JPH0317229A - 耐食性に優れる高Ni合金クラッド鋼板の製造方法 - Google Patents

耐食性に優れる高Ni合金クラッド鋼板の製造方法

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JPH0317229A
JPH0317229A JP17995989A JP17995989A JPH0317229A JP H0317229 A JPH0317229 A JP H0317229A JP 17995989 A JP17995989 A JP 17995989A JP 17995989 A JP17995989 A JP 17995989A JP H0317229 A JPH0317229 A JP H0317229A
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less
rolling
corrosion resistance
temperature
heat treatment
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JP17995989A
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Yasuo Kobayashi
泰男 小林
Masahiro Katahira
片平 正宏
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、耐食性に優れる高Ni合金タラッド鋼板の
熱間圧延による製造方法に関するものである. 〔従来の技術〕 石油、ガスの生産、精製プラントおよび脱硫装置などの
化学プラントの反応槽、圧力容器若しくはその周辺機器
は、高温、高圧で塩化物濃度が高く、強酸性であり、且
つ、His. COgなどの腐食性ガスを含むなど、非
常に過酷な腐食環境にさらされる場合が多い。このよう
な環境下では、高耐食性を有する高Nt合金を使用する
ことが必要である。
この場合、高Ni合金は低降伏強度のため、ソリッド鋼
板では厚内となり非常に高価となるため、経済性の面か
らクラッド鋼板としての使用が適している. 一I的に、高Ni合金クラッド鋼板は、熱間圧延法によ
り製造される.この熱間圧延のプロセスにおいては、圧
延温度、圧下率などの厳密な制御は行なわれず、100
0℃以上の高温で圧延を終了し、空冷後圧延ままの状態
で使用される.また、母材材質の観点から熱間圧延後9
00℃@後の温度で焼準される場合もある. 〔発明が解決しようとするtijll 圧延まま、あるいは焼準後の高Ni合金クラッド鋼仮の
合せ材は、クランド圧延の過程においてCr炭化物の析
出が生じ、耐食性が劣化する場合がある.また、仮に炭
化物が固溶され析出が生じなかったとしても、次工程で
ある溶接により大入熱が付与されることにより、炭化物
が粒界に析出し耐食性は劣化する. C『炭化物を完全に固溶させ耐食性を向上させる手段と
して、高Ni合金クラッド#A仮に溶体化処理を施す方
法がある.しかしながら、高Ni合金の場合、溶体化熱
処理温度として1000℃以上の高温が必要であり、母
材材質の観点から、そのような高温での溶体化熱処理の
通用は困難である.また、溶体化熱処理を施しても、上
述したと同様、溶接人熱により、再び炭化物が析出し、
耐食性の劣化を生じる. この発明は、上述した問題点を解決するためになされた
もので、耐食性、特に鋭敏化特性に優れた高Ni合金ク
ラッド網板の製造方法を提供することにある. (課題を解決するための手段および作用)この発明の要
旨は、下記の通りである。
(1)  C :  0.030 wt.Z以下、Si
:  1.0賀(.z以下、 Mn :  2.0 @t,$以下、 P :  0.045 wi$以下、 S :  0.030 wt.X以下、N :  0.
30 wt.χ以下、 Ni : 23.0〜46.O wt.LCr : 1
9.0〜23.5 wt.χ、Mo :  2.0〜5
.0 wt.!,Cu :  4.O wt.χ以下、 Ti :  1.20 wLJ以下、 Nb :  1.O wt.X以下、 および、 残部:実質的にFe、 からなる高Ni合金を合せ材として、前記合せ材と低炭
素鋼の母材とを組み立てたスラブを1100〜1250
′cの温度に加熱し、次いで、第1段目の熱間圧延を1
000℃以上の温度で行なった後一旦圧延を中断し、そ
して、再び850℃以下の温度で累積圧下率50%以上
の第2段目の熱間圧延を実施し、次いで、1℃ /se
c以上の平均冷却速度で少なくとも550℃以下の温度
まで加速冷却することを特徴とする、耐食性に優れる高
Ni合金クラッド鋼板の製造方法. (2)  C :  0.030 wt.X以下、Si
 :  1.O wt,$以下、 Mn :  2.O iit.$以下、P :  0.
045 wt.X以下、S :  0.030 @t.
χ以下、N :  0.30 wt.X以下、 Ni : 23.0〜46.0 iit.!,Cr :
 19.0〜23.5 sL.χ、Mo :  2.0
〜5.O wt.χ、Cu :  4.O wt.χ以
下、 TtおよびNbのうちの少なくとも1種以上の合計量:
 8 X Cwt.X〜1.20 wt.Lおよび、 残部:実質的にFe、 からなる高Ni合金を合せ材として、前記合せ材と低炭
素鋼の母材とを組み立てたスラブを1l00〜1250
℃の温度に加熱し、次いで、第1段目の熱間圧延を10
00℃以上の温度で行なった後一旦圧延を中断し、そし
て、再び850℃以下の温度で累積圧下率50%以上の
第2段目の熱間圧延を実施し、前記熱間圧延終了後、9
00〜1000”Cの温度に10分以上加熱後1 ℃ 
/(6)以上の冷却速度で冷却する安定化熱処理を施す
ことを特徴とする、耐食性に優れる高Ni合金クラッド
洞板の製造方法。
次に、本発明の、圧延条件、熱処理条件の限定理由を説
明する. 我々は、高Nt合金クランド綱板の耐食性を調べるため
に、本発明範囲外のクラッド鋼板の供試体(1)乃至(
3)、および、本発明範囲内のクラッド鋼板の供試体<
4), (5)を製造した。供試体の合せ材、母材の化
学威分およびクランド鋼板の製造条件は第1表に示す.
供試体(1)〜(3)においては、低炭素網の母材と重
ねたスラブを、圧延温度、圧下率を制御しない通常の熱
間圧延を行なった後、供試体(1)は圧延まま、偶試体
(2)は910”Cでの焼準、供試体(3)は950℃
に1時間加熱後水冷の安定化熱処理を実施している.供
試体(4)(請求項1記載の発明)、供試体(5)(請
求項2記載の発明)においては、l000’c以上で第
1段目の圧延を一旦終了後、第2段目として800℃で
累積圧下率60%の制御圧延を行ない、圧延後550℃
まで加速冷却している.供試体(5)は、圧延後加速冷
却する代わりに、950℃に1時間加熱後水冷の安定化
熱処理を実施している. これらの供試体(1)〜(5)に600〜7 0 0 
℃の温度でl8時間加熱後水冷の鋭敏化熱処理を施した
後の耐粒界腐食性を、65%硝酸沸l!試験(JISG
 0573)により評価し、その結果を第2表に示す.
第2表に示すように、通常圧延を行なった供試体(11
〜(3)は、熱処理条件によらず、いずれも650℃以
上の鋭敏化熱処理により耐粒界腐食性の著しい劣化を生
じ、Log/rrf・hrを超える大きな腐食速度を示
した.特に、供試体(3)においては、安定化熱処理に
よる耐食性改善効果はほとんど認められなかった.65
%硝酸腐食試験では、腐食速度Ig/rd・hr以下が
耐食材料としての一応の目安である.一方、制御圧延を
行なった後加速冷却した供試体(4)は、6 5 0 
”C以上の鋭敏化処理では腐食速度が0.2〜0.3g
/rd・hr と小さく良好な耐食性を示し、650℃
以上の鋭敏化処理では耐食性改善効果が認められた。な
お、供試体(4)は、600℃での鋭敏化熱処理ではI
g/rrr−hrを超える腐食速度を示し、供試体(1
3〜(3)に比べて低温側で鋭敏化感受性を示したが、
これは、未再結晶温度域において累積圧下を施すことに
より合せ材に歪が導入され、Cr,  Cなどの元素の
拡散が促進されるためである. 制御圧延後さらに950℃で安定化熱処理を行なった供
試体(5)は、600〜700℃のいずれの鋭敏化熱処
理においても0.2〜0. 4 g/ rrf −hr
 と腐食速度は小さく、良好な耐食性を示した.これは
、歪の導入された合せ材の高Ni合金に安定化熱処理を
施すことにより、Ti, Nb炭化物を核としたCr炭
化物の析出が粒内のすべり線上に生じる結果、粒界析出
物の量が減少することに起因している.供試体(3)と
の比較から、安定化熱処理による耐食性改善の効果は、
合せ材の履歴に大きく依存し、鋭敏化感受性を低減させ
るためには、合せ材への歪の導入が不可決である.この
結果から、高Ni合金クラッド鋼板を熱間圧延する際に
、制御圧延を適用し、さらに、圧延後安定化熱処理を行
なうことにより、合せ材の鋭敏化抵抗を向上できること
が明らかとなった。本プロセスを用いれば、溶接や長時
間SRなどの熱履歴を受けた後も、良好な耐食性を有す
る高Ni合金クラッド鋼板の製造が可能である. 本発明におけるスラブ加熱温度は、接合強度のEl!保
を目的に1100−1250’cの範囲に限定した.沃
に、制御圧延開始厚までの圧延温度を1000”C以上
とし、制御圧延開始温度を850℃以下に限定した理由
について説明する. 我々は、高Ni合金の最終圧延温度と再結晶挙動の関係
を下記の試験によって調べた.即ち、第1表に示す高N
i合金の合せ材を、制御圧延濫度を1000℃以上とし
、圧延温度を850〜toso℃の範囲に変化させて最
終圧延温度と再結晶挙動との関係を調べ、その結果を第
1図に示した.第1図から明らかなように、高Nt合金
は、l000℃以上の圧延で再結晶組織、850℃以下
では完全未再結晶組織となる。このため、最終圧延を8
50℃を超える温度で行なうと、再結晶が進行すること
により、圧延によって導入された歪が解放されるため、
本発明の効果が得られなくなる。従って、制御圧延開始
厚までの圧延温度を1000℃以上の完全再結晶温度域
とし、制御圧延開始温度を未再結晶温度域である850
℃以下に限定した. また、第2段目の制御圧延における累積圧下率は、50
%以上とした.その理由は、累積圧下率が50%未満の
低圧下の場合には、加工歪の導入が不十分で、その後安
定化熱処理を行なっても、鋭敏化特性が十分改善されな
いためである.我々は、累積圧下率と腐食速度との関係
を下記の試験によって調べた.即ち、第1表に示すと同
一成分の高Ni合金を、低炭素鋼を母材として1000
℃以上で圧延を施し、一旦中断後、800℃で累積圧下
率を27〜60%の範囲で変化させて制御圧延を行ない
、次いで、950℃に1時間加熱後水冷の安定化熱処理
を施した.そして、上記制御圧延材、および安定化熱処
理材の鋭敏化挙動を、65%硝酸沸騰試験により評価し
、その結果を第2図(a),(ロ)に示した.第2図(
al.(b)から明らかなように、650℃で18hr
加熱の鋭敏化熱処理後の腐食速度は、圧下率の増加とと
もに低下し、累積圧下率50%以上の強圧下を加えるこ
とにより、0.3〜0.4g/r+f・hrの圧延まま
材、安定化熱処理まま材と同等の低い腐食速度を示した
。従って、累積圧下率は50%以上とした. 次に、安定化熱処理条件について説明する.まず、熱処
理温度について、我々は鋭敏化特性に及ぼず安定化熱処
理温度の影響を下記の試験によって調べた。即ち、第1
表に示す供試体(4)鋼に800〜1000℃に1時間
加熱後水冷の熱処理を施した場合の鋭敏化挙動を、65
%硝酸沸騰試験により評価し、その結果を第3図に示し
た.第3図から明らかなように、850℃以下の熱処理
では、Ti,Nb炭化物が生戊されないため安定化の効
果が得られず、600℃でl日時間加熱の鋭敏化熱処理
により、1000℃以上の高温で熱処理を行なうと、母
材の結晶粒が粗大化し材質劣化を生じる.従って、安定
化熱処理温度は900〜looo”cの温度に限定した
. 次いで、熱処理時間について、我々は、鋭敏化特性に及
ぼす安定処理温度の影響を下記の試験によって調べた.
即ち、第1表に示す供試体(4)鋼に950℃で5分〜
3時間加熱後水冷の熱処理を施した場合の鋭敏化挙動を
、65%硝酸沸II!1試験に゜より評価し、その結果
を第4図に示した.第4図から明らかなように、10分
未満の短時間加熱では、安定化が不十分であり鋭敏化熱
処理後1g/ボ・hrを超える腐食速度を示した。従っ
て、熱処理時間は10分以上とした. 次いで、冷却条件について述べる。我々は、鋭敏化特性
に及ぼす冷却速度の影響および加速冷却温度について下
記の試験によって調べた.即ち、供試体(4)鋼(圧延
まま)の冷却速度を変えて、および、供試体(41 w
4に950℃で1時間の加熱を行なった後(安定化熱処
理まま)冷却速度を変えて、それぞれ、鋭敏化特性に及
ぼす冷却速度の影響を調べ、その結果を第5図(a).
(b)に示した.また、供試体(4)鋼に500〜75
0℃で、l8時間または100時間加熱の鋭敏化熱処理
を行なったときの粒界腐食試験の結果を第6図に示した
.第5図(a),第6図から明らかなように、圧延まま
の場合には冷却速度が1℃/sec未満の場合および5
50℃を超える温度域に長時間加熱された場合、Cr炭
化物が析出して合せ材の耐食性が劣化する.従って、第
1実施態様(請求項l記載の発明)においては、圧延後
の冷却条件を、l″(/ssc以上の平均?却速度で少
なくとも550℃以下の温度まで加速冷却することとし
た.一方、第5図(ハ)から明らかなように、安定化熱
処理ままの場合には、同様の理由で1”C/■■■以下
の平均冷却速度で水冷することとした.従って、第2実
施態m(請求項2記載の発明)においては、熱間圧延後
の安定化熱処理条件を、900〜1000℃の温度に1
0分以上加熱後1゜(/see以上の平均冷却速度で冷
却することとした. 次に、戒分限定理由を説明する. (1)C(炭素) Cはその含有が不可避な元素であるが、本発明による高
Ni合金クラッド鋼板の耐食性は、C含有量によって最
も影響される.我々は、C含有量が耐食性に与える影響
を調べた.第3表は、供試鋼の化学戒分であり、42w
t.χNt−22wt.χCr−3wt.χMo  O
.8wt.χ↑iを主或分として、C含有量をむ.00
8wt.Xから0.045wt,χまで変化させている
.第7図(a)は、これらの供試鋼板を第1実施態様の
条件で製造後、650℃で18時間加熱の鋭敏化熱処理
を施した後、65%硝酸沸騰試験により、合せ材の耐粒
界腐食性を調べた結果である.第7図(ロ)は、これら
の供試鋼板を第2実施a祿の条件で製造後、600℃で
18時間加熱の鋭敏化熱処理を施した後、65%硝酸化
沸騰試験により、合せ材の耐粒界腐食性を調べた結果で
ある.第7図(a).伽)から明らかなように、耐粒界
腐食性はC含有量に大きく依存し、良好な耐食性を得る
ためにはC含有量を0.03wt.X以下に低減するこ
とが必要である.従って、C含有量は0.03wt.X
以下とした.(2)St(シリコン) Siは脱酸のために添加される。St含有量が1.Ow
t.Xを超えると熱間加工性を著しく阻害する.従って
、SL含有量はl. O wt,%以下とした。
(3)Mn(マンガン) Mnも脱酸剤として添加が不可決である。Mn含有量が
2. O wt.$を超えると、MnS等の介在物を形
威し耐孔食性を劣化させる。従って、Mn含有量は2.
 O wt.X以下とした. (4)P(*) Pは熱間加工性および耐粒界腐食性の面から、その含有
量は低いほど好ましい.P含有量が0.045wt.χ
以下であれば実用上の問題は少ない.従って、P含有量
は0.045wiX以下とした。
(5)S(硫黄) Sも熱間加工性および耐孔食性の面から、その含有量は
低いほど好ましい。S含有量が0.030wt,χ以下
で.あれば実害がない.従って、S含有量は0. 03
0何(.z以下とした。
(6)N(窒素) Nは耐孔食性を高める作用があり、必要に応じてQ.3
 wt.X以下まで添加できる。しかしながら、N含有
量が0. 3 wt.χを超えると、耐孔食性への効果
は飽和するばかりでなく溶接性の劣化を招く.従って、
N含有量は0.30@t,χ以下とした.(7)Ni(
ニッケル) Niは高Ni合金鋼の主或分であり、耐全面腐食性、塩
化物中での耐応力腐食割れ性に有効なオーステナイト安
定化元素である.しかしながら、Ni含有量が23.O
wt.z未満では、上述した作用に所望の効果が得られ
ない.一方、Ni含有量が46.0wt.χを超えると
、Ntは高価なため経済的に不利である。従って、Nt
含有量は、23.0〜46.0wt.X(7)範囲に限
定した. (8)Cr(クロム) Crは高Ni合金鋼の耐食性を維持するための基本威分
である.しかしながら、Cr含有量が19.0wt.%
未満では上述した作用に所望の効果が得られない。
一方、Crを23.5wt.χを超えて過剰に含有させ
ても、耐食性に対する効果は飽和するとともに、相の安
定を田なう.従って.Cr含有量は.19.0〜23.
5匈t.χの範囲に限定した。
(9)Mo(モリブデン〉 MoはCrとともに含有させ、その添加量を増すことに
より、耐全面腐食性、耐孔食性および耐粒界腐食性等を
向上させる作用がある。しかしながら、旧含有景が2.
 0 iit.$未満では、上述した作用に所望の効果
が得られない。一方、門0含有量が5.0wt.%を超
えると熱間加工性が低下して製造性が劣化する。
従って、Mo含有量は2.0〜5. O wt.Xの範
囲とした。
0ω Cu (銅) Cuは耐全面腐食性に有効であるが、4.Q @L.X
を超えて含有させても効果は飽和する.従って、Cu含
有量は4. O wt.X以下とした.QOTi,Nb
(チタン.ニオブ) 第1実施m様(請求項1記載の発明)においては、Ti
含有量は1.2wt,X以下、Nb含有量は1.Owt
.$とした.TiおよびNbは、Cを炭化物として固定
し、粒界に析出するCr炭化物量を減少させることによ
り、耐粒界腐食性を向上させる元素である。しかしなが
ら、過剰に含有させてもその効果は飽和するとともに、
表面疵の原因となる.従って、T1含有量はl.2wt
.x以下、Nb含有量は1. O wt.χとした。
第2実施態様(請求項2記載の発明)においては、Ti
, Nbの含有量は、少なくともl種以上の合計で、(
 8 X C ) wt.χ〜1. 2 wt.χとし
た.本実施B様においては、安定化熱処理により、Ti
あるいはNb炭化物を粒内のすべり線上に析出させ、そ
れを核としてCr炭化物を粒内に析出させ、粒界析出物
の量を減少させることにより鋭敏化特性を改善している
ため、T+あるいはNbの添加は不可決である.我々は
、Ti, Nbの含有量とCr含有量との比が耐食性に
与える影響を下記の試験によって調べた.第4表は、供
試鋼の化学或分であり、4 2 iyt.XNi− 2
 2 wt.XCr − 3 wt.χ阿0を主戒分と
して、TiまたはNbの含有量は0〜1. 2 wtJ
まで変化させている.これらの供試鋼板を本発明の条件
で製造後、600℃で18時間加熱の鋭敏化処理を施し
た場合の耐粒界腐食性を、65%硝酸沸騰試験により調
べ、その結果を第8図に示した.第8図から明らかなよ
うに、耐粒界腐食性は、Ti, Nb含有量とC含有量
との比に大きく依存し、良好な耐食性を得るには、T4
 / C , Nb/ C ,  (↑i+Nb)/C
が8以上であることが必要である。しかしながら、過剰
に添加してもその効果は飽和するとともに、表面疵の原
因となる.従って、TiおよびNbのうちの少なくとも
1種以上の合計量は、( 8 X C ) wt.χ〜
l.20賀t.zの範囲とした. 次に、この発明を実施例によって、さらに詳しく説明す
る. 〔実施例l〕 第5表に供試クラノド鋼板合せ材の化学成分および製造
条件を示す。A−D鋼は本発明鋼で、C含有量が0.0
3wt.X以下であり、加熱後1000℃以上で圧延を
一旦終了し、次いで、780〜B 2 0 ℃で累積圧
下率60%の制御圧延を施し、次いで、550℃まで1
℃/m以上の平均冷却速度で加速冷却を行なった。E 
− H鋼は比較調であり、E鋼は製造プロセスは同しで
あるがC含有量が0.03wt.Xを超えている.Fs
は制御圧延時の累積圧下率が27%の低圧下材である。
G鋼は制御圧延を9 0 0 ”Cで行なっている。H
鋼は圧延後加速冷却せず空冷である。第6表は、これら
の供試鋼板に650℃で18hr加熱の鋭敏化熱処理を
施した場合の耐粒界腐食性を、65%硝酸腐食試験によ
り調べた結果である.本発明IA−DEは、いずれも腐
食速度が0.l9〜0.27g/ボ・h『と十分低く、
良好な鋭敏化特性を示した。一方、比較鋼E〜1■鋼は
、2. 3 〜9.2g/ n{−hrと、耐食材料の
目安テアル、1.0g/n{・hrを超える大きな腐食
速度を示し、発明鋼と比較して耐食性の顕著な劣化を生
じた。
〔実施例2〕 第7表に供試クランド鋼板合せ材の化学戒分および製造
条件を示す,A,Bfiは本発明鋼で、C含有量が0.
03wt.χ以下で且ツ8 X C wt.!以上ノT
iあるいはNbを含有し、加熱後1000℃以上で圧延
を一旦終了し、次いで、800℃で累積圧下率60%の
制御圧延を施し、熱間圧延終了後、950℃に1時間加
熱後水冷の安定化熱処理を行なった.C−H鋼は比較鋼
であり、C,D鋼は製造プロセスは同じであるがC鋼は
C含有量が0.03wL,χを超えており、D綱はTi
, Noが無添加である.E鋼は安定化熱処理時の加熱
時間が5分と短く、またF鋼は850℃で安定化熱処理
を行なっている.第8表は、これらの供試鋼仮に600
℃および650℃でl8時間加熱の鋭敏化熱処理を施し
た場合の耐粒界腐食性を、65%硝酸腐食試験により調
べた結果である.本発明鋼A,B鋼は、600,650
℃のいずれの鋭敏化熱処理後も腐食速度が0.28〜0
.41g/ nr −hr と十分低く、良好な鋭敏化
特性を示した.一方、比較鋼C−H鋼は、耐食性の目安
であるIg/rrr−hrを超える大きな腐食速度を示
し、発明鋼と比較して耐食性の顕著な劣化を生した。
した。
〔実施例3〕 本発明の範囲内の成分、圧延条件において製造されたク
ラッド網板を用いて、実際に高Ni合金クラッド鋼板を
製造した。製造方法は、制御圧延、加速麿却(本発明方
法)により製造された高Ni合金クラノド鋼板を、UO
IEプロセスにより戒型、造管後、母材および合せ材の
縦シーム溶接を行ない、拡管を経て最終的に合せ材の表
面の手入れを行なうという工程である.ここで、合せ材
の縦シーム溶接には、ビード外観、母材からの希釈およ
び溶接能率等を考慮して、インコネル625を溶接ワイ
ヤとしたタンデムGTAWホットワイヤ法を用いた.第
9表に、前述の工程によって実際に製造された高Ni合
金クラソド鋼管の化学戒分、クラッド鋼板圧延条件およ
び溶接条件を示す。製造された、この高旧合金クラッド
鋼管の合せ材より、溶接金属、熱影響部および母材から
なる腐食試験片を採取し腐食試験に供した.腐食試験と
しては、孔食試験(JIS G 0578.  3 0
℃X24hr浸漬)および65%硝酸腐食試験を行なっ
た.孔食試験においては、本クランド鋼管に孔食の発生
は全く見られなかった.一方、65%硝酸腐食試験にお
いては、約0. 4 g/ % −hr とやや大きな
腐食速度を示したが、これは、この試験環境において溶
接金属のインコネル625が選択的に溶解したためであ
り、熱影響部および母材部では粒界腐食の発生は認めら
れなかった。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明の方法により製造される
高Ni合金クラノド鋼板は、従来の熱間圧延型のクラン
ド鋼板に比べて優れた鋭敏化特性を有するので、溶接お
よび長時間SR等の熱履歴を受けた後も、良好な耐食性
を有する高N!合金クラッド鋼板が得られる産業上有用
な効果がもたらされる.
【図面の簡単な説明】
第1図は高Ni合金クラッド鋼板の再結晶率と最終圧延
温度との関係を示すグラフ、第2図(a).Φ)は高N
i合金クランド鋼板の耐粒界腐食性と制御圧延時の累積
圧下率との関係を示すグラフ、第2図(a)は制御圧延
材、第2図(l))は安定化熱処理材を対象としている
、第3図は高′Ni合金クラッド鋼板の耐粒界腐食性と
安定化熱処理温度との関係を示す・グラフ、第4図は高
Ni合金クラッドw4板の耐粒界腐食性と安定化熱処理
時間との関係を示すグラフ、第5図(a).(b)は高
Ni合金クラッド鋼板の耐粒界腐食性と冷却速度との関
係を示すグラフ、第5図(a)は制御圧延材、第5図中
)は安定化熱処理材を対象としている、第6図は高Ni
合金クラッド鋼板の耐粒界腐食性と鋭敏化熱処理温度と
の関係を示すグラフ、第7図(a)2(ロ)は高Ni合
金クラッド鋼板の耐粒界腐食性と炭素含有量との関係を
示すグラフ、第7図(aJは制御圧延材、第7図(b)
は安定化熱処理材を対象としている、第8図は高N1合
金クラッド鋼板の耐粒界腐食性とTi, Nb含有量と
の関係を示すグラフである.

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 C:0.030wt.%以下、 Si:1.0wt.%以下、 Mn:2.0wt.%以下、 P:0.045wt.%以下、 S:0.030wt.%以下、 N:0.30wt.%以下、 Ni:23.0〜46.0wt.%、 Cr:19.0〜23.5wt.%、 Mo:2.0〜5.0wt.%、 Cu:4.0wt.%以下、 Ti:1.20wt.%以下、 Nb:1.0wt.%以下、 および、 残部:実質的にFe、 からなる高Ni合金を合せ材として、前記合せ材と低炭
    素鋼の母材とを組み立てたスラブを1100〜1250
    ℃の温度に加熱し、次いで、第1段目の熱間圧延を10
    00℃以上の温度で行なった後一旦圧延を中断し、そし
    て、再び850℃以下の温度で累積圧下率50%以上の
    第2段目の熱間圧延を実施し、次いで、1℃/sec以
    上の平均冷却速度で少なくとも550℃以下の温度まで
    加速冷却することを特徴とする、耐食性に優れる高Ni
    合金クラッド鋼板の製造方法。 2 C:0.030wt.%以下、 Si:1.0wt.%以下、 Mn:2.0wt.%以下、 P:0.045wt.%以下、 S:0.030wt.%以下、 N:0.30wt.%以下、 Ni:23.0〜46.0wt.%、 Cr:19.0〜23.5wt.%、 Mo:2.0〜5.0wt.%、 Cu:4.0wt.%以下、 TiおよびNbのうちの少なくとも1種以上の合計量:
    8×Cwt.%〜1.20wt.%、および、 残部:実質的にFe、 からなる高Ni合金を合せ材として、前記合せ材と低炭
    素鋼の母材とを組み立てたスラブを1100〜1250
    ℃の温度に加熱し、次いで、第1段目の熱間圧延を10
    00℃以上の温度で行なった後一旦圧延を中断し、そし
    て、再び850℃以下の温度で累積圧下率50%以上の
    第2段目の熱間圧延を実施し、前記熱間圧延終了後、9
    00〜1000℃の温度に10分以上加熱後1℃/se
    c以上の冷却速度で冷却する安定化熱処理を施すことを
    特徴とする、耐食性に優れる高Ni合金クラッド鋼板の
    製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05214446A (ja) * 1992-02-05 1993-08-24 Nippon Steel Corp 耐サワー性と低温靱性に優れた高Ni合金クラッド鋼板の製造方法
JP2010159438A (ja) * 2009-01-06 2010-07-22 Nippon Yakin Kogyo Co Ltd 耐粒界腐食性に優れた高耐食合金

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JPH05214446A (ja) * 1992-02-05 1993-08-24 Nippon Steel Corp 耐サワー性と低温靱性に優れた高Ni合金クラッド鋼板の製造方法
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