JPH0315794B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 この発明は紙葉の表裏判別方法に関し、特に、
紙葉に印刷された図形の複数個所のパターンを検
出して比較することにより、精度の高い表裏およ
び天地方向の判別を行なうようにするための全く
新規な方法に関するものである。

ｂ 従来の技術 従来、用いられていたこの種の紙葉の表裏判別
方法としては種々あるが、その中で代表的なもの
について述べると、図面には示していないが、特
開昭56−27492号公報の方法を挙げることができ
る。すなわち、第１の方法として、日本銀行券の
場合、いずれもその縁辺に沿つて余白部があり、
この余白部の寸法が表裏によつて差があるため、
余白部と中央の図案部とを検出する物理眼を設
け、この物理眼によつてこの余白部の寸法差を検
出し表裏を判別する方法又、第２の方法として、
文献名を挙げていないが、紙葉の表裏の図形の差
を反射光の差として検出し、表裏を判別する方
法、さらに、第３の方法として、文献名を挙げて
いないが、紙幣に印刷されている磁気インク印刷
部の位置によつて判別する方法も採用されてい
る。

ｃ 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、この第１の方法では、余白部の
汚染、欠損、折れ、搬送時のブレ、斜行等により
反射光にバラツキが発生して判別精度が低下して
いた。又、物理眼による検出信号が“０”又は
“１”のデジタル信号であるため、複雑な模様で
ある場合には、十分な精度を得ることができなか
つた。又、この第２の方法においても、第１の方
法と同様に、汚染、斜行、搬送時のブレ等による
判別精度の低下が問題となつていた。この第３の
方法の場合には検出用磁気ヘツドの紙幣に対する
接触の強弱等により、判別精度が影響を受け、磁
気ヘツドと紙幣の接触によるジヤミング（詰ま
り）等の事故が発生しやすく、動作不良と云う根
本的な問題を抱えていた。

この発明は以上の問題点を解決するためになさ
れたもので、特に、紙葉の印刷図形の複数個所を
光学的に走査検出し、透過光量によるパターン信
号を標準パターン信号と比較することにより、紙
葉の表裏および天地方向を判別するようにした紙
葉の表裏判別方法を提供することを目的とする。

ｄ 問題点を解決するための手段 本発明による紙葉の表裏判別方法は、表裏の印
刷図形が異なると共に表裏各々の印刷図形が天
地、左右非対称である紙葉の表裏を判別する方法
において、前記紙葉の少なくとも３ケ所の各透過
光量を少なくとも３個の光検知部で検知し紙葉の
状態に基づく各透過光量の変化に応じた３種類の
信号を検出する第１工程と、 前記各種類の検出信号を少なくとも３個の検出
パターン整形部に印加し前記各透過光量に応じた
波形よりなる３種類のパターン信号を発生するた
めの第２工程と、 前記各種類のパターン信号と予じめ記憶されて
いる紙葉の状態に基づく少なくとも４組の組合せ
パターンよりなる標準パターン信号とを比較判別
部にて比較するための第３工程と、 よりなり、前記紙葉状態に応じた出力の組合せ
パターンに基づいて紙葉の天地方向及び表裏を判
別するようにした方法である。

ｅ 作用 本発明による紙葉の表裏判別方法においては、
紙葉の少なくとも３ケ所の各透過光量を少なくと
も３個の光検知部で検知し紙葉の状態に基づく各
透過光量の変化に応じた３種類の信号を用いて、
標準パターン信号と比較して検出しているため、
紙幣の図形のパターンに従つたパターン波形によ
り極めて正確に表裏が判別され、紙幣の汚染、欠
損、折れ等の影響を殆んど受けることなく高精度
に検出できる。

ｆ 実施例 以下、図面と共にこの発明による紙葉の表裏判
別方法の好適な実施例について詳細に説明する。

第１図はこの発明による紙葉の表裏判別方法を
実施するための判別回路構成図であり、透過光量
検出部１に設けられた第１、第２、第３光検知部
２，３，４は各々光源５および光検出素子６が互
いに一定の間〓Ｄを保持して対向配置されている
と共に、これらの各光源５は例えば白熱球より構
成され、各光検出素子６は光電素子（cds素子）
又は光半導体素子（光トランジスタ）等より構成
されている。

前記各光検知部２，３，４からの出力は第１、
第２、第３増巾部７，８，９で増巾された後、第
１、第２、第３検出パターン整形部１０，１１，
１２に入力されている。各検出パターン整形部１
０，１１，１２からの出力パターン信号は比較判
別部１３に入力されると共に、標準パターン記憶
部１４からの標準パターン信号と比較され、比較
判別部１３の出力端子１５から表裏判別出力信号
が出力される構成である。

以上のように構成された判別回路を用いてこの
発明による紙葉の表裏判別方法により、紙葉の表
裏を判別する場合について詳細に述べると、ま
ず、前記透過光量検出部１の各光源５と各光検出
素子６との間の間〓Ｄに、表裏の印刷図形が異な
ると共に表裏各々の印刷図形が天地、左右非対称
である紙葉１６（具体的には一万円紙幣）を水平
又はこれに近い状態で挿入すると共に、下記の条
件で搬送するものとする。

すなわち、 (1) 紙幣１６は短辺方向を搬送方向とすると共に
長辺方向を搬送方向と直交する方向とする。

(2) 紙幣１６の人物像の頭の方が先行する場合を
正方向とし、その逆の方向を逆方向とする。

(3) 紙幣１６の人物像の面を表面とし、その反対
面を裏面とする。

以上の条件で紙幣１６を前記間〓Ｄから挿入し
て搬送すると、各光検知部２，３，４から出力さ
れて各検出パターン整形部１０，１１，１２から
出力されるパターン信号の波形は、第２図のＡ，
Ｂ，Ｃ，Ｄに各々示される通りである。すなわ
ち、Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄの状態では各々３種類のパタ
ーン信号が得られているもので、各状態共、各光
検知部２，３，４を介して各検出パターン整形部
１０，１１，１２からのパターン信号が示されて
おり、符号Ａ−１０〜Ｄ−１０で示されるパター
ン信号は第１検出パターン整形部１０からの各種
状態の搬送紙幣１６による出力波形、符号Ａ−１
１〜Ｄ−１１で示されるパターン信号は第２検出
パターン整形部１１からの各種状態の搬送紙幣１
６による出力波形、符号Ａ−１２〜Ｄ−１２で示
されるパターン信号は第３検出パターン整形部１
２からの各種状態の搬送紙幣１６による出力波形
を各々示しているものであり、Ａは上面が表面、
裏面から透過光、正方向送り、Ｂは上面が裏面、
表面から透過光、正方向送り、Ｃは上面が表面、
裏面から透過光、逆方向送り、Ｄは上面が裏面、
表面から透過光、逆方向送りの場合を各々示して
いる。

上記の各パターン波形により、中央に位置する
第２光検知部３からの信号による正方向送りの場
合は、裏面からの透過光によるパターン波形Ａ−
１１と表面からの透過光によるパターン波形Ｂ−
１１とは同一である。

逆方向送りの場合は裏面からの透過光によるパ
ターン波形Ｃ−１１と表面からの透過光によるパ
ターン波形Ｄ−１１とは同一であると共に、前記
正方向送りの場合の逆波形となり、これによりそ
の紙幣１６の搬送方向が正方向か逆方向かを判別
することができる。

次に、左右に位置する第１および第３光検知部
２および４からの信号による透過光量の変化のパ
ターン波形については、裏面からの透過光による
正方向の第１光検知部２からのパターン波形Ａ−
１０と表面からの透過光による正方向の第３光検
知部４からのパターン波形Ｂ−１２は同一、裏面
から透過光による正方向の第３光検知部４からの
パターン波形Ａ−１２と表面からの透過光による
正方向の第１光検知部２からのパターン波形Ｂ−
１０は同一、裏面からの透過光による逆方向の第
３光検知部４からのパターン波形Ｃ−１２と表面
からの透過光による逆方向の第１光検知部２から
のパターン波形Ｄ−１０は同一、裏面からの透過
光による逆方向の第１光検知部２からのパターン
波形Ｃ−１０と表面からの透過光による逆方向の
第３光検知部４からのパターン波形Ｄ−１２とは
同一、裏面からの透過光による正方向の第１光検
知部２からのパターン波形Ａ−１０と裏面からの
透過光による逆方向の第３光検知部４からのパタ
ーン波形Ｃ−１２は互いに逆、裏面からの透過光
による逆方向の第１光検知部２からのパターン波
形Ｃ−１０と裏面からの透過光による正方向の第
３透検知部４からのパターン波形Ａ−１２とは互
いに逆、表面からの透過光による逆方向の第１光
検知部２からのパターン波形Ｄ−１０と表面から
の透過光による正方向の第３光検知部４からのパ
ターン波形Ｂ−１２とは互いに逆、表面からの透
過光による正方向の第１光検知部２からのパター
ン波形Ｂ−１０と表面からの透過光による逆方向
の第３光検知部４からのパターン波形Ｄ−１２と
は互いに逆となる。

従つて、以上の各パターン波形により紙幣１６
の表裏の判別は極めて簡単に行なわれることが理
解されるが、正方向および逆方向搬送の場合の表
裏判別方法は下記の通りである。

(1) 正方向の場合の表裏判別 パターン波形Ａ−１１とＢ−１１が互いに逆
で、第１光検知部２からのパターン波形がＡ−
１０、第３光検知部４からのパターン波形がＡ
−１２であれば表面、又、第１光検知部２から
のパターン波形がＢ−１０、第３光検知部４か
らのパターン波形がＢ−１２であれば裏面であ
り、この場合、パターン波形Ｂ−１０とＡ−１
２が同一、パターン波形Ａ−１０とＢ−１２と
が同一である。

(2) 逆方向の場合の表裏判別 第１光検知部２からのパターン波形がＣ−１
０で第３光検知部４からのパターン波形がＣ−
１２であれば表面、第１光検知部２からのパタ
ーン波形がＤ−１０で第３光検知部４からのパ
ターン波形がＤ−１２であれば裏面、この場
合、パターン波形Ｄ−１０とＣ−１２は同一、
パターン波形Ｃ−１０とＤ−１２とは同一であ
る。

ｇ 発明の効果 本発明による紙葉の表裏判別方法は、以上のよ
うに構成されているため、少なくとも３個の光検
知部から発生する紙幣の図形のパターンに従つた
パターン波形により極めて正確に表裏が判別さ
れ、紙幣の汚染、欠損、折れ等の影響を殆んど受
けることなく非接触状態で迅速に検出することが
できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明による紙葉の表裏判別方法を示
すためのもので、第１図は回路構成図、第２図の
Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄは紙葉送り時の光検出器からのパ
ターン波形図である。 １は透過光量検出部、２，３，４は光検知部、
５は光源、６は光検出素子、７，８，９は増巾
部、１０，１１，１２は検出パターン整形部、１
３は比較判別部、１４は標準パターン記憶部、１
５は出力端子、１６は紙幣である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 印刷図形の透過光量が天地及び左右非対称で
   ある紙葉を搬送状態において表裏判別する装置に
   おいて、 前記紙葉の３ケ所の各透過光量を３個の光検知
   部で検知し紙葉の状態に基づく各透過光量の変化
   に応じた３種類の検出信号を検出する第１工程
   と、 前記３種類の検出信号を検出パターン整形部に
   印加し３種類のパターン信号を発生するための第
   ２工程と、 前記３種類のパターン信号と、予め記憶された
   天地と左右の組合せによる４状態及び各状態３種
   類の合計12種類の標準パターンとを比較判別部に
   て比較するための第３工程とよりなり、 前記紙葉の紙葉状態に応じ前記光検知部から得
   られた出力波形のパターンに基づいて前記各光検
   知部の配置関係に対応する組合せ波形と比較を行
   い、前記光検知部からの出力波形のパターンが前
   記標準パターンのいずれかと一致した時、前記４
   状態の表裏に応じた表裏判別出力を生じるように
   したことを特徴とする紙葉の表裏判別方法。