JPH0920972A - チタン継目無し管状材の製造方法 - Google Patents
チタン継目無し管状材の製造方法Info
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- JPH0920972A JPH0920972A JP19111295A JP19111295A JPH0920972A JP H0920972 A JPH0920972 A JP H0920972A JP 19111295 A JP19111295 A JP 19111295A JP 19111295 A JP19111295 A JP 19111295A JP H0920972 A JPH0920972 A JP H0920972A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 研磨等の加工を施してもチリメン状,白雲状
の表面模様を生じることがないチタンの継目無し管状材
を製造する方法を提供する。 【構成】 チタンの鋳塊を鍛造して孔あき素材となして
からリングロ−リング法によって継目無しの管状材を製
造するに当り、鍛造やリングロ−リングに際しての加熱
温度をβ変態点未満に抑えると共に前記鍛造工程の間に
1000℃/h以上の冷却速度でβ変態点を通過させる熱
履歴を確保し、かつこの急冷後の処理をβ変態点未満の
温度域で実施するチタン継目無し管状材の製造方法であ
って、鍛造の途中で実施する前記急冷の後の鍛造加工工
程で1ヒ−ト当りの加工度を18%以上確保して鍛造
し、更に前記リングロ−リングは1ヒ−ト当りの加工度
を50%以上確保しながら実施する。
の表面模様を生じることがないチタンの継目無し管状材
を製造する方法を提供する。 【構成】 チタンの鋳塊を鍛造して孔あき素材となして
からリングロ−リング法によって継目無しの管状材を製
造するに当り、鍛造やリングロ−リングに際しての加熱
温度をβ変態点未満に抑えると共に前記鍛造工程の間に
1000℃/h以上の冷却速度でβ変態点を通過させる熱
履歴を確保し、かつこの急冷後の処理をβ変態点未満の
温度域で実施するチタン継目無し管状材の製造方法であ
って、鍛造の途中で実施する前記急冷の後の鍛造加工工
程で1ヒ−ト当りの加工度を18%以上確保して鍛造
し、更に前記リングロ−リングは1ヒ−ト当りの加工度
を50%以上確保しながら実施する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、研磨等の加工を施し
た表面に現れがちな地模様を生じることがない、金属箔
の電着ドラムとして好適なチタンの継目無し管状材を製
造する方法に関するものである。
た表面に現れがちな地模様を生じることがない、金属箔
の電着ドラムとして好適なチタンの継目無し管状材を製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】近年、電子機器類等に適用する
ための電解析出箔(電析箔)の需要が急増しているが、
銅箔等の電析箔の製造には一般に生産性等の面からドラ
ム状の電解析出用電極(電着ドラム)が使用されてい
る。この電着ドラムは、電解液と接触する環境で用いら
れることから十分な耐食性が必要であり、そのため材質
としてチタンを適用する施策が進んでいる。
ための電解析出箔(電析箔)の需要が急増しているが、
銅箔等の電析箔の製造には一般に生産性等の面からドラ
ム状の電解析出用電極(電着ドラム)が使用されてい
る。この電着ドラムは、電解液と接触する環境で用いら
れることから十分な耐食性が必要であり、そのため材質
としてチタンを適用する施策が進んでいる。
【0003】ところで、上記“チタンを適用した電着ド
ラム”はチタン製のリング材(管状材)をインナ−ドラ
ムに焼き嵌めして組み立てられ、表面研磨工程を経て電
析箔の製造に供せられるが、チタン製の電着ドラム用管
状材を製造する方法として、当初は、チタンのシ−ト状
圧延材を丸めて突き合わせ端を溶接継ぎすることにより
管状材とする手法(板巻法)が採用されていた。しか
し、板巻法により作成された管状材には溶接継目が存在
しており、これは表面研磨工程を経ても目視的模様とし
て残留するので、該管状材を電着ドラムに適用すると、
製造される銅箔等の電析箔面に目視的模様がそのままプ
リントされて表面の均一性を損ないその商品価値を著し
く低下させるという問題があった。
ラム”はチタン製のリング材(管状材)をインナ−ドラ
ムに焼き嵌めして組み立てられ、表面研磨工程を経て電
析箔の製造に供せられるが、チタン製の電着ドラム用管
状材を製造する方法として、当初は、チタンのシ−ト状
圧延材を丸めて突き合わせ端を溶接継ぎすることにより
管状材とする手法(板巻法)が採用されていた。しか
し、板巻法により作成された管状材には溶接継目が存在
しており、これは表面研磨工程を経ても目視的模様とし
て残留するので、該管状材を電着ドラムに適用すると、
製造される銅箔等の電析箔面に目視的模様がそのままプ
リントされて表面の均一性を損ないその商品価値を著し
く低下させるという問題があった。
【0004】そこで、板巻法での溶接部に顕在化する目
視的模様を避けるため、チタン製電着ドラム用管状材の
製造手段として“本出願人が特開平3−169445号
として提案したようなリングロ−リング法(環状圧延
法)”を採用することが検討されつつある。
視的模様を避けるため、チタン製電着ドラム用管状材の
製造手段として“本出願人が特開平3−169445号
として提案したようなリングロ−リング法(環状圧延
法)”を採用することが検討されつつある。
【0005】このリングロ−リング法を適用した“電着
ドラム用のチタン製継目無し管状材を製造する工程”と
しては、まず鍛造によりチタン鋳塊から孔あき素材を製
造した後、該孔あき素材を熱間でリングロ−リングミル
により圧延する工程が採られる。
ドラム用のチタン製継目無し管状材を製造する工程”と
しては、まず鍛造によりチタン鋳塊から孔あき素材を製
造した後、該孔あき素材を熱間でリングロ−リングミル
により圧延する工程が採られる。
【0006】しかしながら、上記リングロ−リング法に
よって得られる薄肉の管状材でも、研磨等により表面加
工すると表面の広い部位にチリメン状または白雲状の地
模様を発生することがあり、これがやはり電解箔面にプ
リントされて品質を落とす場合が見かけられた。
よって得られる薄肉の管状材でも、研磨等により表面加
工すると表面の広い部位にチリメン状または白雲状の地
模様を発生することがあり、これがやはり電解箔面にプ
リントされて品質を落とす場合が見かけられた。
【0007】このようなことから、本発明が目的とした
のは、研磨等の加工を施してもチリメン状及び白雲状の
ような不本意な表面模様を生じることがないチタンの継
目無し管状材を安定して製造する方法を確立することで
ある。
のは、研磨等の加工を施してもチリメン状及び白雲状の
ような不本意な表面模様を生じることがないチタンの継
目無し管状材を安定して製造する方法を確立することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく鋭意研究を行った結果、次に示すような一
連の知見を得ることができた。 a) リングロ−リング法によって得られるチタン管状材
の表面研磨等で顕在化する表面模様には材料の結晶粒及
び結晶方位が大きく影響しており、粗大な結晶や特定方
位の結晶粒の集合体が好ましくない表面模様の主因とな
っているため、表面研磨等で顕在化する表面模様を防止
するには、加工によって前記“特定方位の結晶粒の集合
体”が現れないような素材結晶方位のランダム化を促進
すると共に、結晶粒微細化を図る必要がある。
を達成すべく鋭意研究を行った結果、次に示すような一
連の知見を得ることができた。 a) リングロ−リング法によって得られるチタン管状材
の表面研磨等で顕在化する表面模様には材料の結晶粒及
び結晶方位が大きく影響しており、粗大な結晶や特定方
位の結晶粒の集合体が好ましくない表面模様の主因とな
っているため、表面研磨等で顕在化する表面模様を防止
するには、加工によって前記“特定方位の結晶粒の集合
体”が現れないような素材結晶方位のランダム化を促進
すると共に、結晶粒微細化を図る必要がある。
【0009】b) チタン材の好ましい結晶方位のランダ
ム化を促進するには、鍛造やその後の加工に際しての加
熱温度をα域とし、それらの中間でβ焼入れ(中間熱処
理)を実施するのが有効である。 c) この際、鍛造の途中で中間熱処理を行う場合には、
中間熱処理後の鍛造加工度を特定の値以上とすることに
より結晶粒組織の効果的な微細化が叶う。 d) また、これらの方法を実施する場合、リングロ−リ
ングミルによる圧延での加熱温度をα域内(例えば70
0℃以下)の低温加熱として結晶粒の粗大化を抑制しつ
つ、1ヒ−ト当りの圧延加工度を50%以上とすること
により、結晶粒組織はより微細化し、前記表面模様が一
層安定して防止される。
ム化を促進するには、鍛造やその後の加工に際しての加
熱温度をα域とし、それらの中間でβ焼入れ(中間熱処
理)を実施するのが有効である。 c) この際、鍛造の途中で中間熱処理を行う場合には、
中間熱処理後の鍛造加工度を特定の値以上とすることに
より結晶粒組織の効果的な微細化が叶う。 d) また、これらの方法を実施する場合、リングロ−リ
ングミルによる圧延での加熱温度をα域内(例えば70
0℃以下)の低温加熱として結晶粒の粗大化を抑制しつ
つ、1ヒ−ト当りの圧延加工度を50%以上とすること
により、結晶粒組織はより微細化し、前記表面模様が一
層安定して防止される。
【0010】本発明は、上記知見事項等に基づいてなさ
れたものであり、「チタンの鋳塊を鍛造して孔あき素材
となしてからリングロ−リング法によって継目無しの管
状材を製造するに当り、 鍛造やリングロ−リングに際し
ての加熱温度をβ変態点未満に抑えると共に前記鍛造工
程の間に1000℃/h以上の冷却速度でβ変態点を通過
させる熱履歴を確保し、 かつこの急冷後の処理をβ変態
点未満の温度域で実施するチタン継目無し管状材の製造
方法であって、 鍛造の途中で実施する前記急冷の後の鍛
造加工工程で1ヒ−ト当りの加工度を18%以上確保し
て鍛造し、 更に前記リングロ−リングは1ヒ−ト当りの
加工度を50%以上確保しながら実施することによっ
て、 表面加工模様を生じることがないチタン継目無し管
状材を安定に製造し得るようにした点」に大きな特徴を
有するものである。
れたものであり、「チタンの鋳塊を鍛造して孔あき素材
となしてからリングロ−リング法によって継目無しの管
状材を製造するに当り、 鍛造やリングロ−リングに際し
ての加熱温度をβ変態点未満に抑えると共に前記鍛造工
程の間に1000℃/h以上の冷却速度でβ変態点を通過
させる熱履歴を確保し、 かつこの急冷後の処理をβ変態
点未満の温度域で実施するチタン継目無し管状材の製造
方法であって、 鍛造の途中で実施する前記急冷の後の鍛
造加工工程で1ヒ−ト当りの加工度を18%以上確保し
て鍛造し、 更に前記リングロ−リングは1ヒ−ト当りの
加工度を50%以上確保しながら実施することによっ
て、 表面加工模様を生じることがないチタン継目無し管
状材を安定に製造し得るようにした点」に大きな特徴を
有するものである。
【0011】ここで、本発明でいう「チタン」とは、純
チタンのほか、数重量%又はそれ以下の量でPd,Ru,P
t,Ta,Ni,Co,Mo,W等を添加したα型チタン合金を
意味するものとする。
チタンのほか、数重量%又はそれ以下の量でPd,Ru,P
t,Ta,Ni,Co,Mo,W等を添加したα型チタン合金を
意味するものとする。
【0012】
【作用】さて、本発明では、チタンの鋳塊から継目無し
管状材を製造する際に実施される鍛造やリングロ−リン
グはβ変態点以上の温度とならない程度の加熱に続いて
α域にて行われるが、その鍛造工程の間に1000℃/h
以上の冷却速度でβ変態点を通過させる熱履歴の付与、
即ち1000℃/h以上の冷却速度でβ変態点を通過させ
る加熱・冷却処理が施される。なぜなら、これによって
表面加工の際に顕在化する表面模様の主因である“六方
晶のC軸方向が板面垂直方向に向いた結晶粒の集合体”
が消滅し、得られるチタン管状体は表面研磨等を施して
も不都合なチリメン状模様を発生しにくくなるからであ
る。
管状材を製造する際に実施される鍛造やリングロ−リン
グはβ変態点以上の温度とならない程度の加熱に続いて
α域にて行われるが、その鍛造工程の間に1000℃/h
以上の冷却速度でβ変態点を通過させる熱履歴の付与、
即ち1000℃/h以上の冷却速度でβ変態点を通過させ
る加熱・冷却処理が施される。なぜなら、これによって
表面加工の際に顕在化する表面模様の主因である“六方
晶のC軸方向が板面垂直方向に向いた結晶粒の集合体”
が消滅し、得られるチタン管状体は表面研磨等を施して
も不都合なチリメン状模様を発生しにくくなるからであ
る。
【0013】この場合、鍛造やリングロ−リングに際し
ての加熱温度やこれらの加工温度がβ変態点以上になる
と、結晶粒が粗大化して急冷処理後の鍛造又はリングロ
−リング時の加工度を大きくしても白雲模様の原因とな
り、またβ変態点を通過させる急冷処理時の冷却速度が
1000℃/hよりも遅いと“六方晶のC軸方向が板面垂
直方向に向いた結晶粒の集合体”を十分に消滅させるこ
とができないので、やはりチリメン状模様を抑えること
が困難になる。
ての加熱温度やこれらの加工温度がβ変態点以上になる
と、結晶粒が粗大化して急冷処理後の鍛造又はリングロ
−リング時の加工度を大きくしても白雲模様の原因とな
り、またβ変態点を通過させる急冷処理時の冷却速度が
1000℃/hよりも遅いと“六方晶のC軸方向が板面垂
直方向に向いた結晶粒の集合体”を十分に消滅させるこ
とができないので、やはりチリメン状模様を抑えること
が困難になる。
【0014】更に、前記急冷処理後の加工や熱処理の温
度がβ変態点以上になるようなことがあると、その後の
徐冷で“六方晶のC軸方向が板面垂直方向に向いた結晶
粒の集合体”が再度形成されるので、表面研磨時のチリ
メン状や白雲状の模様発生の原因となる。従って、前記
急冷処理後に実施する各種の処理は何れもβ変態点未満
の温度域で行わなければならない。
度がβ変態点以上になるようなことがあると、その後の
徐冷で“六方晶のC軸方向が板面垂直方向に向いた結晶
粒の集合体”が再度形成されるので、表面研磨時のチリ
メン状や白雲状の模様発生の原因となる。従って、前記
急冷処理後に実施する各種の処理は何れもβ変態点未満
の温度域で行わなければならない。
【0015】また、前記“1000℃/h以上の冷却速度
でβ変態点を通過させる急冷処理”は鋳塊の鍛造工程の
途中で実施し、急冷後に続けられる残りのα域鍛造加工
工程での1ヒ−ト当りの加工度を18%以上とすること
が必要である。なぜなら、この時の1ヒ−ト当りの加工
度が18%未満であると、鍛造後の組織が粗粒となって
製品管状材を研磨した際に白雲状の表面模様を発生する
おそれが拭えないからである。
でβ変態点を通過させる急冷処理”は鋳塊の鍛造工程の
途中で実施し、急冷後に続けられる残りのα域鍛造加工
工程での1ヒ−ト当りの加工度を18%以上とすること
が必要である。なぜなら、この時の1ヒ−ト当りの加工
度が18%未満であると、鍛造後の組織が粗粒となって
製品管状材を研磨した際に白雲状の表面模様を発生する
おそれが拭えないからである。
【0016】更に、鍛造の後で実施されるところの“α
域加熱を伴うリングロ−リング”においては、1ヒ−ト
当りの圧延加工度を50%以上としなければならない。
これは、リングロ−リング時における1ヒ−ト当りの圧
延加工度が50%未満であると、得られるチタン管状材
表面の結晶粒が混粒となりがちで、表面研磨時に白雲状
の表面模様を発生する原因となるためである。
域加熱を伴うリングロ−リング”においては、1ヒ−ト
当りの圧延加工度を50%以上としなければならない。
これは、リングロ−リング時における1ヒ−ト当りの圧
延加工度が50%未満であると、得られるチタン管状材
表面の結晶粒が混粒となりがちで、表面研磨時に白雲状
の表面模様を発生する原因となるためである。
【0017】続いて、本発明を実施例によって説明す
る。
る。
〔実施例1〕工業用純チタン(JIS 1種相当:β変態点
は885℃)の鋳塊を700℃に加熱して鍛造を施すと
共に、その途中で一旦950℃に加熱後直ちに1100
℃/hの冷却速度で650℃まで急冷する熱処理を行い、
その後700℃に再加熱して鍛造を続け(1ヒ−トの
み)、急冷処理後の加工度が異なる複数の孔あき素材を
得た。
は885℃)の鋳塊を700℃に加熱して鍛造を施すと
共に、その途中で一旦950℃に加熱後直ちに1100
℃/hの冷却速度で650℃まで急冷する熱処理を行い、
その後700℃に再加熱して鍛造を続け(1ヒ−トの
み)、急冷処理後の加工度が異なる複数の孔あき素材を
得た。
【0018】次に、得られた各孔あき素材を700℃に
加熱してからリングロ−リングミルによるリングロ−リ
ング(1ヒ−ト当りの加工度を50%とした2回の加熱
・圧延)を実施し、外径が2000mmで肉厚が15mmの
電着ドラム用チタン管状材を製造した。
加熱してからリングロ−リングミルによるリングロ−リ
ング(1ヒ−ト当りの加工度を50%とした2回の加熱
・圧延)を実施し、外径が2000mmで肉厚が15mmの
電着ドラム用チタン管状材を製造した。
【0019】このようにして得られた各電着ドラム用チ
タン管状材につき、その表面の結晶粒度を調査すると共
に、表面研磨(600番手の羽布研磨)後の不都合模様
発生状況を調査した。これらの調査結果を、急冷処理後
の鍛造加工度と共に表1に示す。なお、表1には、鍛造
の途中で急冷処理を施さなかった例も紹介した。
タン管状材につき、その表面の結晶粒度を調査すると共
に、表面研磨(600番手の羽布研磨)後の不都合模様
発生状況を調査した。これらの調査結果を、急冷処理後
の鍛造加工度と共に表1に示す。なお、表1には、鍛造
の途中で急冷処理を施さなかった例も紹介した。
【0020】
【表1】
【0021】表1に示す結果からも、本発明法により、
研磨処理後に電着ドラム用として好ましくないチリメン
状模様及び白雲状模様を殆ど生じることのないチタン管
状材が得られることは明らかである。
研磨処理後に電着ドラム用として好ましくないチリメン
状模様及び白雲状模様を殆ど生じることのないチタン管
状材が得られることは明らかである。
【0022】〔実施例2〕工業用純チタン(JIS 1種相
当:β変態点は885℃)の鋳塊を700℃に加熱して
鍛造を施すと共に、その途中で一旦950℃に加熱後直
ちに1100℃/hの冷却速度で650℃まで急冷する熱
処理を行い、その後700℃に再加熱して加工度が30
%の鍛造処理を1ヒ−ト分だけ施して孔あき素材を得
た。次に、得られた各孔あき素材を700℃に加熱して
から、種々の加工度でリングロ−リングミルによるリン
グロ−リングを実施し、外径が2000mmで肉厚が15
mmの電着ドラム用チタン管状材を製造した。
当:β変態点は885℃)の鋳塊を700℃に加熱して
鍛造を施すと共に、その途中で一旦950℃に加熱後直
ちに1100℃/hの冷却速度で650℃まで急冷する熱
処理を行い、その後700℃に再加熱して加工度が30
%の鍛造処理を1ヒ−ト分だけ施して孔あき素材を得
た。次に、得られた各孔あき素材を700℃に加熱して
から、種々の加工度でリングロ−リングミルによるリン
グロ−リングを実施し、外径が2000mmで肉厚が15
mmの電着ドラム用チタン管状材を製造した。
【0023】このようにして得られた各電着ドラム用チ
タン管状材につき、600番手の羽布で表面を研磨した
後の白雲状模様発生状況を調査したが、これらの調査結
果を整理して図1に示す。図1に示される結果からも、
リングロ−リング工程での1ヒ−ト当りの加工度は50
%以上確保するのが好ましいことが分かる。
タン管状材につき、600番手の羽布で表面を研磨した
後の白雲状模様発生状況を調査したが、これらの調査結
果を整理して図1に示す。図1に示される結果からも、
リングロ−リング工程での1ヒ−ト当りの加工度は50
%以上確保するのが好ましいことが分かる。
【0024】なお、更なる詳細な検討により、良好な表
面性状を安定して得る上で、リングロ−リング工程での
加工度は1ヒ−ト当り加工度で50%以上、ト−タル加
工度で70%以上とすることがより望ましいことを確認
した。
面性状を安定して得る上で、リングロ−リング工程での
加工度は1ヒ−ト当り加工度で50%以上、ト−タル加
工度で70%以上とすることがより望ましいことを確認
した。
【0025】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、研磨等の加工を施しても不本意な表面模様を生じる
ことがないチタンの継目無し管状材を安定して製造する
ことが可能となり、例えばチタン製電着ドラムの製造に
適用することで電析箔の安定製造に大きく貢献できるな
ど、産業上有用な効果がもたらされる。
ば、研磨等の加工を施しても不本意な表面模様を生じる
ことがないチタンの継目無し管状材を安定して製造する
ことが可能となり、例えばチタン製電着ドラムの製造に
適用することで電析箔の安定製造に大きく貢献できるな
ど、産業上有用な効果がもたらされる。
【図1】リングロ−リング工程での加工度と表面品質と
の関係の調査結果を示すグラフである。
の関係の調査結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 難波 清海 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 チタンの鋳塊を鍛造して孔あき素材とな
してからリングロ−リング法によって継目無しの管状材
を製造するに当り、鍛造やリングロ−リングに際しての
加熱温度をβ変態点未満に抑えると共に前記鍛造工程の
間に1000℃/h以上の冷却速度でβ変態点を通過させ
る熱履歴を確保し、かつこの急冷後の処理をβ変態点未
満の温度域で実施するチタン継目無し管状材の製造方法
であって、鍛造の途中で実施する前記急冷の後の鍛造加
工工程で1ヒ−ト当りの加工度を18%以上確保して鍛
造し、更に前記リングロ−リングは1ヒ−ト当りの加工
度を50%以上確保しながら実施することを特徴とす
る、表面加工模様を生じないチタン継目無し管状材の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19111295A JPH0920972A (ja) | 1995-07-04 | 1995-07-04 | チタン継目無し管状材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19111295A JPH0920972A (ja) | 1995-07-04 | 1995-07-04 | チタン継目無し管状材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0920972A true JPH0920972A (ja) | 1997-01-21 |
Family
ID=16269066
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19111295A Pending JPH0920972A (ja) | 1995-07-04 | 1995-07-04 | チタン継目無し管状材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0920972A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113953429A (zh) * | 2021-10-22 | 2022-01-21 | 西部金属材料股份有限公司 | 一种超大规格钛合金环件的制备方法 |
CN114227282A (zh) * | 2022-01-10 | 2022-03-25 | 西安泰金工业电化学技术有限公司 | 一种钛筒加工生产线及其制造流程 |
CN114657365A (zh) * | 2022-04-08 | 2022-06-24 | 攀钢集团研究院有限公司 | 一种具有表面晶花的纯钛薄板及其加工方法 |
-
1995
- 1995-07-04 JP JP19111295A patent/JPH0920972A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113953429A (zh) * | 2021-10-22 | 2022-01-21 | 西部金属材料股份有限公司 | 一种超大规格钛合金环件的制备方法 |
CN114227282A (zh) * | 2022-01-10 | 2022-03-25 | 西安泰金工业电化学技术有限公司 | 一种钛筒加工生产线及其制造流程 |
CN114657365A (zh) * | 2022-04-08 | 2022-06-24 | 攀钢集团研究院有限公司 | 一种具有表面晶花的纯钛薄板及其加工方法 |
CN114657365B (zh) * | 2022-04-08 | 2024-03-12 | 攀钢集团研究院有限公司 | 一种具有表面晶花的纯钛薄板及其加工方法 |
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