JPH0316977Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、軽金属製押出し形材を用いて構成
する手摺用格子に関する。

（従来の技術） 窓の室外側に取付ける手摺と、バルコニーやベ
ランダ等に取付ける手摺は、近年軽金属製の押出
し形材にて構成されるようになつている。この金
属製手摺は左右柱の上端に笠木を横架し、笠木の
下に格子を取付けるか、笠木下方の左右柱間に格
子を取付けていた。格子は種々様々な形状に構成
され、その中から好みに応じた格子を選択して取
付けていたが、何れも１組で１形状の格子しか構
成し得ないため、格子の形状を変える毎に新たな
押出し形材を形成しなければならないし、１度取
付けた格子は他の格子と取替えない以上、手摺の
形状を変えることはできなかつた。

（考案の目的） そこで本案の手摺用格子は、１組の格子で２様
以上の形状を構成し得るように工夫し、手摺の格
子形状を例えば冬と夏に換え得るようにすること
にある。

（考案の構成） 本案の手摺用格子は上記目的を達するため、格
子の上下桟に係止部を相対設し、該係止部に化粧
補助桟と押縁補助桟の何れかを取付け得るように
し、押縁補助桟の取付けにより遮蔽板嵌挿部を形
成する一方、上下横桟間に取付ける竪桟の一側、
又は両側に前記嵌挿部と一致する嵌挿溝を設け、
上下横桟の嵌挿部と左右竪桟の嵌挿溝間に遮蔽板
を取付け得るようにし、１組の格子で２様以上の
形状を構成し得るようにしたものである。

（実施例） 次に本案手摺用格子の構造を実施例の図面によ
り説明すると、８は手摺を構成する笠木で、笠木
８は略角筒状を成す中空体８０の下壁８１に、下
向きの突条８２を中空体８０の巾より狭めに形成
し、支柱Ｐ，P′の上端部に横架されるか、家屋側
より室外側に張出した手摺取付金具Ａ，A′間に
取付けられる。１は上記笠木８の下部に取付ける
格子で、格子１は上横桟２と下横桟２′、及び上
下横桟２，２′間に取付ける竪桟６から構成され、
上横桟２を笠木下壁８１の下に、下横桟２′を支
柱Ｐ，P′間に取付けるか、上横桟２を笠木下壁８
１の下に、下横桟２′を桁材Ｂの上に取付け、又
は笠木８下方の支柱Ｐ，P′間に上下横桟２，２′
を取付けるか、上横桟２を支柱Ｐ，P′間に、下横
桟２′を桁材Ｂの上に取付けられる。格子１の上
横桟２は笠木下壁８１の下部に取付け可能となる
底壁２０の一側より下方に向けて側壁２１を設
け、略逆Ｌ字状を成し、側壁２１の基部に内向係
止部２２を、底壁２０の他側に上記内向係止部２
２と相対する外向係止部２３の設け、側壁２１の
先端部に副内向係止部２４を有し、下横桟２′は
上横桟２を反転して対称成すようにして取付ける
ものである。３は横桟２の外向係止部２３と副内
向係止部２４に跨がつて係止する化粧補助桟で、
該補助桟３は装飾部３０の一端に横桟２の外向係
止部２３に係止する爪部３１を、他端に横桟側壁
２１の副内係止部２４に係止する係止部３２を有
している。４は横桟２の内向係止部２２と外向係
止部２３間に係止する〓状の押縁補助桟で、該補
助桟４は横桟２の内外係止部２２，２３に係止す
る基片４０の一側に、横桟２の側壁２１と相対す
る側片４１を設け、側片４１の先端より横桟側壁
２１の副内向係止部２４に向けて外向片４２を突
出し、横桟２とこれに係止した押縁補助桟４にて
遮蔽板７の嵌挿部５を形成する。６は上横桟２と
下横桟２′の間に取付ける竪桟で、竪桟６は一側
又は両側に、上下横桟２，２′の嵌挿部５，５′と
一致する嵌挿溝１６を有しているもので、竪桟６
と笠木８、及び上下横桟２，２′と補助桟３，４
の夫々は軽金属より押出し成形されている。７は
上下横桟２，２′の嵌挿部５，５′と左右竪桟６，
６′の嵌挿溝１６，１６′間に嵌込む遮蔽板で、遮
蔽板７はガラスや合成樹脂より形成されている。

本案の手摺用格子は上記構造であるから、２本
の横桟２，２′の側壁２１，２１′を内周向きにし
て上下に相対し、その上横桟２と下横桟２′の一
部に底壁２０，２０′まで達する切欠２５，２
５′を適宜間隔で相対設し、相対する上横桟２の
切欠２５と下横桟切欠２５′の間に、竪桟６の嵌
挿溝１６を側方向きにして嵌込み、この竪桟６に
上横桟２の底壁２０と、下横桟２′の底壁２０よ
りビスを螺入し、竪桟６を順次取付けて仮格子を
組立る。仮格子を手摺に取付けるには、先ず笠木
８の下壁８１下部に上横桟２を当接し、上横桟２
の底壁２０より笠木下壁８１にビスを螺入して固
定し、次で下横桟２′を支柱Ｐ，P′、又は桁材Ｂ
に固定するか、上下横桟２，２′を笠木８下方の
支柱Ｐ，P′間に取付け、又は上横桟２を笠木８下
方の支柱Ｐ，P′間に、下横桟２′を桁材Ｂ上部に
取付けた後、上下横桟２，２′の係止部２３，２
４，２３′，２４′に夫々化粧補助桟３，３′を嵌
合係止して格子１の取付けを完了する場合と、左
右竪桟６，６′の嵌挿溝１６，１６′に遮蔽板７を
嵌込み、化粧補助桟３の代りに押縁補助桟４，
４′を上下横桟２，２′の係止部２２，２４，２
２′，２４′に嵌合係止し、押縁補助桟４，４′の
外向片４２，４２′にタイト材Ｔを嵌挿して、竪
桟６，６′間の一部又は総てに遮蔽板７を設けた
格子１の取付けを完了する場合がある。

尚、本案による手摺用格子の実施にあつては、
上下横桟２，２′と竪桟６の組立手順、及び補助
桟３，４と遮蔽板７の取付手段は、組立完成状態
で工場出荷する場合と、半組立状態で出荷す場
合、及び施工現場で組立てる場合では異なるし、
化粧補助桟３を横桟２の内向係止部２２と外向係
止部２３間に係止するようにしても同様の目的を
達するし、格子１を構成する横桟２と竪桟６、及
び補助桟３，４の形状構造等は、この考案の要旨
に反しない限り適宜変更可能である。

（考案の効果） 従つて手摺に本案の格子を用いれば、格子上下
横桟の取付け後、上下横桟の係止部に補助桟を取
付けるものであるから、この補助桟によつて上下
横桟の取付けネジや取付金具が隠蔽される。その
結果、格子の体裁が著しく向上する。又上下横桟
に後から嵌合係止する補助桟として、装飾性に富
む化粧補助桟と、遮蔽板取付け用の押縁補助桟を
形成し、その何れかを選択的に取付けるようにし
たものであるから、化粧補助桟の取付けによつて
上下横桟間に竪桟を有する格子と、押縁補助桟の
取付けによつて竪桟間に遮蔽板を嵌込んだ格子を
構成することができる。しかも補助桟は簡単に着
脱し得るので、季節に応じて遮蔽板の取付位置を
変更したり、他の装飾遮蔽板と交換すれば、多様
な格子形状を構成することもできる等、本案は補
助桟の選択的な取付けによつて少なくとも二様の
格子を構成し得るようにした前記特徴と共に、バ
ルコニーやベランダ等における手摺の施工、及び
使用に実用的顕著な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の格子を取付けたベランダの斜視
図、第２図は類例格子の使用例を示す斜視図、第
３図乃至第５図は本案格子の構造例を示す縦断面
図、第６図及至第８図はその横桟の構造例を示す
断面図、第９図は本案格子を取付けた窓部の要部
縦断面図、第１０図と第１１図は本案格子の使用
例を示す要部縦断面図、第１２図は竪桟の取付例
を示す格子の正面図、第１３図乃至第１５図はそ
の要部横断面図である。 １……格子、２，２′……横桟、２０，２０′…
…底壁、２１，２１′……側壁、２２，２３，２
４，２２′，２３′，２４′……係止部、２５，２
５′……切欠、３，３′……化粧補助桟、３０……
装飾部、３１……爪部、３２……係合部、４，
４′……押縁補助桟、４０……基片、４１……側
片、４２……外向片、５，５′……嵌挿部、６，
６′……竪桟、１６，１６′……嵌挿溝、７……遮
蔽板、８……笠木、８０……中空体、８１……下
壁、８２……突条、Ａ，A′……手摺取付金具、
Ｂ……桁材、Ｐ，P′……支柱、Ｔ……タイト材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 格子の上横桟と下横桟に係止部を対称的に設
   け、該係止部に化粧補助桟と押縁補助桟の何れか
   を取付け、押縁補助桟の取付けによつて横桟との
   間に遮蔽板嵌挿部を形成し得るようにする一方、
   上下横桟間に取付ける竪桟の少なくとも一側に、
   前記嵌挿部と一致する嵌挿溝を設け、上下横桟の
   嵌挿部と竪桟嵌挿溝の間に遮蔽板を取付け得るよ
   うにした手摺用格子。