JPH08126166A - ケーブル床貫通部の防火構造 - Google Patents

ケーブル床貫通部の防火構造

Info

Publication number
JPH08126166A
JPH08126166A JP6262438A JP26243894A JPH08126166A JP H08126166 A JPH08126166 A JP H08126166A JP 6262438 A JP6262438 A JP 6262438A JP 26243894 A JP26243894 A JP 26243894A JP H08126166 A JPH08126166 A JP H08126166A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cable
fireproof
floor
duct
fire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6262438A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Ushio
豊 牛尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Cable Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Cable Industries Ltd
Priority to JP6262438A priority Critical patent/JPH08126166A/ja
Publication of JPH08126166A publication Critical patent/JPH08126166A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Installation Of Indoor Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケーブルダクトに収容された重要ケーブルの
床貫通部の防火処理の容易化を図り、施工品質の安定化
を図る。 【構成】 ケーブルダクト4,5内に配置されたケーブ
ル群3を、床壁1を上下に貫通する床貫通孔2に貫通配
置し、下側のケーブルダクト4の上端面4aを床壁から
所定距離下方位置に位置付ける。両者間を上下に延びる
ケーブル群部3′に対し、ケーブルダクトとの間の開口
を遮蔽する耐火性仕切板6をケーブルダクト上端面に取
付けてケーブルダクト内の火焔の通過を遮断し、仕切板
と床壁との間を補助ダクトで遮蔽して外部からの火焔を
遮断する。ケーブル群部3′を火災熱から断熱するため
に外周囲を防火パテ塗着部11で覆い、さらに、テープ
状部材12aを巻き付けて防火パテ塗着部を保持し断熱
状態を維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発電所,変電所もしく
は大工場等における防火区画床の床貫通孔を、ケーブル
ダクト内に収容された重要ケーブルが貫通するケーブル
床貫通部の防火構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、上記の発電所等の重要ケーブ
ルを対象として、このケーブルが隔壁を水平に貫通する
場合の構造として、隔壁の貫通孔に連通させてダクト片
を取付け、このダクト片の内部に延びるケーブルの長手
方向前後位置にそれぞれ仕切板(クリート)を設けて上
記ダクト片の内部空間を仕切り、この仕切られたダクト
片内の密閉空間に主混和物を充填させて気密性を確保す
るものが知られている(例えば、実公昭54−1631
4号公報参照)。
【0003】一方、上記の発電所等における重要ケーブ
ルが防火区画床を上下に貫通する場合に、従来、採用さ
れている構造として、図3及び図4に示すものが知られ
ている。すなわち、床壁51を上下に貫通する大開口の
床貫通孔52にはケーブルダクト53が上下方向に貫通
配置され、このケーブルダクト53が上記床貫通孔52
の内周面に対してモルタル層54を介して位置固定され
ている。このケーブルダクト53の内周面と、このケー
ブルダクト53内を通して上下に延びるケーブル群55
の外周囲との間の空間において、上記床貫通孔52を挟
んだ上下両位置が、支持金具56,56,…を介してケ
ーブルダクト53内面に取付けた耐火性仕切板57,5
7と、各防火パテ部58,59とによって仕切られ、こ
の仕切られた空間にロックウール60が所定充填密度で
充填されたものである。そして、このような防火構造を
形成する防火処理作業が、上記ケーブルダクト53の前
面蓋53aを取り外して三方を囲まれたケーブルダクト
53内で行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の重要
ケーブルを対象とする従来のケーブル床貫通部の防火構
造においては、その重要ケーブルの損傷防止や火災発生
時の火焔からの遮断のためにそのケーブルがケーブルダ
クト内に収容されて四方が遮蔽されるようになっている
ため、このケーブルに対する防火処理作業が極めて困難
もしくは不可能となる場合がある。すなわち、上記の前
面蓋53aを取り外した開口部から作業を行うとはい
え、内空断面積が比較的小さいケーブルダクト53内の
空間である上、それからケーブル群55の断面積を除い
た残りの極めて狭い空間内で、上記各支持金具56への
仕切板57の取付け、ロックウール60の充填、及び、
防火パテ部58,59への防火パテの充填等の作業を行
う必要があるため、これらの作業が極めて困難なものと
なる。従って、このようなケーブルダクト53内での防
火処理作業には熟練を要し、作業者によってはその施工
品質にばらつきの生じるおそれがある。
【0005】その上、上記ケーブルダクト53が予め床
貫通孔52に対して貫通配置された状態で固定されるよ
うになっているため、上記各仕切板57を床壁51に対
して固定できず、このため、ケーブルダクト53の床貫
通孔52への固定前であってケーブルダクト53内への
ケーブル群55の配線前の段階で上記各支持金具56を
ケーブルダクト53の内壁面の所定位置に予め取付けて
おく必要がある。
【0006】加えて、上記の発電所等においては、通
常、床上に配電盤等の設備が設置されているため、床貫
通孔52の上側開口側に対する防火処理作業をも床下側
から行わねばならず、その防火処理作業がより困難なも
のとなる。
【0007】また、上記の図3等に示す防火構造では、
ロックウール60を所定の耐火性能(例えば、2時間耐
火性能)を満足させるために所定の充填密度(例えば、
200kg/m3 )で充填する必要があるが、その作業
は上記の狭い空間内での手作業であるためその充填密度
管理が難しく上記のばらつきが生じるおそれがある。そ
の上、上記ロックウール60はアスベスト(石綿)と同
様に細かい繊維状のものであるため、この繊維が上記の
狭い空間内に飛散して労働安全衛生上好ましくない環境
となる。
【0008】さらに、防火処理後にケーブルの追加等の
増設工事を行う場合には、再度、上記の狭い空間で同様
の防火処理を新たに行う必要があり、これらの作業に上
記のごとく多大の手間がかかることになる。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、ケーブルダク
トに収容された重要ケーブルの床貫通部の防火処理の容
易化を図り、施工品質の安定化を図ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、ケーブルダクト内に配置さ
れたケーブルが、構造物の床壁を上下に貫通する床貫通
孔に貫通配置されているものを前提とする。このものに
おいて、上記床壁の上下方向一側に位置するケーブルダ
クトの端面を、その床壁から離れた位置に位置付ける。
そして、上記ケーブルダクトの端面と、床壁との間に延
びるケーブル部に、上記ケーブルダクトの端面に取付け
られて、そのケーブルダクトの内周面と上記ケーブルの
外周囲との間の開口を遮蔽する耐火性仕切板と、上記ケ
ーブル部をその外周面に密着した状態で覆う防火性被覆
部と、上記仕切板と床壁との間をケーブル長手方向に延
びて上記防火性被覆部により覆われた状態のケーブル部
の外周囲を囲んで遮蔽する2つ割りの補助ダクトとを配
設する構成とするものである。
【0011】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明における防火性被覆部を、ケーブルの外周面に
塗着された防火パテ塗着部と、この防火パテ塗着部の外
周面に密着されて上記防火パテ塗着部を保持する筒状の
防火性保持部材とで構成するものである。
【0012】さらに、請求項3記載の発明は、請求項2
記載の発明における筒状保持部材を、難燃性材料により
形成されたテープ状部材を防火パテ塗着部の外周面に巻
き付けられて形成するものである。
【0013】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
ケーブルダクトの端面が床壁から上下方向に離れた位置
に位置付けられているため、上記ケーブルダクト端面と
床壁間の防火処理対象となるケーブル部が上記ケーブル
ダクトで覆われていない露出した状態になり、防火構造
を形成する処理作業がケーブルダクトによる空間的制約
を受けずに容易になる上、床壁の上下一側からの処理作
業だけで容易に形成可能となる。このため、その作業の
確実化が図られて施工品質の安定化が図られる。
【0014】そして、上記ケーブルダクト端面における
ケーブルとの間の開口が耐火性仕切板により遮断されて
ケーブルダクト内を通しての火焔の通過が遮断される。
加えて、上記ケーブル部に対し、このケーブル部の外周
囲を覆うように防火性被覆部が設けられ、さらに、この
防火性被覆部により覆われたケーブル部の外周囲が補助
ダクトにより全体が覆われるため、この補助ダクトによ
り上記防火性被覆部が火焔から遮断されて火焔と直接に
接することが防止されるとともに、上記ケーブル部が防
火性被覆部により火災熱から断熱される。このため、ケ
ーブル部の外表面を構成するシースが引火点以上に熱せ
られることによる延焼が防止される上、ケーブル部自体
を通しての熱伝達が抑制される。
【0015】また、防火処理後のケーブルの追加等の増
設工事の際も、2つ割りとされた補助ダクトを取り外す
ことにより防火処理の対象部分が露出するため、上記と
同様に増設作業の容易化が図られ、それにより、再度の
防火処理についての施工品質の安定化も図られる。
【0016】さらに、従来構造における床貫通孔部分へ
の面倒なロックウール充填が省略される上、ロックウー
ルの飛散がない分、清浄な雰囲気となって作業環境の向
上が図られる。
【0017】請求項2記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、防火性被覆部が防火パテ
塗着部と筒状の防火性保持部材とから構成されているた
め、防火パテがケーブル部の外周囲に塗着されて防火パ
テ塗着部が形成され、これにより、上記ケーブル部が断
熱される。そして、この防火パテ塗着部が筒状の防火性
保持部材により覆われて保持されるため、上記防火パテ
塗着部がケーブル部を覆った状態に確実に維持されて上
記断熱作用の維持が確実になる上、たとえ上記防火パテ
塗着部をかなり分厚く形成しても、それが上記保持部材
により保たれてケーブル部からの脱落等が確実に防止さ
れる。これにより、上記防火パテ塗着部によるケーブル
部の被覆厚さを必要とされる耐火性能に応じて容易に分
厚く変更することが可能となり、分厚い被覆厚さの被覆
部の形成が確実になる。
【0018】請求項3記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、難燃性材料により形成さ
れたテープ状部材を上記の防火パテ塗着部の外周囲に巻
き付けるだけで、その防火パテ塗着部の外周囲を保持す
る保持部材が形成されるため、保持部材の形成作業が容
易になる。そして、上記の防火パテ塗着部と一体となっ
てケーブル部の断熱・延焼防止に寄与し得る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
【0020】図1及び図2は、本発明の実施例に係るケ
ーブル床貫通部の防火構造を示し、1は発電所等の防火
区画床を構成するコンクリートの床壁であり、この床壁
1には床貫通孔2が上下に貫通して形成されている。3
は多数の重要なケーブル3a,3a,…が束ねられたケ
ーブル群であり、このケーブル群3が上記床貫通孔2を
貫通して上下方向に延びている。4,5はそれぞれケー
ブルダクトであり、各ケーブルダクト4,5は横断面形
状が矩形とされてケーブル群3の外周囲の四方を囲んで
遮蔽した状態でそのケーブル群3に沿って鉛直に延び上
記床貫通孔2と連通されている。そして、上記床壁1の
下側のケーブルダクト4の上端面4aが床壁1の下面1
aから防火処理長さ(例えば、200mm程度)だけ下
方位置に位置付けられており、この上端面4aと床壁1
の下面1aとの間に延びる防火処理対象としてのケーブ
ル群部3′に対して以下の防火構造が設けられている。
なお、この防火構造の採用が予め計画されている場合に
は、ケーブルダクト4の長さを所定のものにして上端面
4aが上記の如く床壁1より所定距離下方に位置するよ
うにケーブルダクト4の設置を行えばよく、また、上記
の防火構造を既設のケーブルダクトに対して適用する場
合には、そのケーブルダクトの上端部を所定位置で切断
することにより上記の上端面4aを形成すればよい。
【0021】上記の防火構造は、上記ケーブルダクト4
の上端面4aにおけるケーブル群部3′との間の開口を
遮蔽する仕切板6と、上記ケーブル群部3′の外周囲を
覆って被覆する防火性被覆部7と、この防火性被覆部7
の外周囲を覆う補助ダクト8とから構成されている。以
下、これらについて詳細に説明する。
【0022】上記仕切板6は、珪酸カルシウムにより所
定厚み(例えば、40mm厚)の平板状に形成されてお
り、ケーブル長手方向に直交する方向に配置されて上記
ケーブル群部3′を前後方向(図1の紙面に直交する方
向、図2の上下方向)両側から囲むよう2つ割りにされ
た一対の半割り仕切板6a,6aから構成されている。
この両半割り仕切板6a,6aは相対向して当接した状
態でそれぞれ後述の複数の通しボルト14,14,…に
よってケーブルダクト4の上端面4aに固定され、両半
割り仕切板6a,6aの境界面間に形成されたケーブル
貫通孔9を上記ケーブル群部3′が貫通した状態で、ケ
ーブルダクト4の上端面4aにおける開口を閉止するよ
うになっている。加えて、上記仕切板6は周囲が上記ケ
ーブルダクト4の上端面4aよりも外側に突出されて突
出周縁6bとされ、この突出周縁6bによって下から上
に延びる火焔が上記の補助ダクトに接触しないように抑
制するようになっている。なお、図中4bはアングル材
により形成されたフランジ部であり、このフランジ部を
上記の各通しボルト14が貫通することにより上記仕切
板6の固定が行われるようになっている。
【0023】また、上記ケーブル貫通孔9の内周面はテ
ーパ面9aとされており、このテーパ面9aと、上記ケ
ーブル群部3′の外周面との間に上側に大、下側に小と
なる楔状の隙間が形成されるようになっている。そし
て、この楔状の隙間に防火シール材が充填されて防火シ
ール部10が形成されており、この防火シール部10に
よって上記ケーブル貫通孔9とケーブル群部3′との間
の隙間が封鎖されて煙りや火焔等の通過を遮断するよう
に気密的にかつ熱的にシールされている。上記の防火シ
ール材としては作業性の面から後述の防火パテの如くパ
テ状のものが好ましく、また、このシール材は上記ケー
ブル群部3′の各ケーブル3aの谷間等の細隙の全てに
充填されているのが好ましい。
【0024】上記防火性被覆部7は、上記ケーブル群部
3′の外周囲が所定厚み以上(例えば、5mm厚以上)
に密着して覆われるように防火パテが充填・塗着された
防火パテ塗着部11と、この防火パテ塗着部11の外周
囲を保持する筒状の防火性保持部材12とから構成され
ている。
【0025】上記防火パテ塗着部11は仕切板6と床貫
通孔2近傍との間の上下範囲の全てのケーブル群部3′
を覆うように形成されて上記の防火シール部10と一体
に連続している。そして、上記防火パテ塗着部10の形
成に際しては、防火パテが上記ケーブル群部3′の外周
囲を構成する各ケーブル3aの表面のみならず、各ケー
ブル3a間の谷間等の細隙部の全てに充填された状態に
塗着されていることが好ましい。
【0026】上記の防火パテとしては、以下の非発泡性
パテもしくは発泡性パテがある。非発泡性パテとして
は、ポリブテン,シリコン油,流動パラフィン,液状ク
ロロプレン重合体等の常温で液状のバインダーに、難燃
剤を混合分散したものであって、酸素指数が50以上、
特に60以上のものが用いられる。上記の難燃剤として
は、デカプロモジフェニルオキサイド,ヘキサプロモベ
ンゼン等の含ハロゲン有機難燃剤、三酸化アンチモン等
の金属酸化物、または、アルミナ水和物,マグネシア水
和物,塩基性硫酸マグネシウム水和物,塩基性炭酸マグ
ネシウム水和物,塩基性リン酸マグネシウム水和物等の
水和金属酸化物の1種または2種以上が用いられ、特に
水和金属酸化物の1種または2種以上を用いるのが好ま
しい。上記の非発泡性パテの具体例としては、特公昭6
3−460号公報,特開昭56−106935号公報等
に記載の液状クロロプレンをベースとし、必要に応じて
無機質充填材や耐熱繊維類等を配合したものがあげら
れ、より具体的にはDFパテN(三菱電線工業株式会社
商品名)を用いればよい。
【0027】また、発泡性パテとしては、ペンタエリス
リトール等の炭化水素系多価アルコールと、メラミン,
ジシアンジアミド等の発泡材と、ポリリン酸アンモニウ
ム等の難燃性脱水剤とを、ポリブテン,流動パラフィン
等の常温で液状のバインダーに混合分散した組成物が用
いられる。このような発泡性パテの例として、特公昭5
5−33795号公報,特公昭53−39190号公報
等に開示されたものがあり、具体的にはDFパテA(三
菱電線工業株式会社商品名)を用いればよい。なお、上
記の「発泡性パテ」とは、高温度に熱せられると自ら熱
分解して発泡炭化物を生成するパテのことである。
【0028】上記防火性保持部材12は、2列のテープ
状部材12a,12aが上記防火パテ塗着部11の外周
面にそれぞれ1回以上巻き付けられることにより、上記
防火パテ塗着部11の上下範囲のほぼ全ての外周面を覆
って保持するようになっている。上記各テープ状部材1
2aは防火パテ塗着部10に対して内方に締め付けるよ
うに巻き付けられて上記防火パテ塗着部10の外周面と
互いに密着されている。上記のテープ状部材12aは自
己融着性を有する難燃性材料により形成され、互いに重
ね合わされた内外周のテープ状部材12a同士が互いに
一体化するとともに、防火パテ塗着部10と一体に火災
熱を断熱する役割を果たすようになっている。なお、上
記のテープ状部材12aを巻き付けた後の端部は単に内
周側のテープ状部材12aの外表面に重ね合わせて上記
の自己融着性に基づき一体化させてもよいし、さらに外
周囲にポリ塩化ビニル(PVC)テープを巻き付けて接
着してもよい。
【0029】このような特性を有するテープ状部材12
aとしては、酸素指数が30以上、好ましくは35以上
の難燃性有機材料をテープ状にしたものが用いられ、こ
の難燃性有機材料の一例としては、有機高分子樹脂に前
述の難燃剤を配合した組成物が用いられる。この有機高
分子樹脂としては、従来公知のものを広く使用すること
ができ、例えば、ポリエチレン等のオレフィンの単独重
合体、エチレン−プロピレンゴム等のオレフィンノ共重
合体、スチレン−ブタジエンゴム等のビニル系モノマー
とオレフィンとの共重合体、エピクロルヒドリン等の含
ハロゲンポリマー類、または、ナイロン等のその他のプ
ラスチックスやゴムが用いられる。また、上記の難燃性
有機材料の他の例としては、高ハロゲン含有樹脂、例え
ば硬質ポリ塩化ビニル、4フッ化ポリエチレン・プロピ
レン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等がある。
【0030】さらに、上記のテープ状部材12aを形成
する他の難燃性材料としては、上記の難燃性有機材料と
同等もしくはそれ以上の防火性を示す発泡性防火材料を
用いてもよい。この発泡性防火材料は、高温度に熱せら
れると自ら熱分解して発泡炭化物を生成する材料を総称
したものであり、本例における発泡性防火材料として
は、前述の発泡性パテにおける常温で液状のバインダー
に代えて常温で固体の高分子量ポリマーをバインダーと
して用いた組成物もしくはその架橋物が用いられる。な
お、この高分子量ポリマーとしては、上記の有機高分子
樹脂が用いられる。このような発泡性防火材料の例とし
て、特公昭53−24215号公報に開示されたものが
あり、具体的にはDFシート(三菱電線工業株式会社商
品名)を用いればよい。
【0031】さらに、上記補助ダクト8は、ケーブル群
部3′を左右方向(図1及び図2の左右方向)両側から
囲むように2つ割りとされた一対の半割りダクト8a,
8aから構成されており、仕切板6と床壁1の下面1a
との間の防火性被覆部7の外周囲の全てを覆って外部と
遮断するようになっている。
【0032】上記補助ダクト8は、両半割りダクト8a
が左右方向から相対向して互いに接合させた状態で、ケ
ーブルダクト4とほぼ同じ断面形状となるように形成さ
れており、上下両端縁から外周方向に突出する上下フラ
ンジ部8b,8cがそれぞれ一体に形成されている。そ
して、下フランジ部8bが前述と同様の防火性シール材
によるシール層13を介して仕切板6の上面に設置され
て仕切板6及びケーブルダクト4のフランジ部4bを貫
通する複数の通しボルト14,14,…によって固定さ
れ、上記上フランジ部8cが上記防火性シール材による
シール層15を介して床貫通孔2の下側開口縁2a近傍
であって床壁1の下面1aに対し複数のアンカーボルト
16,16,…によって固定されている。これにより、
上記防火性被覆部7と所定空間を隔てて非接触の状態で
上記防火性被覆部7を囲むようになっている。
【0033】上記の如き構成のケーブル床貫通部の防火
構造では、ケーブルダクト4の上端面4aが床壁1の下
面1aから下方に離れた位置に位置付けられているた
め、上記の上端面4aと床壁4との間に防火処理対象と
なるケーブル群部3′がケーブルダクト4に覆われてい
ない露出した状態になる。このため、防火構造を形成す
るための処理作業をケーブルダクト4による空間的制約
を受けずに容易に行うことができる上、床下側からの処
理作業のみで防火処理を行うことができ、床上側の設置
物等の有無による影響を受けずに防火処理を確実に行う
ことができる。加えて、従来構造におけるロックウール
60(図3参照)の充填作業が省略されて作業を清浄な
雰囲気下で行うことができる。このような防火処理作業
の容易化及び作業環境の向上に伴い防火処理の確実化を
図ることができ、ケーブルダクト4,5に収容されるよ
うな重要ケーブル群3に対する防火処理について施工品
質の安定化を図ることができる。
【0034】一方、上記のケーブル群部3′において
は、仕切板6によってケーブルダクト4内を通しての火
焔の通過を遮断することができるとともに、補助ダクト
8によって仕切板6と床壁1の下面1aと間の外周から
の火焔を遮断することができる。そして、上記補助ダク
ト8内のケーブル群部3′を防火パテ塗着部11及び保
持部材12が一体になった防火性被覆部7によって火災
熱から断熱して上記ケーブル群部3′のシースが引火点
以上に熱せられることによる延焼の防止と、ケーブル群
部3′自体を通しての上階への熱伝達の抑制とを確実に
防止することができる。そして、上記防火パテ塗着部1
1を防火パテにより比較的分厚く形成してもその防火パ
テ塗着部11を上記の保持部材12によって確実に保持
してケーブル群部3′を断熱された状態に確実に維持す
ることができる上、このような保持部材12をテープ状
部材12aによって容易かつ確実に形成することができ
る。
【0035】また、防火処理後のケーブルの追加等の増
設工事の際も、2つ割りとされた半割りダクト8a,8
aを取り外すことにより工事の対象部分が露出するた
め、上記と同様に増設工事における再防火処理の容易化
及び確実化を図ることができ、それにより、再防火処理
についての施工品質の安定化をも図ることができる。
【0036】<他の態様例>なお、本発明は上記実施例
に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含
するものである。すなわち、上記実施例では、床壁1の
下側のケーブルダクト4の上端面4aと床壁1との間の
床下部分に防火構造を設けるようにしているが、これに
限らず、例えば、床壁1の上側のケーブルダクト5と床
壁1との間の床上部分に本発明の防火構造を適用しても
よい。この場合には、上記ケーブルダクト5を上階の床
壁により吊り下げ支持した状態で、そのケーブルダクト
5の下端部の所定位置を切断し、その切断した下端面と
床壁1の上面との間のケーブル群部に防火処理を行えば
よい。
【0037】また、上記実施例では、防火性被覆部7を
防火パテ塗着部11と保持部材12とによって構成して
いるが、これに限らず、例えば防火パテ塗着部のみによ
って防火性被覆部を構成してもよい。また、上記保持部
材12を構成するテープ状部材12aを、自己融着性を
有しない難燃性材料で形成する場合には、巻き付けたそ
のテープ状部材の端部同士もしくは周囲をPVCテープ
で接着するか、もしくは、金属ベルト状の締め付け具を
巻き付けて筒状に保持させればよい。さらに、上記保持
部材12をテープ状部材12aではなく、例えば、不燃
性材料(例えば金属薄板)もしくは難燃性材料(例え
ば、テープ状部材12aと同材料)により形成したシー
ト状のものと、このシート状のものを巻き付けた状態に
締め付ける金属ベルト状の締め付け具とで構成してもよ
い。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明におけるケーブル床貫通部の防火構造によれば、ケー
ブルダクトの端面が床壁から上下方向に離れた位置に位
置付けているため、上記の端面と床壁との間に防火処理
対象となるケーブル部がケーブルダクトに覆われていな
い露出した状態になり、防火構造を形成するための処理
作業をケーブルダクトによる空間的制約を受けずに容易
に行うことができ、また、床壁の上下一側からの処理作
業のみで防火構造の形成を容易に行うことができる。加
えて、従来の防火構造におけるロックウールを省略して
いるため、そのロックウールの面倒な充填作業を省略す
る文、作業が容易になる上、作業を清浄な雰囲気下で行
うことができる。このため、このような防火処理作業の
容易化及び作業環境の向上に伴い防火処理の確実化を図
ることができ、ケーブルダクトに収容されるような重要
ケーブルに対する防火処理について施工品質の安定化を
図ることができる。
【0039】また、上記のケーブル部について、仕切板
によってケーブルダクト内を通しての火焔の通過を遮断
することができるとともに、補助ダクトによって仕切板
と床壁と間の外周からの火焔を遮断することができる。
そして、上記補助ダクト内のケーブル部を防火性被覆部
によって火災熱から断熱して上記ケーブル部の延焼の防
止及びケーブル部自体を通しての上階への熱伝達の抑制
とを確実に図ることができる。
【0040】さらに、防火処理後のケーブルの追加等の
増設工事の際も、2つ割りとされた補助ダクトを取り外
すことにより工事の対象部分が露出するため、上記と同
様に増設工事における再防火処理の容易化及び確実化を
図ることができ、それにより、再防火処理についての施
工品質の安定化をも図ることができる。
【0041】請求項2記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、防火性被覆部を防火
パテ塗着部と筒状の防火性保持部材とから構成している
ため、防火パテ塗着部によってケーブル部を断熱するこ
とができるとともに、上記保持部材によってその防火パ
テ塗着部がケーブル部を覆った状態に確実に維持するこ
とができ上記断熱作用を確実に得ることができる。加え
て、たとえ上記防火パテ塗着部によるケーブル部の被覆
厚さをかなり分厚く形成しても、上記保持部材によって
ケーブル部からの脱落等を確実に防止することができ、
必要とされる耐火性能に応じて分厚い被覆厚さの防火性
被覆部の形成を容易かつ確実に行うことができる。
【0042】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
2記載の発明による効果に加えて、難燃性材料により形
成されたテープ状部材を防火パテ塗着部の外周囲に巻き
付けることにより保持部材を形成するようにしているた
め、防火パテ塗着部の外周囲を保持する保持部材の形成
を容易に行うことができる。この際、上記テープ状部材
が難燃性材料により形成されるため、上記の防火パテ塗
着部と一体となってケーブル部の断熱・延焼防止に寄与
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す一部切欠縦断面図であ
る。
【図2】図1のA−A線における断面図を左側に、B−
B線における断面図を右側にそれぞれ示す断面図であ
る。
【図3】従来のケーブル床貫通部の防火構造を示す縦断
面図である。
【図4】図3のC−C線における断面図である。
【符号の説明】
1 床壁 2 床貫通孔 3 ケーブル群(ケーブル) 3′ ケーブル群部(ケーブル部) 4 下側ケーブルダクト(上下方向一側に位置す
るケーブルダクト) 4a 上端面(ケーブルダクトの端面) 6 仕切板 7 防火性被覆部 8 補助ダクト 11 防火パテ塗着部 12 防火性保持部材 12a テープ状部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーブルダクト内に配置されたケーブル
    が、構造物の床壁を上下に貫通する床貫通孔に貫通配置
    されているケーブル床貫通部の防火構造において、 上記床壁の上下方向一側に位置するケーブルダクトの端
    面が、その床壁から離れた位置に位置付けられ、 上記ケーブルダクトの端面と、床壁との間に延びるケー
    ブル部には、 上記ケーブルダクトの端面に取付けられて、そのケーブ
    ルダクトの内周面と上記ケーブルの外周囲との間の開口
    を遮蔽する耐火性仕切板と、 上記ケーブル部をその外周面に密着した状態で覆う防火
    性被覆部と、 上記仕切板と床壁との間をケーブル長手方向に延びて上
    記防火性被覆部により覆われた状態のケーブル部の外周
    囲を囲んで遮蔽する2つ割りの補助ダクトとが配設され
    ていることを特徴とするケーブル床貫通部の防火構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 防火性被覆部は、ケーブルの外周面に塗着された防火パ
    テ塗着部と、この防火パテ塗着部の外周面に密着されて
    上記防火パテ塗着部を保持する筒状の防火性保持部材と
    を備えていることを特徴とするケーブル床貫通部の防火
    構造。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 筒状保持部材は、難燃性材料により形成されたテープ状
    部材が、防火パテ塗着部の外周面に巻き付けられて形成
    されていることを特徴とするケーブル床貫通部の防火構
    造。
JP6262438A 1994-10-26 1994-10-26 ケーブル床貫通部の防火構造 Withdrawn JPH08126166A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6262438A JPH08126166A (ja) 1994-10-26 1994-10-26 ケーブル床貫通部の防火構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6262438A JPH08126166A (ja) 1994-10-26 1994-10-26 ケーブル床貫通部の防火構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08126166A true JPH08126166A (ja) 1996-05-17

Family

ID=17375797

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6262438A Withdrawn JPH08126166A (ja) 1994-10-26 1994-10-26 ケーブル床貫通部の防火構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08126166A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008136581A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Inaba Denki Sangyo Co Ltd 長尺体貫通用孔防火措置具
JP2011015492A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Sumitomo Metal Ind Ltd 垂直ケーブルダクトの延焼防止構造
KR101217703B1 (ko) * 2011-10-28 2013-01-02 삼성중공업 주식회사 케이블 포설용 관통구와 이를 사용한 케이블 포설 방법

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008136581A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Inaba Denki Sangyo Co Ltd 長尺体貫通用孔防火措置具
JP2011015492A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Sumitomo Metal Ind Ltd 垂直ケーブルダクトの延焼防止構造
KR101217703B1 (ko) * 2011-10-28 2013-01-02 삼성중공업 주식회사 케이블 포설용 관통구와 이를 사용한 케이블 포설 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1154004A (en) Fire barrier device
US4273821A (en) Fire protective tape
JP4777877B2 (ja) 耐火発泡体、それを用いた建設資材、開口の遮炎封止システム、および壁に設けられた開口の封止方法
US4189619A (en) Fire protective mastic and fire stop
US5067676A (en) System for the prevention of fire, water or flue gas and the like from propagating along cables
USRE32131E (en) Fire protective tape
JPH08126166A (ja) ケーブル床貫通部の防火構造
EP0476945B1 (en) Fire seals
JP2985142B2 (ja) ケーブル貫通部の防火構造
USRE31428E (en) Fire protective tape
KR20210150796A (ko) 설비 관통부 내화충전 시스템 및 그 시공방법
JPH0822126B2 (ja) ケーブル垂直貫通孔の防火構造
JPH0595133U (ja) 防火区画体における断熱被覆管貫通部の防火構造
JPS6334919B2 (ja)
JPH08126164A (ja) ケーブル貫通部の防火構造
JP2016183508A (ja) 梁の耐火構造
KR20080003279U (ko) 열발포성 깔개와 전선격벽 구조물이 부착된 케이블방염트레이
JP2002084635A (ja) ケーブル配線の貫通部の防火構造
KR102318532B1 (ko) 선택적 내향 실링을 이용한 벽체 관통구 케이싱 시스템
JP2732228B2 (ja) ケーブル壁貫通部の防火構造
RU2186599C1 (ru) Устройство для предотвращения распространения пожара по электрическому кабелю
RU2761812C1 (ru) Гибкая накладная огнестойкая кабельная проходка для тонкостенных преград
JP2005137194A (ja) 建物バスダクト貫通部の防火構造工法及び建物バスダクト貫通部の防火構造
JP6922011B2 (ja) 梁の耐火構造
JP2000129820A (ja) 電線・ケーブル壁貫通部の防火構造

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020115