JPH1095580A - エレベータの非常運転装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】エレベータの非常運転装置を提供する。 【解決手段】ホール側の操作盤によるブレーキ釈放で乗
かごを最寄り階へ着床させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はエレベータの非常運
転装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来は、小規模建物向エレベータ、特に
個人住宅向け等のエレベータにおいて建物の高さ制限や
機械室スペースの節約により、昇降路底部にドラム式巻
上機を設置する。この種のエレベータは図１に示すよう
な構成となっている。このため非常時の無励磁動作型電
磁ブレーキの釈放をする場合、特開平1−313283 号公報
であるように乗客が乗かご内に閉じこめられた場合、乗
客自身が乗かご内に設けられた非常運転用スイッチによ
り、所定時間無励磁動作型電磁ブレーキに電源を供給
し、一定時間ブレーキを釈放することを繰り返しなが
ら、乗かごを自重で下降させるものが提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような、
従来のエレベータでは、乗客が乗かご内に閉じこめられ
た場合、乗客自身による非常時の操作が必要であり、乗
客が子供や老人の場合には、操作方法が分からず、その
まま閉じこめられたままになる恐れがある。本発明の目
的は、乗客が乗かご内に閉じこめられた場合、ホール側
操作盤より乗客以外の操作者が、別系統からの電源供給
で所定時間無励磁動作型電磁ブレーキへの通電を行い、
一定時間ブレーキを釈放して、乗かごを自重で下降，最
寄り階に着床させることで、乗客を安全かつ速やかに乗
かごから脱出できるようにしたエレベータの非常運転装
置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべく、乗かごに結合されたロープをつけたドラム、
このドラムを駆動するドラム駆動手段、およびドラムを
停止させる無励磁動作型電磁ブレーキを有したドラム式
巻き上げ機を備え、上記ドラム駆動手段によりドラムを
駆動させることにより、乗かごを昇降させるとともに乗
かごが最寄り階に到着するとドラム駆動手段および無励
磁動作型電磁ブレーキへの通電を遮断して乗かごをその
位置に停止させるようにしたエレベータに適用される非
常運転装置であって、乗かごが昇降路の途中に停止した
場合、ホール側操作盤より別系統からの電源供給にて所
定時間無励磁動作型電磁ブレーキへの通電を行い、一定
時間ブレーキを釈放して、乗かごを自重で下降させるこ
とを具備してなる構成とした。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施例を図１
を参照して説明する。

【０００６】図１は、本発明の非常運転装置を適用した
低階層用エレベータの構成を示すものであり、乗かご１
は、連結したロープ２を昇降路３の上部に配置されたプ
ーリ４を介して、昇降路３底部に配置されたドラム式巻
上機５のドラム６に巻き付けた状態となっている。ドラ
ム式巻上機５は、モータ７および減速機８からなるドラ
ムを駆動し、モータ７の駆動力を減速機８を介して減速
してドラム６に伝達することで乗かご１を昇降させるよ
うになっている。それと共にドラム６を停止するための
無励磁動作型電磁ブレーキ９が取付けられており、乗か
ご１が最寄り階に到着するとモータ７とブレーキ９の通
電が遮断され、乗かご１がそこで停止する。乗かご１の
最寄り階への呼びは、ホール側呼び釦１２で登録された
かご呼びを昇降路内配線１１を通して制御盤１０内にて
制御される。そして、ホール側呼び釦１２内部に非常時
電磁ブレーキ９を釈放するためのホール側操作盤１４が
あらかじめ用意されている。

【０００７】図３は本発明の非常運転装置の使用時の図
であり、図２は呼び釦１２の詳細を示したものである。
最寄り階のホールの呼び釦付きパネルａを開くとパネル
内部に非常時の無励磁電磁ブレーキ釈放スイッチｄおよ
び外部電源接続用コネクタｃが具備してあり、エレベー
タの故障時等電源が供給されている場合には、電磁ブレ
ーキ釈放スイッチｄにより、乗かご１を自重で下降さ
せ、最寄り階に着床させる。また、停電等電源供給が途
絶した場合で、予備電源等を備えていないエレベータに
おいては、外部電源接続用コネクタｃに外部電源ｅを接
続した後、電磁ブレーキ釈放スイッチｄにより、乗かご
１を自重で下降させ、最寄り階に着床させる。

【０００８】たとえば、図３で示すように、乗りかご１
が昇降中に停電やエレベータの故障により、巻上機５へ
の電源供給が途絶えて、モータ７が停止し、同時に電磁
ブレーキ９が働いた状態となって、２Ｆと３Ｆの間の昇
降路３内に乗かご１が停止してしまい、乗客ｈが乗りか
ご１内に閉じこめられた状態になった場合、乗客ｈが外
部に発報または、乗かご外部の人ｇがエレベータの異常
に気がついた場合、外部の人ｇが乗かご１の最寄り階へ
行き、２Ｆのホール側操作盤１２の呼び釦付きパネルａ
内の外部電源接続用コネクタｃに外部電源ｅを接続し、
電磁ブレーキ９に所定時間電源を供給し、電磁ブレーキ
釈放スイッチｄでハッチドアに設けられた窓１３で乗か
ご１の位置を確認しながら乗かご１の自重により下降さ
せ着床させる。その後、乗かご１から乗客ｈを脱出させ
ることができる。

【０００９】

【発明の効果】本発明によれば、停電時やエレベータの
故障で乗りかごが昇降路の途中に停止し、乗客が乗かご
内に閉じこめられた場合、ホール側操作盤より乗客以外
の操作者が、別系統の電源供給にて所定時間無励磁動作
型電磁ブレーキへの通電を行い、一定時間ブレーキを釈
放して、乗かごを自重で下降、最寄り階に着床させるこ
とで、乗客をさらに安全かつ速やかに乗かごから脱出す
ることが可能になる。また、ホール側の操作者が、ホー
ル側から乗かごの位置を確認しながら操作できるため確
実な着床を行うことができ、乗客の乗り降りの際の安全
性をさらに向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例によるエレベータ装置の斜視
図。

【図２】呼び釦兼ホール側操作盤の説明図。

【図３】本発明の一実施例による非常時の脱出方法の説
明図。

【符号の説明】

１…乗かご、２…ロープ、３…昇降路、４…プーリ、５
…巻上機、６…ドラム、７…モータ、８…減速機、９…
無励磁動作型電磁ブレーキ、１０…制御盤、１１…昇降
路内配線、１２…呼び釦、１３…ホール側ドア窓、１４
…ブレーキ電源供給用主配線。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松土 貴司 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】乗かごに結合されたロープをつけたドラ
   ム、上記ドラムを駆動するドラム駆動手段、上記ドラム
   を停止させる無励磁動作型電磁ブレーキを有したドラム
   式巻上機を備え、上記ドラム駆動手段により上記ドラム
   を駆動させることにより、上記乗かごを昇降させ上記乗
   かごが最寄り階に到着するとドラム駆動手段および無励
   磁動作型電磁ブレーキへの通電を遮断して上記乗かごを
   その位置に停止させるようにしたエレベータに適用され
   る非常運転装置において、上記乗かごが昇降路の途中に
   停止した場合、ホール側操作盤より別系統からの電源供
   給にて一定時間無励磁動作型の電磁ブレーキへの通電を
   行い、上記電磁ブレーキを釈放して、上記乗かごを自重
   で下降させる手段を具備してなることを特徴とするエレ
   ベータの非常運転装置。
2. 【請求項２】かご呼び釦の取り付けられているパネルに
   開閉機構を設け、上記パネルを開くことで上記パネルの
   内部にあらかじめ用意された無励磁動作型電磁ブレーキ
   を釈放するための操作器具と別系統の電源を接続するた
   めの端子を具備する請求項１に記載のエレベータの非常
   運転装置。