JPH0317543Y2

JPH0317543Y2 -

Info

Publication number: JPH0317543Y2
Application number: JP7641381U
Authority: JP
Priority date: 1981-05-25
Filing date: 1981-05-25
Publication date: 1991-04-12
Also published as: JPS57189219U

Description

【考案の詳細な説明】本考案はケーブルダクト用防火装置の改良に関
し、特に防火性を有すると共にケーブルダクトに
浸水が生じても遮水性を有するケーブルダクト用
防火装置に関する。

火災が発生すると、火災現場には備え付けのス
プリンクラーや消防車等から多量に放水される。
このような火災現場にケーブルダクトが配設され
ていた場合、該ダクトを通じて火災現場から離れ
て設置されている配電盤、操作盤まで走水し、電
気系統に甚大な損害を及ぼすことがあつた。一方
このようなケーブルダクト内に配設した電線を通
じて延焼する惧れがあるため、適宜の間隔、場所
においてケーブルダクトを長手方向において仕切
る防火壁を設ける方向にあり、いくつかの防火壁
構造が提案されているがその最も進んだ形の防火
装置を断面図で第１図に示す。即ち、図はケーブ
ルダクト１′を水平に配設した例であり、多条電
線２′の長手方向に所定の間隔をおいてダム３
１′，３２′を形成して後、該ダム３１′，３２′の
間に防火性シーラント４′を充填固化して後ダク
ト１′を蓋１１′で閉じて成る。防火性シーラント
４′は多条電線の間隙を埋めることを狙いとして
用いられる。しかしながら、この第１図の防火装
置も遮水性を考慮して提案されたものではない。
考案者らはこの第１図の防火装置について実験を
行いその遮水性を評価検討した結果、火災のない
通常状態においては良好な遮水性を有するもの
の、火発生時に重大な欠陥を有することを見出し
た。即ち、多条電線２′はケーブルダクト１′に直
接接触する状態で配設されているため、火災にお
いて最も良く加熱されて高熱となつたケーブルダ
クト１′からの伝熱により、ダクト１′に接触して
いる電線の被覆部分の変質、変形が激しく起り、
而して、この変質、変形した電線部分を通じて走
水するのを阻止し得ないのである。

本考案は上記知見に基づき案出した改良された
ケーブルダクト用遮水性防火装置を提供するもの
であり、多条電線を配設したケーブルダクト内
に、所定間隔をおいて形成した一対のダムの間に
おいて該多条電線の間隙及び多条電線とダクト内
壁との間隙に充填固化した防火性シーラントを有
する遮水性防火仕切り壁を形成して成るケーブル
ダクト用遮水性防火装置において、該防火仕切り
壁部における前記多条電線は防火性シーラント及
び／又は防火パテによりケーブルダクト内壁から
隔離されており、かつ、多条電線が埋没する高さ
まで充填固化した防火性シーラントの上面とダク
ト用蓋の間は防火パテにより仕切り壁が形成され
ていることを特徴とする。本考案を図面により以
下に説明する。

第２図は本考案の一実施例を示すケーブルダク
ト用遮水性防火装置の正面図を断面で示す。第３
図は第２図矢視Ａ−Ａ方向の断面図である。図に
おいて、１は水平に配設されたケーブルダクト、
１１はダクト用蓋であり、２はダクト内に配設さ
れた多条電線である。３はダクト１の内壁面に形
成した遮水性防火材である発泡性防火パテ層であ
り、該パテ層３により電線２はダクト１の内壁か
ら離隔されている。５は該パテ層３の両端に形成
したダム４１，４２間に電線２が埋没する高さま
で充填して後固化させた防火性シーラントであ
り、６は該防火性シーラント上のダクト内空間を
閉塞するための遮水性防火材である発泡性防火パ
テ層である。該ダム４１，４２は例えば多条電線
の各線をウレタン等の発泡シートで包み、このよ
うな電線を積層すると共に該電線をダクト１との
間隙を発泡性或は非発泡性防火パテで埋めて形成
する。本実施例においては、遮水性防火仕切り壁
は防火性シーラント５と発泡性防火パテ層３，６
とにより形成される。勿論、第１図のようにダム
の一方をダクト１を完全に仕切る程度の高さと
し、該ダムの電線より上部を発泡性防火パテで構
成し、該ダムと防火性シーラント５と発泡性防火
パテ層３により遮水性防火仕切り壁を形成しても
良い。発泡性防火パテとしては例えば、特開昭50
−58936、同50−58937、同50−76115、同50−
115002、同50−115003に示されたような高粘度の
有機液体をベースとし、これにペンタエリスリト
ールなどの多価アルコール、メラミンなどの発泡
剤、ポリリン酸アンモニウムなどの難燃脱水剤を
配合したものを用いることができる。該発泡性防
火パテはダクト１から加熱されると発泡炭火層を
形成するが、遮水性は維持される。また、非発泡
性防火パテとしては例えば油状（難燃性の方が好
ましい）バインダーに水酸化アルミニウム、無機
の粉体又は短繊維充填剤、難燃剤等を配合したも
のを用いることができる。防火性シーラントは高
難燃性の流し込み経時硬化型のシール材であり、
例えば２液性常温硬化型のウレタン、エポキシ、
不飽和ポリエステル、等の樹脂及びシリコンゴム
をベースとし、これに有機或は無機の難燃剤を配
合したもの、具体的には、「DFシール」（大日日
本電線製商品名）を用いることができる。

第４図は本考案の別の実施例であるケーブルダ
クト用遮水性防火装置の正面図を断面で示す。図
において、７，７は断熱材であり、多条電線２を
ダクトの内壁から離隔させた状態に保持するため
のものである。５はこの状態でダム４１，４２の
間に充填固化した防火性シーラントであり、６は
該防火性シーラント上のダクト空間を閉塞するた
めの遮水性防火材である発泡性防火パテ層であ
る。なお、その他は第２図、第３図の場合と同様
である。断熱材７としてはケイ酸カルシウム板、
ロツクウール等の無機繊維からなる成形体を用い
ることができる。この場合は、防火性シーリング
材５と発泡性防火パテ層６により遮水性防火仕切
り層を形成している。

なお、本考案はケーブルダクトを水平に或は傾
けて配置した場合のように、多条電線が自重でダ
クト内壁に接触する形となる場合に有用であるこ
とは勿論であるが、ケーブルダクトを垂直に配置
した場合においても有用である。即ちケーブルダ
クトを垂直に配置した場合は、防火性シーラント
の流出をセキ止めるためのダムを形成する方法と
しては、多条電線の各線をウレタン等の発泡シー
トで包み、これをケーブルダクトの内壁の一方に
押し付け、ケーブルダクト内壁との間隙を防火パ
テで埋める形が採られているが、この場合、電線
はケーブルダクトの内壁に直接接触する形となる
ため、ケーブルダクトを水平に或は傾けて設置し
た場合と同様の問題を生じるからである。

上述したとおり、本考案に成るケーブルダクト
用遮水性防火装置は、遮水性防火仕切り壁部にお
ける多条電線はケーブルダクトから離隔して配設
されているため、火災発生時において、高温にさ
らされるケーブルダクトに電線が直接接触してい
ないため、電線の被覆が変質、変形するには時間
がかゝり、かつ、変質、変形の程度も少なく、ま
た、多少変質、変形して間隙が生じても、介在さ
せた遮水性防火材が該間隙を埋める方向で作用
し、従つて、火災発生時においても充分な遮水性
を保持でき、而して、ケーブルダクトを通して配
電盤、操作盤まで走水して電気系統に被害を及ぼ
すということがなく防災上きわめて有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のケーブルダクト用防火装置、第
２図、第３図は本考案のケーブルダクト用遮水性
防火装置の一実施例、第４図は本考案の別の実施
例を断面図で示す。図において、１……ケーブルダクト、２……電
線、３，６……発泡性防火パテ層、４１，４２…
…ダム、５……防火性シーラント、７……断熱
材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

多条電線を配設したケーブルダクト内に、所定
間隔をおいて形成した一対のダムの間において該
多条電線の間隙及び多条電線とダクト内壁との間
隙に充填固化した防火性シーラントを有する遮水
性防火仕切り壁を形成して成るケーブルダクト用
遮水性防火装置において、該防火仕切り壁部にお
ける前記多条電線は防火性シーラント及び／又は
防火パテによりケーブルダクト内壁から隔離され
ており、かつ、多条電線が埋没する高さまで充填
固化した防火性シーラントの上面とダクト用蓋の
間は防火パテにより仕切り壁が形成されているこ
とを特徴とするケーブルダクト用遮水性防火装
置。