダー４１が作動する
ことによりロツド４１ａを介し治具台車３４は第
２図における上方位置へ移動可能となつている。
第２図におけるレール３３ａ，３３ｂの下端部に
は、一対のストツパー３９ａ，３９ｂが配設され
ているとともに、その中央部にはシヨツクアブソ
ーバー３８が設置されて治具台車３４作業者セツ
ト位置Ｐへの移動を確実なものとしている。一
方、エアーシリンダー４１側にはシヨツクアブソ
ーバー４２が設けられている。

図中４３はリミツトスイツチであつて、上レー
ル１１に固設されたものであり、前記中子セツタ
ー１３に固設されたリミツトスイツチドツグ４４
を介し、中子セツター１３を上レール１１の左端
部に正確に停止させるためのものである。

中子セツター１３が上レール１１の左端部に停
止した時に、エアーシリンダー４１が作動される
と、中子セツター１３の下方に前記治具台車３４
が整合されることとなる。

又、上レール１１には待機位置Ｈ決め用のリミ
ツトスイツチドツク４５が固設されており、中子
セツター１３を待機位置Ｈに停止させることがで
きる。即ち、中子セツターが治具台車３４上にセ
ツトされた中子Ｔを把持した後、前工程の鋳造が
完了するまでの間、この待機位置Ｈに中子セツタ
ー１３を待機させるものである。

引き続いて、中子セツター１３内に設けられた
位置決め機構Ｂ及び中子クランプ機構Ｃについ
て、前記左セツター部１６を例に取つて第４図の
正面図及び第５図の側面図において詳述する。

前記左セツター部１６を構成するフレーム１５
のフレーム板１５ａには前述したように昇降シリ
ンダー１８が立設されており、その両側にガイド
バー２０がハウジング４６を介し上下動可能に立
設され、各ガイドバー２０，２０の下端部はナツ
ト５０を介しフレーム板１５ａの下方に水平状に
配設された昇降テーブル４７に固設されており、
昇降テーブル４７の中央部上面に固設されている
ナツクルホルダー４９には、前記昇降シリンダー
１８のロツド１８ａの下端部がナツクル４８を介
し連結されている。従つて、昇降シリンダー１８
の作動により昇降テーブル４７が昇降可能な構造
となつている。

この昇降テーブル４７の下面側には一対のハウ
ジング５１及び５２が固設されており、各ハウジ
ング５１，５２の内部にはそれぞれ軸５１ａ，５
２ａが摺動可能に挿入されている。又、この軸５
１ａ及び５２ａの各両端部は直交状に配設された
一対のハウジング５３及び５４内に装着されてい
る軸５３ａ及び５４ａの各端部と連結ブロツク５
６，５７，５８，５９を介しそれぞれ連結されて
おり、一対のハウジング５３，５４は昇降テーブ
ル４７の下方に平行状に配設されたフローテイン
グテーブル５５の上面に固設されている。その配
置状態を第６図に示す。即ち、４個のハウジング
５１，５２，５３，５４と各ハウジング内に装着
されている軸５１ａ，５２ａ，５３ａ，５４ａに
てフローテイング機構Ｆが構成されており、各軸
５１ａ，５２ａ，５３ａ，５４ａの両端にはスプ
リングＳが外嵌されており、フローテイングテー
ブル５５は、このフローテイング機構Ｆを介し昇
降テーブル４７に対し水平面内においてXY方向
に移動が可能なものとなつている。

フローテイングテーブル５５の中央部にはシリ
ンダー受板６０を介し薄型シリンダー６１が立設
されており、この薄型シリンダー６１のロツドの
下端部に固設されたナツクル６２が、フローテイ
ングテーブル５５の下方に並設されたクランプテ
ーブル６３上に固設されているナツクルホルダー
６４と嵌合されている。

又、フローテイングテーブル５５の周縁部に
は、４本の下ガイドバー６５，６６，６７，６８
の上端部がナツト６９を介し固設されており、各
ガイドバー６５，６６，６７，６８の下端部に
は、治具テーブル７０が固設されており、この治
具テーブル７０には３対の挾持部からなる位置決
め機構Ｂが設けられている。

この位置決め機構Ｂの各挾持部は、前記治具テ
ーブル７０の下面側に固定された下端に基準ブロ
ツク７１ａを有する固定ブラケツト７１と、この
固定ブラケツト７１に横設されている一対のロツ
ド７２ａ，７２ｂと、このロツド７２ａ，７２ｂ
にガイドされて固定ブラケツト７１方向に摺動可
能な可動ブラケツト７４と、この可動ブラケツト
７４を摺動移動し得るロツド７２ａ，７２ｂ間に
設けられたシリンダー７３とを有し、シリンダー
７３が作動されることにより可動ブラケツト７４
が固定ブラケツト７１側に移動し、可動ブラケツ
ト７４の下端部に設けられた可動側ブロツク７５
が固定ブラケツト７１の下端部の基準ブロツク７
１ａと離接することとなり、前記治具台車３４の
治具板３５の上面側に設けられたキープレートＫ
を挾み付けることができる。従つて、３対の挾持
部からなる位置決め機構Ｂが、治具板３５の各キ
ープレートK₁，K₂，K₃をそれぞれ基準ブロツク
７１ａと可動側ブロツク７５により挾み付けるこ
とにより、フローテイングテーブル５５が治具板
３５上の所定位置にセツテイングされることとな
る。その時に前記フローテイング機構Ｆにより各
ハウジング５１，５２，５３，５４内の各軸５１
ａ，５２ａ，５３ａ，５４ａが適宜移動して、位
置決め機構ＢがキープレートK₁，K₂，K₃を正確
な位置で掴むことを補助する。この位置決め機構
Ｂの作動は下型３に対しても同様に行なわれるも
のであり、下型３内に設置されている各キープレ
ートに対しても３対の挾持部からなる位置決め機
構Ｂが同様に作動し、下型３に対し中子セツター
１３が正確な位置にセツテイングされるものであ
る。

一方、クランプテーブル６３の下方には中子ク
ランプ機構Ｃが設けられており、中子クランプ機
構Ｃを説明すると、 クランプテーブル６３の下面中央部に仕切板７
９が垂設されており、この仕切板７９には上下方
向に一対のロツド８３が平行状に横設され、この
ロツド８３，８３には一対の爪ホルダー８４ａ，
８４ｂが左右対称に摺動可能となつており、仕切
板７９に固設されたシリンダー８５，８６の作動
により各爪ホルダー８４ａ，８４ｂが摺動され
る。この爪ホルダー８４ａの下端部には爪８７が
固設されており、爪ホルダー８４ｂの下端部には
爪８８が固設されている。又、クランプテーブル
６３の下面両縁部にもブラケツト８９，９０を介
しクランプシリンダー９１，９２が設置されてお
り、このクランプシリンダー９１，９２の作動に
より治具テーブル８０より垂下状に設けられてい
るグリツパー爪９３，９４が移動可能となつてい
る。このグリツパー爪９３，９４の周縁には上下
方向に複数のリング状の山形突起部Ｙが形成され
ており、さらに外方に突出した針状突起部Ｚが形
成され滑り止めとなつている。

又、治具テーブル８０の下面からは固定ピン８
１が垂設されており、この固定ピン８１にもリン
グ状の山形突起部Ｙが形成されて、固定ピン８１
と前記グリツパー爪９３及び９４は中子Ｔに形成
された穴内に嵌入可能なものとなつており、固定
ピン８１が中子Ｔの穴内に嵌入された後にクラン
プシリンダー９１，９２が作動されてグリツパー
爪９３及び９４が移動することにより中子Ｔを良
好に把持することができ、さらにシリンダー８
５，８６の作動により爪８７，８８を介し中子Ｔ
を良好に把持することができるものとなつている
（第７図参照）。さらに、治具テーブル８０より垂
下状に設けられている中子押さピン１００にはバ
ネ１０１が外嵌されており中子押さピン１００は
上下動可能となつている。この中子押さピン１０
０は中子Ｔをクランプした状態で若干押し上げら
れ、バネ１０１により下方向への付勢力が加わ
り、下型３内へ中子Ｔをセツトした時に中子Ｔの
浮き上がりを防止するものである。上述したこれ
らの部材により中子クランプ機構Ｃが構成されて
いる。

又、前記クランプテーブル６３の両縁部には４
個のハウジング７６が固設されており、各ハウジ
ング７６は前記ガイドバー６５，６６，６７，６
８に摺動可能に外嵌されたものであり、この各ハ
ウジング７６と対向状に、前記治具テーブル７０
の上面側にも４個の各ハウジング７７が固設され
ており、上方のハウジング７６と下方のハウジン
グ７７間にはバネ７８がそれぞれ外嵌されてい
る。従つて、前記薄型シリンダー６１の作動によ
りクランプテーブル６３が下方へ移動する時に
は、この各バネ７８が下方へ押圧力を緩衝し、前
記固定ピン８１，グリツパー爪９３，９４及び爪
８７，８８による中子クランプ機構Ｃの中子Ｔに
対する押圧力を緩やかなものとしている。そのた
め、脆く破損し易いシエルモールド製の中子Ｔが
傷付けられることなく柔らかいタツチで中子クラ
ンプ機構Ｃにより把持されるのである。

次に本例装置の作業手順を説明する。

上記構成において、作業者が作業者セツト位置
Ｐにおいて、治具台車３４の治具板３５上の所定
位置に中子Ｔをセツトした後、エアーシリンダー
４１が作動されて治具台車３４がレール１１の下
方位置に移動され、その上方より中子セツター１
３が治具台車３４との整合位置に移動し、中子セ
ツター１３の位置決め機構Ｂが昇降シリンダー１
８の下降により作用し、治具板３５上のキープレ
ートK₁，K₂，K₃を３対の基準ブロツク７１ａと
可動側ブロツク７５により挾み付け、その時にフ
ローテイング機構Ｆが良好に作用して中子セツタ
ー１３は治具台車３４の治具板３５に正確にセツ
テイングされ、その後に薄型シリンダー６１が作
動してクランプテーブル６３が下降し、中子クラ
ンプ機構Ｃにおける固定ピン８１、グリツパー爪
９３，９４及び爪８７，８８の作動により治具板
３５上の中子Ｔが良好に把持された後上昇し、中
子Ｔは中子セツター１３に把持された状態にて待
機位置Ｈで待機される。その後、上型５ａ，５ｂ
が上方に移動して製品が取り出された後に、中子
セツター１３が下型３の上方位置に移動し、下型
３に対し再び昇降シリンダー１８の作動により昇
降テーブル４７が下降し、位置決め機構Ｂにより
下型３内のキープレートが掴まれて、下型３に対
し中子セツター１３が正確な位置にセツテイング
され、その後に、再び薄型シリンダー６１の作動
により中子クランプ機構Ｃが下降され、下型３内
の正確な位置に把持している中子Ｔをセツトする
ことができる。

このように本発明の中子自動セツト装置によれ
ば、作業者は下型３内に手を入れることなく、安
全な作業者セツト位置Ｐにおいて中子Ｔのセツト
作業を行なうことができ、鋳造作業が極めて安全
なものとなる。又、予め治具板３５上に下型３と
同一状態の中子Ｔのセツト位置を設定しておき、
かつ中子セツター１３の位置決め機構Ｂがキープ
レートを介し治具板３５に対し、又、下型３に対
し正確な位置にセツテイングされた後に中子クラ
ンプ機構Ｃが作動される構成であるため、中子Ｔ
のセツト状態が極めて正確なものとなり、中子Ｔ
の下型３内におけるセツト位置がズレることがな
い。又、中子クランプ機構Ｃはバネ７８の作用に
より緩やかに中子Ｔを把持し得るため中子Ｔの破
損が少なくなるものである。

尚、本例における位置決め機構Ｂを、キープレ
ートK₁，K₂，K₃……を掴む方式に替え、キープ
レートK₁，K₂，K₃……に相当する位置に凹設さ
れたピン溝に対しノツクピンを嵌入させて、中子
セツター１３の位置決めを行なえる形式としても
よい。

さらに本例の中子クランプ機能Ｃは、下型３内
にセツトされる中子Ｔの形状，個数等により適宜
形状及び個数を変更させることができ、固定ピン
８１及びグリツパー爪９３，９４のみにて中子Ｔ
を把持し得る構造としてもよく、爪８７，８８の
みにより中子Ｔを把持し得る構造のものとしても
よい。

（発明の効果） 本発明の効果は次のようである。

治具台車側および金型側の各キープレートを共
に同一配置としたため、金型に対する中子の位置
決めが確実かつ自動的になされる。

また、緩衝機構により金型に対する中子の押し
付け力が軽減されるため、シエルモールドの中子
の場合等のように、特に損傷しやすいものの場合
に有効である。

さらに、昇降テーブルがフローテイング支持さ
れているため、中子セツターに保持されている中
子と金型との間で位置ずれが生じていても、これ
が容易に吸収されるため、位置決めを円滑に行う
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示し、第１図は中子自
動セツト装置における中子セツターと治具台車と
の配置状態を示す正面図、第２図は第１図の平面
図、第３図は本例の中子自動セツト装置を用いた
鋳造装置の全体配置図、第４図は中子セツターの
要部拡大正面図、第５図は第４図の要部側面図、
第６図は第４図のＡ−Ａ線断面図、第７図は中子
クランプ機構における爪の配置図である。 Ｔ……中子、３……下型、１１……上レール、
１３……中子セツター、１６……左セツター部、
１８，１９……昇降シリンダー、２２……減速モ
ーター、２６ａ，２６ｂ……車輪、３４……治具
台車、３５……治具板、４１……エアーシリンダ
ー、５１，５２，５３，５４……ハウジング（フ
ローテイング機構Ｆ）、５５……フローテイング
テーブル、６１……薄型シリンダー、６３……ク
ランプテーブル、６５，６６，６７，６８……下
ガイドバー、７１……固定ブラケツト、７３……
シリンダー、７４……可動ブラケツト、７８……
バネ、８１……固定ピン、８４ａ，８４ｂ……爪
ホルダー、８５，８６……シリンダー、８７，８
８……爪、９３，９４……グリツパー爪、K₁，
K₂，K₃，K₁₁，K₁₂，K₁₃……キープレート、１
００……中子押えピン、Ｂ……位置決め機構、Ｃ
……中子クランプ機構、Ｐ……作業者セツト位
置、Ｈ……待機位置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 鋳造機の機外に設置され、かつ開閉可能な金
   型の内部へ装填するための中子を、前記金型へ装
   填した時と同じ姿勢となるように位置決め手段に
   て位置決めされた状態で載置しておくための治具
   台車と、 この治具台車と前記金型間を走行して前記治具
   台車上の中子を前記金型へ装填しさらに帰還する
   中子セツターとを有してなり、 前記治具台車には前記中子セツターが前記金型
   内へ中子を装填する際の装填位置の割出しを行う
   ために、前記金型側に複数箇所配置されたキープ
   レートと同一の配置をもつて複数箇所のキープレ
   ートが配設される一方、 前記中子セツターは昇降可能な昇降テーブルを
   有し、かつこの昇降テーブルには前記中子に対し
   緩衝手段を介してクランプ・アンクランプを行う
   クランプ機構が装着され、さらに中子セツターに
   は同中子セツターが前記治具台車上から取出す場
   合及び前記金型へ中子を装填する場合のそれぞれ
   の場合におけるクランプ機構のクランプ動作に先
   立つて前記治具台車及び前記金型側の各キープレ
   ートを掴む位置決め機構が、前記昇降テーブルに
   対し水平面内での変位が許容されるようにフロー
   テイング機構を介してフローテイング支持されて
   いることを特徴とする中子自動セツト装置。