JPH031677B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は自動リズム演奏装置に関し、特に各
種リズム楽器音をリズム楽器音毎に所定の発音タ
イミングからずらして発音する装置に関する。

一般に自動リズム演奏装置は、パターンメモリ
に各リズム毎に複数のリズム楽器毎のリズムパタ
ーンを記憶し、リズム選択スイツチからのリズム
選択信号によつて所望のリズムパターンを選択
し、テンポパルスによつて駆動されるテンポカウ
ンタをアドレスジエネレータとして前記パターン
メモリから選択したリズムに対応するリズムパタ
ーン（パターンパルス）を読み出し、この読み出
されたリズムパターンにしたがつて各種リズム音
源装置を制御して自動リズム音を発生するもので
ある。

ところで、かかる従来の自動リズム演奏装置で
は、所定の発音タイミングに発音されるリズム楽
器音が複数ある場合には、これら複数の楽器音が
全く同時に発音されるため、生のリズム演奏と比
較して不自然であつた。

なぜならば、生のリズム演奏では各種リズム楽
器音は楽器音毎にその発音タイミングが物理的に
若干ずれるものであり、また楽器の種類に応じて
故意に少しずらす場合もあるからである。

この発明は上記実情に鑑みてなされたもので、
各種リズム楽器音をリズム楽器音毎に所定の発音
タイミングからずらして発音することができる自
動リズム演奏装置を提供することを目的とする。

この発明によれば、任意の記憶長の無音データ
を先行させた各種リズム楽器音に対応する波形デ
ータを記憶するリズム楽器音メモリを設け、パタ
ーンメモリから読み出されるリズムパターンに基
づいて前記リズム楽器音メモリから適宜の波形デ
ータを選択するとともに、選択した波形データを
順次読み出すことにより、該波形データに基づい
て発音される自動リズム音の発音タイミングをリ
ズム楽器音毎に適宜ずらすようにしている。

また、任意の記憶長の無音データを先行させた
各種リズム楽器音に対応する波形データを各種リ
ズム楽器音毎に複数記憶するリズム楽器音メモリ
と、前記各種リズム楽器音毎の複数の波形データ
のうち１つの波形データを各種リズム楽器音別に
ランダムに選択するランダム選択手段とを設け、
パターンメモリから読み出されるリズムパターン
および前記ランダム選択手段の出力に基づいて前
記リズム楽器音メモリから適宜の波形データを選
択するとともに、選択した波形データを順次読み
出すことにより、該波形データに基づいて発音さ
れる自動リズム音の発音タイミングをリズム楽器
音毎に、かつ発音タイミング毎に適宜ずらすよう
にしている。

以下この発明を添付図面を参照して詳細に説明
する。

第１図は、この発明による自動リズム演奏装置
の一実施例を示すブロツク図である。第１図にお
いて、リズム選択スイツチ１はリズム種類を選択
するもので、例えばマーチ、ワルツ、ジヤズワル
ツ等のリズムに対応するスイツチ群からなり、こ
のスイツチ群において所望のリズムに対応するス
イツチがオンされると所望のリズムを示すリズム
選択信号をそれぞれパターンメモリ２および楽器
名メモリ３に出力する。

パターンメモリ２は自動リズム演奏を行なうた
めの各種リズムに対応するリズムパターンを記憶
するものである。このパターンメモリ２はリズム
選択スイツチ１から加わるリズム選択信号を静的
アドレス信号とし、テンポ発振器４から出力され
る所定周波数のテンポパルスTMPを計数するテ
ンポカウンタ５の出力を動的アドレス信号として
おり、リズム選択スイツチ１で選択されたリズム
に対応するリズムパターンに基づくパターンパル
スをテンポカウンタ５の出力に基づき順次読み出
す。なお、このパターンメモリ２からは各種リズ
ム楽器（例えば８種類のリズム楽器）の発音タイ
ミングを示す８ビツトからなるパターンパルスが
出力される。

パターンメモリ２から読み出されたパターンパ
ルスは微分回路６に加えられる。微分回路６は入
力するパターンパルスをチヤンネルカウンタ７か
らの所定の出力（例えばチヤンネルカウンタ７の
上位ビツトの出力）によつて微分し、チヤンネル
カウンタ７の１サイクル幅のパルスを形成し、こ
のパルスをマルチプレクサ８に加える。なお、チ
ヤンネルカウンタ７は、高速クロツクパルスφを
計数することにより１チヤンネルから８チヤンネ
ルまでのチヤンネル情報をマルチプレクサ８およ
び楽器名メモリ３に出力している。

マルチプレクサ８はチヤンネルカウンタ７の１
サイクル幅のパルスとして入力するパターンパル
スをチヤンネルカウンタ７からのチヤンネル情報
に基づいて各チヤンネルに割当て、これをキーオ
ンパルス信号KONPとしてそれぞれセレクタ９
のＢ入力セレクト端子SBおよびアドレスカウン
タ制御回路１０に加える。

セレクタ９はＡ入力に８ステージ・２ビツトの
シフトレジスタ１１の出力が加えられ、Ｂ入力に
ランダムデータ発生回路１２の出力が加えられて
おり、キーオンパルス信号KONPがＢ入力セレ
クト端子SBに加えられたときのみＢ入力を選択
し、それ以外のときはＡ入力を選択して選択入力
に加わる２ビツトデータをシフトレジスタ１１に
出力する。なお、ランダムデータ発生回路１２は
高速クロツクパルスφの入力毎にランダムな２ビ
ツトデータを出力するもので、シフトレジスタと
排他オア回路を用いた周知の回路で構成すること
ができる。

シフトレジスタ１１は、高速クロツクパルスφ
の入力毎にセレクタ９からの２ビツトデータを入
力するとともに各ステージのデータをシフトし、
最終ステージからは２ビツトデータをリズム楽器
音メモリ１３およびセレクタ９のＡ入力に出力す
る。したがつて、シフトレジスタ１１はマルチプ
レクサ８からキーオンパルス信号KONPが供給
される毎にランダムデータ発生回路１２からのラ
ンダムな２ビツトデータを取り込み、これを同一
チヤンネルのキーオンパルス信号KONPが再び
出力されるまで記憶する。

リズム楽器音メモリ１３は４つのテーブルを有
し、更に各テーブルは８種類のリズム楽器音に対
応する波形データをそれぞれ記憶する第１から第
８記憶部により構成されている。第２図はこのリ
ズム楽器音メモリ１３の各テーブル毎に、かつ各
テーブルの記憶部毎に記憶される波形データの一
例を示したものである。なお、この波形データは
デジタルデータとして記憶されるものであるが、
ここでは便宜上アナログ波形で示している。ま
た、上記各記憶部はスタートアドレスST１から
エンドアドレスED１、スタートアドレスST２か
らエンドアドレスED２，…、スタートアドレス
ST８からエンドアドレスED８によつて８分割さ
れる記憶部である。

各テーブルの同一記憶部は、同一リズム楽器音
に対応する波形データを記憶しているが、第２図
に示すように各テーブル毎にそのスタートアドレ
スから異なる記憶長の無音データを記憶してい
る。なお、同一リズム楽器音に対応する範囲内で
波形データを若干異ならせて記憶させるようにし
てもよい。

次に、このリズム楽器音メモリ１３からの波形
データの読み出し制御について説明する。

シフトレジスタ１１は前述したように高速クロ
ツクパルスφの入力毎に２ビツトデータをリズム
楽器音メモリ１３に出力している。この２ビツト
データは各記憶部毎のテーブル指定を行なうテー
ブル指定データである。なお、テーブル指定デー
タと指定テーブルとの関係は第２図に示す通りで
ある。したがつて、シフトレジスタ１１からのテ
ーブル指定データによる各種リズム楽器音の波形
データの組み合わせは、4⁸＝65536通りとなる。
これにより、各種リズム楽器音に対応するスター
トアドレスからの無音データは、その記憶長が各
種リズム楽器毎に、または一部のリズム楽器間で
異なるため、各種リズム楽器音に対応する波形デ
ータを各スタートアドレスから読み出し、この波
形データに基づいてリズム音を発音させると各種
リズム楽器音毎にその発音タイミングがずれるよ
うになる。

一方、楽器音メモリ１３のアドレス指定は、楽
器名メモリ３、アドレスカウンタ制御回路１０、
アドレスカウンタ１４、スタート／エンドアドレ
スメモリ１５、加算器１６および比較器１７によ
つて行なう。

楽器名メモリ３は、リズム種類毎に各チヤンネ
ルに割当てる音源種類を変更するもので、各種リ
ズム毎に所定の順序にリズム楽器名に対応する楽
器ナンバー情報を記憶している。この楽器名メモ
リ３はリズム選択スイツチ１から加わるリズム選
択信号を静的アドレス信号とし、チヤンネルカウ
ンタ７から加わるチヤンネル情報を動的アドレス
信号としており、リズム選択スイツチ１で選択さ
れたリズムに対応する所定の順序の楽器ナンバー
情報をチヤンネルカウンタ７の出力に基づき順次
読み出す。

楽器名メモリ３から読み出された楽器ナンバー
情報は、スタート／エンドアドレスメモリ１５お
よびデジタルローパルフイルタ１８に加えられ
る。スタート／エンドアドレスメモリ１５は前述
したリズム楽器音メモリ１３における各種リズム
楽器音に対応する波形データを記憶する各記憶部
のスタートアドレスとエンドアドレスを記憶する
もので、前記楽器名メモリ３から読み出された楽
器ナンバー情報に基づいてその楽器ナンバー情報
の示すリズム楽器音の波形データを記憶する記憶
部のスタートアドレスSTおよびエンドアドレス
EDを出力する。このスタートアドレスSTは加算
器１６に加えられ、エンドアドレスEDは比較器
１７に加えられる。

加算器１６は他の入力にアドレスカウンタ１４
の出力が加えられている。このアドレスカウンタ
１４は各チヤンネルに対応した８つのカウンタか
らなり、各カウンタの計数開始時およびリセツト
はアドレスカウンタ制御回路１０によつて制御さ
れる。すなわち、アドレスカウンタ制御回路１０
はマルチプレクサ８から加わるキーオンパルス信
号KONPに基づきこのキーオンパルス信号
KONPが割当てられたチヤンネルに対応するア
ドレスカウンタ１４のカウンタを計数可能にす
る。計数可能になつたカウンタは、所定周波数の
クロツクパルス、例えば周期が高速クロツクパル
スφの８倍のクロツクパルスによつてカウントア
ツプする。このアドレスカウンタ１４の各チヤン
ネルに対応したカウンタの計数値は加算器１６に
時分割出力される。加算器１６はこの計数値とス
タート／エンドアドレスメモリ１５から時分割出
力されるスタートアドレスSTとを加算し、この
加算値をリズム楽器音メモリ１３のアドレス信号
としてリズム楽器音メモリ１３および比較器１７
に出力する。

リズム楽器音メモリ１３はシフトレジスタ１１
から加わるテーブル指定データと加算器１６から
加わるアドレス信号に基づいて波形データを読み
出す。

比較器１７はスタート／エンドアドレスメモリ
１５から加わるエンドアドレスEDと加算器１６
から加わるアドレス信号とを比較し、リズム楽器
音メモリ１３での波形データの読み出しが終了し
てアドレス信号がエンドアドレスEDと一致する
と、一致信号EQをアドレスカウンタ制御回路１
０に出力する。アドレスカウンタ制御回路１０は
一致信号EQが加えられると、その一致信号EQの
出力タイミングの示すチヤンネルに対応するアド
レスカウンタ１４のカウンタをリセツトし、マル
チプレクサ８から同一チヤンネルのキーオンパル
スKONPが加わるまでそのカウンタを不動作に
する。

このようにして、マルチプレクサ８からキーオ
ンパルスKONPが出力される毎に、リズム楽器
音メモリ１３から適宜のリズム楽器音に対応する
波形データ（この波形データは任意の記憶長の無
音データを含み、またその記憶長はキーオンパル
スKONPが出力される毎に適宜変更する）を読
み出す。

リズム楽器音メモリ１３から読み出された波形
データはデジタルローパスフイルタ１８に加えら
れる。デジタルローパスフイルタ１８は、低い周
波数成分を有するリズム楽器音に対応する波形デ
ータ、例えば第２図の第１記憶部に記憶されてい
る波形データについてはサンプリング周波数によ
るノイズ成分を除去するように作用し、高周波成
分を有するリズム楽器音に対応する波形データに
ついてはそのまま通過させる。なお、このデジタ
ルローパスフイルタ１８は上記波形データを識別
するために、楽器名メモリ３から楽器ナンバー情
報を入力している。

リズム楽器音メモリ１３から読み出されデジタ
ルローパスフイルタ１８を介して時分割出力され
る各種リズム楽器音に対応する波形データは、ア
キユムレータ１９によつて各波形データが累算さ
れ、この累算データはデジタル／アナログ変換器
２０によつてアナログ信号に変換される。このア
ナログ信号は増幅器２１を介してスピーカ２２に
加わり、ここでリズム音として発音される。

なお、リズム楽器数およびリズム楽器音メモリ
のテーブル数はこの実施例に限らず適宜設定する
ことができる。例えば、テーブル数を１つにする
こともできる。ただし、この場合、各種リズム楽
器音に対応する波形データを記憶する記憶部は、
そのスタートアドレスからそれぞれ異なる記憶長
の無音データを記憶し、その後波形データを記憶
する必要があり、またテーブルをランダムに選択
する手段は不要になる。なお、この場合は所定タ
イミングからのずれ量は各種リズム楽器音毎に常
に一定となり、より生のリズム演奏に近づける意
味では好ましくない。

また、この実施例では１つのメモリの記憶領域
を分割し、各種リズム楽器音メモリに対応する波
形データを記憶させるようにしたが、これに限ら
ず各波形データ毎に、各テーブル毎にメモリを設
けるようにしてもよい。

以上説明したようにこの発明によれば、各種リ
ズム楽器音をリズム楽器音毎に所定の発音タイミ
ングからずらして発音することができるため、生
のリズム演奏に近い変化に豊んだ自動リズム演奏
を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による自動リズム演奏装置の
一実施例を示すブロツク図、第２図はこの発明に
よるリズム楽器音メモリの一例を示す説明図であ
る。 １……リズム選択スイツチ、２……パターンメ
モリ、３……楽器名メモリ、４……テンポ発振
器、５……テンポカウンタ、６……微分回路、７
……チヤンネルカウンタ、８……マルチプレク
サ、１０……アドレスカウンタ制御回路、１１…
…シフトレジスタ、１２……ランダムデータ発生
回路、１３……リズム楽器音メモリ、１４……ア
ドレスカウンタ、１５……スタート／エンドアド
レスカウンタ、１６……加算器、１７…比較器、
１８……デジタルローパスフイルタ、２２……ス
ピーカ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 各リズム毎にリズムパターンを記憶するパタ
   ーンメモリと、該パターンメモリから所望のリズ
   ムパターンを選択するとともに、選択したリズム
   パターンを順次読み出す第１の読出手段と、任意
   の記憶長の無音データを先行させた各種リズム楽
   器音に対応する波形データを記憶するリズム楽器
   音メモリと、前記第１の読出手段によつて読み出
   されたリズムパターンに基づいて前記リズム楽器
   音メモリから適宜の波形データを選択するととも
   に、該選択した波形データを順次読み出す第２の
   読出手段とを具えた自動リズム演奏装置。 ２ 前記リズムパターンは、各種リズム楽器音毎
   の発音タイミングを示すパターンパルス列である
   特許請求の範囲第１項記載の自動リズム演奏装
   置。 ３ 各リズム毎にリズムパターンを記憶するパタ
   ーンメモリと、該パターンメモリから所望のリズ
   ムパターンを選択するとともに、選択したリズム
   パターンを順次読み出す第１の読出手段と、任意
   の記憶長の無音データを先行させた各種リズム楽
   器音に対応する波形データを各種リズム楽器音毎
   に複数記憶するリズム楽器音メモリと、前記各種
   リズム楽器音毎の複数の波形データのうち１つの
   波形データを各種リズム楽器音別にランダムに選
   択するランダム選択手段と、前記第１の読出手段
   によつて読み出されたリズムパターンおよび前記
   ランダム選択手段の出力に基づいて前記リズム楽
   器音メモリから適宜の波形データを選択するとと
   もに、該選択した波形データを順次読み出す第２
   の読出手段とを具えた自動リズム演奏装置。 ４ 前記リズムパターンは、各種リズム楽器音毎
   の発音タイミングを示すパターンパルス列である
   特許請求の範囲第３項記載の自動リズム演奏装
   置。 ５ 前記リズム楽器音メモリに記憶される各種リ
   ズム楽器音毎の複数の波形データは、少なくとも
   無音データの記憶長が異なる特許請求の範囲第３
   項記載の自動リズム演奏装置。