JP2864890B2 - チタン製電着ドラムの製造方法 - Google Patents

チタン製電着ドラムの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電解箔などの製造に
使用されるチタン製電着ドラムの製造方法に関し、特に
微細な組織を有するチタン製電着ドラムを効率良く製造
することが可能な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器類に用いられる銅箔を中心とす
る電解箔の製造に使用されるチタン製の電着ドラム用リ
ングは、従来、熱間圧延により製造されたチタン板を円
弧状に成形し、溶接によってリング状にして製造してい
る。しかしながら、この方法では、溶接部のミクロ組織
の制御が困難である。つまり、チタンでは溶接した場合
に、溶融金属部分や溶接熱影響部といったβ組織の部分
が生じる。このβ組織から均一、微細な等軸粒を得るた
めには、圧下等によって歪を加えてβ組織を破壊し、次
工程の焼鈍時に蓄えた歪エネルギーによって等軸化させ
なければならない。このため、溶接時に余盛をし、これ
にプレスで圧下を加えて歪エネルギーを蓄積させる方法
を採用する。しかし、この方法では、大きさが直径2〜
3m、幅1〜3mといった非常に大きな円柱状の電着ド
ラムの溶融金属部分や溶接熱影響部に均一に歪を加える
ことが困難であるため、完全に再結晶させることは難し
い。また、たとえ再結晶した部分ができたとしても、そ
の部分の結晶粒径が母材部分に比較して粗大化したり、
板厚方向に沿って、あるいは溶接部分付近で不均一な組
織の部分ができたりする。このように組織の不均一な部
分が存在すると、製造された箔に不均一部分に対応した
模様が形成され、製品特性の不均質の原因となる。
【0003】これに対して、リングローリング法を用い
て、溶接部を持たないチタン製電着ドラム用リングを製
造する方法が提案されている(特開平3−169445
号公報)。しかし、この方法では、加熱温度を700℃
未満とし、かつ外径成長速度を8mm/秒に制限する必要
があるため、加熱−リングローリングの工程を数回繰り
返す必要があったり、成形時間が長くなり、再加熱に要
する時間も加えると極めて生産効率が低いという問題が
ある。さらに、この方法によって得られた製品の結晶粒
径は粒度番号で7.0〜6.5であって十分に細粒とは
いえず、製品の不均質性が完全に解消されてはいない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明はかかる事情
に鑑みてなされたものであって、微細な組織を有するチ
タン製電着ドラムを効率良く製造することが可能なチタ
ン製ドラムの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】この発明は、熱
間圧延によって得られたチタン板を円弧状に成形した
後、溶接によってリング状の中間製品を得、この中間製
品に対して冷間において再びリング径が大きくなるよう
圧下を加え、引き続き焼鈍することにより、平均結晶
粒径を25μm以下に微細化することを特徴とするチタ
ン製電着ドラムの製造方法を提供する。
【0006】本願発明者らは、チタン製電着ドラムの結
晶粒の微細化について検討を重ねた結果、再結晶を促進
させて微細な再結晶粒を得るためには、リング状にする
最終工程において冷間(室温)で十分な加工歪を導入
し、その後適正な条件で熱処理を施せばよいことを見出
した。また、このような微細な再結晶粒を有するチタン
製電着ドラム効率良く製造するためには、熱間圧延板
を円弧状に成形後、溶接によってリング状の中間製品ま
で加工することが有効であることを見出した。さらに、
中間製品の組織が粗粒であっても、リング状にする最終
工程において冷間(室温)での圧下条件を適切に制御す
ることにより、微細な再結晶粒が得られること、及び、
溶融金属部、溶接熱影響部の組織は板厚方向に対して均
一に十分な歪を加えることによって破壊されることも見
出した。上記構成を有する本発明は、本願発明者らの以
上のような知見に基づいてなされたものである。以下、
本発明について詳細に説明する。
【0007】本発明においては、まず熱間圧延によって
得られたチタン板を円弧状に成形する。このようにする
ことにより、鍛造によって中空素材からリング状に成形
することに比較して製造効率を著しく高めることができ
る。
【0008】次に、このようにして得られた中間製品に
対して冷間において再び圧下を加える。このように冷間
で再び圧下を加えることにより、熱間で製造した中間製
品の組織を破壊し、微細に再結晶させるのに必要な歪エ
ネルギーを導入する効果がある。また、冷間でリングロ
ーリングを行うことにより、電着ドラム主面に均一に歪
を加えることが可能であり、焼鈍後に均一・微細に再結
晶させることが可能となる。この場合の合計の加工率は
40%以上、70%以下にすることが好ましい。加工率
が40%未満の場合には、導入される歪エネルギーが少
なく、再結晶させるのに不十分なばかりか、熱間で製造
した中間製品の組織を十分に破壊することができない。
加工率が70%より大きい場合には、圧下の際に大きな
パワーを必要とし、リングローリングミルのパワーが不
足する恐れがある。なお、この際の加工は特定の方法に
限定されるものではない。
【0009】このように室温で圧下を加えた後、焼鈍処
理を施す。この焼鈍処理により、微細に再結晶させて、
微細な(典型的には平均粒径が25μm以下の)再結晶
粒を得ることができる。結晶粒径が25μmを超える
と、隣接する結晶粒において大きな段差が生じ、銅箔を
製造した場合に、その段差が箔に転写されて不良品とな
ってしまう。これに対して結晶粒径が25μm以下であ
ればその段差も小さく、電着した銅箔に段差が転写され
ることもなく、製品特性、歩留りが向上する。
【0010】その際の再結晶粒の粒径は冷間における加
工率にも依存する。ここで、焼鈍における温度をT℃、
時間をt分とすると、冷間における圧下の合計の加工率
が50%以上、70%以下の場合には、570≦T≦6
70、及び5≦t≦120、及び−T+610≦t≦−
T+720を満足することが好ましく、冷間における圧
下の合計の加工率が40%以上、50%未満の場合に
は、600≦T≦670、及び30≦t≦−T+720
を満足することが好ましい。このような条件を満足しな
いような低温短時間の焼鈍では再結晶が進行せず、未再
結晶組織のままとなってしまう。逆に、これらの式より
も高温長時間側では、再結晶は生じるが、結晶粒が粗大
となり、電解箔にドラム結晶粒が転写され、製品特性の
上から好ましくない。
【0011】以上のように、熱間圧延によって得られた
チタン板を円弧状に成形した後、冷間での圧下を加え、
焼鈍処理を施すことにより、平均粒径が25μm以下の
微細な再結晶粒のチタン製電着ドラムを効率良く得るこ
とができる。
【0012】
【実施例】
(実施例1)
【0013】板厚12mm、幅1500mm、長さ4740
mmのCP−1種純チタン熱間圧延板を円弧状に成形した
後、溶接によって、外径φ1510mm、幅1500mm、
厚さ12mmのリング状チタン製電着ドラムの中間製品と
した。引き続き、冷間において、図3に示すような馬掛
け方式によって加工率50%の圧下を加えて、外径φ3
000mm、肉厚6mmの最終形状に仕上げた。この製品に
対して、焼鈍温度550〜700℃、焼鈍時間2〜15
0分の条件で焼鈍を行ない最終製品を得た。そして、そ
の際の製品の溶融金属部の結晶粒径を測定した。図1に
その結果を示す。図1は、横軸に焼鈍温度をとり、縦軸
に焼鈍時間をとって、各条件での結晶粒径を示す図であ
る。図中数字は結晶粒径を示し、○は結晶粒径が25μ
m以下、□は結晶粒径が25μmより大、×は未再結晶
あるいは部分再結晶組織を示す。図1から明らかなよう
に、焼鈍温度をT℃、焼鈍時間をt分としたとき、 570≦T≦670 5≦t≦120 −T+610≦t≦−T+720
【0014】の3つの不等式を満足する場合に、平均結
晶粒径が25μm以下の細粒組織となることが確認され
た。これに対し、これらの式を満足しない場合には、再
結晶しないか、又は25μmを超える粗大な再結晶粒と
なることが確認された。 (実施例2)
【0015】板厚10mm、幅1500mm、長さ5690
mmのCP−1種純チタン熱間圧延板を円弧状に成形した
後、溶接によって、外径φ1810mm、幅1500mm、
厚さ10mmのリング状チタン製電着ドラムの中間製品と
した。引き続き、冷間において、図3に示すような馬掛
け方式によって加工率40%の圧下を加えて、外径φ3
000mm、肉厚6mmの最終形状に仕上げた。この製品に
対して、焼鈍温度550〜700℃、焼鈍時間2〜15
0分の条件で焼鈍を行ない最終製品を得た。そして、そ
の際の製品の溶融金属部の結晶粒径を測定した。図2に
その結果を示す。図2は、横軸に焼鈍温度をとり、縦軸
に焼鈍時間をとって、各条件での結晶粒径を示す図であ
る。図中の数字及びマークは図1と同様である。図2か
ら明らかなように、焼鈍温度をT℃、焼鈍時間をt分と
したとき、 600≦T≦670 30≦t≦−T+720
【0016】の2つの不等式を満足する場合に、平均結
晶粒径が25μm以下の細粒組織となることが確認され
た。これに対し、これらの式を満足しない場合には、再
結晶しないか、又は25μmを超える粗大な再結晶粒と
なることが確認された。 (実施例3)
【0017】実施例1と同様のCP−1種純チタン熱間
圧延板を円弧状に成形した後、溶接によって表1に示す
8つの形状の中間製品を製造し、実施例1,2と同様に
馬掛け方式によって、外径φ3000mm、肉厚6mm、又
は外径φ1016mm、肉厚18mmの最終形状に仕上げ
た。その際の冷間加工率も表1に併記する。
【0018】
【表1】
【0019】これら中間製品に対し、表2に示す条件で
焼鈍処理を行った。その際の溶融金属部の平均結晶粒径
を表2に併記する。なお、表2中×は未再結晶又は部分
再結晶を示す。
【0020】
【表2】
【0021】表2に示すように、加工率が40%以上、
70%以下の場合には、焼鈍条件が適切であれば、平均
結晶粒径が25μm以下の細粒組織となることが確認さ
れた。しかし、加工率が40%以上、70%以下であっ
ても、図1、図2から外れる焼鈍条件の場合には、再結
晶しないか、又は25μm以上の粗大な再結晶粒となる
ことが確認された。また、加工率が40%未満の場合に
は、焼鈍条件が適切であっても、再結晶しないか、又は
25μmを超える粗大粒となる場合があることが確認さ
れた。さらに、加工率が70%を超える場合には、圧下
が大きすぎ、冷間では最終形状まで成形することが不可
能であった。
【0022】なお、上記実施例では、室温(冷間)での
加工を馬掛け方式によって行ったが、これに限るもので
はなく、冷間でのリングローリング等によっても行うこ
とができる。また、熱間圧延板を溶接によってリング状
とした後、熱間のリングローリングを施し、さらに所定
の形状冷間にて加工し、所定の条件の焼鈍を施すこと
によっても、上記冷間での加工及び焼鈍の効果は失われ
ない。
【0023】
【発明の効果】この発明によれば、微細な組織を有する
チタン製電着ドラムを効率良く製造することが可能なチ
タン製ドラムの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷間での加工率が50%のときの焼鈍温度及び
焼鈍時間と結晶粒径との関係を示す図。
【図2】冷間での加工率が40%のときの焼鈍温度及び
焼鈍時間と結晶粒径との関係を示す図。
【図3】馬掛け方式によるリング状チタン製電着ドラム
の圧下加工の概要を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 680 C22F 1/00 680 683 683 685 685Z 686 686A 694 694A C25D 1/04 C25D 1/04 (56)参考文献 特開 平4−36488(JP,A) 特開 昭52−119443(JP,A) 特公 昭63−4910(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22F 1/18 B21C 37/08 B21H 1/06 C25D 1/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延によって得られたチタン板を円
    弧状に成形した後、溶接によってリング状の中間製品を
    得、この中間製品に対して冷間において再びリング径が
    大きくなるように圧下を加え、引き続き焼鈍すること
    より、平均結晶粒径を25μm以下に微細化すること
    特徴とするチタン製電着ドラムの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記冷間における圧下の合計の加工率が
    40%以上、70%以下であることを特徴とする請求項
    1に記載のチタン製電着ドラムの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記冷間における圧下の合計の加工率が
    50%以上、70%以下であり、引き続き行われる焼鈍
    における温度をT℃、時間をt分とした場合に、T及び
    tが以下の式を満足することを特徴とする請求項1又は
    2に記載のチタン製電着ドラムの製造方法。 570≦T≦670 5≦t≦120 −T+610≦t≦−T+720
  4. 【請求項4】 前記冷間における圧下の合計の加工率が
    40%以上、50%未満であり、引き続き行われる焼鈍
    における温度をT℃、時間をt分とした場合に、T及び
    tが以下の式を満足することを特徴とする請求項1又は
    2に記載のチタン製電着ドラムの製造方法。 600≦T≦670 30≦t≦−T+720
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