JPH03167339A - ファンシーヤーンの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は．糸条の長手方向に任意の個所に太細繊度差を
形成した糸条同士を引揃えたファンシーヤーンの製造方
法に関するものである。

《従来の技術》 従来，糸条の長手方向に沿って太繊度部と細繊度部を有
するファンシーヤーンを製造する方法は数多く知られて
いる。

例えば，ジェットノズルへの圧縮空気の供給を間歇的に
行って，圧縮空気供給時にマルチフィラメント糸条にル
ープや絡みあるいは弛みを生じさせ，糸条の長手方向に
間歇的に太繊度部を形或する方法が提案されている。し
かしながら．この方法では，ジェットノズルへのマルチ
フィラメント糸条への供給率と間歇的圧縮空気の供給頻
度がうまく調和しなければ太繊度部が不明瞭となったり
，加工が不安定になる等の問題があった。

上記の欠点を解消するために．本発明者らは．特開昭５
６−１１２５２８号公報において，糸条供給ローラとジ
ェットノズルとの間で走行中のマルチフィラメント糸条
に抵抗を一時的に付与し，抵抗を付与する位置と供給ロ
ーラとの間で過剰供給された糸条を負圧吸引流により吸
い込ませて滞留した糸道を形戒し，次いで，糸条から抵
抗を解除することによってジェットノズルの噴出力によ
り滞留した糸条を急速に前進させて糸条の糸道を元の状
態まで復帰させる操作を行うことにより．ジェットノズ
ルへの供給量を変化させてループや絡まり．弛みの度合
を増減させ．太細斑のあるファンシーヤーンを製造する
方法を提案した。

・〜．こ・の方法では，糸条に付与する抵抗の頻度や時
間をマイクロコンピュータを利用したランダムパルス発
生ユニットで制御することにより，糸条の長手方向に任
意の長さ．間隔，頻度で太繊度部を形或できるのでファ
ンシーヤーンの製造方法として高く評価されるものであ
った。

しかしながら，上記の方法で得られるファンシーヤーン
についても．糸条の長手方向に間歇的に出現する太繊度
部が同じ太さである，大繊度部と細繊度部の太さの変化
が急激で人工的な感じが強い等の指摘があり．改良の必
要があった。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は，上記の点に鑑み．糸条の長手方向に任意の個
所に大細繊度差を与えるとともに．大細繊度差の程度が
変化していたり，あるいは，大繊度部と細繊度部の太さ
の変化が緩やかないわゆる紡錘形状の自然な太繊度部を
形戒することができるファンシーヤーンの製造方法を提
供することを技術的な課題とするものである。

（課題を解決するための手段） すなわち，本発明は，少なくとも１本のマルチフィラメ
ント糸条をジェットノズルに供給し，多数のループや絡
まり，あるいは弛みを生じさせて嵩高性を付与する加工
方法において，それぞれにジェットノズルを有する異っ
た加工錘にて．ジェットノズルへの糸条供給ローラとジ
ェットノズルとの間で供給糸条を糸道から間歇的に，か
つ．同調させて引出し，次いで前記糸道より引出された
糸条を元の位置まで急速に復帰させることによりジェッ
トノズルへの供給量を急激に増大させてループや絡まり
．弛みを有する太繊度部をそれぞれのジエｙ｝ノズルで
形成させ，これら互いに異ったジェットノズルから出た
複数本の糸条をジェットノズルと捲取りに至るまでの間
で，少なくとも１本の糸条の糸道長を異らせて合糸し．
捲取ることを特徴とするファンシーヤーンの製造方法を
要旨とするものである。

以下．本発明のファンシーヤーンの製造方法を詳細に説
明する。

それぞれにジェットノズル（以下．ノズルという。）を
有する異った加工錘にて．個々の加工錘の一対の供給ロ
ーラと引取ローラとの表面速度の差によって形威される
一定の過給率によって走行するマルチフィラメント糸条
を，供給ローラと引取ローラとの間に設けられたノズル
に通すことにより．一定の過給率，糸条走行速度，噴出
流のノズル圧力，糸条銘柄等の条件によって．ある一定
のループ，弛み等を有した糸条が形成される。この場合
．供給ローラとノズルの間で形威される糸道から，糸条
を引出して糸道を変更させ．次いで，糸道より引出され
た糸条を自由状態で元の位置まで急速に復帰させること
によりノズルへの供給量を増大させ．結果として供給糸
条の過給率を糸条長手方向に対して局部的に変化させる
ことにより，得られる糸条の繊度は，過給率の大なる部
分が局部的に大きくなり，糸条全体として太細を有した
ものとなる。

糸条の長手方向に形戒される局部的な・太細は，種々の
加工条件，すなわち，糸条走行速度．使用するマルチフ
ィラメント糸条の素材（密度，フィラメント数，断面形
状，捲縮の有無）ノズル圧力及び過給率等によって影響
されるが．基本的にこれらを一定にして加工を行う場合
，供給ローラとノズルの間で形威される糸道を変更させ
た場合，元の糸道に復帰する速度が早ければ．すなわち
．供給ローラと引取ローラによって形戒される一定の過
給率を極度に増大させれば，その際得られる糸条部分は
より太くなり．一方，この復帰速度が遅く．徐々に戻さ
れるならば，過給率はほとんど増大せず，その際得られ
る糸条部分には復帰による大化がほとんど見られない。

本発明は．このような現象を巧みに利用したもので種々
その用途によって適宜条件設定を行なえばよい。

本発明においては．少なくとも１本がマルチフィラメン
ト糸条である２本以上の糸条を同じ速度又は異る速度で
ノズルに供給し，そのうちの少なくとも１本のマルチフ
ィラメント糸条に引出しと復帰の操作を行なうこともで
きる。

すなわち，糸条の長手方向に太繊度部を局部的に形或す
るに当り．単に１本の糸条に部分的に過給率を増大させ
て得られる太繊度部の交絡状態よりも．複数本の糸条を
供給し，そのうちの一方の糸条は常に一定の過給率で変
化なく走行させ．他方の少なくとも１本のマルチフィラ
メント糸条に過給率の増大をもたらして得られる大繊度
部の交絡状態の方がより緊密に形成されるものとなる。

本発明では．各々の加工錘のノズルから出てきた糸条の
複数本のうち，少なくとも１本の糸条の糸道長さを異ら
せて走行させた後．合糸し，捲取る。

すなわち．糸道長が他の糸条より長くなった加工錘の糸
条の太繊度部は．糸道長が長くなった分だけ大繊度部の
位置が後方へずれる。このため．ずれの量が，糸道長が
長くなった加工錘の太繊度部とそうでない加工錘の太繊
度部が部分的に重なるように糸道長の相異量を一定にし
ておくと，ノズルへの糸条の供給量の増加のタイミング
が同調しているため引揃えられた糸条の太繊度・部はい
ずれも長手方向にその太さ変化が緩やかに太くなり．そ
して緩やかに細くなるいわゆる紡錘型の自然な太繊度部
とすることができる。

また．引揃える複数本の糸条のうち少なくとも１本の糸
条の糸道長を一定にせず，任意に又は特定の周期をもた
せて種々に変化させることにより．糸道長が変化しない
糸条の太繊度部と糸道長を変化させた糸条の大繊度部が
一部のずれを有して重なり合ったり．ずれがなく完全に
重なり合ったり．個々に分離して存在するため，長手方
向のみならず断面方向にも変化をもたせた太繊度差を有
するファンシーヤーンを得ることができる。

次に．本発明を図面により説明する。

第１図は，本発明の一実施態様を示す概略工程図である
。第１図において．バーンより引出されたマルチフィラ
メント糸条１．１１は，供給ローラ２，１２を経てノズ
ル３．１３に供給され．引取ローラ４，工４によって合
糸，捲取り工程へと送り出される。

ここで糸条１，１ｌがガイド５．１５，と６，ｌ６によ
り把持された部分ＡＢ，ａｂを．糸条引出具によって，
Ｃ，ｃ点まで糸道を徐々に変更させ，次に急速に復帰さ
せることにより．瞬間的に過給率を増加させてループ，
絡まり．弛み等を増大させ．局部的に太繊度部が形或さ
れる。この糸条引出具の運動は，マイクロコンピュータ
によるランダム信号によって制御され，糸条は間歇的に
．かつ，他の加工錘と同調して引出される。

引取ローラ４，ｌ４を経た糸条Ｆは，ガイド７により糸
道長が他糸条ｆとは異なって走行し．次いで，集束ガイ
ド８で他糸条ｆと合糸されて捲取装置９に捲取られる。

第２図は，本発明の他の実施態様を示す概略工程図であ
る。第２図において．パーンから引出されたマルチフィ
ラメント糸条１．２１は供給ローラ２．２２によってノ
ズル３へ，また，マルチフィラメント糸条１１．３１は
．供給ローラ１２，　３２によってノズル１３に供給さ
れ，引取ローラ４．１４によって合糸，捲取り工程へと
送り出されている。この場合，供給ローラ２，１２は．
供給ローラ２２．　３２よりも速い表面速度で回転して
いる方が好ましい。

糸条１，１１が供給ローラ２．１２から送り出された後
．ガイド５，１５とノズル人口Ｂ，　　ｂとで形或され
る糸道ＡＢ．ａｂを糸条引出具によって徐々に糸道ＡＣ
Ｂ，ａｃｂに変更させ，次いで急速に糸道をＡＢ，ａｂ
に復帰させることにより，糸条に大繊度部が局部的に形
戊される。この糸条引出具の運動は．前述した第１図の
場合と同様に．マイクロコンピュータによるランダム信
号によって制御され，複数の加工錘の糸条は，間歇的に
，かつ．同調して引出される。

次いで．引取ローラ４．ｌ４を経た糸条Ｆは，ガイド７
により糸道長が糸条ｆとは異なって走行し．次いで集束
ガイド８で糸条ｆと合糸されて捲取装置９に捲取られる
。

第３図（イ），（ロ）．（ハ），（二〉は．本発明で得
られるファンシーヤーンの実施態様を示す外観模式図で
あり．同図において，Ｘ−ｘ，’／’・ｙ．ｚ−２は，
ノズルへのマルチフィラメント糸条の供給量が急速に増
大された太繊度部である。

同図（イ）は，ノズルから捲取部に至るま・での糸道長
の変化量を一定にした場合で＝　Ｘ−ｘ　＊　Ｙ・ｙ．
Ｚ−ｚ間における各太繊度部のずれの長さも一定であり
，撚糸され捲取られると．緩やかな太さ変化を有する紡
錘型の大繊度部を有するファンシーヤーン〔同図（ロ）
〕となる。また，同図（ハ）は，糸道長の変化量を変化
させた場合を示すもので，Ｘ−ｘは太繊度部がずれて重
なった部分，２・２は離れ合った部分を示しており．１
本の太細複合糸の中に太さが種々変化した太繊度部が存
在する極めてファンシー感に優れたファンシーヤーン〔
同図（二）〕となる。

辺上のように，本発明のファンシーヤーンの製造法にお
いて．コンピュータ・ランダムパルス発信装置等の利用
によって，太繊度部の長さや間隔及び頻度を長手方向に
任意に制御できる上に糸条の巾方向の変化をもたらすこ
とができるのは，次の理由によるものである。

すなわち，ノズルへのマルチフィラメント糸条の供給量
を間歇的に変化させるのを，引゛揃える複数錘の糸条間
で同調させて行うため．各錘で加工される糸条に出現す
る太繊度部の位置が特定でき，このため，各糸条のノズ
ルから捲取りに至るまでの糸道長を特定したり変化させ
たることにより，ずれの量を特定したり，任意に変化さ
せて大繊度部を重ねたり，離したりできるからである。

本発明において，供給糸となるマルチフィラメント糸条
の素材としては，ポリエステル，ボリアミド，レーヨン
等，長繊維の素材であれば，なま糸，仮撚加工糸等いず
れでもよい。

また，前述した実施態様は．２錘単位で加工した例を示
したが，３錘以上の単位で加工してもよい。

さらに，糸条を供給ローラとノズルとの間及びノズルと
捲取装置との間で糸道長を変化させる手段としては．マ
イクロコンピュータを利用したランダムパルス発生ユニ
ットの制御下に糸条に間歇的に抵抗を付与した後，抵抗
を解除する方法．偏心カムや，マイクロコンピュータに
より制御されたエアシリンダーの間歇駆動によってガイ
ドの位置を移動させる方法等が′ある。

（実施例） 次に，本発明を実施例により具体的に説明する。

実施例ｌ 第１図に示した加工工程に従って．第１表の条件で加工
を行なった。なお，ノズル前における糸道変更は．偏心
カムにより左右運動する鉤状の糸条引出し具により．各
錘共マイクロコンピュータにより同調させて糸条を引掛
けて行い．引出し点にて糸条を瞬間的に離して行った。

第 １ 表 得られた糸条は．第２図（ロ）に示すような紡錘型の太
繊度部を有するファンシーヤーンであった。

このファンシーヤーンに，Ｚ方向３００回／ｍの追撚を
施した後，経糸及び緯糸に使用して経糸密度８２本／２
．５４ｃｍ，緯糸密度７４本／　２．　５４ｃｍで平織
物に製織した。

次いで．この織物を．減量率１５％でアルカリ減量し．
次いで染色加工する通常のポリエステル織物の染色加工
によって仕上げたところ．極めて自然な太さ斑のある織
物が得られた。

実施例２ 第２図に示した加工工程に従って，第２表の条件で加工
を行なった。

ノズル前の糸道変更は．左右運動する孔状のガイドに糸
条を通して引出し点Ｃまで運ぶことによって行い，次い
で．ガイドとともにバネの力によって糸条復帰を行なっ
た。

また．捲取り前に．ガイド７の位置をマイクロコンピー
タにより制御されたエアシリンダーの間歇駆動によりラ
ンダムに．かつ，間歇的に変化させた。

得られた糸条は，第４図（二）に示すような太繊度部を
長手方向にランダムな間隔で有するファンシーヤーンで
あった。

このファンシーヤーンを経糸及び緯糸に使用し．経糸密
度７２本／２．５４ｃｍ，緯糸密度６６本／２．５４ｃ
ｍで製織した後．通常のポリエステル織物の染色仕上げ
を行ったところ．極めて太い太繊度部や，やや細い太繊
度部．紡錘型をした大繊度部などが混在し．極めて変化
に富んだ織物が得られた。

（発明の効果） 以上述べたように，本発明のファンシーヤーンの製造方
法では．引揃える複数本のマル！フイラ？ント糸条に間
歇的に．かつ，同調してノズルへのマルチフィラメント
糸条の供給量を増減させ．各錘で加工された複数本の太
細糸の内，少なくとも１本の糸条は，ノズルから捲取り
に至るまでの糸道を異ら■せて走行させた後．合糸して
捲取るため，長手方向に任意の個所に太細繊度差を有す
るとともに，太細繊度差の程度が変化したり．あるいは
大繊度部と細繊度部との間の太さの変化が緩やかないわ
ゆる紡錘型の自然な太繊度部を有するファンシーヤーン
を製造することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は，本発明のファンシーヤーンの製造方法の一実
施態様を示す概略工程図，第２図は，本発明の他の実施
態様を示す概略工程図，第３図（イ）．（ロ），（ハ）
．（二）は．第１図の工程で得られるファンシーヤーン
の実施態様を示す外観模式図である。 ２．１２：供給ローラ ３．１３：ジェットノズル ４，１４：引取ローラ ５．１５：ガイド ６．１６：ガイド ガイド 集東ガイド 捲取装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）少なくとも１本のマルチフィラメント糸条をジェ
   ットノズルに供給し、多数のループや絡まり、あるいは
   弛みを生じさせて嵩高性を付与する加工方法において、
   それぞれにジェットノズルを有する異った加工錘にて、
   ジェットノズルへの糸条供給ローラとジェットノズルと
   の間で供給糸条を糸道から間歇的に、かつ、同調させて
   引出し、次いで前記糸道より引出された糸条を元の位置
   まで急速に復帰させることによりジェットノズルへの供
   給量を急激に増大させてループや絡まり、弛みを有する
   太繊度部をそれぞれのジェットノズルで形成させ、これ
   ら互いに異ったジェットノズルから出た複数本の糸条を
   ジェットノズルと捲取りに至るまでの間で、少なくとも
   １本の糸条の糸道長を異らせて合糸し、捲取ることを特
   徴とするファンシーヤーンの製造方法。