JPH0315753Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は可動ルーバー窓用の羽根板クリツプに
関し、更に詳しくは羽根板の断面形状にほぼ対応
する形状の底壁とこれの周縁所要部に突設された
周側壁とからなつていて羽根板の端部に嵌合され
るクリツプ本体と、このクリツプ本体から一体延
出されていて窓枠に枢着されるようになつている
アーム片とを備えた可動ルーバー窓用の羽根板ク
リツプに関する。

（従来技術及びその問題点） 第５図は可動ルーバー窓に使用される従来の羽
根板クリツプを示しており、このクリツプはアル
ミ板をプレス加工して形成したもので、クリツプ
本体アとこれより一体に延出されたアーム片イと
からなり、クリツプ本体アは底壁ウの周縁に沿つ
て形成された周側壁エを有し、この周側壁エは窓
閉鎖時に室内側に位置する側壁部オと室外側に位
置する側壁部カとからなり、更に室内側側壁部オ
は密閉鎖時に上端部側となる側壁部分オ′を、ま
た室外側側壁部カは同じく窓閉鎖時に下端部側と
なる側壁部分カ′を含んでなり、而して羽根板と
してのガラス板をこのクリツプに取付ける場合に
は予め各クリツプを窓枠側に取付けておいて各ガ
ラス板の左右両端部を左右１対のクリツプに嵌合
させるようになつている。

ところで、このような従来のクリツプでは特に
窓閉鎖時に下端部となつて室外側に露呈する側壁
部分（第５図に２点鎖線で描かれた円Ｂで囲まれ
る部分）が横断面（底壁ウと平行な面に沿つた断
面）Ｌ字状となつていて、しかもその側壁部分の
根元部分が切り欠かれている。（その切欠部をキ
で示す）ため、ガラス板の挿入操作がし易くなる
反面、室外側からドライバー等を使えばその側壁
部分を簡単にこじ曲げることができてガラス板を
難無く外すことができるといつた、防犯上きわめ
て不都合な問題があつた。

（問題点を解決するための技術的手段） 本考案は上記の問題点に鑑み、窓閉鎖時に外部
からドライバー等で簡単に壊されることのないよ
うにしたクリツプを提供することを目的としたも
ので、そのための技術的手段は、窓閉鎖時に下端
側端縁となる底壁１４の端縁から支持片１７を内
向きに直角に一体突設すると共に、周側壁１５の
室外側側壁部１５ｂ下端から一体延出した延出部
分１５b₀を前記支持片１７にサンドイツチ状に捲
着させてなることを特徴とする。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面にもとづいて説明す
る。

第１図及び第２図は可動ルーバー窓の要部を縦
断面図及び横断面図にてそれぞれ示したものであ
る。これらの図において１は建物の窓開口部２に
取着された窓枠で、上横枠３、下横枠４及び左右
の竪枠５，５によつて構成されている。この窓枠
１内には羽根板としての複数枚の横長矩形状ガラ
ス板６…が横方向に並列状態に配置されていて、
各ガラス板６の両端部は左右の補助竪枠部材７，
７にそれぞれ枢着されたクリツプ８，８により保
持され、各クリツプ８はハンドル９によつて操作
される回転駆動機構１０により枢軸即ちピン１１
を中心として同時に所要角度回転せしめられ、そ
れによつて各ガラス板６が前記ピン１１を中心に
一斉に傾転して窓の開閉を行うようになつてい
る。

各クリツプ８は例えばステンレス板をプレス加
工して作られたもので、第３図に詳細に示すよう
に、クリツ本体１２とこのクリツ本体１２から一
体延出されたアーム片１３とから構成されてい
て、クリツプ本体１２は、ガラス板６の断面形状
にほぼ対応する形状の底壁１４とこの底壁１４の
周縁部に沿つて突設された周側壁１５とからな
り、この周側壁１５は窓閉鎖時に室内側に位置す
ることになる側壁部１５ａと室外側に位置する側
壁部１５ｂを含み、室外側側壁部１５ｂは底壁１
４の長手方向一側縁のほぼ全域に形成されている
が、室内側側壁部１５ａは他側縁の上端部域のみ
に形成されていて、その先端部は内向きに折曲延
設されて上端側壁部分１５a₀を形成している。
尚、室内側側壁部１５ａにはスリツト状の切欠部
１６が設けてあつて、上端側壁部分１５a₀を外向
きに押し開いてガラス板６の挿入、取出しができ
るようになつている。一方、底壁１４には窓閉鎖
時に下端側に位置する端縁（下端側端縁）から支
持片１７が内向きに直角に一体突設されていて
（第４図参照）、この支持片１７には、室外側側壁
部１５ｂの下端から延出された延出部分１５b₀
が、第４図で示すように一旦該支持片１７の外側
面に沿うように折曲されたのち該支持片１７の内
側面に沿うよう折り返されることによつて、、第
３図に示すようなサンドイツチ状に捲着された状
態となつている。こうした支持片１７と室外側側
壁部１５ｂの下端延出部分１５b₀とのサンドイツ
チ構造により、周側壁１５の下端側壁部分が非常
に堅牢なものとなり、しかもガラス板６を嵌め込
んでしまえばその延出部分１５b₀の先端縁が内奥
部に隠されるようになるため、外部からドライバ
ー等で簡単にこじ曲げられることは不可能とな
る。

また、前記アーム片１３にはその基端部側と先
端部側とにピン孔１８，１９が穿設され、そして
このアーム片１３の一側縁に沿つて突条壁２０が
突設されている。また、前記底壁１４上面にはそ
の全面に亘つて植毛シール材２１が装着されてい
る。この植毛シール材２１は合成樹脂のシートか
らなる基板２１ａに合成樹脂からなるシール用植
毛材２１ｂが植設されたものであつて、基板２１
ａが底壁１４の上面に接着材によつて貼着されて
いる。

前記各クリツプ８は第１図、第２図に示される
ようにアーム片１３を介して窓枠１の補助竪枠部
材７に枢着される。すなわち、アーム片１３はそ
の基端部がピン孔１８に挿入されたピン１１によ
つて補助竪枠部材７に枢着されそして先端部がピ
ン孔１９を介してピン２２によつて連動操作杆２
３に枢着される。この連動操作杆２３はリンク２
４を介して駆動アーム２５に枢支連結され、この
駆動アーム２５は窓枠１における片方の竪枠５に
ブラケツト２７を介して装置されたウオームギヤ
（図示省略）のウオームホイールと一体に回転す
るように設けられている。尚、斯るウオームギヤ
と駆動アーム２５とリンク２４と連動操作杆２３
とにより回転駆動機構１０が構成される。したが
つて、各ガラス板６が第１図の実線で示すような
窓閉鎖位置にある状態から、ハンドル９を窓開放
方向に回転操作すると、ウオームギヤを介して駆
動アーム２５が第１図に関し反時計廻りに回動
し、このアーム２５の回動によりリンク２４を介
して連動操作杆２３が同図の１点鎖線の位置へと
揺動し、それにより各クリツプ８のアーム片１３
がピン１１を中心に同図に関し時計廻りに回動
し、その結果各ガラス板６が一斉に同図の１点鎖
線位置まで傾転して窓開放することになる。ま
た、斯る窓開放状態からハンドル９を逆方向に回
転させると各ガラス板６はこの第１図の実線で示
される窓閉鎖位置へと一斉に傾転するに至る。

尚、上記各クリツプ８は補助竪枠部材７に予め
取付けてあり、また各補助竪枠部材７はクリツプ
８…を取付けた状態で各竪枠５に対し固定され、
こうして各補助竪枠部材７が固定された状態で左
右の相対向するクリツプ８，８に対し窓枠１の室
内側からガラス板６が挿着されるようになつてい
る。このガラス板６の左右のクリツプ８，８への
挿着操作にあつては、各クリツプ８の周側壁１５
における室内側側壁部１５ａの上端側壁部分１５
a₀を弾性変形により外向きに押し曲げて入口を広
く開けた状態においてその入口からガラス板６を
挿入し、挿入後その弾性変形部分を元の状態に戻
してやればよい。しかして各ガラス板６の両端部
はクリツプ８，８により保持固定されることにな
る。尚、第１図において２６は各クリツプ８とガ
ラス板６との間に介挿されるスペーサである。

（考案の効果） 本考案による羽根板クリツプは、窓閉鎖時に下
端部となるクリツプ本体の側壁部分が、底壁１４
の下端縁から直角に一体突設された支持片１７と
これに捲着された室外側側壁部１５ｂの下端延出
部分１５b₀とのサンドイツチ構造からなる非常に
堅牢な側壁部分を形成するため、当該周側壁部分
が室外側からドライバー等によつて簡単に壊され
ることがなくなり、したがつて防犯上有利となる
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は可動ルーバー窓の縦断面図、第２図は
同上の横断面図、第３図は可動ルーバー窓に使用
されているクリツプを示す斜視図、第４図は支持
片に室外側側壁部の下端延出部分を捲着している
態様を示す説明斜視図、第５図は従来のクリツプ
を示す斜視図である。 １……窓枠、６……ガラス板（羽根板）、８…
…クリツプ、１２……クリツプのクリツプ本体、
１３……クリツプのアーム片、１４……底壁、１
５……周側壁、１５ａ……室内側側壁部、１５ｂ
……室外側側壁部、１５b₀……下端延出部分、１
７……支持片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 羽根板の断面形状にほぼ対応する形状の底壁と
   これの周縁所要部に突設された周側壁とからなつ
   ていて羽根板の端部に嵌合されるクリツプ本体
   と、このクリツプ本体から一体延出されていて窓
   枠に枢着されるようになつているアーム片とを備
   えた可動ルーバー窓用の羽根板クリツプにおい
   て、窓閉鎖時に下端側端縁となる前記底壁の端縁
   から支持片を内向きに直角に一体突設すると共
   に、前記周側壁の室外側側壁部下端から一体延出
   した延出部分を前記支持片にサンドイツチ状に捲
   着させてなることを特徴とする可動ルーバー窓用
   の羽根板クリツプ。