JPH03169445A - 電着ドラム用チタンリングの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 く産業上の利用分野〉 この発明は、電解箔等の製造に使用される“電着ドラム
用チタンリングの製造方法に関するものである。

く従来技術とその課題〉 近年、電子機器類等の目覚ましい進展に伴って電解箔の
需要が急増しているが、銅箔等の電解箔の製造には一般
に生産性等の面からドラム状の電解析出用電極（電着ド
ラム）が使用されている。

ただ、上記電着ドラムは電解液に曝される環境で用いら
れることから十分な耐食性が必要であり、通常は外表面
（電着面）に高耐食性の導電材料製リングを嵌め込んだ
構造とされているが、最近、前記リング材としてチタン
の適用が一般化しつつあった。

そして、従来、このようなチタン製の電着ドラム用リン
グは次のような手法で製造されるのが一般的であった。

即ち、まず圧延によってシート状チタン材を製造し、こ
れを所定の外径となるように丸めて突き合わせ端を溶接
継ぎすることによりリングとする方法である。

なお、電着ドラムは上述のようにして製作されたチタン
リングをインナードラムに焼き嵌めして組み立てられ、
表面研磨工程を経て電解箔の製造に供せられる。

上述のように、電解箔製造分野における最近の技術動向
のｌつとして“チタン製リングを適用した電着ドラムの
採用”を上げることができるが、一方で、電着ドラム製
造に携わってきた本発明者等は「チタンリングを構戒要
素とする前記電着ドラムには次のような問題点を指摘で
き、高品質の電解箔を安定して製造するためにはその改
善が急がれる」との認識を強く持つに至った。

つまり、電解箔の製造においては電着ロール表面に目視
的模様が存在するとこれが明瞭にプリントされる傾向に
ある。ところが、チタンシ一トを丸めて作成されたリン
グには必然的に溶接継ぎ目が存在することとなり、チタ
ンリング表面に生した該表面状態の差異が製造される銅
箔等の電解箔面にそのままプリントされてしまうので、
その商品性能や商品価値を著しく低下させる結果を招い
たのである。

そこで、本発明者等は、長期に亘る安定使用が確保でき
る電着ドラムの実現を目指し、そのためには“溶接継目
の無い電着ドラム用チタンリングの製作が欠かせないと
の考えの下に、従来より継目無環状品を製作する一般的
な鍛造技術として知られていたところの“馬掛け方式”
による電着ドラム用継目無チタンリングの製造を試みた
。なお、前記“馬掛け方式”とは、第１図で示したよう
に孔明き素材１を馬台２，２′に支えられた芯金３に通
して支持し、これをアンビル４で順次圧縮・鍛造して所
定形状品を得る方法である。

しかしながら、この方法は、加工中の温度降下が大きい
ためチタンを加工素材とした場合には作業能率が極めて
悪く、実際上、電着ドラム用リングのような薄肉で広幅
の製品を得ることができないばかりか真円度を出すこと
も困難で、結局は定着ドラム用チタンリングの製造には
適用できない手段であると結論せざるを得なかった。

〈課題を解決するための手段〉 このようなことから、本発明者等は、電着ドラム用リン
グとして十分に満足できる薄肉・広幅で真円度の高いチ
タン製継目無環状品を高能率生産し得る方法を確立すべ
く、真円性良好な継目無環状品の高能率生産に適すると
されている環状圧延法（リングローリング）を適用して
電着ドラム用チタンリングの製造を試みたところ、「環
状圧延法によれば確かに真円度が高い薄肉・広幅のチタ
ン環状品を高能率で製造することができるが、得られる
薄肉の環状品は結晶粒の粗いものとなりがちで、表面研
磨後の目視的模様の発生が顕著なため、このままでは箔
製造用の電着ドラムには適しないものである」との結果
が現れてしまった。

しかし、環状圧延法によって製造されるチタン環状品の
結晶粒度調整の可能性を求め、数多くの実験を繰り返し
ながら研究を続けた結果、「環状圧延法で薄肉環状品を
圧延する際、結晶粒が粗くなって研磨後の目視的模様の
発生が激しくなりがちなチタンの場合であっても、圧延
前の加熱温度（熱間圧延に際してのチタンの加熱温度は
、通常、８００〜９００℃が一般的である），圧延時の
加工度及び加エスピードを特定の条件にコントロールす
ると得られる製品の結晶粒粗大化が効果的に抑制され、
電着ドラム用リングとしても十分に満足できる研磨面を
呈するようになる」との知見を得るに至ったのである。

本発明は、上記知見事項等に基づいてなされたものであ
り、 「７００℃を超えない温度に加熱したチタン素材を１回
加熱当りの加工率：３０％以上，外径成長速度：　８　
ｉｓ／ｓｅｃ以下なる条件で環状圧延することにより、
十分に細かい均一な結晶粒を有し、かつ真円度の高い電
着ドラム用継目無チタンリングを優れた作業能率の下で
安定生産し得るようにした点」 に特徴を有している。

ここで、「チタン素材」とは純チタン又はチタン合金素
材を総称しており、これらの何れを適用しても差し支え
ない。

なお、環状圧延に際してのチタン素材の加熱温度を７０
０℃以下と定めたのは、通常の熱間圧延や熱間鍛造のよ
うに７００℃を超える温度域に加熱すると（一般には８
００〜９００℃程度に加熱される）、チタンリング製品
の結晶粒度を電着ドラムのリングとして許容できる細か
さに安定して抑えることが困難となるからである。

また、環状圧延での加工率は１回の加熱当り３０％以上
とすることが必要であり、加工率がこれよりも小さい値
であると、やはり得られるチタンリング製品の結晶粒度
を電着ドラムのリングとして許容できる細かさに安定し
て抑えることが困難となる。なお、加熱・圧延回数は２
回以上の方が好ましく、これによってより結晶粒の細か
い製品が得られる。

更に、チタンは強圧下，強加工ではかなりの発熱現象を
伴って素材温度を上昇させ結晶粒の粗大化を促すことと
なるので、これを抑制するためにリング外径の或長スピ
ードを３ｍｍ／ｓｅｃ以下（好適には５　ｉｎ／ｓｅｃ
以下）に抑制する必要がある。

続いて、本発明を実施例により更に具体的に説明する。

〈実施例〉 鍛造によってＪＩＳＩ種相当の純チタンから戒る孔明き
素材（外径：５８０４’　，肉厚：９５ｍ）を準備し、
これを７００゜Ｃに加熱した後、第２図に略示したよう
なリングローリングミルにて環状圧延を施して、外径が
２５００φ，肉厚が１７ｍｍの電着ドラム用チタンリン
グを製造した。第２図において、符号１は孔明き素材，
５は主ロール，６はマンドレルロール，７はアキシャル
ロ〜ル，８及び８′はセンターリングロールである。

なお、この環状圧延での加工率は８２％（ｌ加熱当りの
加工率：３０％以上にて２回の加熱・圧延を実施）で、
外径の成長速度は５＋ｕ／ｓｅｃに調整された。

このようにして得られた電着ドラム用チタンリングの結
晶粒度を調査したところ粒度Ｎｏ．で６．５〜７．０の
範囲にあり、電解箔製造用電着ドラムのリングとして十
分に適用できることが確認された。

く効果の総括〉 以上に説明した如く、この発明によれば、表面性状が良
好で、かつ真円度の高い電着ドラム用継目無チタンリン
グを作業性良く量産することが可能となり、電解箔の品
質向上並びに製造コスト抑制に大きく寄与できるなど、
産業上極めて有用な効果がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、馬掛け方式による 法を説明した概念図である。 第２図は、環状圧延によるり を説明した概念図である。 図面において、 １・・・孔明き素材， ３・・・芯金， ５・・・主ロール ７・・・アキシャルロール， ８，８′・・・センターリングロ ２，２′・・・馬台， ４・・・アンビル， ６・・・マンドレルロ リング材の製造方 ング材の製造方法 ル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. ７００℃を超えない温度に加熱したチタン素材を１回加
   熱当りの加工率：３０％以上、外径成長速度：８ｍｍ／
   ｓｅｃ以下なる条件で環状圧延することを特徴とする、
   電着ドラム用チタンリングの製造方法。