JPH0317459Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は、デジタル機器等を動作させるため
に必要なクロツクを得る水晶発振子の取付構造に
係り、特に、正確なクロツクを得るための防振構
造を備えた水晶発振子の取付構造に関するもので
ある。

(ロ) 従来技術 デジタル機器のクロツク発生回路等における水
晶発振子の取付構造としては、例えば、第３図の
側面図に示すように、水晶発振子１のリード線１
ａを、直接プリント配線基板２へハンダ付けした
ものや、第４図の側面図に示すように、プリント
配線基板２の上面に水晶発振子１のケースを固定
し、リード線１ａを直接ハンダ付けしたもの、あ
るいは、プリント配線基板に装着されたコネクタ
に、水晶発振子のリード線を差し込んで接続し、
取り付けたものがある。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 しかし、上記した従来例のものにおいては、機
器本体に加えられる床振動や音圧による振動等の
機械的振動によつて、プリント配線基板が振動す
ると、水晶発振子も同様に振動する構造であつ
た。このような機械的な振動が水晶発振子に加え
られると、その振動によつて、基準クロツクが変
調され、ジツタを発生する欠点があつた。

この考案の目的は、上記従来例の欠点を解消
し、機械的振動による影響の受けにくい防振構造
を備えた水晶発振子の取付構造を提供することに
ある。

(ニ) 問題を解決するための手段 この考案の水晶発振子の取付構造は、水晶発振
子を装着したフレキシブルプリント配線基板と、
水晶発振子を発振させるための発振回路等を設け
たプリント配線基板と、このプリント配線基板上
にフレキシブルプリント配線基板を支持しかつ両
プリント配線基板間を電気的に接続する複数本の
接続ピンを設けて、防振構造を構成したものであ
る。

(ホ) 作用 プリント配線基板に加えられ、水晶発振子へ伝
播される機械的振動を、フレキシブルプリント配
線基板によつて減衰させる。

この水晶発振子へ伝播されていた機械的振動の
減衰により、水晶発振子が振動の影響を受けるの
を防止することができ、ジツタの発生の少ないク
ロツクが得られる。

(ヘ) 実施例 この考案の実施例を、第１図および第２図に基
づいて説明する。

第１図はプリント配線基板から離間した状態で
水晶発振子を取り付けた状態を示す正面図、第２
図は斜視図である。

図において、１は水晶発振子、２はプリント配
線基板で、水晶発振子１を発振させるための発振
回路と、その発振したクロツクにより動作する回
路等を設けたものである。３は複数本の接続ピン
３１を絶縁ブロツク３２に植設したワイヤーハー
ネスである。

４はフレキシブルプリント配線基板（以下
FPCという）で、プリント配線基板２に装着し
た２つのワイヤーハーネス３，３によつてプリン
ト配線基板２上に支持され、かつ電気的に接続さ
れている。また、FPC４に装着された水晶発振
子１は、ワイヤーハーネス３，３間に下向きに吊
り下げた状態で配置され、スペースフアクタの改
善を図つている。さらに、FPC４へワイヤーハ
ーネス３を装着する部分４ａと、水晶発振子１を
装着する部分４ｂとの間に、抜き穴４ｃを設けて
いる。この抜き穴４ｃによつて、プリント配線基
板２およびワイヤーハーネス３の接続ピン３１を
通じてFPC４へ伝播される機械的振動が、その
FPC４を通じて最短距離で水晶発振子１へ伝播
されないようにするために設けられたものであ
る。すなわち、この抜き穴４ｃによつて、接続ピ
ン３１からFPC４の方向へ伝播される機械的振
動は、迂回して水晶発振子１へ伝えられるような
形状に形成している。

５は補強板で、FPC４のワイヤーハーネス３
を装着する部分４ａと、水晶発振子１を装着する
部分４ｂとに、それぞれ貼り付けたものである。

このように構成した実施例によれば、床振動、
音圧による振動等の機械的振動により励振された
プリント配線基板２の振動は、ワイヤーハーネス
３の接続ピン３１を伝つて、補強板５に伝播され
る。

ここで、補強板５の貼られていないFPC４の
部分は、十分な柔軟性があり、共振周波数₀がプ
リント配線基板２よりも著しく低いため、水晶発
振子１に伝わる機械的振動が減衰される。

(ト) 考案の効果 この考案に係る水晶発振子の取付構造によれ
ば、水晶発振子を装着したフレキシブルプリント
配線基板によつて、防振構造を構成することがで
きるから、水晶発振子に伝播される機械的振動を
著しく減少させることができ、ジツタの発生の少
ないクロツクを得ることができる。

したがつて、水晶発振子を利用しているあらゆ
るデジタル機器等において次のような効果を得る
ことができる。

基準となるクロツクが正確となる。

上記の結果、その他の要因で発生するジツ
タに対してのマージンが大きくなる。

正確なデジタル信号処理を行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、この考案の実施例を示
すものであつて、第１図は水晶発振子をプリント
配線基板上に取り付けた状態を示す正面図、第２
図は斜視図である。第３図および第４図は、従来
例を示すものであつて、第３図および第４図は水
晶発振子をプリント配線基板に取り付けた状態を
示す正面図である。 主要部分の符号の説明、１：水晶発振子、２：
プリント配線基板、３：ワイヤーハーネス、４：
フレキシブルプリント配線基板、４ｃ：抜き穴、
５：補強板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 水晶発振子を装着したフレキシブルプリント
   配線基板と、水晶発振子を発振させるための発
   振回路等を設けたプリント配線基板と、このプ
   リント配線基板上にフレキシブルプリント配線
   基板を支持する複数本の接続ピンとを設けて、
   水晶発振子へ伝播される機械的振動をフレキシ
   ブルプリント配線基板によつて減衰させるよう
   に構成し、さらに前記フレキシブルプリント配
   線基板は、水晶発振子を装着する部分と、接続
   ピンを装着する部分との間に、抜き穴を設けた
   ものであることを特徴とする水晶発振子の取付
   構造。 (2) 前記フレキシブルプリント配線基板は、水晶
   発振子を装着する部分と、接続ピンを装着する
   部分とに、それぞれ補強板を設けたものである
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の水晶発振子の取付構造。