JPH0316871Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案はエレベータの乗かごが途中階に異常停
止した時の照明装置に関する。

〔考案の背景〕

一般に、エレベータが走行中何らかの異常によ
り階間に停止した時には、乗りかご内に閉じ込め
られた乗客を救出するため、エレベータの駆動用
電動機を強制的に（電力または人力により）低速
回転させ、エレベータ乗場のある階まで乗りかご
を移動させ、しかる後、乗場扉および乗りかご扉
を開いて乗客を救出していた。しかしながら異常
の状態によつては、かごを移動させる事が不可能
な場合がある。従来、この場合には、乗りかごが
停止している位置より上方の乗場扉を救出員が開
き、乗りかごの上に乗り移つた後、乗りかごの照
明灯装置を点灯し、作業用照明として利用しなが
ら、乗りかご天井に設けられた救出口を開き、こ
こから乗客を救出するようにしていた。しかしな
がら乗りかご上に救出員が乗り移り、照明装置を
点灯するまでは、救出員は乗場の外の光を頼りに
乗りかご上に乗り移らねばならず危険を伴なうと
いう問題があり、また、建物の中に設けられてい
るコンセントにより移動コード付き照明を点灯し
て利用することも可能ではあるが、照明器具を持
つて来たり、コンセント位置を探すには時間を要
し救出に手間どるという問題があつた。

この問題を解決するため、実開昭53−70060号
に示すように、乗かごのいない階の乗場扉を開い
た時に、該当乗場階付近の昇降路内および乗かご
上の照明器具を自動的に点灯するようにして、救
出員や被救出者の安全を確保するというものが提
案されている。

しかしながら、このものでは、昇降路の乗場階
付近すべてに照明器具を備えなければならず、照
明器具の設置並びに配線作業に多大の作業時間を
必要とするという欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、上記の点にかんがみ、簡単な構成に
よつて、救出者や被救出者の安全を確保するよう
にしたものである。

〔考案の概要〕

本考案は、乗かごが停止していない階の乗場扉
が開いたことを検出する扉検出回路を設け、一
方、乗かごの上下部に、前記検出回路が動作する
時点灯する照明灯を設け、かつ、乗かご下部に設
けられるトウガードを、下部照明灯の光を階床側
に透過できる構成としたものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を図に基づき説明す
る。

図において、それぞれ１，２，３は、それぞれ
１階、２階、３階の乗場扉、４は昇降路、５はか
ごで、このかご５は、ロープ６を介してカウンタ
ウエート７に連結されると共に、機械室８に設け
られた巻上機９により昇降されるものである。

１０は、かご５の前面下方に設けられたトウガ
ードで、このトウガード１０には切欠き穴１０
ａ，１０ｂが設けられている。１１は、かご５の
上部に設けられた上部照明灯、１２ａ，１２ｂ
は、かご５の下部に設けられた下部照明灯であ
る。

１３Ａ〜１５Ａは、かご５がそれぞれ１〜３階
の扉開可能位置にあるとき付勢される位置リレー
の常閉接点、２３Ａ〜２５Ａは、１〜３階の乗場
扉１〜３が開錠されたとき消勢される扉開閉リレ
ーの常閉接点である。

しかして今、かご５が何らかの原因で第１図に
示すように１階と２階の中間に停止した場合、か
ご５内の乗客を救出するために救出員はかご５よ
り上方の２階の乗場扉２を鍵により解錠し、かご
５の上に乗り込もうとする。

２階の乗場扉２を解錠すると、かご５が２階の
戸開可能位置にあると付勢されるリレーは、かご
５がその位置にいないため消勢されており、従つ
てその常閉接点１４Ａは閉成している。この時、
中間階停止であるため、接点２４Ａも閉成してい
る。

このため、かご上下部の照明灯１１，１２ａ，
１３ｂは点灯し、救出員のかご５上への移乗を安
全にするための充分な照明を与える。よつて、救
出員は、かご５上に安全に移乗し、かご天井に設
けられた救出口を開き、ここより乗客を救出す
る。

また、かご５がもう少し下方位置で停止した場
合、乗場扉１を開放し、かご５の扉を開いて救出
を行なうこともあるが、この場合、下部照明灯１
２ａ，１２ｂの点灯により、切欠き穴１０ａ，１
０ｂを介して乗場扉１側が照射され、安全に救出
作業を行なうことができる。

なお、エレベータ走行中は、すべての乗場扉が
鎖錠されているため、常閉接点２３Ａ〜２５Ａが
開放されていて照明灯は点灯しない。

また、この例では、トウガード１０に、切り欠
き穴１０ａ，１０ｂを設けたが、トウガードその
ものを透明体或いは半透明体で構成することによ
り、照明灯１２ａ，１２ｂの光を容易に透過させ
ることができる。

また、照明灯として、保守員が作業用として従
前からあるものを活用すれば、あえて新しく照明
灯を用いることがない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、かごの上下部に照明灯を設け
たため、階床扉側への照明灯設置が不要となり、
作業時間や費用を大幅に軽減できる。また、トウ
ガードを光を透過できる構成としたため、下方の
照明効果も充分確保できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例になるエレベータ
の異常停止時の照明装置を備えたエレベータの概
略断面図、第２図はかごの拡大正面図、第３図は
照明灯の回路図である。 １，２，３……乗場扉、４……昇降路、５……
かご、１０……トウガード、１１，１２ａ，１２
ｂ……照明灯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 昇降路内を上下動するかごを備え、かつ、この
   かごのシル下方にトウガードを備えたエレベータ
   において、前記かごが停止していない階の乗場扉
   が開いた事を検出する扉検出回路を設け、一方、
   前記かごの上下部に、前記検出回路が動作する時
   点灯する照明灯を設け、かつ、前記トウガードを
   下部照明灯の光を階床側に透過できる構成とした
   ことを特徴とするエレベータの異常停止時の照明
   装置。