JPH0316430B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 以下の特徴： ａ 周囲の一部にワイヤーベルト１１，４１が巻
き付けられているガイドロール１２，４２のロ
ール外被１５，４５に、貫通したくぼみ（穿
孔）が、紙ウエブから抽出されワイヤーベルト
を通過した水（「白水」）を一時的に溜めるため
に備えられている， ｂ ガイドロール１２，４２のロール外被１５，
４５と該ロールから出て行くワイヤーベルト１
１，４１との間に楔形間隙が在り、該間隙内
に、ガイドロールの全長に亘つて延びていてロ
ール外被のくぼみから再流出する白水を排出す
るのに役立つ導水要素１３，４３が配設されて
いる， ｃ 導水要素１３，４３は、鋭角の縁（「尖端」
２０，５０が該楔形間隙の中に突き出ていて、
且つ、該尖端から始まつて、水２３をロール外
被に沿つて案内するロール外被１５，４５の方
を向いたガイド面２１を有している， ｄ 尖端２０，５０とワイヤーベルト１１，４１
のガイドロール１２，４２からの離反線２２，
５２との間の間隔ａが高々ガイドロール１２，
４２の外径Ｄの0.2倍である， ｅ ロール外被１５，４５の内部には、ロールの
全長に亘つて延び、ロール外被１５，１４の内
面の方へ開いて且つこれに当接し、少なくとも
二つの縦壁を有している固定のボツクス１８，
４６が在り、該ボツクスの内部空間はロール外
被の自余の内部空間に対して密閉されている， を有する、脱水すべき紙ウエブを支持する抄紙
機ワイヤーベルトのための導水要素を備えたガ
イドロールにおいて、 ｆ ボツクス１８，４６が、ロール外被１５，４
５の回転方向に見て最も後の縦壁２８が尖端２
０，５０の領域に在るように、導水要素１３，
４３に対して配設されている， ｇ ガイド面２１は、ガイドロール１２，４２の
周囲に沿つて且つガイドロールに対して小さな
間隔をもつて、連続的に延びている， ことを特徴とする、ガイドロール。

２ 導水要素１３，４３とガイドロール１２，４
２との間の内径間が、尖端２０，５０から始まつ
て、ロール外被１５，４５の回転方向に僅かづつ
増大していることを特徴とする、請求の範囲１に
よるガイドロール。

３ 尖端２０の領域に在る密閉レール２９が、何
れもロール外被１５の回転方向に関して、入口端
部３１が尖端２０の前方に、出口縁部３２が尖端
２０の後方に在るように、配設されていることを
特徴とする、ボツクスの縦壁が密閉レールを担持
していて、該密閉レールは夫々、ロール外被の回
転方向に関して入口縁部及び出口縁部により画成
されていてロール外被に当接している密閉面を有
している、請求の範囲１または２によるガイドロ
ール。

４ ワイヤーガイドレール９がサクシヨンボツク
ス１４の一部であることを特徴とする、導水要素
１３がワイヤーガイドレール９を有している、請
求の範囲１乃至３の何れかによるガイドロール。

明細書 本発明は請求の範囲１の前文による装置に関す
る。この種装置はドイツ公告明細書第2810692号
から公知である。そこでは、ガイドロールの後方
に、サクシヨンボツクスとして構成され得る支持
要素が配設されている。この支持要素は、鋭角の
縁部がロール外被とワイヤーベルトとの間の楔形
間隙内に突入している。そのロール外被に向いた
表面は導水面として解釈され得る。しかしなが
ら、この点についての詳細は該ドイツ公告明細書
には含まれていない。

同様の導水要素を備えた公知の装置が米国特許
明細書第3065789号に述べられている。しかしな
がらそこでは、長網抄紙機のテーブルロールが問
題になつている。この種テーブルロールは常にム
クのロール外被を有し且つ直線的に走行するワイ
ヤーベルトによつて接せられるだけで巻き付けら
れない。該米国特許明細書は、かかるテーブルロ
ールと走り去るワイヤーベルトとの間の楔形間隙
内に低圧が生じ、その強さに紙ウエブの脱水の強
度が依存するという事実に基づいている。速度が
高くなるにつれて脱水が強すぎる程に該低圧が強
くなり得ることが確認されている。従つて、そこ
に備えられた導水要素は、水を案内するだけでな
く、特に脱水の強度を調節するために役立つ。こ
のために、それはワイヤー進行方向に対して平行
に調整可能であり、鋭角の縁部とワイヤーベルト
のテーブルロールからの離反線との距離が変わ
る。それ以外には、該公知の導水要素はワイヤー
ベルトをガイドするガイドレールを有している。

それに対して、米国特許明細書第2900023号に
は、単独の即ちワイヤーガイドレールを有しない
導水要素が説明されている。再び、長網抄紙機の
テーブルロール上の装置が問題になつている。そ
こでも、導水要素はワイヤー進行方向に調整可能
である。そこでは、できるだけ大きな脱水効果が
得られるようにその間隔を調整することが望まし
い。

テーブルロールを備えた構成と対照的に、本発
明においては、紙ウエブの脱水がガイドロールの
巻き付き領域で行なわれる場合が呈示されてい
る。この場合、紙ウエブから抽出された水は先づ
ガイドロールのロール外被に備えられた凹部内に
侵入する。その後、ガイドロールのワイヤーベル
トの離反線の後方で、この水の少なくとも一部が
再びガイドロールから放出される。その際、この
水を排出することが困難になる。というのは、こ
の水の一部はワイヤーベルトと共にそして他の一
部はガイドロールと共に進行する傾向があるから
である。ガイドロールをサクシヨンロールとして
構成することによりこの困難を抑制することが試
みられた。しかしながら、この場合水の強いミス
テイングを引起こした。前述の困難は、抄紙機の
作動速度が高くなるに従つて強くなる。

本発明は、請求の範囲１の前文に示された装置
を、ガイドロールから出て来る水が最高の抄紙機
速度の場合にも支障なく排出され得るように、改
良するという課題に基づいている。

この課題の解決は、請求の範囲１の特徴部分に
示されている。それは基本的には、ボツクスの縦
壁が導水要素の尖端の領域に配設されることにあ
る。

本発明による構成の場合に排出すべき水が容易
に受水槽等内に導かれ得る非常に緊密な噴流を形
成していることが、意外にも確認され得た。本発
明による構成の作用は明らかに、言うに値する程
のミステイングが生じる前に即ち空気が楔形間隙
内にり得る前に、水粒子の案内が離反点の直後で
開始されることに基づいている。

それは、水粒子（白水）は回転するロール外被
の遠心力とボツクスの低圧による吸引力との平衡
によつてくぼみ（穿孔）内に溜められていて、離
反線を経過した後短い距離で、ボツクスの縦壁の
領域に到つて吸引力が作用しなくなることによつ
て、噴流としてガイド面方向へ飛ばされることに
よる。

水噴流が受水槽への途中で非常に僅かな空気の
みを持つて行き（運搬し）、従つて非常に小さな
範囲でしか水−空気−混合体が形成されないこと
が基本的な利点として認識された。かくして、受
水槽の大きさは、該受水槽内での白水からの空気
分離がもはや必要ではないから、従来の構成に対
して非常に減少され得る。非常に僅かな空気しか
外に排出される必要がないから、該槽の出口断面
も小さくされ得る。

前述の利点は、抄紙機の全体の大きさ特に全高
がより小さくなるように、多くの抄紙機において
使用され得る。かくして、抄紙機の製造コストだ
けでなく建物のコストも少なくなる。

本発明による構成のガイドロールは、例えば薄
葉紙抄紙機のストツクインレツトで例えば抄紙機
のブレストロールの代りになり得る。この場合、
それはサクシヨンロールまたはダンデイロールと
して構成され得る。これらすべての場合において
ガイドロールは単一のワイヤーベルトだけが巻き
付けられている。

しかしながら、本発明の好ましい利用分野はダ
ブルワイヤーフオーマーであり、本発明による構
成のガイドロールは所謂フオーミングロールの代
りになる。これは二つのワイヤーベルトが巻付け
られていて、その間に脱水すべき紙ウエブがあ
る。このために問題になる種々の型式のダブルワ
イヤーフオーマーは、例えばドイツ特許明細書第
2105613号または雑誌「ヴオツヘンブラツト、フ
ユール、パピエルフアブリカチオーン
（Wochenblatt ｆｕ¨ｒ Papierfabrikation）」
1980年第898頁から、それ自体公知である。

重要な他の利点は、請求の範囲１によるガイド
ロールがサクシヨンロールのように構成される
と、達成され得る。この場合、ロール外被の内側
に配設されたボツクスが導水要素の尖端に関して
請求の範囲４の特徴ｆに示されているように配設
されていることが重要である。即ち、驚くべきこ
とに、このように構成することによつて、その運
転時に該ボツクス内に自動的に低圧が発生するこ
とがわかつた。この低圧は本発明による構成の
種々の使用の場合にその作用を改善する，つま
り、白水の排水が完全に問題ない。請求の範囲１
に換言すれば、ガイドロールが如何なるサクシヨ
ン接続をも有しないことを意味する。しかしなが
ら特別の場合には、本発明による構成により発生
せしめられた低圧が十分ではないことが生じ得
る。この場合、サクシヨン装置を用いて、低圧が
強められ得る。低圧が自動的に生じる請求の範囲
４に示されたボツクスに加えて他のサクシヨンボ
ツクスが配設されることも可能である。すべての
場合において、本発明により外部から従来よりも
少ない低圧を適用すればよい。従つて、エネルギ
ー節約が達成される。

特に有利な効果が、請求の範囲３に示された構
成により達成され得る。

導水要素をワイヤーベルトに直接に当接せしめ
ることは、有利であるが、すべての場合に必要で
はない。このために、導水要素と一体化されたサ
クシヨンボツクスの一部でもあり得るワイヤーガ
イドレールが備えられる（請求の範囲１）。

本発明の三つの実施例が以下に図面に基づいて
説明される。

第１図はダブルワイヤーフオーマーの部分縦断
面図を， 第２図は薄葉紙抄紙機のワイヤー部の最初の部
分の概略部分縦断面図を， 第３図は第１図とは異なるダブルワイヤーフオ
ーマーの部分縦断面図を示している。

第１図においてダブルワイヤーフオーマーに関
して上方ワイヤー１０と下方ワイヤー１１が認め
られ、これらは共同で一つのガイドロール１２に
巻付き且つその直後にサクシヨンボツクス１４と
結合された導水要素１３上を走行する。一般に
「フオーミングロール」と呼ばれるガイドロール
１２は穴あきのロール外被１５と二つのサクシヨ
ン室１７及び１８を備えたサクシヨンボツクス１
６とを有している。「噴流ガイドシユー」とも呼
ばれる導水要素１３は、ロール外被１５とロール
１２から走り去るワイヤーベルト１０及び１１と
の間に在る楔形間隙内に配設されている。該導水
要素１３は尖端２０が前記間隙内に突入しており
且つロール外被１５に向いた導水面２１を有して
いる。該導水面２１とロール外被１５との間隙は
始めは即ち尖端２０ではかなり小さく、ロール外
被の回転方向に僅かである連続的に増える。最後
にそれは、第１図に示されているように白水受１
９のカバー壁に移行していてもよい。

二つのワイヤーベルト１０及び１１のロール外
被１５からの共通の離反線は、第１図において点
２２により示されている。該離反線２２と噴流ガ
イドシユー１３の尖端２０との間の距離ａはフオ
ーミングロール１２の外径Ｄのほゞ15％にしかな
らない。これによつて、ロール外被１５の穴から
出て来る白水が緊密な噴流２３としてガイド面２
１に沿つて流れて空気との混合も殆どなしに白水
受１９内に進む。この場合、室１８内には、これ
が外部から吸引装置によつて吸引されないときに
も、低圧が発生する。従つて、一般に、第一室１
７でのみ外部から吸引装置によつて低圧が生ぜし
められなければならない。

この場合、−ロール外被１５の回転方向に見て
−第二室１８の第二の縦壁２８がその密閉レール
２９を尖端２０の領域に配設せしめていることが
重要である。該密閉レール２９は入口縁部３１と
出口縁部３２とを有している。好ましくは密閉レ
ール２９は、各々ロール外被１５の回転方向に見
て入口縁部３１が尖端２０の前方にそして出口縁
部３２がこれの後方に在るように、配設される。

噴流ガイドシユー１３は、同時にワイヤーガイ
ド要素として役立つ。そのためにワイヤーガイド
面に好ましくはは耐摩耗性の被膜が備えられる。
これは図面においては特に強調されていない。

本実施例の場合、紙ウエブ中の白水は、室１７
の低圧による吸引力によつて、ワイヤーベルト１
１を通過してロール外被１５の穴内に達するが、
ここではロール外被１５の回転による遠心力と室
１７，１８の低圧による吸引力とが平衡状態を保
つため、白水はこの穴内に留められた状態でロー
ル外被１５と共に回転する。そして、白水が離反
線２２を通過して短い距離ａのみで密閉レール２
９の入口縁部３１へ到達すると、室１８の吸引力
は作用しなくなるので、白水はロール外被の穴か
ら遠心力によつて外被１５の回転方向へ緊密な噴
流となつて飛ばされる。密閉レール２９は導水要
素１３の尖端２０と対向する位置にあるから、白
水の噴流は間隔の小さい導水面２１へ飛ばされる
ことにより、抄紙機速度が極めて高速であつて
も、霧状になることはなく、又空気との混合も殆
どない。

第２図による実施例においては、ガイドロール
４２は、ストツクインレツト４０に関連せしめら
れ且つ単一のワイヤー４１のみが巻き付いている
ブレストロールである。再び、噴流ガイドシユー
４３が備えられていて、これは基本的な特徴にお
いて第１図の噴流ガイドシユー１３と一致してい
る。ワイヤー４１は、噴流ガイドシユー４３の後
方で形成された紙ウエブと共にそして他のワイヤ
ーベルト４４と共にフオーミングロール３９上に
進む。白水受は符号４９により示されている。

ブレストロール４２は穴あきのロール外被４５
とその中に配設されたサクシヨンボツクス４６と
を有し得る。しかしながらサクシヨンボツクスの
代りに、離反線５２と噴流ガイドシユー４３の尖
端５０との間の領域に密閉レール４８が配設され
ていてもよい。これは第２図において鎖線で示さ
れている。かゝる密閉レールにより、低圧による
と同様に、ロール外被の穴内に在る白水は離反線
５２の後方の所定区間を過ぎて初めてロール外被
４５から放出される。

二つの実施例（第１図及び第２図）において、
ガイドロール１２または４２は穴なしのロール外
被を備えていてもよい。ロール外被が外側から窪
み例えば盲孔を有していれば十分である。何らか
の方法で白水のための貯蔵容積が備えられること
だけが重要である。

第１図において、二つのワイヤー１０及び１１
は下から上に向う方向にフオーミングロール１２
上を走行する。しかしながらこれについては変更
も可能である。例えば第１図による構成を逆にす
ることもできる。その場合、その出口開口が再び
下方領域に配設されるように白水受１９を変形す
ることだけが必要である。噴流ガイドシユー１３
の作用はこの構成において変わらない。

本発明は、特に（紙を有するまたは紙なしの）
湿部用フエルトが通過するプレスニツプにおい
て、より多い水量がプレスロールの凹部内に達し
てプレスニツプの後方で再び放出されるときに
は、抄紙機のロールプレスに使用可能である。

第３図は、第１図に示されたダブルワイヤーフ
オーマーが変形され得る可能性を示している。変
らない部分は第１図におけると同じ数字により示
されている。

フオーミングロール１２′は、（単に図式的に示
された）蜂の巣状カバー３５を備えたムクのロー
ル外被１５′を有している。これは、縦に直立し
ているバンドから、好ましくは周囲方向に延びて
いる直線バンドと該直線バンドの間に在るジグザ
グ状バンドとから構成されている。このような蜂
の巣状カバーはドイツ公告明細書第2148361号か
ら公知である。この文書から、該バンドにフオー
ミングロール１２′の周囲方向に流れる蜂の巣か
ら蜂の巣への流れを許す開口を備えることも公知
である。このような蜂の巣状カバーは本発明の他
の思想に基づいて使用される。この場合、次の効
果が得られる：巻付きゾーンにおいてワイヤーベ
ルト１０及び１１の間に在る繊維素懸濁液から白
水が内側のワイヤーベルト１１を通つて蜂の巣内
に侵入すると（例えば矢印６参照）、それまでそ
の中に在る空気が回転方向と反対に退避する（矢
印５）。同様のことが導水要素１３の領域におい
て本発明にとつて明らかに決定的な方法で行なわ
れる：白水が再び蜂の巣状カバー３５から流出す
る（矢印８）位置において−再び逆方向に−空気
が蜂の巣内にそして蜂の巣から蜂の巣への途中で
逆流し得る（矢印７）。この事実は、ムクの不浸
透性ロール外被１５′にも拘らず白水が非常に緊
密な噴流として蜂の巣状カバー３５から流出して
その後ガイド面２１′に沿つてさらに流れること
に明らかに本質的に寄与する。（これに対して第
１図の場合には、空気はロール外被１５の穴を通
つて内側に漏出し、その後内側から再び穴の中に
流入する。） 本発明の他の有利な実施例は、導水面２１′が
少なくともその延長部の所定部分に亘つて周囲方
向にガイドロール（例えば１５′，３５）の外被
面に対して平行に延びている（半径Ｒ）ことに在
る。